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第7章 期末試験編
第7章ーおまけ3
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「話って、何?」
試験が終わった後、私はアラガに連れられて待機室の裏側まで移動していた。試験で一緒だったとはいえ、二人っきりになると妙に緊張する。以前よりかは彼に対する恐怖心は薄れた気がするけど、何を言われるのか分からない怖さはあった。わざわざ二人っきりで話を設けてくる辺りは特に。
けど、不思議と私も同じ気持ちではいた。いつか彼とはちゃんと話したいとは思ってた。彼から来るのは正直予想外な展開だったけれど。
とりあえず先に彼の用件を聞いてみることにした。このタイミングだからほぼ間違いなく試験のことに関してだろうな。説教とかだったらちょっと嫌かもな。邪魔しちゃったし、根にもたれてたらどうしよう。
「…お前、あの時何か言いかけてたよな?」
「え? あの、とき?」
「オーヴェンの奴がお前の防御魔法ぶっ壊す前だ。あの時、何を言おうとしてた?」
「…あ、ああ。あの時ね。はいはい」
幸いな事に私の読みは外れていた。どうやら私がアラガに蹴られた後、何か言いかけた際にオーヴェン先生によって阻止されてた時の話をしているみたい。そういえば言いそびれてたっけ。まあ、これもいい機会かもしれないし、タイミング的にも悪くない話だと思う。
「あの時言いたかったことなんだけど、私と『友達』にならない?」
「…は?」
そう思った私は、ぶちまける覚悟で手を差し伸べながら口を開く。
彼が心を閉ざし、あそこまで復讐に執着している原因はきっと気の通った仲間、友達が居ないからだ。彼には守る者が何もないんだ。家族も、友人も、恋人も。だからこんな破滅的な行動を平気で取ったりするんだと思う。
守る者、もしくは居なくなると寂しくなるような人が居れば彼の考えも変わる気がする。私にそこまでの関係を築けるかは分からないけど、まずは人と仲良くなる事を覚えて欲しい。それがいずれ大切な人を見つけるきっかけになるかもしれないから。
だから私は彼と親友になりたい。勿論、理由はそれだけじゃない。彼の事ももっと知りたいっていう理由もあるし、そのうちサダメ達とも仲良くして欲しいという気持ちもあったから。
そうなったらきっと学園生活もより一層楽しくなると思う。サダメだって男友達が増えるのは悪くない話だ。おまけに彼の成績は優秀。切磋琢磨する仲間としても申し分ない。
目的は違えど二人の夢は似たようなもの。なら、不仲の関係を続けるより、友好的な関係を築いていた方が後々良いのではと私は思う。それならば、私が二人の関係を取り持って…
「…はあ。お前、何か勘違いしているようだな」
「? 勘、違い?」
なんて妄想を膨らませていると、彼はため息を吐きながら私の提案に反論し始める。
「俺は別にお前と仲良くなりたくて助けた訳じゃない。そこだけはハッキリさせておいてやる」
「んえぇっ?! じゃ、じゃあなんで…」
「…それは俺にも分からん。ただの気まぐれだろうな」
「…」
彼から仲良くなりたくないとハッキリ言われ、ショックを受けた。気まぐれで協力したという事実も相まって中々へこむ発言。ぶっちゃけ、膝蹴りされた時より精神ダメージエグイかも。
「話はそれだけか? ちっ。何かと思って呼び出してみたが、どうやら無駄話だったみたいだな」
「…」
アラガは私の話を聞いて気分を害したのか、舌打ちしながら去ろうとしていた。
折角ちゃんと話せる機会なのに、ここで黙ってていいの? そう簡単に彼と仲良くなれる訳なんてなかったなんて分かり切ったことじゃない。
駄目だ。ここで引き下がっては。ちゃんと話をしないと。
「…ま、待って!」
「…何だ? 俺の用件はもう済んだ。これ以上お前と話すことなんて…」
「あるよ! 少なくとも私には!!」
去ろうとする彼を大声で引き止める私。彼と話さなければ。真正面から。
試験が終わった後、私はアラガに連れられて待機室の裏側まで移動していた。試験で一緒だったとはいえ、二人っきりになると妙に緊張する。以前よりかは彼に対する恐怖心は薄れた気がするけど、何を言われるのか分からない怖さはあった。わざわざ二人っきりで話を設けてくる辺りは特に。
けど、不思議と私も同じ気持ちではいた。いつか彼とはちゃんと話したいとは思ってた。彼から来るのは正直予想外な展開だったけれど。
とりあえず先に彼の用件を聞いてみることにした。このタイミングだからほぼ間違いなく試験のことに関してだろうな。説教とかだったらちょっと嫌かもな。邪魔しちゃったし、根にもたれてたらどうしよう。
「…お前、あの時何か言いかけてたよな?」
「え? あの、とき?」
「オーヴェンの奴がお前の防御魔法ぶっ壊す前だ。あの時、何を言おうとしてた?」
「…あ、ああ。あの時ね。はいはい」
幸いな事に私の読みは外れていた。どうやら私がアラガに蹴られた後、何か言いかけた際にオーヴェン先生によって阻止されてた時の話をしているみたい。そういえば言いそびれてたっけ。まあ、これもいい機会かもしれないし、タイミング的にも悪くない話だと思う。
「あの時言いたかったことなんだけど、私と『友達』にならない?」
「…は?」
そう思った私は、ぶちまける覚悟で手を差し伸べながら口を開く。
彼が心を閉ざし、あそこまで復讐に執着している原因はきっと気の通った仲間、友達が居ないからだ。彼には守る者が何もないんだ。家族も、友人も、恋人も。だからこんな破滅的な行動を平気で取ったりするんだと思う。
守る者、もしくは居なくなると寂しくなるような人が居れば彼の考えも変わる気がする。私にそこまでの関係を築けるかは分からないけど、まずは人と仲良くなる事を覚えて欲しい。それがいずれ大切な人を見つけるきっかけになるかもしれないから。
だから私は彼と親友になりたい。勿論、理由はそれだけじゃない。彼の事ももっと知りたいっていう理由もあるし、そのうちサダメ達とも仲良くして欲しいという気持ちもあったから。
そうなったらきっと学園生活もより一層楽しくなると思う。サダメだって男友達が増えるのは悪くない話だ。おまけに彼の成績は優秀。切磋琢磨する仲間としても申し分ない。
目的は違えど二人の夢は似たようなもの。なら、不仲の関係を続けるより、友好的な関係を築いていた方が後々良いのではと私は思う。それならば、私が二人の関係を取り持って…
「…はあ。お前、何か勘違いしているようだな」
「? 勘、違い?」
なんて妄想を膨らませていると、彼はため息を吐きながら私の提案に反論し始める。
「俺は別にお前と仲良くなりたくて助けた訳じゃない。そこだけはハッキリさせておいてやる」
「んえぇっ?! じゃ、じゃあなんで…」
「…それは俺にも分からん。ただの気まぐれだろうな」
「…」
彼から仲良くなりたくないとハッキリ言われ、ショックを受けた。気まぐれで協力したという事実も相まって中々へこむ発言。ぶっちゃけ、膝蹴りされた時より精神ダメージエグイかも。
「話はそれだけか? ちっ。何かと思って呼び出してみたが、どうやら無駄話だったみたいだな」
「…」
アラガは私の話を聞いて気分を害したのか、舌打ちしながら去ろうとしていた。
折角ちゃんと話せる機会なのに、ここで黙ってていいの? そう簡単に彼と仲良くなれる訳なんてなかったなんて分かり切ったことじゃない。
駄目だ。ここで引き下がっては。ちゃんと話をしないと。
「…ま、待って!」
「…何だ? 俺の用件はもう済んだ。これ以上お前と話すことなんて…」
「あるよ! 少なくとも私には!!」
去ろうとする彼を大声で引き止める私。彼と話さなければ。真正面から。
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