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第4章 入学試験編
第4章ー㉜
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私はリーフ・エンドレッド。ソワレル学園の理事を務めている。現在、学園の入学試験が開始され、その様子を密かに会場内に百以上仕込んでいたカメラを通して教師陣と見物していた。違反者や重傷者が出ないかを監視しつつ、気になった受験者達の様子をお茶を飲みながら観察していた。
「ふむ」
お茶を一口飲みながら、私は一人の受験者の動向を観察していた。サダメ・レールステン。彼とは少し前にリーヴ村という村で面識があり、自ら今回の試験に誘った手前、どうしても彼の実力を見ておきたかった。
一度、村を襲撃した賊と対峙している様子を見た事はあるが、人質を取られていたせいで彼は身動きが取れない事態に陥っていた。仕方なく私が対処に当たり事なきを得たが。
「さて、今回は見られるかな」
もう一度お茶を口に運びながら彼の様子を伺っていた。彼は今、単独で動いている。一緒に来た彼女とははぐれてしまったようだが、合流は諦め脱出口を探しているようだ。賢明な判断である。早い者勝ちのこの試験に大事なのは時間の効率化だ。一分一秒無駄な行動は避け、脱出口を探す事にリソースを割かなければならない。合流して一緒に脱出口を探して所で入れるのは一人だけ。ここで不用意な優しさは自分達を苦しめかねない。言ってしまえば悪手だ。彼ならひょっとしたらと思ったが、冷静に判断出来る子みたいで安心した。
「今更ですけど、今回の試験、滅茶苦茶ぬるくないですか?」
「ん?」
暫く観戦していると、後ろで見ていた緋色髪の女性教諭から不満の声が漏れていた。私を前に堂々とした出で立ちで愚痴を零すのは中々の豪胆の持ち主である。だが、そういう所は素直に尊敬する。
「去年の仮想魔物の討伐数ランキングの方がマシじゃないですか? 運ゲーすぎる。これじゃあ実力のない奴が運良く入学しちまいますぜー? そんな奴がウチに入ったと聞きゃあ評判下がっちまいますぜ?」
彼女は、ため息を吐きながら遠慮なく愚痴をどんどん零す。そのせいか、周囲の空気が段々悪くなり始めている。
「ちょっ、キリヤ先生。いくらなんでも理事長の前でそんなこと仰るのは…」
「あ゛あ゛ん?!」
それに他の職員が気づき、男性教諭が慌てて止めに入ろうとする。彼女の名はキリヤ・オーヴェン。男勝りの性格、というよりかはただ喧嘩っ早い性格故、このままでは力ずくの喧嘩になりかねない。現に彼女は今まさに肩を回して臨戦態勢になっている。ここは私が場を収めねば。
「…運も実力のうちという言葉があるが、私は少し違うと思っている」
「あん?」
私が話し始めると、彼女の視線はこちらに向いていた。このまま私の話を聞かせることにした。
「去年、重症による中退者二十名、不登校者八名、死者三名と例年と比較して類を見ない記録を出している。そういう事態になったのは何故だか分かるかい?」
「はあ? そりゃあ全員実力がなかっただけだろ?」
「うむ。一部を除いてだが、授業にはしっかり付いて行けていた生徒が多数居たと記憶しているけどね?」
「うっ、それは…」
「私はね、運がなかったが故に起きた事態だと思っている」
「? あの、それは、どういう事ですか?」
彼女と会話をする最中、私の話に疑問を浮かべた男性教諭が手を上げて私に問いかけていた。せっかくのいい機会だ。私の見解を皆に聞かせることにしよう。
「ふむ」
お茶を一口飲みながら、私は一人の受験者の動向を観察していた。サダメ・レールステン。彼とは少し前にリーヴ村という村で面識があり、自ら今回の試験に誘った手前、どうしても彼の実力を見ておきたかった。
一度、村を襲撃した賊と対峙している様子を見た事はあるが、人質を取られていたせいで彼は身動きが取れない事態に陥っていた。仕方なく私が対処に当たり事なきを得たが。
「さて、今回は見られるかな」
もう一度お茶を口に運びながら彼の様子を伺っていた。彼は今、単独で動いている。一緒に来た彼女とははぐれてしまったようだが、合流は諦め脱出口を探しているようだ。賢明な判断である。早い者勝ちのこの試験に大事なのは時間の効率化だ。一分一秒無駄な行動は避け、脱出口を探す事にリソースを割かなければならない。合流して一緒に脱出口を探して所で入れるのは一人だけ。ここで不用意な優しさは自分達を苦しめかねない。言ってしまえば悪手だ。彼ならひょっとしたらと思ったが、冷静に判断出来る子みたいで安心した。
「今更ですけど、今回の試験、滅茶苦茶ぬるくないですか?」
「ん?」
暫く観戦していると、後ろで見ていた緋色髪の女性教諭から不満の声が漏れていた。私を前に堂々とした出で立ちで愚痴を零すのは中々の豪胆の持ち主である。だが、そういう所は素直に尊敬する。
「去年の仮想魔物の討伐数ランキングの方がマシじゃないですか? 運ゲーすぎる。これじゃあ実力のない奴が運良く入学しちまいますぜー? そんな奴がウチに入ったと聞きゃあ評判下がっちまいますぜ?」
彼女は、ため息を吐きながら遠慮なく愚痴をどんどん零す。そのせいか、周囲の空気が段々悪くなり始めている。
「ちょっ、キリヤ先生。いくらなんでも理事長の前でそんなこと仰るのは…」
「あ゛あ゛ん?!」
それに他の職員が気づき、男性教諭が慌てて止めに入ろうとする。彼女の名はキリヤ・オーヴェン。男勝りの性格、というよりかはただ喧嘩っ早い性格故、このままでは力ずくの喧嘩になりかねない。現に彼女は今まさに肩を回して臨戦態勢になっている。ここは私が場を収めねば。
「…運も実力のうちという言葉があるが、私は少し違うと思っている」
「あん?」
私が話し始めると、彼女の視線はこちらに向いていた。このまま私の話を聞かせることにした。
「去年、重症による中退者二十名、不登校者八名、死者三名と例年と比較して類を見ない記録を出している。そういう事態になったのは何故だか分かるかい?」
「はあ? そりゃあ全員実力がなかっただけだろ?」
「うむ。一部を除いてだが、授業にはしっかり付いて行けていた生徒が多数居たと記憶しているけどね?」
「うっ、それは…」
「私はね、運がなかったが故に起きた事態だと思っている」
「? あの、それは、どういう事ですか?」
彼女と会話をする最中、私の話に疑問を浮かべた男性教諭が手を上げて私に問いかけていた。せっかくのいい機会だ。私の見解を皆に聞かせることにしよう。
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