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番外編
三男×長男
しおりを挟むセレス兄様が塔から出る時間を見計らって扉の前に行けば、兄様の名前を呼ぶアスランの蕩けた嬌声が聞こえてきた。
「…なんで、」
部屋から肌と肌がぶつかり合う音が響く。淫らな水音に耳を塞ぎ、呼吸もままならず座り込む。胃液が迫り上がり吐き出しそうになるが、今咳き込めばここに居ることが明らかになってしまう。
『ひぅう゛ぅ…♡♡せ、れ゛…ひゅぅ゛…っ♡♡♡ぁあ゛ッ…♡ぁあぁ゛…♡』
「…う゛ぅ……ッ、…ぐす…」
僕は精神干渉までしてようやく名前を呼んでもらったのに、兄様はいとも簡単にアスランから引き出す。
体だけは僕のものになったと思い込んでいたアスランが、兄様に犯されて幸せそうに喘いでいる。盗られる、僕の恋人が奪われていく。行為が終わって声が止まってもなかなか出てこない様子に更にどん底に叩き落とされた気分になり、階段から転げ落ちそうになりながら手すりを頼りに下まで降りて出口と反対側の影に身を隠して蹲った。
「お゛ぇッ…、ッ、…ぁ゛…」
やっぱりアスランを殺しておけばよかった。アスランから迫られてぬか喜びして、恋人の真似事をさせて勘違いしてた。アスランは僕のものになんてなってくれないし、僕のものじゃないアスランなんていらない。なんの価値もない。セレス兄様が帰ったらアスランの元に行って、ズタズタに引き裂いてやる。
「…死ねよ、死ね、死ね…、殺してやる、殺してやる…」
兄様のために解してるだけなんて言い訳してたのが馬鹿みたいだ。こんなの望んでなかった、僕だけでよかったのに。アスランの中が僕の魔力だけで満たされればいいって思ってたのに、こんなことされたら不可能じゃん。
体を殴りつけて傷つけて、無理矢理魔力を消費させる?いやそれは絶対駄目、僕のこと本当に嫌っちゃう。…なんて、殺せばどっちにしろ操り人形だし、嫌われるなんて関係ないのに。
「ぁは…、どんな服着せよっかな…」
僕だけのアンデッドになったアスランを想像して口元が緩む。アスランが以前好んで着ていた豪華な服は趣味が悪くて気に食わないから、今着ているようなゆったりした服に似た物を見繕ってあげようかな。恋人にして、結婚式して、ウェディングドレス着せて犯すのも可愛いかも、なんて。
セレス兄様が塔から出る様子を物陰から確認し、塔に入り階段を上っていく。強く拳を握りしめ続けたせいで、ぽたぽたと血が滴り落ちた。
扉を開けると部屋の中は今日も薄暗く、アスランの寝息が耳に入る。近づいてベッドに乗り上げ、アスランの首に手を添えた。徐々に力を込めて締め上げると、アスランはぼんやり瞳を開いて昨日みたいにゆっくり瞬きをした後小さく呟く。
「…かい…?」
「……ぁ、」
名前、呼んでくれた。
「アス、ラン…、」
咄嗟に首から手を離して、薄く手形のついてしまった部分を優しく撫でる。
「ぁ…っ、ごめん、ごめんね、…苦しかったね」
顔を近づけ唇を合わせると、弱々しくちゅっと舌に吸い付いて素直に唾液を飲み込んでくれる。
怒りがスっと頭から引いて冷静になっていった。なんだかようやく兄様と同じラインに立てたような気がした。そっか、焦らなくて良かったんだ。アスランが兄様に抱かれたって、初めてはもう僕のだし。ここから僕のこと少しずつ好きになっていってもらえれば、それで。
「せ、れす……せ、…れす…」
けれどアスランは何故か不安そうな顔をしながら部屋を見回す。兄様の名前を呟きながら、まるで兄様を探しているかのように。
「ごめんね、兄様はいないよ。今は僕が、」
「せ…、せれ、す……」
何を伝えても兄様を探すアスランを落ち着かせるため抱きしめようと近づくと、拒絶するように手で押し返され視界が真っ赤に染まる。
「だから、兄様は今、」
「うぅ゛、せれ、」
「~~~ッ、…黙れ、黙れよッッ!!!!!」
「ひ、っ、」
アスランが怯えたように体を跳ねさせる。片手で両頬を強く掴み強引に引き寄せると、頬が潰れ不細工で可愛い顔をしながら両目に涙をうっすら浮かべて小刻みに震えていた。
「ふ、ぎぅう…」
「…これ、兄様が着せたの?全然似合ってない、てか…これから抱くんだから服なんて必要ないでしょ。生意気、生意気…」
シャツを破り捨ててベッドの下に放り投げ強引に下着を下ろすとアスランはまた叫び出した。
僕が目の前にいるのに兄様を求めるなんて、やっぱりまだ僕はアスランにとって兄様よりもずっとずっと下の存在なんだ。対等の扱いになれるわけがなかった、名前呼ばれた程度で浮かれて馬鹿みたい。
「せ、れ゛す、!せれ゛ひゅ、せれッ、ん゛うぅ゛っ!」
助けを求めるように煩く叫ぶ様子に苛立ち、声が出せないよう口にアスラン自身の下着を詰め込み塞ぐ。自身のベルトを片手で外し、アスランの口を縛り上げて固く結んだ。
「ん゛ぅ゛~~ッ!!む゛うぅ゛っ!!」
魔力が欠乏し常にぼんやりとしているアスランも、僕の様子を見て流石に命の危険を感じたのか声を上げて抵抗している。逃げようと身を起こすアスランの乳首を敢えて優しく捏ね上げれば、簡単に脱力してベッドに沈み込む。
「ん~♡♡ん゛ぅ~♡♡」
「殺そうと思ったけど今日は許してやる。朝まで頑張ろうね、アスラン」
「ん゛んッ!?ん゛んぅ゛ッ!!」
アスランは目を見開き、涙を浮かべて僕を見る。口が塞がれて呼吸が少し苦しいらしい。
首を振って拒絶を示そうとするけど、口が塞がれてるからくぐもった声しか出ない。
拘束を外そうとしているのか手で無意味にガリガリベルトを引っ掻いており、相当知能が落ちているんだなと嘲笑う。
どうせ兄様と交尾をした後なのだからと指を三本乱暴に押し込む。爪を立てて内壁を引っ掻くようにバラバラに動かし、しこりをわざと強く押してぐりぐりと削る。
「ん゛う゛っ♡♡んむぅぅ゛♡♡」
ビクンッ♡ビクンッ♡と跳ね、腰が逃げようとしている。もっと苦しめたくて動きを早めると、首をブンブン強く振って喉を仰け反らせながら絶頂した。
「ん゛~~ッッ♡♡♡」
「ちゃんと感じてよ。気持ちいいの上書きしてやるから」
ベルトから手を離しベッドに腕を大の字に投げ出したアスランは、涙を流しながら腰をくねらせる。今日は限界まで弱らせてから精神干渉してしまおう。効果が終わっても脳が覚えるように、弱らせて弱らせて頭に染み込ませないと。体が僕のものにならないなら、心を堕とさなければ。
「ん゛う゛ぅう゛ぅ゛♡♡♡ん゛ぐぅ゛うぅ゛う♡♡♡」
乳首に触れようとすると身を捩って避けたことに腹が立ち、乳輪ごと強く摘み上げて指先で潰すように刺激する。
「あ、またイった♡♡」
「ん゛む゛うぅう゛~~~♡♡ん゛~~ッッ♡♡」
僕を拒絶した罰として肩や腹に血が滲むほど噛みつくと、意外にも中をきゅうきゅう締め付け喜んでいる。片方の乳首をすりすり撫でてあげながら首元に歯型を残すと、肩を小さく跳ねさせ乳首イキしたようだ。真っ赤に腫れ上がってピンと勃っているのが可愛くて、ねっとりと舐め上げた後乳輪に沿って噛み跡を付けた。
「ん゛ッッ♡♡♡ん゛ぅう゛♡♡」
「何、マーキング好きなの?お仕置きなんだけどな」
「ッ、♡♡む゛、く゛ぅ゛…っ♡♡」
潮吹きで返事をするアスランが間抜けで可笑しく、セレス兄様にバレるなんて考えを投げ捨てて体中に鬱血痕を残していく。
セレス兄様のことは大好き、大切な僕の兄様。だからアスランのことで恨んだりしない。だってアスランが誘惑したのが悪いから。だけど、誰の所有物なのかだけははっきりさせなきゃ。
兄様がアスランを抱いたのだって、僕が抱いた痕跡を消しちゃったせいだ。アスランが僕のものだって分かってくれれば、兄様だってもう手出ししないはず。
「ん゛♡♡ん゛ぅっ♡♡♡う゛ぅう゛♡♡♡」
アスランが何度絶頂しても指を止めてあげない。気絶しても前立腺を弄り倒し続けて、涙を流しながらぐったりと反応しなくなってからようやく指を抜く。
「う゛…っ、♡♡う、ぅ゛…っ♡」
「アスラン、こっち向いて」
耳元でそう囁けば、もう命令を聞く元気すらないだろうにアスランは無理矢理体を動かし僕に従った。
「アスランは、僕が好き。僕のことが大好き、大好き、大好き」
「っ、…?♡♡ぅ゛…う゛…♡♡」
「僕の、恋人…っ♡僕の恋人、だから…っ♡♡僕のことが、1番好きで、だ~いすき…♡」
「……ん~~……♡♡」
涙はすぐに止まり、虚ろだった瞳がとろんとしていく。雑魚過ぎて可愛い、小さな子どもですらここまで簡単にかかることはないのに。ほんのり桃色に染まったのを確認してベルトを外してあげようと手を伸ばすが、今僕以外の名前を呼ばれでもしたら本当に勢いあまって殺してしまう。
手が伸びてきたのを見て僕に撫でてもらえると勘違いしたらしく、掌に頬を擦り付けてすりすり甘えてきた。声が出せないから、体で愛情表現しているつもりなのかな。ベルトを巻いているせいで頬の感触が伝わってこない。
「これは罰なんだよ、だから今媚びたって意味ないから」
無理矢理大好きにしたのは僕なのに、苛立ちを消しきれずにアスランに八つ当たりする。溜飲が下がらない、全く気が晴れない。
精神干渉解けたら、今度こそ怯えられる。気持ちいいことだけしてあげて、僕を見て安心して欲しかったのに。
「意味ない、僕のことほんとに好きじゃなきゃ意味ない…」
「ん゛、…♡♡ん゛……♡♡♡」
「…………かわい…」
僕のことが大好きでたまらないって声でか細く唸られたらもう我慢できなかった。露出させた性器をぱっくり開いた後孔に少しずつ押し込む。僕を拒絶していたのが嘘みたいにすんなり奥まで受け入れられ、内壁が歓迎するように柔く締め付けてくる。前立腺を甘く擦るとわかりやすく腰が浮き、達したのか中がキツく締まった。
「気持ちいいでしょ、しっかり僕の形覚えてね。これでイかされてるんだって感じて」
「ん゛っ♡ん゛っ♡♡ぅ゛っぅっ♡♡♡」
「僕って優しいよね、抱かれるの幸せだよね?」
「ん゛~♡♡ん、ん゛♡♡んぅうっ♡♡」
「アスランは僕のこと好きなんだよ、ずっと僕のことが大好きで、僕に抱かれたいって思ってたんだよ。そうでしょ?」
絶頂直後の最奥を小刻みにノックすると、数秒も経たない内に連続イキしてくれたのかビクンッと跳ねて太腿をガクガク震わせた。抵抗するアスランを無理矢理捩じ伏せてやるのもいいけど、やっぱりこうして甘えられる方が好きだ。
「好きな人に種付けされて幸せだね、アスラン♡ぁ~っ、イキ肉締まるッ♡」
「ッ~~♡♡♡ん゛~~♡♡♡」
「中出しされて痙攣イキするくらい、僕のこと愛してるんだ♡♡」
腰をゆったり打ち付け奥を優しく突き上げ続け、それから夜が明けるまで何度出したか分からないほど魔力を注いだ。腹をぼってりと膨らませたアスランは完全に意識を失い、深イキさせても覚醒する気配はない。
「アスランは…僕のことが、大好き…♡僕といると幸せ…♡♡」
「っ♡♡っ゛…っ、…♡♡♡」
暗示を行為中ひたすら呟き続け、魔力を特に濃く練り込んだ声を絶頂の瞬間に耳元で発する。アスランの体に痕を増やす度に微かに体が跳ねて、なんだか僕だけの肉人形になったみたい。
セレス兄様が来たらきっと驚くだろうな。アスランは僕のものだって分かってくれるかな。
「あ~、どうしても出てっちゃうな」
中から引き抜くとこぷこぷ精液が溢れてきてしまうので、指で掬って中に押し込み内壁に擦り付けるようにぐいぐい塗りたくる。
「このまま塔から連れ去ったら、兄様怒るかな?どう思う?アスラン」
「……♡♡っ、…♡♡」
「はぁ…。本当に孕んじゃえば僕だけのものになるのに」
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コメントありがとうございます!1番ですか!?とても嬉しいです😭✨️更新頻度は低めですが今後もupする予定ですのでまた見に来てくださいませ<(_ _*)>
思いついたらにはなってしまいますが、カイのお話もいつか追加予定です🙆♀️ここまで読んでくださりありがとうございました!