転生勇者が死ぬまで10000日

慶名 安

文字の大きさ
201 / 499
第6章 初任務編

第6章ー⑩

しおりを挟む
 「でも先生、殺しに来る相手を無力化するっていっても、今の私達じゃあとても…」

 「ああ、そうだろうな。だから今回、こんなものを持ってきましたー」

 賊と接敵した場合による対応を不安に感じていたミオが先生に助言を求めようとしていた。すると、先生は教壇の机から何かを取り出した。

 「…木刀?」

 取り出した物は、ごく普通の木刀。たしかにそれならマヒロの魔剣のように人を斬らずに済むが、それだけでなんとかなるものなのか?

 「この木刀は特殊な加工が施されてて、これにちょっと魔力を込めると…」

 「ッ!?」

 と思っていたが、先生が木刀の柄を握り、魔力を少し流すと木刀からバチバチと電が流れ出て来た。まさかのスタンガン式なのかそれ。

 「これなら相手を殺さずに無力化出来る。因みにだが、許容魔力量はあまり多くないから魔力流しまくると壊れちまう可能性がある。だから使う時は相手に触れられそうなタイミングで使え」

 「それはいいんだけどさー、俺、剣術なんて習ってないからもっと短めの方がいい気がするんですけどー?」

 「残念ながら今はこれしかない。剣に自身がないなら今から素振り一万回すれば多少扱えるようになるだろ」

 「いやいやいや、一万回って。今からじゃあそんな回数振れないって…」

 「嫌なら俺が直接身体に教え込んでやる。前に出ろ」

 「が、がんばりまあぁすぅ」

 使い方の説明が終わると、剣術を習っていないギリスケはコンパクトサイズのものを要望するが、どうやら今はこれしかないようだ。ギリスケは先生の圧に負けて引き下がってしまったが、たしかに素人には扱いづらそうではあるな。ミオやフィー辺りもきつそうか。

 「まあ、お前が居ればなんとかなるだろ。ほれ、試しに振ってみろ。剣術に長けたお前の意見も聞いておこう」

 「う、うむ」

 試しに先生はマヒロに木刀を渡し、テストするよう促した。腕の立つ彼女なら扱えて当然だろうが、魔剣とは勝手が違うだろうし、はたして大丈夫なのだろうか。

 「ふむ。長さは魔妖より少々長めでござるな。重さもこっちの方がある故、素人では少々手こずるであろうな。現に拙者も鞘のない刀を扱うのは不慣れであるからして、ちゃんとものに出来るのに暫し時間を要するでござる」

 「そうか。改善の余地あり。後で開発の者に伝えておこう。今からならギリギリ調整してもらえるかもしれないしな」

 「流石に間に合わせてくれねーと困るんですけど」

 「こればかりは専門外だ。一応間に合わせて欲しいとは伝えておくが、出来るかどうかは開発者本人次第だな」

 彼女は渡された木刀を構え、素直な意見を述べるが、彼女自身も使い心地はよくなさそうだ。剣術において右に出る者が居ない彼女が言うからには間違いないだろう。はたして、任務当日までに完成品が間に合うかどうか。にしても、木刀に雷を発生させるという発想は中々いい案だと思うが、まさかこの武器作ったのって。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅
ファンタジー
【幼少期】 双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。 ここはもしかして異世界か?  だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。 ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。 【学院期】 学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。 周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。  

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚

熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。 しかし職業は最強!? 自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!? ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。

暗殺者から始まる異世界満喫生活

暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。 流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。 しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。 同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。 ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。 新たな生活は異世界を満喫したい。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

封印されていたおじさん、500年後の世界で無双する

鶴井こう
ファンタジー
「魔王を押さえつけている今のうちに、俺ごとやれ!」と自ら犠牲になり、自分ごと魔王を封印した英雄ゼノン・ウェンライト。 突然目が覚めたと思ったら五百年後の世界だった。 しかもそこには弱体化して少女になっていた魔王もいた。 魔王を監視しつつ、とりあえず生活の金を稼ごうと、冒険者協会の門を叩くゼノン。 英雄ゼノンこと冒険者トントンは、おじさんだと馬鹿にされても気にせず、時代が変わってもその強さで無双し伝説を次々と作っていく。

処理中です...