転生勇者が死ぬまで10000日

慶名 安

文字の大きさ
134 / 500
第4章 入学試験編

第4章ー㊽

しおりを挟む
 「つい先程、試験に受からなかった者達への説明やらエールの言葉を送ったりやらして少々時間を食ってしてしまった。申し訳ないね」

 リーフさんは皆の元にゆっくり近づきながら事情を説明していた。要するに不合格者から先に用件を済ませていたから遅れたということなのだろう。きっと納得いかない者が現れ、説得に時間が掛かってしまったのだろう。あれだけの数がいれば、そうなってもおかしくはなさそうだ。特にあの二人はな。

 「それでは改めて。ここに居る者達は試験を突破した者達だ。というわけで諸君、合格おめでとう」

 事情説明が終わり、今度は合格者達に拍手を送るリーフさん。周りに居た職員らしき人達もつられるように拍手を送っていた。

 「君達はこれで我が学園の生徒の一員となった。それで今後の予定だが、この後すぐに学生証の発行をしてもらう。色々記入事項があるけど、分らない事は遠慮せず職員に聞いてくれて構わない。といっても、そう難しい事は書かないだろうから聞く必要もないだろうけど。学生証は当日には発行出来るから、今日のうちに受け取っておいてくれたまえ。今後使う機会が増えるだろうからね」

 リーフさんは説明しながら手元にある銅のプレートを翳して説明を続ける。あれは職員が身に着けているプレートと同じで学園の関係者の証明なのだろう。学生証だから当然か。

 「入学式は二週間後。それまでの間に一度家に戻って家族に報告したり寮生活に向けて準備するなり色々してくれたまえ。遠方の者は事前に馬車を出すから今日で申し出てくれ。馬車に乗る際は学生証の提示が必要になるかもしれないから忘れないように。説明は以上だが、なにか質問はあるかな?」

 「…」

 今後の予定と注意事項を簡潔に説明し、リーフさんの話は終わった。質問を受け付けてはいたが、特に誰も手を上げたりするような行為はなく、暫し沈黙の時間が流れた。

 「それでは、説明会はこれにて終了だ。改めて言わせてもらうが、諸君、合格おめでとう。これからはこの学園の生徒として恥ずかしくない行動を取るように心がけて欲しい。大変なのはこれからかもしれないが、大きな壁を越えれば間違いなく君達は過去の自分達より一皮むける事が出来るだろう。私達職員一同もその為のサポートは惜しまないから、目一杯頑張ってくれたまえ。では、解散!」

 最後はリーフさんの大きめの手拍子一回にて説明会は終了した。その後は職員に促されるように学生証の発行手続きをする形となった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚

熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。 しかし職業は最強!? 自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!? ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。

暗殺者から始まる異世界満喫生活

暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。 流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。 しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。 同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。 ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。 新たな生活は異世界を満喫したい。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

転生特典〈無限スキルポイント〉で無制限にスキルを取得して異世界無双!?

スピカ・メロディアス
ファンタジー
目が覚めたら展開にいた主人公・凸守優斗。 女神様に死後の案内をしてもらえるということで思春期男子高生夢のチートを貰って異世界転生!と思ったものの強すぎるチートはもらえない!? ならば程々のチートをうまく使って夢にまで見た異世界ライフを楽しもうではないか! これは、只人の少年が繰り広げる異世界物語である。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

処理中です...