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拒絶
しおりを挟む涼介の声だ。
しかし、何故ここに…?俺に何か用事があるのか、それとも移動の催促か。
どちらにせよ、今は会いたくなかった。
諦めようと決断をしたばかりなのに、涼介の声を聞いてしまったら決意が揺らいでしまう。
まだ、アイツから決定的な言葉を貰ってないから…心の何処かではまだあの式での発言も風紀委員長の役割として仕方なくやったのでは無いか、もしかしたらまだ半信半疑なんじゃないか。
そんなありもしないような想像で自分はまだ完全に嫌われた訳じゃないと思いたかった。
何を言われるのだろうか…正直怖くて怖くて仕方ない。
流石に扉を開ける勇気は無かったが、ドアチェーンをかけたままほんの少し開くくらいなら大丈夫な筈。
呼吸を整えながら部屋の扉に向かいチェーンをしたままゆっくりと開く。
「り、涼介…?何か用か?」
「!!………居留守を使うかと思ってたが、大人しく出てきたか。
…お前、生徒会室を私物化した挙句仕事ほっぽってセフレ連れ込んで遊んでたんだってなぁ、見損なったぞ。」
今まで俺に向けて発していた優しい声とは似ても似つかない程、冷たくこちらを馬鹿にするような声色で話す彼への恐怖で扉から一歩下がる。
足を扉に挟まれ閉められない。
「チッ、だんまりかよ。
ま、それに比べて天野は会長に適任だな。
全く、お前なんかに心を許してたのが俺の中の最大の汚点だぜ。」
大好きな人にひたすら罵倒される地獄の時間。いくらほんの少しの隙間だとしても俺の顔が涼介に見えてしまう。
涙をこぼさないよう、必死に強がるしかなかった。
「っっ……な、なにが、言いたい…。まさか、それを言うためだけに…来たの、か?
ふ、風紀委員長ってのは、、、ずいぶん暇なんだな…。」
震えた声で話す俺を涼介は馬鹿にしたように嘲笑した。
「いーや、一つ忠告しに来た。
……お前、俺のことが好きなんだろ?」
「!!!」
思わずたじろぐ、なんで、どうして分かっているのか、
頭が混乱して上手く言葉を返せない
「毎度毎度熱っぽい目で見て来やがって、バレて無いと思ってたのか?
気持ち悪いとは思ってたが今回の件で更に失望した。お前も所詮は媚び売り共と同じだったんだってな。
もう、俺に近づいて来んな。それだけだ。」
涼介が、心底軽蔑したような声色で話す。
本当にそれだけなのか、扉に、俺に背を向けて歩きだそうとする。
言われてしまった、決定的な言葉を。
もう、希望も何も全て無くなってしまうじゃないか。嫌だ、嫌だ、、!
「い、やだ……ッッいやだ!涼介!!涼介、待ってくれ、待って!!」
まだ寝間着から制服に着替えてもいないが、そんなことお構い無しに急いでチェーンを外し扉を開き涼介の腕を掴む。
あれ程耐えていた涙をみっともなく人目も気にせず溢れさせながら必死に懇願する。足は無様に震えて今にも崩れ落ちそうになっていた
「ちがう、俺は仕事をほったらかしになんてしてない……!セフレなんていない…、涼介、信じてくれ……お前のことが好きなのは本当だ、迷惑はかけない、また前みたく、側に…いさせてくれ…
たのむ…しんじて………」
次の瞬間、腹に鈍い衝撃が走った。
腕は振りほどかれ、思い切り腹部を蹴りつけられた。
吹き飛ばされた体は壁に打ち付けられ上手く息が出来ない
あまりの出来事に頭の中も視界も真っ白になる
涼介は壁にもたれかかる俺の胸ぐらを乱暴に掴み、青筋を立て鋭く睨みつけてくる。
「いい加減にしろ。この期に及んでまだそんな馬鹿なこと言ってんのか……呆れた。
もういいわ、春。二度と話しかけるな」
気色悪い
そう吐き捨てるように言ったアイツは俺なんかはもう眼中に無いと言わんばかりに早々に帰って行く
「っ…ぅあ………あ…………ぁ………?」
もう、足に力が入らない。
頭がまだ混乱している
壁にぐったりともたれたまま、俺は涼介が去って行った方向を虚ろな目で放心したよう見つめていた
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