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たった一人の味方
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彼の姿が見えなくなり暫くした頃、やっと力無く起き上がり部屋によろよろと戻る。
目が赤くなり痛むが、涙が止まることは無かった。
頭痛がする、泣きすぎたせいだろうか。
こんな顔じゃ天野に会えないなと、どこか他人事のように考える。
まだ痛みの残る腹部を撫でながら、先程の涼介の顔を思い出す。
こちらを睨みつけ、心底気持ちが悪いと言うような顔を向けられたことがフラッシュバックし震える身体を抑える。
涙とトラウマによる恐怖でもう頭の中がぐちゃぐちゃだ。涼介にあんなことを言われたのだ、当然もう卒業した後だって彼に話しかけることも近付くことも出来ないだろう。
本人からそう言われてしまったんだ。更に何故か身体が拒絶反応を出していた。
あんなに好きだったのに、今も好きなのに、もう会いたくない。
矛盾した気持ちを抱えながら悶々と時間が過ぎるのを待っていた。
「春!本当に大丈夫か!?不安じゃないか?Fクラスの寮に移るんだろ!絶対に危ない!!危険だ、俺は反対だ!!」
昼になっても夕方になっても一向に来なかった天野は、大量の荷物を抱え部屋にやってきた。
昨日まで熱を出していて片付けも出来ぬまま突然の出来事で事前に準備もしてなかったそうだ、時間がかかっても仕方ない。
俺の荷物も、天野が来る頃にはもうFクラス寮の部屋に移動させておいた。
同室のヤツも居るようだが、こちらに来るなと言わんばかりの雰囲気に俺も思わず急いで適当な場所に荷物を置き、逃げるようにこちらに戻ってきてしまった。
だが、当の天野は俺と顔を合わせるなり酷く心配してきた。
目が赤いだとか、なにかまた辛いことがあったのかだとか。まるで式のことは知らない様子だ。
彼等の寮はとても危険だから、こっそりこの部屋で一緒に生活しようだとか。俺の為に色々考えてくれている
本当に優しい奴だ。
俺はお前に、自分の不甲斐なさを棚に上げて怒りをぶつけようとしたのに。
役員達や好きな人を丸ごとかっさらって行ってしまった天野を理不尽に怒鳴り散らしてやろうと思っていたのに。
あの時生徒会室でのあの言葉にどれだけ救われたか、今だって俺の為を思ってこんなにも必死になってくれている。
ぐらぐらと不安定な心は少しずつ少しずつ、涼介から天野に傾こうとしている。
そんなあやふやな自分が嫌になる。
「確かに、あちらの寮に戻らなくとも俺なんかを探す人は居ないだろうし、アイツらはかなり規則に対してルーズだ。
でも、それでもこれ以上天野に迷惑をかけるわけには…」
「ンなこと気にすんなって!!明日も休みだろ!この事はゆっくり考えようぜ!それと、そんな真っ赤になるまで泣いてたんなら俺が話を聞いてやる!!
俺、結局お前になんもしてやれなかったから…少しくらいは力になりたいんだ!」
そんな提案、お前になんの得も無いのに本当におかしな奴だ。
相変わらず声が大きく勢いも距離も近い。
俺に任せろ!とでも言うように自信ありげに腕を組んでいる天野は、幼いように見えてとても頼もしかった。
本当はもう、俺はあちらの寮に帰らなければならない。
けれど、それでも、俺はまだこの場所で話がしていたかった。
涙もすっかり乾いた俺は、
「分かった、ありがとうな」と天野に返し厚意に甘えることにした。
目が赤くなり痛むが、涙が止まることは無かった。
頭痛がする、泣きすぎたせいだろうか。
こんな顔じゃ天野に会えないなと、どこか他人事のように考える。
まだ痛みの残る腹部を撫でながら、先程の涼介の顔を思い出す。
こちらを睨みつけ、心底気持ちが悪いと言うような顔を向けられたことがフラッシュバックし震える身体を抑える。
涙とトラウマによる恐怖でもう頭の中がぐちゃぐちゃだ。涼介にあんなことを言われたのだ、当然もう卒業した後だって彼に話しかけることも近付くことも出来ないだろう。
本人からそう言われてしまったんだ。更に何故か身体が拒絶反応を出していた。
あんなに好きだったのに、今も好きなのに、もう会いたくない。
矛盾した気持ちを抱えながら悶々と時間が過ぎるのを待っていた。
「春!本当に大丈夫か!?不安じゃないか?Fクラスの寮に移るんだろ!絶対に危ない!!危険だ、俺は反対だ!!」
昼になっても夕方になっても一向に来なかった天野は、大量の荷物を抱え部屋にやってきた。
昨日まで熱を出していて片付けも出来ぬまま突然の出来事で事前に準備もしてなかったそうだ、時間がかかっても仕方ない。
俺の荷物も、天野が来る頃にはもうFクラス寮の部屋に移動させておいた。
同室のヤツも居るようだが、こちらに来るなと言わんばかりの雰囲気に俺も思わず急いで適当な場所に荷物を置き、逃げるようにこちらに戻ってきてしまった。
だが、当の天野は俺と顔を合わせるなり酷く心配してきた。
目が赤いだとか、なにかまた辛いことがあったのかだとか。まるで式のことは知らない様子だ。
彼等の寮はとても危険だから、こっそりこの部屋で一緒に生活しようだとか。俺の為に色々考えてくれている
本当に優しい奴だ。
俺はお前に、自分の不甲斐なさを棚に上げて怒りをぶつけようとしたのに。
役員達や好きな人を丸ごとかっさらって行ってしまった天野を理不尽に怒鳴り散らしてやろうと思っていたのに。
あの時生徒会室でのあの言葉にどれだけ救われたか、今だって俺の為を思ってこんなにも必死になってくれている。
ぐらぐらと不安定な心は少しずつ少しずつ、涼介から天野に傾こうとしている。
そんなあやふやな自分が嫌になる。
「確かに、あちらの寮に戻らなくとも俺なんかを探す人は居ないだろうし、アイツらはかなり規則に対してルーズだ。
でも、それでもこれ以上天野に迷惑をかけるわけには…」
「ンなこと気にすんなって!!明日も休みだろ!この事はゆっくり考えようぜ!それと、そんな真っ赤になるまで泣いてたんなら俺が話を聞いてやる!!
俺、結局お前になんもしてやれなかったから…少しくらいは力になりたいんだ!」
そんな提案、お前になんの得も無いのに本当におかしな奴だ。
相変わらず声が大きく勢いも距離も近い。
俺に任せろ!とでも言うように自信ありげに腕を組んでいる天野は、幼いように見えてとても頼もしかった。
本当はもう、俺はあちらの寮に帰らなければならない。
けれど、それでも、俺はまだこの場所で話がしていたかった。
涙もすっかり乾いた俺は、
「分かった、ありがとうな」と天野に返し厚意に甘えることにした。
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