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秘書技能編
capture02 資質-秘書の心構え-上司の補佐役としての秘書
しおりを挟むある日の嶋尻家の朝のこと…
”バタバタバタバタ…”
「母さん!あれは?」
「はいはい!」
そう言いながら、母がスーツの上下とそれに合うシャツ、ネクタイを持ってリビングに現れる。
「うん!出張にはやはりこのスーツに限る!ありがとう母さん!」
「あなた、これもお持ちになって」
母は、蓋の部分に何の薬で1回に飲む錠数が書かれたピルケースを父にそっと渡した。
「…昨日から喉の調子が悪かったんだ…電車内で弁当を食べた後に飲むよ」
「時間は大丈夫ですか?確か8時に九王子発の特急だったはずじゃ…」
「そうだそうだ!それじゃ、行ってくるよ!」
「行ってらっしゃい!」
「父さん!お土産、期待してるからねぇ~」
「分かった分かった!」
”バタン…”
「さて、私たちも食事にしましょうかね!」
”ピーンポーン…”
「あらやだ…あの人、何か忘れ物かしら…」
”ガチャ”
「嶋尻さん!隣の××だけど…ご主人、いらっしゃる?」
「××さん…ごめんなさい、つい今しがた出たばかりなのよ…」
「そう…実は、今度の町内会の総会の件なんだけど、ご主人から何か聞いていないかしら」
「あぁその件ね!主人はお引き受けするって言ってたわ!」
「そう!会長の成り手が誰も居なくて、困っていたのよ…助かったわ」
「主人は仕事持ちだから、町内会の都合に合わせられない時もあるかも知れないけど、その時は私が代理で頑張るから!」
「そう言ってもらえると心強いわ!それじゃ、現役員にはそのように伝えておくわね」
「よろしくね」
「それじゃ、また」
”バタン…”
「へぇ~今度の町内会の会長は、父さんなんだ!」
「そうなのよ~輪番制で回って来るもので、来年はうちの番という訳」
「それにしても、母さんは父さんの秘書みたいだね!」
「真琴、うまいこと言うわね!」
「だって、父さんのことを誰よりも理解していて父さんの思うように動いているように見えるし、父さんの健康管理や着るものの管理までできているし…仕舞いには町内会の人とのパイプ役にまでなってるし…」
***
秘書に必要とされる資質の一つに『上司の補佐役としての、秘書の心構えの理解』があります。
補佐役としての心構えとして『上司の陰の力に徹する』『上司の指示を確実に実行する』『上司を理解し、上司の意向に沿って動く』があります。
これを実行するためには『目立った行動や服装は慎む』『勝手な判断をせず、上司の指示通り実行する』『上司の性格や好みを把握したり、仕事の仕方や行動パターンを理解しておく』といった姿勢が必要となります。
また、上司の補佐役としての秘書の仕事には『上司の私的な身の回りの世話』や『人間関係のパイプ役(潤滑油)となる』ことも含まれます。
よって、『上司の健康管理に気を配る=持病や過労の有無を把握する』『日常的な雑務や私的雑務の世話をする=公私ともに状況に応じた気配りが必要』『社内外の人とのパイプ役となる=公平で誠実な態度で接し、社内の人とは積極的な交流を図る』ことが必要となります。
***
「好きで長く一緒にいると、夫婦ってお互いのことが分かってくるものよ!」
「あっ!今パパのこと『好き』って言った!」
「美琴!いつの間に起きてきたの…っていうか、母さんを揶揄うものじゃありませんよ!」
「…今、確かに『好き』って言ったよね♪」
「確かに言ったわ…」
「もぅ真琴まで!!!そんなこと言ってると、朝ごはんにしませんよ!」
「それだけは勘弁だよ~ママ…ご飯にしよう!ご飯!!」
「はいはい、今準備しますよ!2人とも、手伝って頂戴!」
「は~い」
「分かったわ、母さん!」
capture03 に続く
~検定問題にチャレンジ!~
<秘書の仕事で心掛けること>
次は新人秘書A子が先輩から、秘書の仕事の仕方として教えられたことである。中から『不適当』と思われるものを一つ選びなさい。
(第105回 秘書技能検定 3級問題より)
「1.日常的なことであっても、効率よくするとか質を高めるなどの工夫を常に考えながらすること」
「2.上司の仕事の手助けが秘書の仕事なので、上司が今何を欲しているかを察するようにすること」
「3.秘書は会社の経営に関することを知る機会があるが、そのようなことを知っても口外しないこと」
「4.仕事は上司からの指示を待ってすることになるが、しておいた方がよい仕事は自分からしておくこと」
「5.上司の私用は会社の仕事ではないので、私用と思われることを頼まれたときは私用かどうかを尋ねること」
『不適当』な選択肢は…
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
「5.上司の私用は会社の仕事ではないので、私用と思われることを頼まれたときは私用かどうかを尋ねること」
~解説~
「上司が本来の仕事に専念できるよう、雑務の処理や身の回りの世話をすることは秘書の仕事です。私用も身の回りの世話の一つなので、仕事として行わなければなりません。よって、私用かどうかを尋ねるなどは不適当ということになります」
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