転生勇者が死ぬまで10000日

慶名 安

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第4章 入学試験編

第4章ー㊼

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 「いやはや、重ね重ね迷惑を掛けてしまい申し訳ござらんサダメ殿」

 「いや、うん、俺は気にしてないから。あははは…」

 あの後、少々気まずい雰囲気が流れ、自分はミオと侍口調の彼女と三人で建物内の隅っこの方に移動していた。そこで彼女は恥ずかしそうに頬を赤らめ、自身の後頭部を擦りながらも正座して自分に謝罪の言葉を述べていた。まあ、彼女も彼女で恥ずかしい思いをしていたしな。

 彼女の名前はマヒロ・トーエン。歳は十六で日本人のような弥生顔をしている。長い黒髪を後ろで束ねてポニーテールにしていたり、服装も紫を貴重とした袴を着ており、如何にも大和撫子を意識していそうな風貌をしている。動きやすさ重視だからか、スカートの丈は少々短めではあるが。あと、日本刀のような刀を所持しているから侍のことも意識していそうだ。

 「にしても、サダメ殿は凄いでござるな。あそこに倒れていた二人、サダメ殿がやったのでござろう?」

 「えっ? あ、ああ、うん。そうだけど…」

 「ほー、物騒な銃器を持っていたようでござるが、一体どのような方法で倒したのでござるか?」

 「え、えーっと、それは…」

 「よければ今度、拙者と手合わせしてござらぬか?!」

 「い、いや、それはちょっと…」

 「…」

 しかし、彼女はなんというか、かなり積極的な性格をしているな。謝罪した後、目を輝かせながらグイグイ話を進めてくる。圧が凄くて彼女の問いかけに最後まで答えきれない。隣に居るミオに至っては会話に入ることすら出来ていない。悪気はなさそうだから拒絶することも出来ない。困ったな。

 「サダメ殿…」

 「あー、そのー、『殿』はいらないかな。なんか呼ばれると歯痒いし、同い年なんだからかしこまる必要もないでしょ?」

 「そうでござるか?」

 「それなら、私もミオでいいよ。たしかに、これからクラスメイトになる子に殿呼びされるのはちょっと変な感じだし」

 「そうでござったか。拙者、少々特殊な家柄で厳しい故、皆を敬う気持ちで接しておったのだが、嫌だというなら仕方ないでござるな。以後、お二人の呼び名には気を付けるでござる」

 「別に嫌って言ってる訳じゃないんだけどね」

 とりあえず、自分とミオは殿呼びを辞めてもらうことにした。殿って言われるとなんだか照れくさい。自分が戦国時代とかに産まれてたらあまり気にならなかったのかもしれないが。

 それにしても、侍みたいな口調といい、日本刀を所持していることといい、かなり日本文化が浸透しているように見える。自分が産まれるかなり昔の日本文化ではあるが。

 彼女の家は特殊で厳しいらしいが、ひょっとして彼女の家系は日本となにか繋がりがあるのだろうか。もしかすると先祖が元日本人だった可能性もある。

 時代は違えど同じ日本人。気になる。彼女の家柄について気になった自分は情報を得ようとなにか問いかけようとしていた。

 「なあマヒロ、お前の家って…」

 「皆、遅れてすまない」

 が、そのタイミングでリーフさんが姿を現した。
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