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第9章「淫らな風紀委員長?」

第30話「みのりのおかげ?」

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 「…んっ、んん…」

 「ッ!?」

 しかし、しばらくすると倒れていた風見先輩が微かに動きが見られた。どうやら風見先輩はまだ生きていたようだ。

 「…あ…れ…?」

 すると、風見先輩はみのりに刺された箇所を抑えながら、おもむろに起き上がろうとしていた。

 「どうやら、うまくいったみたいですね」

 「?」

 それを見て、みのりが妙なことを言い出したが、とりあえず風見先輩が生きていることに一安心していた。

 「っ!? …私としたことが、なんでこんなことに」

 「??」

 その風見先輩も顔を赤らめながら妙なことを言い出していた。さっきから2人の言っていることが理解できていない。

 それにしても、風見先輩の様子が少しおかしかった。なにがおかしいかと言われると難しいのだが、強いて言うなら、雰囲気が変わったような気がする。

 さっきまでものすっごいえちえちな雰囲気を醸し出していたのに、今はそれを全く感じない。

 「ちょちよちょっ、ちょっと、さささ佐藤君!! こここっち見ないで!!」

 「っ!? す、すいません」

 それどころか裸を見られるのが恥ずかしいようで、俺に見るなと怒鳴ってきた。さっきまで自分で見せに来てたのに。まるで理性のときの風見先輩みたいな反応だな。

 「…ん?」

 そこで俺はふとあることに気がついた、気がしていた。

 「もしかして風見先輩、理性が戻ったんですか?」

 とりあえず俺は風見先輩に確認を取ってみることにした。記憶があるのかどうかは定かではないが、もしかしたらということもあるからな。

 「え、ええ。なんとか抑えたみたい。けど、なんで」

 すると、風見先輩はそう返してきた。どうやら理性のときと本能のときの記憶は共有のようだ。だからさっき顔を真っ赤にしていたのか。これで1つ疑問が解けた。

 「ふふ、なんとか効いたみたいですね」

 「みのり…」

 そんな中、みのりは俺達を見守っているかのようにいつもの笑顔を浮かべながらまた妙な発言をしていた。

 まさかと思うが、風見先輩が理性を取り戻したのはみのりのおかげなのか?

 「あなた、一体私になにしたの?」

 すると、俺も気になっていたことを風見先輩がみのりに向かって問いかけていた。

 「サキュバスが性欲を抑える方法は2つ。1つは性欲を満たすこと。そしてもう1つは、人間の血をサキュバスの血液に流し込むこと。そうすることで一時的に淫魔としての機能が働かなくなって、性欲を抑えることができるんです」

 「…まさか、その手に持ってるものって…」

 みのりはわかりやすいように説明をすると、風見先輩はみのりが手にしているものに注目していた。たしか風見先輩はあれを刺されたはずだ。俺は最初、メスかと思っていた。勝手なイメージだが、吸血鬼ってメスとかそういう小型で携帯できるような刃物を所持しているようなイメージを持っていた。

 しかし、みのりが手に持っていたのは、一本の注射器だった。
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