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後編 三男カイ
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セレス兄様が最近おかしい。アレがいる幽閉塔に行く頻度が増えてからどこか様子が変わった。僕には危険だからって言うけれど、その割にはやけに楽しそう。
僕が同行することを嫌がってたのに、昨日兄様がアスランの元に一緒に行かないかって誘ってきて驚いた。どういう心情の変化なんだろう、あいつが僕のことも籠絡する気だって思って咄嗟に断っちゃったけど。
僕はアスランが大嫌いだ。兄とも呼びたくない、だって兄らしくしたことなんて1度も無いから。あいつは僕をどこか気味悪がって話しかけてくることも少なかった。セレス兄様の剣術を下賤だって笑って、僕が兄様を庇おうとすると邪魔者扱い。なのに、セレス兄様はあんな奴に健気に魔力を与えに行ってるらしい。魔力譲渡は体液交換が必須って聞いたけど、まさかセレス兄様がそんなこと…。
「惑わされてるなら、僕がなんとかしなきゃ」
兄様が塔に向かうのを遠くから見送り、密かに決意した。兄様があいつに何をされてるのか確かめに行こう。魔力譲渡をチラつかせれば僕にも兄様にしているように接してくるはずだ。これは兄様のため、もしあいつが兄様を上手く操ってるなら容赦しない。危険だって言ってたから、高圧的な態度で脅されて逆らえないのかもしれない、そしたらその場で息の根を止めてやらないと。
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真夜中、誰にも見つからないよう慎重に歩みを進め、長い階段を上ってようやくあいつの居る部屋に辿り着く。扉に手をかけるとすんなり開き、鍵すらかかっていない。いつでも逃亡できる状態なのにしないなんてらしくないな。
中は薄暗くて湿っぽい、ベッドにぼんやり座ってるアスランは前と比べて顔色が悪く体も痩せていて、昔の威厳なんて微塵も感じられなかった。僕が入ってきたのに反応が遅い、目が虚ろで、ゆっくり僕を見上げて少し首を傾げるだけ。
「…せ、れす…?」
「違うよ。弟の顔も忘れたの?随分馬鹿になったみたいだね」
ゆっくり瞬きしてようやく僕を認識したらしい。けど何も言葉を発しない。兄様の名前は呼ぶのに僕の名前は出てこないんだ。
代わりにベッドから這うように近づいてきて、震えてる手で僕の服の裾を掴まれた。
誘惑だとか上手いこと使ってやろうっていう邪な感じじゃなくて、心の底から助けを求めるような様子で見つめられて胸がざわつく。
「あぁ、魔力ね。別にセレス兄様から貰ってるんだろ。何、足りないのかよ。僕が代わりに分けてあげよっか?なーんて」
挑発したつもりだったのにすぐに頷かれて困惑する。なんだこれ、こいつ本当にアスランなのかよ。プライドの欠けらも無い素直な懇願に調子が狂う。
優しいセレス兄様のことだから、こんな風に情けなく縋られて見捨てることができないんだ。なんだ、唆されてるというより良心を刺激されているだけだったんだ。
「いつも兄様から中に注がれて魔力譲渡されてるんでしょ、やらしいね、毎日毎日あんあん喘いでるんだ」
アスランを押し倒して昔こいつが僕にしてたように見下してやる。今度は僕の番だ、兄様から優しく優しく抱かれてるんだろうけど、僕はそんな面倒なことしてやんない。
兄様が魔力を与えるようになってもう何日も経過してるんだ、ゆるゆるでぐちゃぐちゃな中古品、1回くらい味見したっていいよね。
アスランは全く抵抗しない、むしろ魔力を欲しがって僕の首に腕を回してくる。唇を近づけて、ぺろぺろ舐めて誘ってキスを強請ってる。随分慣れたもんだとため息をついて、仕方なく唇を塞いだ。舌を絡めるなんて甘ったるいこと御免だし。
「ん゛ぅっ、…っ、?…っ、んっ、」
アスランは何故か困惑したようにぐいぐい唇を押し付けることしかしない。あー、そう。兄様とはもっと恋人みたいにしてたんだ。必死に舌を絡めようとして動かしてるのはわかるけど、下手くそだなぁ。
こいつ魔法以外はてんでダメなんだ、てか魔法が使えないこいつに何の価値があんの?生かしておく意味ないじゃん、死体くれるって約束だったのに。
さっさと唇を離して衣服を脱ぎ捨て下半身を露出させれば、アスランが僕のを見た瞬間小さく震えた。弟に犯されるの期待してんのかな、救えなさすぎる。
アスランの口内に指を入れ、ぐちゅぐちゅ下品な音を鳴らしながらばらばらに動かし唾液を絡める。こいつとヤるつもりで来てないから潤滑剤なんて持ってない。無くてもすんなり入りそうだけど。
「慣らしてあげるんだからしっかり舐めてよ、別にこのまま挿れたっていいんだからね」
意外と素直に舌を絡めてくるけど、動きがぎこちなくて笑えた。
指を引き抜きアスランの下半身に手を伸ばし、下着を引き下げて露わになった後孔に指を押し当てる。毎日抱かれてるはずなのに、意外と使い込まれてない。兄様は優しいから、丁寧に扱ってるだけ?
ゆっくりと一本指を押し込む。…なにこれ、中キッツ…ぎちぎち音しそうなほど狭くて指が押し返される。指一本でこんなに? まさか…初めて? いやいや、そんなはずないでしょ、アスランはセレス兄様に毎日毎日魔力譲渡されてるんだぞ、1日も欠かさず通っているんだ。まさか、キスだけで?それとも他の方法があるの?なにこれ、なにこれ…
「ね、ねぇ、力抜いてよ。緊張してんの?」
アスランが小さく身を震わせて、息を詰める。痛いのか怖いのか、眉を寄せて僕を見上げてくるけど拒否はしない。むしろ、魔力を欲しがるように腰をくねらせてはいて、ちぐはぐな様子に混乱する。
「痛い?1本で限界とか意外だね。セレス兄様からどうやって魔力貰ってるのさ」
質問しても、アスランはただ首を振るだけ。言葉が出てこないみたいだ。仕方ない、地道に進めよう。指を少しずつ動かして、中で折り曲げ慣らしていく。しこりをトントンノックすると強く締め付けてくる。アスランの息が荒くなって、目が潤んできた。
「あ、っ♡んぁっ、ぁっ♡」
あの自信家で傲慢なアスランが、今じゃ抵抗すらしないで弟に後ろ弄られて感じてるって状況がなんだか無様で可笑しい。弱い部分を集中的に擦り続けるとぎゅっ♡ぎゅぅっ♡って中が締まって、ぴゅくぴゅく陰茎から白い液体が少量飛び散る。うわ、ちっさ…こんなんじゃ女とか抱けないじゃん。そういえば女関係とか全く聞かなかったけど、これがコンプだったとかある?てか僕の手でイッたんだ…こいつこんな声可愛かったっけ…。
「ん゛へっ♡♡ぇ、゛ぁっ♡♡ぁ゛へっ♡♡」
しこりをカリカリ爪で優しく引っ掻くと足がビクンッ!て跳ねて、僕の指から逃げようと腰をうねうね暴れさせてくる。
「っ♡ん゛ひッ♡ん、ひっ♡ひぉ゛♡♡」
3本目が入る頃にはアスランはもう息も絶え絶えで、何度も体を震わせて絶頂していた。こんな機会じゃなければ絶対敵わない存在を好き放題して、何度もイカせてる支配感、全能感。僕の指ひとつでこんなに乱れて、なんなら僕が初めての相手かもしれなくて…。
「ぉ゛~…っ♡…ん゛、ぉっ…♡…ぉっ♡」
夢中で弄り続け、はっと我に返った時にはアスランはぐったりして四肢を投げ出しベッドに沈み込んでた。息が荒くて汗だくで、胸が上下している。僕の指で何度もイカされて脱力しきってて、口の端からぽとぽと涎が溢れていってる。
下半身が張り詰めて苦しい。ただの性処理として乱暴にしてやるつもりだったのに……初めての相手が僕だって思うと、これ以上怖がらせたくない。セックスって、僕に犯されるのって凄い気持ちいいことなんだよって今なら刷り込めるかもしれないってことでしょ。
僕とのえっち大好きになってくれたら、この先もずっと僕のこと思い出して体疼かせてくれたら、絶対僕におねだりして構ってくれるし。邪魔だって思われないし、なんなら求めてくれるんじゃ…。
頭の奥で欲望がぐるぐる渦巻いて妄想が止まらない。セレス兄様じゃなくて、僕が最初だって。なんだ、なんだ、僕が最初だった。アスランがずっと憎い、嫌い、でもやっと独占できたみたいな、変な感覚。
とろとろに蕩かした後孔に陰茎の先端を触れさせる。あ…アスラン、ちょっと震えてる…やっぱり怖がってる。さっきも期待してたんじゃなくて、きっと怖かっただけなんだ、悪いことしちゃったな。
体を小さく強張らせて、目を見開いて僕を見つめてくる。ああこれ絶対初めてだ、僕が最初だ…しっかりしなくちゃ、いっぱい気持ちよくして依存させなきゃ、また求められるようにしなきゃ。
「怖い?大丈夫、優しくしてあげる、怖くないよっ…♡ほら、ゆっくり深呼吸して」
「ぁ゛っ♡ぁ、あっ♡っ、ん♡んぅうっ♡」
怖がらせないように自然と声が優しくなる。ゆっくり腰を進めて、狭い中を押し広げていく。あ~…、アスランの初めて、僕が奪ってる…アスランの初めて僕のものになるんだ、僕専用の、僕の、僕のっ♡♡♡僕のだ、全部僕のっ♡♡♡
「へへ、ふへっ…♡吸い付いてくるっ…、中、ぷにぷに、ふわふわ…♡」
むっちりした肉厚の内壁がもてなすみたいに優しく扱いてくる。みち…みち…って押し進める度にどんどん無理矢理中の形が変わってって、トンっ♡て奥に先っぽがくっついた時、脳がびりびり痺れて頭が真っ白になった。
「ぉ゛っ♡!?ぁ、っ♡♡ぁ、ひっ♡♡」
「あ…♡♡僕のに、なったぁ…♡奪っちゃった、アスランの、処女っ♡初めて、僕のぉっ♡」
「っ♡♡んぉ゛お~♡♡お゛っ♡♡ん゛ぉっ♡♡ぉ゛♡ぉ゛っ♡ぉ゛ほぉ゛っ♡♡」
「~~♡♡♡へへっ、喘げっ♡もっと喘げっ♡好きって言え♡♡好き好きってしろ♡♡僕の兄って役割全うできない駄目兄貴がッ!♡♡償え、償えっ♡♡」
だらしなく舌を突き出しながら揺さぶられるアスランの顔が、まるで僕からキスされるのを待ってるみたいに見えて、我慢できずにむしゃぶりつく。突き出された無抵抗な舌に絡みつけてたっぷり魔力を込めながら唾液を溺れるまで流し込んだ。
優しく突きながら口付けてやってるせいか、全く飲み込む気配がない。それどころか口の端から少量溢れ出ており呆れる。口を離してアスランの鼻ごと手で口を塞いで、飲み込むしかない状態にしてあげたのに数十秒経っても飲み込まない。塞いだまま暫くしてぷぴゅっとアスランが射精したかと思うと、そのまま白目を剥いて失神してしまった。仕方なく顎を持ち上げて喉に流して、全部飲み込んだことを確認して手を離す。
「はぁ?飲まないのなんでだよ、なんで飲めないんだよ。僕のだから?セレス兄様の唾液じゃないから?僕のは受け入れないってこと?…意味わかんない、意味わかんない!!」
さっきと違って魔力譲渡のためのキスだったのに、僕の魔力無駄にしようとしやがって。やっぱり僕じゃ駄目ってことなのかな。…まあいいよ、別に体で堕とせばいいし。意識がないのが微妙だけど、沢山イかせて気持ちいいこと体に覚えさせなきゃ。
ごりっ♡ごりっ♡てしこりをわざと削ると、アスランの足がぷるぷる♡ぴくぴくっ♡て小さく震え始める。つま先がピンと伸びてて、また絶頂してくれたみたい。こいつの陰茎はもう透明な液体をとろとろ溢れさせることしかできてないようで、イったのか分かりにくい。
「ん゛ぁっ♡♡!?んぁ゛、あっ♡♡ぁ゛ん、あ゛んっ♡♡」
「あ、起きた?」
「ひん゛っ♡♡?んっ♡んぁ゛ぁっ♡っ、?は、ぁ゛っ♡?♡」
こんなにイかさせられる経験ないだろうから、いつまでも気持ちよくさせられて、なんでやめてくれないのか分からないみたい。
「ッッ♡♡♡お゛~~~ ♡♡♡♡♡」
プシャッ♡プシャップシャッ♡と透明な体液を噴射しながら僕のを抜こうとずりずり下がろうとしているので、お仕置にぱちゅんッて奥を強く貫いてやると、「ぁ゛へッ♡♡」って声を上げてまたぴくぴく震えたまま大人しくなった。
「出すよ、次はちゃんと受け入れろっ♡」
最奥にググッ…と押し付けて、中にたっぷり精液と共に魔力を勢いよく注ぎ込んで強制魔力譲渡してやる。は、ぁ…っ、♡…さいこ~…♡ほんとに気持ちいい…♡魔力、足りてるかな、もっと注いだ方がいいよね、死んじゃうもんね。
「…これは兄様のために…っ、に、兄様が使う時、手間じゃないように、調教してやってるだけ…♡ほぐしてる、だけっ♡」
セレス兄様が使う時に慣らさなくていいように、すぐに犯せるようにしてるだけ……。なのに、アスランの中が魔力美味しい美味しいって吸い付くようにきゅ~って動いてきてもう限界だ。駄目だ、駄目だ危険すぎる、こんなの、兄様に渡したら、気づかれたら、味わっちゃったら…。隠さなきゃ、こんな危険なやつ、僕が管理して監視しなきゃ皆に犯されちゃう…セレス兄様に知られたら、兄様に独り占めされちゃうかも…。
セレス兄様には絶対勝てない、だってこいつ僕の名前1回も呼ばないし、兄様の方が好かれてる気がするし、今までだって兄様にべったり…だったし?
いや違う、違う、アスランを独占するためじゃない。兄様のためだ、兄様を守るため、こんな淫魔に惑わされないように僕が管理するだけ。
兄様に内緒で毎日ここに来て、完全に体を僕に堕として、僕を見たら発情するように調教しなきゃ。僕に依存するまで、いや依存しても注ぎ続けてやる。そしたら、こいつは僕なしじゃ生きられないはず。僕の、復讐のためだ。好かれたいわけじゃない、甘えられたいわけじゃない、復讐のためだから。
「…いっぱいイかせて、セレス兄様の魔力も消費し尽くしたら、僕の魔力だけ残ってる…なんてことになんないかな」
こいつがこんなんじゃなかったら僕とセレス兄様みたいに普通の兄弟の関係でいられたのに。兄として尊敬できてたのに。性格最悪で兄としても駄目で、能力も尊厳も何も無くなった今のこいつを兄として見るとか、無理でしょ。
「お前、まだ僕の兄でいられてるって思ってんの?…ねぇ、もう認めないよ、絶対認めないから。お前なんて兄じゃない」
魔力量が多すぎて抵抗が強いせいでこいつには1度も成功したことがなかった精神干渉魔法。
大勢の前で恥をかけばいいと思って、今まで何度か公の場で精神が犬に変化するようにしようとしたり、地面に這いつくばって食事をするのが当然だって常識改変しようとしたけど、全部発動すらしなかった。
「今ならできる…絶対効いてくれる」
こいつはまだ絶頂の余韻に浸って肩を小さく跳ねさせている。精神干渉の魔法は一時的しか効果が無いし、尋問して情報を聞き出したり操るためのもの。ほんの少しの間しか効かない。少しかけてやっても…セレス兄様にはバレない。
思わずごくりと喉を鳴らす。こいつをどうしてやろうか、今度こそ精神を犬にしてやってここで粗相でもさせてやろうか。手に食事を乗せて、ペットみたいに食えって命じるのも面白そう。
兄としてのこいつに完全に引導を渡してやる。
「…お前は、今から」
声に魔力を乗せ、しっかりかかるように耳元で囁く。犬にしてやる、もっと惨めにして、尊厳なんて全部壊してやる。お前なんか、お前なんか…
「っ…今から、その…僕の、」
「ん、ぅ…?♡…っ…♡」
至近距離にいるせいで小さな小さなこいつの喘ぎ声が直に耳に届く。こんなに甘えるみたいな声出すなんて…なんなんだよ、やめてくれ、お前のことなんて大嫌いだ、これ以上擦り寄るな、全部今更なんだよ、今更…今更、だけど、
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綺麗に手入れして、たまに撫でてやったり…体を操作して今みたいに恋人ごっこして、兄の役目を全うできないこいつに、せめて僕の恋人って役割を与えてやってずっと一緒にいるはずだった。もう僕のこと無視できないように、意識操ってずっとずっと…。
「兄様が、兄様が早く死体を持ってこないのが悪いんだ…僕は悪くない、当然の権利だし…兄様がこいつを好きにするなら、僕だって僕だって僕だって…!」
ちゅっと、頬に柔らかいものが触れた。ぎこちなく顔を動かして視線を向ければ、こいつが僕ににっこり微笑んでる。
「かい…♡」
「ッ~~~~!!」
キスしてきたんだって気づいた瞬間、最後の最後にギリギリ保ってた理性の糸がプツッと切れた感覚が確かにあった。名前呼ばれた、アスランに名前呼ばれた、僕のことちゃんと認識してるんだ。
押し付けるように強く唇を合わせて夢中で舌を貪って、こりこりっ♡かりかりっ♡て片手で乳首を何度も何度も弄くる。
こいつがイクまで、体がおっきくビクってするまで離してやらない。イけ、イけよ、僕にキスされてイって、僕の恋人になったって、大好きって証明しろよ。
「ん゛んっ♡♡んッ、ん゛♡♡ぅ♡♡っ、♡ぅう゛っ♡♡」
カクカクっ♡ビクンっ♡ってこいつの体が痙攣して、無様に足ピンしながら中締め付けてメスイキしてる。
ああ、こいつもう射精できないんだ、男として完全に終わっちゃったんだ。僕にキスされながら乳首弄られて、肉棒締め付けながら為す術なくイクことしか出来ないんだ。
「お、お前は…僕のことが好き、好き、好き…僕のことが大好きで、僕に触られたら幸せになる、僕の声で気持ちよくなる、僕に愛されたくてたまんなくなる…」
「ぁ、う゛っ♡♡ぅっ、う゛♡♡」
「僕の唾液受け入れて、ほしいほしいって求めて、それで、それで…」
耳に唇が付く程の距離から脳に直で呪言として放つ。すんなり体が言葉を受け入れるように、できるだけ優しく猫撫で声で言い続ける。
瞳孔が段々と桃色に色付き始めていく様子を眺めながら、この後のことをぼんやり考える。部屋から出る時までに精液ちゃんと掻き出して、兄様にバレないようにしないと。
「でも、まだ僕のでいっぱいになっててほしいな…。お前も…アスランもその方がいいよね?」
「ひぁ♡♡んんっ♡♡ぁっ、んうぅっ♡」
「へへっ、てか全然恋人らしくないじゃん。ほんとに僕のこと好きになってんの?ねえ」
「んっ♡んぅっ♡」
「だよね…♡意地悪言ってごめんね、アスランは今は僕のだもんね。ちゃんと返すから、元に戻すから、今だけだからっ♡もう兄になんなくていいから、証明して、キス欲しがって♡」
「っ、んん、っ♡♡は、むっ…んっ、ん…」
アスランが僕の下唇を甘く何度も唇で食む。唇を触れ合わせてとろとろ唾液を流すと、今度は素直に飲み込んでくれた。
嬉しいな、可愛いな、ほんとに恋人みたいだ。
優しく奥をノックするようにまた動き始めると、アスランが腰を自分から押し付け小さく揺らしてくる。
「ぁへっ、♡ぁ゛っ、ひぁっ♡ぁんっ♡♡あっ♡んぅ゛っ♡♡」
「あ~、可愛い♡ずっとこのままでいてね。僕の恋人でいてね」
僕がなにか声をかける度にお返事するみたいにキュンって中が可愛く反応する。指の腹で乳首優しく撫でると、アスランは「♡♡」って声にならない甘い吐息と共に軽く絶頂した。
ふと目を合わせると、切なげに見返されてたじろぐ。アスランはゆっくり両手を僕に伸ばして、じっと僕が抱きしめ返すのを期待するように待ってる。
精神干渉して操ってるのは僕なのに、これは僕が操作して命令した結果なのに、驚いてしまって咄嗟に動けない。
抱き返さない僕に対して、アスランは困ったように眉を下げて手を下ろしてしまった。
「あ、っ…♡♡しょんぼりしてる…♡悲しかったんだ、僕にぎゅ~してもらえなくて悲しいんだ♡ごめんねごめんね、ちょっとびっくりしただけだよ♡」
「ん~っ♡っあ♡ぁぅっ♡♡んっ、んっ♡♡」
たまらずアスランの背が仰け反るほど力いっぱい抱き締め返して、僕に甘やかされてすっかり油断したまま蕩けきった奥に、打ち付けるようにどちゅどちゅ音を立てながら激しくピストンする。
「ッ~~!?♡ぉ゛ッ♡お゛へッ♡♡ぉ゛ッ♡♡んぉ゛ッ♡」
ずっと優しく丁寧に抱かれてたアスランは、突然遠慮なく荒々しい欲望ぶつけられて目を白黒させながらも震える手を僕の背中に回して、きゅっ♡て抱きついてくる。可愛い、恋人アスラン可愛い、中ガツガツ削られまくって連続イキしながら抱きついてくるアスラン可愛い、好き、好き、可愛い、可愛い。
「アスラン、出すよっ…♡受け取って、受け取れッ…♡逃げるな、逃げるなッ…♡♡」
「ほ、…ぉ゛ッ♡♡ぉ゛~~ッ…ぉ゛~~……♡♡♡」
濃厚な魔力を感じ取ったのか、中にたっぷり種付けすると同時にアスランもガクガク肩をビクつかせながら絶頂してくれた。プシッ♡プシッ♡て潮吹きまでしてるのに、腰を逃がそうとしないで大人しく痙攣したまま抵抗しない。だけど意識がもう保てないみたいで、背中に巻きついていた手から力が抜けてぷらんって垂れ下がる。
「ッ…♡♡ッ♡♡……♡♡♡」
「寝ちゃった…。情けない寝顔、かわい…。…次来た時も、また最初からやり直しなのかな、やだな…。覚えててね、僕の形覚えて、気持ちいいの覚えてて…」
アスランの魔力が永遠に戻りませんように。アスランがずっと無力なままでありますように。だって昔みたいに偉そうな口調で罵ってきたり、冷たい瞳で見下されたら殺したくなっちゃう。無力で意識が朦朧としてて、素直で可愛く甘えてくる恋人のアスランで居てもらわなきゃ、今度こそ死体にして人形遊びするしかなくなるし。
セレス兄様と共有も、本当はしたくない。でもセレス兄様は優しくてずっと僕を気にかけてくれるから裏切りたくない、気づかれたくない。兄として尊敬しているし、次期当主の兄様を支えたい気持ちは変わらない。兄様がアスランに魔力を渡しに行くのだって、同情とか優しさだって思いたい。だけどアスランの元に向かう兄様の目は…、いや…これ以上…考えちゃダメだ。
アスランの中からずるりと陰茎を抜き取ると、こぷこぷ白濁液が溢れてくる。分かってはいたけど、淫魔みたいに精液ごと吸収されるわけじゃないんだって知って少しがっかり。
「んっ…」
気絶したままのアスランが、まるで抜かれてしまったことが寂しいって言うような切なげな声色で喘ぐから、まだここに居たくなる。後処理をして兄様にバレないようにしなきゃなのに。
「また明日ね。すぐに会えるから、約束」
自分の小指をアスランの小指にぎゅっと絡めて、アスランがさっきしてくれたように頬に軽く唇を触れさせた。
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