雑魚スキル【観察記録】のせいで婚約破棄された少年は、モンスター達とともに世界を無双する。

ファンタスティック小説家

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改築作業 後編

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「俺の魔力量も限られてる。一回、一回の召喚で得られる情報はすべて記録して次に役立てていくぞ。 ──では、実験を開始する」

 さっそく怪書を召喚して、アナザーウィンドウを開いた。

───────────────────


アルバート・アダン
スキル:【観察記録】
体力100/100
魔力197/223
スタミナ50/100


───────────────────

 今日はまだ召喚自体おこなっていないので、魔力量自体はしっかりと残っている。
 ただ、床を貫通させるのでチカラを使ったのでスタミナと魔力をやや消耗していた。

 10個ならぶ檻の一番はしっこへ、コケコッコの項目を開いて召喚をおこなった。

 魔力の消費量は『49』であった。
 コケコッコの項目に書かれている推定消費魔力が『20』である事を考えれば、法外な魔力量を持っていかれたと言っていい。

 となりの檻にも同じようにコケコッコを召喚する。

 すこしずつ消費魔力はさがったが、それでも4羽召喚するのが限界だった。

「残り魔力は『9』か。余らせるのはもったいないから、ファングでも召喚しておくか」

 1日につかえる魔力量は限られている。
 すべて使い切らないともったいない。

 アルバートは守銭奴的思考で、魔術工房のはしっこへ、ファング召喚を使っておいた。

 残り魔力は1/223となり、これで今日もぐっすり熟睡できそうだと彼は思った。

「さて、それじゃしばし待つとしようか」

 ──10分後

 4匹の元気なコケコッコが、それぞれの檻のなかに誕生していた。

 アルバートのかたわらにはファングが1匹お座りしている。

「ティナどうだ、記録は取れたか」

 アルバートは書庫にあった書物に目を通しながら、せわしなく目と手を動かしてたずねる。

「一応は……こんな感じでいいでしょうか?」

 ティナは自信なさげにノートを渡す。

 字体がやや汚く読みづらいが、しっかりと観察状況がまとめられていた。

「唯一読み書きできると聞いてたが、ここまで達者だったとはな。良い感じのレポートだぞ」

 通常、ティナのような一般の平民メイドは識字能力をもっていないものだ。

 ゆえにティナの能力には値打ちがあった。

 アルバートはそのことを見抜き「こいつは使える」と思いながら「綺麗な字だ。給与をあげよう」と彼女のことを褒めてあげた。
 
「えへへ…ありがとうございます…!」
「うむ」

 さてと。
 これでまたいくつか【観察記録】についてわかった。

 まずは、召喚と場所は関係性がないということだ。

 エフェクトから察するに土から湧いてるように見えたが、実際は魔術結界でおおわれた地下室で、かつ鋼檻の中でも問題なく出現してくる。

 となると、出現時の流動する血液こそが魔力の塊であると言えるわけだ。

 現象の時間差こそ気になるが、その間も刻印がうっすら温かいことを思えば、魔術式はずーっと稼働しているのだろう。

「つまりインターバルにほ理由がある。……とはいえ、まだそれを検証する段階じゃないか」
「時間差ってそんなに大切なんですね」
「ああ、式の展開速度は、はやいに越したことはない。遅いことには、なんらかの理由があると考えるべきだ。──だが、それよりもまず大切なのは実益だな」

 アルバートはコケコッコを1匹手にとる。

「今のアダン家に必要なものはなんだと思う、ティナ」
「ええと…魔術協会からの支援……?」
「具体的には?」
「……落ちた評価を協会主導で回復してもらう、とかでしょうか」

 末端のメイドであるティナでさえ、今のアダン家が苦しい状況なのはわかっている。

 それゆえに出した回答だった。

 が、アルバートはそこまで聞いておいて「違う」と一蹴した。

「金だ。アダン家は金を必要としてる」

 とてつもなく真摯な叫びであった。
 


















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