奴隷身分ゆえ騎士団に殺された俺は、自分だけが発見した【炎氷魔法】で無双する 〜自分が受けた痛みは倍返しする〜

ファンタスティック小説家

文字の大きさ
49 / 49

捕獲作戦 後編

しおりを挟む

「その力、知っているぞ。魔術師だな貴様」

 ガレットは剣を手にとると、強気な口調でゆっくりと間合いをはかるように歩きはじめた。

 俺は扉をしめて、足元の氷を移動させて出入り口を完全にかためる。

 これですこしは時間が稼げる。

「俺が不死鳥騎士団第二隊伍長騎士ガレット・ハリケンとわかっての狼藉か。答えろ、魔術師」
「お前の罪を焼きにきた」

 俺は射程にとらえるために歩いて近寄る。
 ガレットは「騎士を舐めるな!」と気合いといれた雄叫びと共に鋭い突きをはなってきた。

 俺は足元の氷を移動させて、ガレットの踏み込んだ足を凍らせる。
 そして、2歩下がることで剣の間合いから紙一重で離脱した。

「なっ!? 魔術とは詠唱が必要なのではないのか! こんなに素早い展開能力聞いてないぞ…!」
「魔術師にもいろいろいるというだけだ。同じような騎士でも、誇りを抱く者と、弱者をなぶることを趣味とする鬼畜がいるようにな」

 ガレットは膝までのぼってくる氷に焦りの表情をうかべる。
 彼はそのまま「ええぃ!」と声をあげて、氷の根本を剣で叩ききった。

 彼は片足を膝から下凍らされた状態で、俺から間合いをあけて本棚に寄りかかった。

 されも、剣先だけはむけて来ている。

「子どもなのに、なんたる威圧感……これが魔術師だとでも言うのか……」

 ガレットは半ば戦意喪失してるようだった。

「いいや、だが、こんな所で殺されるわけにはいかん。魔術師、貴様の望みを言え! いったい何の恨みがあってこんな事をする!」
「罪を焼きに来たといってるだろう」

 俺は2年と半年前、ガレットが不死鳥騎士団の雑用係を斬り捨てた事実を言い当ててみせた。

「……っ、そんな、まさか、あの事件を知っている、というのか?」
「ああ。密告者がいた」

 当然、嘘である。
 
「ミラーか? クベイルか? まさか、団長? いや、だが、そんな事をして何の得がある……?」

 ガレットは冷や汗をながして、頭をフル回転させているようだ。

「俺は正義の執行者だ。お前たちの悪逆非道を焼きにきた」

 俺がそう言い、手のなかにたもっていた火炎の球を投げるべく腕をもちあげる、

 すると、ガレットは「待ってくれ!」と地面に頭をこすりつけてきた。

「違うんだ! あの頃はたしかに私も未熟だった! 自分の身勝手のせいで、感情にまかせて、献身的な働きをしていた雑用係を殺してしまったかもしれない!」

 かもしれない?
 何言ってんだよ、こいつ。

「だが、私は変わった。見てくれ、今では私はハリケン家の当主なんだ! 私はたくさんの騎士見習いたちを訓練をして、使用人たちの生活も支えてる!」
「ほう」
「心を入れ変えたんだ! 私の妻を見ただろ? 先々月結婚したばかりだ。彼女は平民の身だが、私はミラーやクベイルとは違って彼女を劣等な人間だなんて思ってない!」

 ガレットは頭をあげて、涙を垂れ流しながら懇願してくる。

「頼む……! 彼女のお腹には子どもいるんだ! 私には家族がいるんだ、家がある! 今さらそんな昔のことを持ち出されても、どうしようもないじゃないか!」
「……死んだ者の痛みは? お前が殺したあの奴隷はいまも地獄で呪っているかもしれないぞ」
「死者は痛みを感じないだろう? 確かに殺した。だが、それで終わりだろう? 不正を暴きたいなら、いいだろう。認めるさ。だが、反省してるし、後悔もしてるんだ。許してくれよ。そもそもお前には直接的に関係ないだろう……!」

 ふざけんな。

「それは、お前の都合だろうが」

 完全にブチギレてしまった。
 どこまで身勝手なんだ。
 あれだけよ理不尽をおかして「もう終わったことだろう?」だと?

 俺は膝を折るガレットの顔面に、火炎球を押しつけてそのまま地面に張り倒した。

「アァ、アアア゛、ア゛ァア!! 焼けるぅう、ぅう!、ぁがあああ、」

 ガレットの顔を焼き、俺は残酷な衝動をそのままに剣を拾って片口に思いきり刺した。

 金属の剣身をつたって、冷気を送り込み、傷口を内側から凍らせて凍傷をおわせる。

 そうして、しばらくいたぶってやるとガレットはすぐに「ごめん…なさい、許してください……」と泣くだけの人形にかわった。

 扉の外が騒がしくなって来た。
 これ以上は長居できない。
 俺はそう判断してボロボロのガレットを連れて、窓を突き破り屋敷をあとにした。
しおりを挟む
感想 10

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(10件)

キョウ
2022.03.11 キョウ

上に報告しない主人公がラテナを巻き込んで被害に遭わせてるだけじゃない?

解除
kamuy
2021.02.04 kamuy

9歳で独立は早急過ぎて自分勝手だ。9歳からやり直したほうがよかった。

解除
チロル
2020.10.22 チロル

面白いです。
ただ14話、23話、25話で妹がリクにぃと呼んでいるのが?

解除

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした

藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると 土地を蝕む邪気となって現れる。 それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。 派手な奇跡は起こらない。 けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。 ――その役目を、誰一人として理解しないまま。 奇跡が少なくなった。 役に立たない聖女はいらない。 そう言われ、私は静かに国を追放された。 もう、祈る理由はない。 邪気を生み出す原因に目を向けず、 後始末だけを押し付ける国を守る理由も。 聖女がいなくなった国で、 少しずつ異変が起こり始める。 けれど彼らは、最後まで気づかなかった。 私がなぜ祈らなくなったのかを。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

治癒魔法で恋人の傷を治したら、「化け物」と呼ばれ故郷から追放されてしまいました

山科ひさき
恋愛
ある日治癒魔法が使えるようになったジョアンは、化け物呼ばわりされて石を投げられ、町から追い出されてしまう。彼女はただ、いまにも息絶えそうな恋人を助けたかっただけなのに。 生きる希望を失った彼女は、恋人との思い出の場所で人生の終わりを迎えようと決める。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。