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悪質な噂
しおりを挟む俺は全員分の仕事を何とか片付ける為に生徒会室に籠りきり黙々と作業に没頭していた。
しかし、俺の姿が見えなくなると同時に学園にはこんな噂が流れ始める。
『生徒会長は親衛隊や一般生徒に手を出し、生徒会室で行為に耽っている為他の役員が仕事をすることが出来ない』
勿論俺はそんなことはしていない。根も葉もない噂に俺は思わず耳を疑い青褪め、精神的な苦痛に涙が止まらず崩れ落ちた。
食事を買いに外に出る度ヒソヒソと話され、時には聞こえるように嫌味を言われることもあった。
『誰彼構わずヤるようなクズ』
『すげー淫乱らしいぜ。生徒会室で何してんだか』
この噂を流したのは、考えたくはないがきっと役員達なのだろうか。最低で最悪の憶測だが、親衛隊達にそういった接触をしたことは無いし俺を恨む生徒が故意に噂を流そうとしても、周りの生徒が信じる可能性は低い。
でも、俺に近い彼等なら…あぁ、駄目だ、駄目だ。
仲間達を疑うなんて最低だ。けれど、けれど…。
生徒会室には基本一般生徒は立ち入ることが出来ない。
ならば俺をリコールし、転校生を生徒会役員全員で推薦し、教師や風紀委員会のサインさえあれば生徒会長の座に成り上がることも不可能ではない。
そうすれば、規則を破ることなく転校生を生徒会室に招き入れられ、彼等も心置き無く仕事をすることが出来るだろう。転校生に肩入れしない邪魔者の俺を排除することで…。
そう言えば過去に何度か役員達が転校生をこの部屋に招き入れ、その度俺が注意していた。
我ながら酷い予想だとは思うが、どうにも間違いだとは思えなかった。
肝心の風紀委員長は、いつもなら俺に会いに来る筈の時間にも生徒会室にも一切来なくなった。きっと涼介も転校生の味方なのだろうか。
噂に聞く転校生の性格だ。怖がられ距離を置かれていた涼介に普通の生徒同士として接したのだろう。きっと嬉しかっただろうな。
俺でさえ、初めはアイツに対して一歩下がって接していたのだから。
「俺は、皆のこと…大好きなんだけどなぁ」
ぽろぽろと零れ落ちる涙を拭うことなく、机にうつ伏せたまま声を押し殺し書類が濡れることなどお構い無しに泣き続けた。
ようやく気持ちも落ち着いて泣き疲れた頃、このまま寝てしまおうかとウトウトしている中、俺は突如聞こえたドンドンドン!と力任せに生徒会室の扉を叩く音に飛び起きることになった。
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