11 / 32
10・なんてったって演出家
しおりを挟む
「本間部長、脚本の潤色許可おりたぞー!」
「本当ですか! わー、良かったぁ……虎先、ありがとうございます!」
「なんの、顧問の仕事をしただけさ。それよりお前の脚本改編力にビックリしたぜ。まるで違和感がない」
「まあ、役柄の改編だけですからね、これくらいならなんとでも」
「はは、そうかそうか。なんにしろ、頑張って演出していけよー!」
潤色、とは。
既存の脚本に改編を行うことを指す。
この、改編脚本を上演していいかどうかを、著作権元に内容ごと確認を取り、許可が下りればめでたく大会で上演できる、というのが基本的な流れだ。
季節は六月。テストがあったから、その前にと大急ぎで脚本を改編。虎先に問い合わせを任せて、俺たちは練習を始めていた。
高校演劇の改編というのは、十中八九通るから大丈夫だと、虎先は言ってくれていたけれど、
やっぱり、結果が出るまでは不安だったから、とにかくほっとした。
「皆、おはようございます。無事、脚本の許可を頂きました! 憂いはなくなったので、こっからもっと全力で頑張っていこう!」
「わ、やった!」
「一安心だね、本間君」
「絆先輩も良かったっすね! あ、ええと……ほい、先輩!」
「う? う! がうがぁ!!」
「よしよし。そうしたら、今一度役割の確認をしようか」
俺は、机に座る皆の前で、黒板に今回の役割を書き出していく。役者の本決め、裏方の本決めだ。
まず、演出家。これは俺だ。
次に役者。慣れないチョークで、順番に書き出す。
メインのグレーテル。これは二年生人間女子『加茂 環』
メインその二のヘンゼル。これは一年生人間男子『弐瓶 祐平』
白雪姫の魔女。これは二年生人間女子『花田 静香(はなだ しずか)』
長靴をはいた猫の姿で現れる本の作者。これは一年生猫獣人女子『茂野 瑞穂(しげの みずほ)』
赤ずきんの狼。これは二年生犬獣人『紲 一絆』
赤ずきんの狩人。これは……俺だ。
うん。今回は、役者と演出を兼任させてもらうことにした。結構な無茶に思えるかもしれないが、高校演劇ではよくあることだ。
それに、一絆君の演技を演出したいって気持ちもあるけれど、それと同じくらい隣でサポートもしたい気持ちがあった。
だから、いつもより倍頑張る!
さておき、役者は以上。続いて裏方だ。
照明。二年生兎獣人女子『棚橋 恵(たなはし めぐみ)』と一年生人間女子『土田 萌(つちだ もえ)』の二人。
音響。二年生人間女子『水倉 梢(みずくら こずえ)』と一年生人間女子『伝川 愛花(つたがわ あいか)』の二人。
大道具、小道具。二年生猪獣人男子『小川 浩平(おがわこうへい)』一人。それと、顧問の『虎柄 彼方』先生だ。男二人、手先の器用なコンビだ。
衣装。これは照明の『棚橋 恵』が兼任する。それと、副顧問の人間女性家庭科教師『加藤 加世子(かとう かよこ)』先生が全面バックアップしてくれる。
メイク。これは音響の『水倉 梢』と副顧問の『加藤 加世子』先生が兼任。
後は細かいところで『小川 浩平』に頑張ってもらう。俺が忙しいときの副演出と、今回演目が本の中であるので、黒子を役として採用し、セットの移動を本番でしてもらったりもすることになった。
それと、元部員の三年生。時間があるときにアドバイスをしてくれたり、裏方の手伝いをしてくれるようだ。いやはや、ありがたい限りである。
部員十一人と先生二人、さらには先輩方。全員全部全力投入の布陣だ。
「これで、本決めだ。なにか意見のある人はいる?」
「大丈夫です」
「意義なーし」
「がうがーう」
「う、うまくできるかなぁ」
「大丈夫、皆で頑張ろう!」
うん、大丈夫そう。一絆君もやる気満々。
これは、随分と楽しくなりそうだ……先輩に引っ張ってもらっていた去年とは違い、今度は俺らが引っ張る側だ。気合い入れなきゃな。
「よし。じゃあ演出さん、意気込みいってみようか! 本格始動の第一歩だ、気の利いたコメントを頼むぜ!」
「む……わ、わかりました」
むう。虎先も楽しそうだ。
コメント、コメントなぁ……よし。
「ええ、では。今回演出を担当する本間です。去年で、先輩と共に演出のなんたるかを学んできたので、今回も皆さんの活動を円滑にできますよう、頑張っていく所存です。しかし、今回は役者を兼任すると言うことで、皆さんの力をいつも以上に借りることになると思いますが、どうかご了承、そしてご協力をお願いします」
むむむ。なんだか弱腰気味なコメントになってしまう……こうじゃない。去年の先輩は、もっとこう、盛り上げる感じだった。
だから……
「まあでも、俺はなんも心配していません! だってほら、二年生は優秀! 一年生も器用で良い人ばかり! 先生は全面協力! こんないい環境、滅多にないんじゃないかなって思うから。そんな皆さんに、演出、それに脚本の決定権を頂けたこと、光栄に思っています」
ん、いい感じだ。皆の視線が、逆に俺を高揚させていく。皆もわくわくしているのがわかるからだ。
それに、一絆君。
君のための舞台、そのとっかかりをつかんだのだ。
絶対に、放してなるものか。
「それに、一絆君。言葉を話せない彼と作る演劇は、今までにないような充実したものになると確信しています。皆がそれに協力してくれること……俺は、それがとても嬉しい!」
一絆君の横で、虎先が俺の言葉を文字にして彼に伝えてくれている。だから、今は俺の声が、言葉が彼に届いている。
いってしまえばその逆に、俺は挑戦してみたいんだ。
彼の、言葉無き声を、俺の演出で可視化して、見ている人に届けたいんだ。
できるかな、って不安に思うよりも、
やってやる、って決意で胸がいっぱいなんだ。
「皆で、最高の劇を作っていこう! 俺は、そのために全力を尽くします。どうぞ、よろしくお願いします!」
なってったって演出家。
やってやれないことはない。
皆が協力してくれるなら、
不可能なんてないんだから!
「本当ですか! わー、良かったぁ……虎先、ありがとうございます!」
「なんの、顧問の仕事をしただけさ。それよりお前の脚本改編力にビックリしたぜ。まるで違和感がない」
「まあ、役柄の改編だけですからね、これくらいならなんとでも」
「はは、そうかそうか。なんにしろ、頑張って演出していけよー!」
潤色、とは。
既存の脚本に改編を行うことを指す。
この、改編脚本を上演していいかどうかを、著作権元に内容ごと確認を取り、許可が下りればめでたく大会で上演できる、というのが基本的な流れだ。
季節は六月。テストがあったから、その前にと大急ぎで脚本を改編。虎先に問い合わせを任せて、俺たちは練習を始めていた。
高校演劇の改編というのは、十中八九通るから大丈夫だと、虎先は言ってくれていたけれど、
やっぱり、結果が出るまでは不安だったから、とにかくほっとした。
「皆、おはようございます。無事、脚本の許可を頂きました! 憂いはなくなったので、こっからもっと全力で頑張っていこう!」
「わ、やった!」
「一安心だね、本間君」
「絆先輩も良かったっすね! あ、ええと……ほい、先輩!」
「う? う! がうがぁ!!」
「よしよし。そうしたら、今一度役割の確認をしようか」
俺は、机に座る皆の前で、黒板に今回の役割を書き出していく。役者の本決め、裏方の本決めだ。
まず、演出家。これは俺だ。
次に役者。慣れないチョークで、順番に書き出す。
メインのグレーテル。これは二年生人間女子『加茂 環』
メインその二のヘンゼル。これは一年生人間男子『弐瓶 祐平』
白雪姫の魔女。これは二年生人間女子『花田 静香(はなだ しずか)』
長靴をはいた猫の姿で現れる本の作者。これは一年生猫獣人女子『茂野 瑞穂(しげの みずほ)』
赤ずきんの狼。これは二年生犬獣人『紲 一絆』
赤ずきんの狩人。これは……俺だ。
うん。今回は、役者と演出を兼任させてもらうことにした。結構な無茶に思えるかもしれないが、高校演劇ではよくあることだ。
それに、一絆君の演技を演出したいって気持ちもあるけれど、それと同じくらい隣でサポートもしたい気持ちがあった。
だから、いつもより倍頑張る!
さておき、役者は以上。続いて裏方だ。
照明。二年生兎獣人女子『棚橋 恵(たなはし めぐみ)』と一年生人間女子『土田 萌(つちだ もえ)』の二人。
音響。二年生人間女子『水倉 梢(みずくら こずえ)』と一年生人間女子『伝川 愛花(つたがわ あいか)』の二人。
大道具、小道具。二年生猪獣人男子『小川 浩平(おがわこうへい)』一人。それと、顧問の『虎柄 彼方』先生だ。男二人、手先の器用なコンビだ。
衣装。これは照明の『棚橋 恵』が兼任する。それと、副顧問の人間女性家庭科教師『加藤 加世子(かとう かよこ)』先生が全面バックアップしてくれる。
メイク。これは音響の『水倉 梢』と副顧問の『加藤 加世子』先生が兼任。
後は細かいところで『小川 浩平』に頑張ってもらう。俺が忙しいときの副演出と、今回演目が本の中であるので、黒子を役として採用し、セットの移動を本番でしてもらったりもすることになった。
それと、元部員の三年生。時間があるときにアドバイスをしてくれたり、裏方の手伝いをしてくれるようだ。いやはや、ありがたい限りである。
部員十一人と先生二人、さらには先輩方。全員全部全力投入の布陣だ。
「これで、本決めだ。なにか意見のある人はいる?」
「大丈夫です」
「意義なーし」
「がうがーう」
「う、うまくできるかなぁ」
「大丈夫、皆で頑張ろう!」
うん、大丈夫そう。一絆君もやる気満々。
これは、随分と楽しくなりそうだ……先輩に引っ張ってもらっていた去年とは違い、今度は俺らが引っ張る側だ。気合い入れなきゃな。
「よし。じゃあ演出さん、意気込みいってみようか! 本格始動の第一歩だ、気の利いたコメントを頼むぜ!」
「む……わ、わかりました」
むう。虎先も楽しそうだ。
コメント、コメントなぁ……よし。
「ええ、では。今回演出を担当する本間です。去年で、先輩と共に演出のなんたるかを学んできたので、今回も皆さんの活動を円滑にできますよう、頑張っていく所存です。しかし、今回は役者を兼任すると言うことで、皆さんの力をいつも以上に借りることになると思いますが、どうかご了承、そしてご協力をお願いします」
むむむ。なんだか弱腰気味なコメントになってしまう……こうじゃない。去年の先輩は、もっとこう、盛り上げる感じだった。
だから……
「まあでも、俺はなんも心配していません! だってほら、二年生は優秀! 一年生も器用で良い人ばかり! 先生は全面協力! こんないい環境、滅多にないんじゃないかなって思うから。そんな皆さんに、演出、それに脚本の決定権を頂けたこと、光栄に思っています」
ん、いい感じだ。皆の視線が、逆に俺を高揚させていく。皆もわくわくしているのがわかるからだ。
それに、一絆君。
君のための舞台、そのとっかかりをつかんだのだ。
絶対に、放してなるものか。
「それに、一絆君。言葉を話せない彼と作る演劇は、今までにないような充実したものになると確信しています。皆がそれに協力してくれること……俺は、それがとても嬉しい!」
一絆君の横で、虎先が俺の言葉を文字にして彼に伝えてくれている。だから、今は俺の声が、言葉が彼に届いている。
いってしまえばその逆に、俺は挑戦してみたいんだ。
彼の、言葉無き声を、俺の演出で可視化して、見ている人に届けたいんだ。
できるかな、って不安に思うよりも、
やってやる、って決意で胸がいっぱいなんだ。
「皆で、最高の劇を作っていこう! 俺は、そのために全力を尽くします。どうぞ、よろしくお願いします!」
なってったって演出家。
やってやれないことはない。
皆が協力してくれるなら、
不可能なんてないんだから!
0
あなたにおすすめの小説
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。
カヨワイさつき
BL
小学生の頃両親が蒸発、その後親戚中をたらいまわしにされ住むところも失った田辺輝(たなべ てる)は毎日切り詰めた生活をしていた。複数のバイトしていたある日、コスプレ?した男と出会った。
異世界ファンタジー、そしてちょっぴりすれ違いの恋愛。
ドワーフ族に助けられ家族として過ごす"テル"。本当の両親は……。
そして、コスプレと思っていた男性は……。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。
はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。
2023.04.03
閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m
お待たせしています。
お待ちくださると幸いです。
2023.04.15
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
更新頻度が遅く、申し訳ないです。
今月中には完結できたらと思っています。
2023.04.17
完結しました。
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます!
すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。
最強賢者のスローライフ 〜転生先は獣人だらけの辺境村でした〜
なの
BL
社畜として働き詰め、過労死した結城智也。次に目覚めたのは、獣人だらけの辺境村だった。
藁葺き屋根、素朴な食事、狼獣人のイケメンに介抱されて、気づけば賢者としてのチート能力まで付与済み!?
「静かに暮らしたいだけなんですけど!?」
……そんな願いも虚しく、井戸掘り、畑改良、魔法インフラ整備に巻き込まれていく。
スローライフ(のはず)なのに、なぜか労働が止まらない。
それでも、優しい獣人たちとの日々に、心が少しずつほどけていく……。
チート×獣耳×ほの甘BL。
転生先、意外と住み心地いいかもしれない。
異世界で聖男と呼ばれる僕、助けた小さな君は宰相になっていた
k-ing /きんぐ★商業5作品
BL
病院に勤めている橘湊は夜勤明けに家へ帰ると、傷ついた少年が玄関で倒れていた。
言葉も話せず、身寄りもわからない少年を一時的に保護することにした。
小さく甘えん坊な少年との穏やかな日々は、湊にとってかけがえのない時間となる。
しかし、ある日突然、少年は「ありがとう」とだけ告げて異世界へ帰ってしまう。
湊の生活は以前のような日に戻った。
一カ月後に少年は再び湊の前に現れた。
ただ、明らかに成長スピードが早い。
どうやら違う世界から来ているようで、時間軸が異なっているらしい。
弟のように可愛がっていたのに、急に成長する少年に戸惑う湊。
お互いに少しずつ気持ちに気づいた途端、少年は遊びに来なくなってしまう。
あの時、気持ちだけでも伝えれば良かった。
後悔した湊は彼が口ずさむ不思議な呪文を口にする。
気づけば少年の住む異世界に来ていた。
二つの世界を越えた、純情な淡い両片思いの恋物語。
序盤は幼い宰相との現実世界での物語、その後異世界への物語と話は続いていきます。
【8話完結】いじめられっ子だった俺が、覚醒したら騎士団長に求愛されました
キノア9g
BL
いじめられ続けた僕は、ある日突然、異世界に転移した。
けれど、勇者として歓迎されたのは、僕を苦しめてきた“あいつ”の方。僕は無能と決めつけられ、誰からも相手にされなかった。
そんな僕に手を差し伸べてくれたのは、冷酷と恐れられる騎士団長・ジグルドだった。
なのに、あいつの命令で、僕は彼に嘘の告白をしてしまう――「ジグルドさんのことが、好きなんです」
それが、すべての始まりだった。
あの日から彼は、僕だけをまっすぐ見つめてくる。
僕を守る手は、やさしく、強くて、どこまでも真剣だった。
だけど僕には、まだ知られていない“力”がある。
過去の傷も、偽りの言葉も超えて、彼の隣にいてもいいのだろうか。
これは、いじめられっ子の僕が“愛されること”を知っていく、嘘と覚醒の物語。
全8話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる