雑魚スキル【観察記録】のせいで婚約破棄された少年は、モンスター達とともに世界を無双する。

ファンタスティック小説家

文字の大きさ
29 / 57

やたら強い

しおりを挟む
 その後も町のいたるところで「スーパーファング」の噂の聞いた。

「コロ・セオ闘技場のスーパーファングは垂直の壁を登るらしいぞ!」
「ブロンズ冒険者じゃ相手にならねえってさ! シルバー帯でも楽な戦いじゃないらしいぜ!」

 だいたいが闘技場での試合観戦をおこなった者たちの、熱気あふれる余韻由来の声であった。

「エサが違うんだろうな」
「いいや、あれは特別な訓練を積んでるんに違いねえさ」
「そうそう、動きの質が違う」
「少なくとも1年……いや、使役術をもつ魔術家で2年はみっちり鍛えられないと、あそこまでの反応速度と、正確さは出せないさ」

 例の闘技場の博打打ちたちは、次からはファングに賭け金をゆだねることで意見をいっいっちさせた。

「そんなに凄いのでしょうか、スーパーファング」
「アイリス様、いけませんよ」

 興味を刺激されたアイリスは、馬上から通り過ぎていく男たちをみつめる。

 サアナは力なく首を横にふっていた。

「いいじゃないですか、アルバートはモンスターの専門家です。そんなに珍しいファングなら、面白い話の種になると思うんですよ」

 アイリスはそう言って、サアナに反論の余地をあたえず手綱をコロ・セオ闘技場へむけた。

 ──しばらく後

 アイリスたちはコロ・セオ闘技場での冒険者 対 ファングの試合を観戦しにきていた。

 冒険者として、戦いに優れる『血の一族』として、彼女がここへ来るのは必然だった。

「サアナはどちらに賭けますか?」
「アイリス様……低俗な賭けなど淑女のすることではありません」
「わたしは魔術師です。サアナだってそうなんですから、勝ち目を見極める眼力をきたえるのは大切なことですよ」

 アイリスはそういって、シルバー冒険者パーティ 対  ファング の対決──1.5 対 20.3のオッズを気にせず、ファングチケットを購入した。

 サアナはため息をついて、シルバー等級の冒険者が勝つほうに銀貨1枚を賭けた。

「ふふ、サアナは鉄板なのね」
「常識です。ファングがシルバー等級を倒せるわけありません」
「でも、スーパーファングなのよ?」
「またそんなこと言って。影響受けすぎです」

 サアナは呆れたようにため息をついた。

 すぐに闘技場に4人からなる冒険者パーティがあらわれる。
 向かい側からは4体のファングたちがあらわれた。

「おお、あいつら首輪つけてないのか?」
「それだけコントロールするのに自信があるんだろーな。あれ殺されたら高くつくぞ~」

 ファングのイレギュラーな様子に会場は、おおいにざわめいていた。

 すぐにバトルは始まった。

 打撃武器を中心にして、盾を構える冒険者たちは慣れた動きで陣形を組む、

「へへ、ファングごとき、クエスト前の肩鳴らしにつかってやるぜ!」

 意気込む冒険者たちは、むかってくるファングたちを総出でむかえうった。

 ──数分後

 前代未聞。
 同数バトルにて、謎のスーパーファングたちは、シルバー等級の冒険者たちを蹴散らして優雅に闘技場をあるきさっていった。

「なに、あのファングたち……」

 サアナは目を丸くしてチケットを床におとす。

「わあ、大金ゲットです」

 アイリスは金貨のつまった袋を受付譲から受け取って、まわりから注目されまくる。

 サアナは銀貨をうしなった悲しみにくれながら「行きますよ!」と、八つ当たり気味にアイリスをひきずって闘技場をあとにした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「お前を愛する事はない」を信じたので

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」 お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

婚約破棄された令嬢、気づけば王族総出で奪い合われています

ゆっこ
恋愛
 「――よって、リリアーナ・セレスト嬢との婚約は破棄する!」  王城の大広間に王太子アレクシスの声が響いた瞬間、私は静かにスカートをつまみ上げて一礼した。  「かしこまりました、殿下。どうか末永くお幸せに」  本心ではない。けれど、こう言うしかなかった。  王太子は私を見下ろし、勝ち誇ったように笑った。  「お前のような地味で役に立たない女より、フローラの方が相応しい。彼女は聖女として覚醒したのだ!」

【完結】悪役令嬢ですが、元官僚スキルで断罪も陰謀も処理します。

かおり
ファンタジー
異世界で悪役令嬢に転生した元官僚。婚約破棄? 断罪? 全部ルールと書類で処理します。 謝罪してないのに謝ったことになる“限定謝罪”で、婚約者も貴族も黙らせる――バリキャリ令嬢の逆転劇! ※読んでいただき、ありがとうございます。ささやかな物語ですが、どこか少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

魔法筆職人の俺が居なくなったら、お前ら魔法使えないけど良いんだよな?!

川井田ナツナ
ファンタジー
俺は慈悲深い人間だ。 だから、魔法の『ま』の字も理解していない住民たちに俺の作った魔法筆を使わせてあげていた。 だが、国の総意は『国家転覆罪で国外追放』だとよ。 馬鹿だとは思っていたが、俺の想像を絶する馬鹿だったとはな……。 俺が居なくなったら、お前ら魔法使えなくて生活困るだろうけど良いってことだよな??

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

処理中です...