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第16話 俺の村が、いつの間にか『世界最強の自治区』として認定される
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「よし、こんなもんだろ」
俺は額の汗を拭い、目の前に完成した建造物を見上げた。
それは、白亜の大理石と鉄巨木の柱で構成された、巨大な神殿のような建物だった。
幅五十メートル、奥行き百メートル。
屋根にはアースドラゴンの鱗が敷き詰められ、朝日を浴びて黒く重厚な輝きを放っている。
「……主様」
隣で作業を手伝っていたセラフィナが、乾いた笑いを浮かべている。
「これ、本当に『牛小屋』ですか? 王国の国立大聖堂よりも立派に見えるのですが」
「牛小屋だよ。昨日連れてきた『花子』たちの新居だ」
昨日、俺が森から連れ帰った『深紅の暴牛(クリムゾン・バッファロー)』の群れ、総勢五十頭。
彼女たちは今、村の広場でお行儀よく(ヴァニアに睨まれながら)待機している。
これだけの大家族を受け入れるには、それなりの広さと頑丈さが必要だったのだ。
「壁には『防音』と『消臭』の機能を組み込んである。床は『自動洗浄(草むしりの応用)』の術式を刻んだから、フン処理も楽だぞ」
「高機能すぎます……。牛たちが貴族のような生活を送ることになりますね」
セラフィナが呆れているが、家畜のストレスケアは良質なミルクや肉に直結する。農家の基本だ。
「モォォォォッ!(すげぇ! ここが俺たちの家かよ!?)」
「ンモォ~!(王城より快適そうだわ!)」
牛たちが歓声を上げながら(たぶん)、新しい牛小屋へと雪崩れ込んでいく。
その巨体が柱にぶつかっても、鉄よりも硬い『鉄巨木』はびくともしない。
完璧だ。
「ふぅ。これで住環境は整ったな」
俺が一息ついていると、村の入り口の方から、ドタドタと慌ただしい足音が聞こえてきた。
「主様ーっ! 大変ですわーっ!」
飛んできたのは、大精霊ティターニアだった。
彼女は普段の優雅さをかなぐり捨て、血相を変えている。
「どうした? また害虫か?」
「違いますわ! 今度は『人間』です! それも、凄まじい数の軍勢がこちらに向かってきています!」
「軍勢?」
俺は眉をひそめた。
また帝国軍だろうか?
前回のスプレー攻撃に懲りずに来たとしたら、今度はもう少しキツいお仕置きが必要かもしれない。
「いえ、帝国の紋章ではありません。あれは……我が国、リンドブルム王国の王家直属騎士団ですわ!」
王国の騎士団?
俺たちの住む国の軍隊が、なぜこんな辺境の森に?
◇
村の入り口、『拒絶の茨』の門前。
そこに集結していたのは、煌びやかな鎧に身を包んだ精鋭騎士団、およそ三百騎だった。
その中央には、豪華な馬車が停まっている。
馬車から降りてきたのは、白髪の髭を蓄えた、威厳ある老紳士だった。
彼の名はグランツ・フォン・リンドブルム。
王国の宰相であり、国王の右腕と呼ばれる大貴族だ。
「……ここが、噂の場所か」
グランツ宰相は、目の前に広がる光景に息を呑んだ。
『魔の森』。
かつては魔物が跋扈し、人はおろか軍隊さえも立ち入ることを禁じられた死の領域。
だが、今の彼の目の前にあるのは、美しく整地された道と、その奥に広がる黄金色の畑、そして神々しいオーラを放つ白亜の建造物群だった。
「報告書以上だ……。まさか、森の瘴気が完全に浄化されているとは」
グランツは冷や汗を拭った。
事の発端は数日前。
辺境都市アルカディアからもたらされた、『万病を治す神の野菜』と『伝説級の素材を叩き売る謎の集団』の報告だった。
さらに、帝国軍の精鋭部隊『鋼鉄の甲虫』が、この森で全滅したという情報も入っている。
国として、これを放置するわけにはいかない。
もし、ここに新たな勢力――魔王軍や、敵対国家の拠点が築かれているとしたら、王国にとって最大の脅威となる。
グランツは国王の命を受け、真偽を確かめるために、最強の近衛騎士団を率いてやってきたのだ。
「宰相閣下、危険です。下がっていてください」
護衛の騎士団長代理が剣に手をかける。
だが、グランツは首を振った。
「いや、敵意を見せてはならん。相手が何者であれ、帝国軍を退けた実力者だ。交渉が決裂すれば、我々も無事では済まんぞ」
グランツは緊張した面持ちで、茨の門へと歩み寄った。
すると、門の向こうから、一人の女性が姿を現した。
「――止まれ。何用だ」
凛とした声。
その姿を見た瞬間、騎士団員たちがどよめいた。
「あ、あの姿は……!」
「まさか、行方不明になっていたアイリス団長!?」
そこに立っていたのは、ノエルの村の門番(兼薪割り係)、アイリス・ラインハルトだった。
かつて王国の騎士団長を務め、魔の森の調査任務中に行方不明となり、戦死扱いになっていた英雄だ。
「ア、アイリスか!? 生きていたのか!」
グランツが叫ぶ。
アイリスはかつての部下たちと上司を見て、バツが悪そうに頭をかいた。
「お久しぶりです、グランツ宰相閣下。ええ、まあ、色々とありましたが、今はここで元気にやっております」
「な、なんと……! 無事でよかった! すぐに王都へ戻ろう! 君がいなくなってから、騎士団は混乱続きで……」
「いえ、それはできません」
アイリスはきっぱりと断った。
「私は今、この村の主であるノエル殿に忠誠を誓っております。ここの門番が、私の新しい任務ですので」
「も、門番だと……? 王国最強の騎士が、たかが村の門番に?」
グランツは耳を疑った。
だが、アイリスの表情は真剣そのものだ。
それどころか、彼女の体から溢れる魔力は、以前よりも遥かに強大になっている。
その左腕――かつて負傷したと聞いていた腕からは、神々しい金色の光すら漏れ出していた。
「閣下。ここは『神域』です。不用意に立ち入れば、命の保証はできません。お引き取りを」
「ま、待ってくれ! 私はその『ノエル殿』に会いに来たのだ! 敵対するつもりはない! 王家からの正式な使者として話がしたい!」
グランツは必死に訴えた。
アイリスは少し考え込んだ後、後ろを振り返った。
「……主様、いかがなさいますか?」
「いいよ、通してあげて。お客さんなんでしょ?」
奥から、のんびりとした声が聞こえた。
茨の門が、まるで意思を持っているかのように左右に開き、道を作った。
「……行くぞ。私一人でいい」
「閣下!?」
「これほどの結界を操る相手だ。護衛など意味をなさん」
グランツは覚悟を決め、震える足で門をくぐった。
◇
村の中に足を踏み入れたグランツは、数歩進むごとに寿命が縮む思いをしていた。
まず、出迎えたのが巨大な狼だった。
「グルルルル……」
「ヒィッ!? フ、フェンリル!?」
Aランク魔獣フェンリル。一匹で国を滅ぼせる災害級の魔獣が、家の前の犬小屋で寝そべっている。
しかも、首には『ポチ』と書かれた可愛らしい名札が下がっていた。
次に目に入ったのは、畑仕事をしている女性たちだ。
「あら、お客様? いらっしゃいませ」
泥だらけの服を着て、クワを振るっているのは……見間違えるはずもない。
「セ、セラフィナ王女殿下ァァァッ!?」
隣国シルヴァリオの、行方不明になっていた第一王女だ。
亡国の姫君が、なぜかジャージ姿で泥んこになって笑っている。
さらに、木の上から逆さまにぶら下がってこちらを見ている少女。
「人間か? 手土産は持ってきたか?」
その背中の翼、強大な闇の魔力。
「ま、魔族……!? まさか魔王の血族か!?」
心臓が止まりそうだ。
そして、極めつけは。
「ようこそ。散らかってますけど、どうぞ」
エプロン姿で現れた黒髪の青年。
一見すると普通の好青年だが、グランツの長年の政治的直感(と生存本能)が警鐘を鳴らしていた。
この男が、中心だ。
この異常な空間、異常な面々を統率し、従えている頂点。
彼が纏う空気は、あまりにも自然体すぎて、逆に底が見えない。
「ど、どうも……。リンドブルム王国宰相、グランツです」
「ノエルです。ただの農家です」
ただの農家がフェンリルを飼うか!
グランツは心の中で突っ込んだが、口には出さなかった。
◇
通されたリビングは、王宮の謁見の間よりも豪華だった。
床は大理石、柱は世界樹。
ソファーにはレッドグリズリーの毛皮。
飾られている花は、一輪で死者を蘇らせると言われる『月光花』。
「粗茶ですが」
出されたお茶を一口飲んだ瞬間、グランツの持病だった腰痛が完治し、薄くなっていた頭髪根元がカッと熱くなった。
「な、なんだこの茶は……!?」
「庭で採れたハーブティーです。リラックス効果があるんですよ」
リラックスどころか若返りの秘薬だ。
グランツは震える手でカップを置いた。
これは、まずい。
この村は、存在自体が国家のパワーバランスを崩壊させる。
もしこの村が帝国側に付けば、王国は三日で滅びるだろう。
逆に、無理やり従わせようとすれば、この「魔王級」の住人たちが牙を剥く。
(選択肢は一つ……。友好関係を結ぶしかない!)
グランツは居住まいを正した。
「ノエル殿。単刀直入に申し上げます」
「はい?」
「この土地……及び、この村を、王国は『特別自治区』として認定したいと考えております」
「自治区?」
ノエルが首を傾げる。
「はい。王国の領土内にありながら、王法の及ばない独立した地域。税の免除、治外法権、そして独自の統治権を認めます」
「へえ、税金払わなくていいんですか。それは助かります」
ノエルは嬉しそうだ。
グランツは内心安堵した。
「その代わり……と言ってはなんですが、我が国と友好的な通商関係を結んでいただきたい。具体的には、この村で採れる農作物を、優先的に我が国に卸していただきたいのです」
「ああ、野菜を買ってくれるなら大歓迎ですよ。作りすぎて困ってたとこなんです」
「交渉成立ですね!」
グランツは身を乗り出して握手を求めた。
これで王国は、最強の同盟相手と、神級の食料供給源を手に入れたことになる。
外交的勝利だ。
「ただし」
ノエルが少し声を低くした。
グランツの背筋が凍る。
「俺は静かに暮らしたいんです。あまり大勢で押し掛けたり、面倒な政治闘争に巻き込んだりするのは勘弁してくださいね」
ノエルの背後で、アイリスが剣の柄に手をかけ、フェンリルが唸り声を上げ、ヴァニアが黒い炎を灯した。
『もし主様の平穏を乱すなら、国ごと滅ぼすが?』
という無言の圧力が、グランツに襲いかかる。
「も、もちろんですとも! この地は聖域として、何人たりとも許可なく立ち入らせません! 私が責任を持って法整備を行います!」
「なら良かった。これからもよろしく頼みます、グランツさん」
ノエルがニコリと笑うと、殺気が霧散し、平和な空気が戻った。
グランツはへなへなとソファーに崩れ落ちそうになるのを必死で堪えた。
◇
帰り際。
グランツは、お土産としてリヤカー一杯分の野菜(国家予算十年分相当)を持たされて、村を後にした。
村の外で待機していた騎士団員たちは、宰相が無事に戻ってきたことに安堵し、そしてお土産の中身(光り輝く大根やカボチャ)を見て絶句した。
「閣下……あの中は、一体どうなっていたのですか?」
「……聞くな。見たことも忘れろ」
グランツは遠い目で言った。
「あそこは、人の形をした神々が住まう庭だ。我々人間が管理しようなどと、おこがましいにも程があったのだ」
彼は心に誓った。
今後、この「ノエル自治区」には最大限の敬意を払い、決して敵対してはならないと。
そして、あの若返りのお茶を定期購入するために、個人的なコネクションを維持し続けようと。
◇
「ふぅ。いい人だったな、あのお爺さん」
村に戻った俺は、みんなと一緒にお茶を飲み直していた。
「自治区かぁ。響きがいいな。これで面倒な手続きなしで、自由に野菜作りができる」
「主様、それは事実上の『独立国家』宣言と同じですわよ」
ティターニアが苦笑する。
国家元首が農夫で、閣僚が王女と大精霊と魔王の娘。
最強すぎる国家の誕生だった。
「まあ、名前なんてどうでもいいさ。俺たちにとって大事なのは、この場所で楽しく暮らすことだろ?」
「ええ、その通りですわ」
「主様についていきます!」
みんなが笑顔で頷く。
平和だ。
国からのお墨付きも得て、憂いはなくなった。
……はずだった。
「――来たか」
不意に、アイリスが鋭い声で呟き、立ち上がった。
彼女の視線は、南の空――王都とは反対側の、深い森の闇へと向けられていた。
「え?」
「主様、下がってください。……お客さんですが、今度は歓迎できない相手のようです」
同時に、ヴァニアも空を見上げて舌打ちをした。
「チッ、しつこい害虫め。いや……あの気配は、もはや虫ですらないか」
村の空気が一変する。
鳥たちが鳴き止み、風が止まった。
代わりに漂ってきたのは、鼻を突く腐臭と、肌を刺すような濃密な殺気。
ズズズズズ……ッ。
地面が微かに揺れている。
足音だ。
たった一人の、しかし山のような重さを持った何かが、こちらに向かって歩いてきている。
「ノエル……」
ミリアが俺の服の袖をギュッと掴んだ。
彼女は震えていた。
その恐怖の対象が誰であるか、俺にもすぐにわかった。
「……ジーク」
俺は呟いた。
村の入り口、『拒絶の茨』の向こう側に、黒い影がゆらりと姿を現した。
かつて金色の鎧を輝かせていた勇者の面影は、そこにはなかった。
漆黒の甲冑と一体化した肉体。
右腕は異形の鉤爪に変わり、兜の隙間からは赤い光が漏れ出している。
背中からは、黒い霧のような翼が噴き出し、周囲の木々を瞬時に枯らしていた。
『魔勇者』ジーク。
かつての友が、最悪の怪物となって、俺の「聖域」に足を踏み入れようとしていた。
「ノ……エル……。ミツケ……タ……」
ジークの声は、金属が擦れるような不快な響きを帯びていた。
「オマエ……ダケハ……許サ……ナイ……」
ドォォォォォンッ!!!
ジークが軽く右腕を振るっただけで、俺が作った『拒絶の茨』の門が、紙細工のように粉砕された。
物理最強の硬度を持つはずの結界が、一撃で。
「! 主様!」
アイリスとヴァニアが即座に前に飛び出す。
「させんッ!」
「消えろ、雑種!」
アイリスの聖剣(ノエル製)と、ヴァニアの魔拳が、同時にジークに叩き込まれる。
だが。
ガギンッ!!
「なッ!?」
「バカな……!?」
二人の攻撃は、ジークの黒い鎧に傷一つつけられず、逆に二人が弾き飛ばされた。
「強……イ……。デモ……俺ハ……モット……強イ……!」
ジークが吼える。
その咆哮だけで、衝撃波が発生し、村の入り口付近の畑が吹き飛んだ。
俺が丹精込めて育てた野菜たちが、無惨に踏みにじられる。
「……あ」
俺の中で、何かがプツンと切れる音がした。
「ノエル、逃げて! あいつはもう、言葉が通じる相手じゃない!」
ミリアが叫ぶ。
だが、俺は逃げなかった。
むしろ、一歩前に踏み出した。
「ジーク」
俺は静かに呼びかけた。
声は低く、冷えていた。
「久しぶりだな。元気そうで何よりだ」
俺は彼を見据えた。
「だが、一つだけ言っておく」
俺は指を鳴らした。
パチン。
その瞬間、俺の全身から、これまで隠していた『草むしり』の真のオーラ――世界そのものを『剪定』する神域の力が、爆発的に噴き出した。
「人の庭に土足で入り込んで、畑を荒らす奴は……」
俺の目が、冷徹な光を帯びる。
「たとえ勇者だろうが、神だろうが……根こそぎ『むしり取る』ぞ」
村の認定などどうでもいい。
俺の最強の自治区を守るための、最初で最後の防衛戦が始まろうとしていた。
続く
俺は額の汗を拭い、目の前に完成した建造物を見上げた。
それは、白亜の大理石と鉄巨木の柱で構成された、巨大な神殿のような建物だった。
幅五十メートル、奥行き百メートル。
屋根にはアースドラゴンの鱗が敷き詰められ、朝日を浴びて黒く重厚な輝きを放っている。
「……主様」
隣で作業を手伝っていたセラフィナが、乾いた笑いを浮かべている。
「これ、本当に『牛小屋』ですか? 王国の国立大聖堂よりも立派に見えるのですが」
「牛小屋だよ。昨日連れてきた『花子』たちの新居だ」
昨日、俺が森から連れ帰った『深紅の暴牛(クリムゾン・バッファロー)』の群れ、総勢五十頭。
彼女たちは今、村の広場でお行儀よく(ヴァニアに睨まれながら)待機している。
これだけの大家族を受け入れるには、それなりの広さと頑丈さが必要だったのだ。
「壁には『防音』と『消臭』の機能を組み込んである。床は『自動洗浄(草むしりの応用)』の術式を刻んだから、フン処理も楽だぞ」
「高機能すぎます……。牛たちが貴族のような生活を送ることになりますね」
セラフィナが呆れているが、家畜のストレスケアは良質なミルクや肉に直結する。農家の基本だ。
「モォォォォッ!(すげぇ! ここが俺たちの家かよ!?)」
「ンモォ~!(王城より快適そうだわ!)」
牛たちが歓声を上げながら(たぶん)、新しい牛小屋へと雪崩れ込んでいく。
その巨体が柱にぶつかっても、鉄よりも硬い『鉄巨木』はびくともしない。
完璧だ。
「ふぅ。これで住環境は整ったな」
俺が一息ついていると、村の入り口の方から、ドタドタと慌ただしい足音が聞こえてきた。
「主様ーっ! 大変ですわーっ!」
飛んできたのは、大精霊ティターニアだった。
彼女は普段の優雅さをかなぐり捨て、血相を変えている。
「どうした? また害虫か?」
「違いますわ! 今度は『人間』です! それも、凄まじい数の軍勢がこちらに向かってきています!」
「軍勢?」
俺は眉をひそめた。
また帝国軍だろうか?
前回のスプレー攻撃に懲りずに来たとしたら、今度はもう少しキツいお仕置きが必要かもしれない。
「いえ、帝国の紋章ではありません。あれは……我が国、リンドブルム王国の王家直属騎士団ですわ!」
王国の騎士団?
俺たちの住む国の軍隊が、なぜこんな辺境の森に?
◇
村の入り口、『拒絶の茨』の門前。
そこに集結していたのは、煌びやかな鎧に身を包んだ精鋭騎士団、およそ三百騎だった。
その中央には、豪華な馬車が停まっている。
馬車から降りてきたのは、白髪の髭を蓄えた、威厳ある老紳士だった。
彼の名はグランツ・フォン・リンドブルム。
王国の宰相であり、国王の右腕と呼ばれる大貴族だ。
「……ここが、噂の場所か」
グランツ宰相は、目の前に広がる光景に息を呑んだ。
『魔の森』。
かつては魔物が跋扈し、人はおろか軍隊さえも立ち入ることを禁じられた死の領域。
だが、今の彼の目の前にあるのは、美しく整地された道と、その奥に広がる黄金色の畑、そして神々しいオーラを放つ白亜の建造物群だった。
「報告書以上だ……。まさか、森の瘴気が完全に浄化されているとは」
グランツは冷や汗を拭った。
事の発端は数日前。
辺境都市アルカディアからもたらされた、『万病を治す神の野菜』と『伝説級の素材を叩き売る謎の集団』の報告だった。
さらに、帝国軍の精鋭部隊『鋼鉄の甲虫』が、この森で全滅したという情報も入っている。
国として、これを放置するわけにはいかない。
もし、ここに新たな勢力――魔王軍や、敵対国家の拠点が築かれているとしたら、王国にとって最大の脅威となる。
グランツは国王の命を受け、真偽を確かめるために、最強の近衛騎士団を率いてやってきたのだ。
「宰相閣下、危険です。下がっていてください」
護衛の騎士団長代理が剣に手をかける。
だが、グランツは首を振った。
「いや、敵意を見せてはならん。相手が何者であれ、帝国軍を退けた実力者だ。交渉が決裂すれば、我々も無事では済まんぞ」
グランツは緊張した面持ちで、茨の門へと歩み寄った。
すると、門の向こうから、一人の女性が姿を現した。
「――止まれ。何用だ」
凛とした声。
その姿を見た瞬間、騎士団員たちがどよめいた。
「あ、あの姿は……!」
「まさか、行方不明になっていたアイリス団長!?」
そこに立っていたのは、ノエルの村の門番(兼薪割り係)、アイリス・ラインハルトだった。
かつて王国の騎士団長を務め、魔の森の調査任務中に行方不明となり、戦死扱いになっていた英雄だ。
「ア、アイリスか!? 生きていたのか!」
グランツが叫ぶ。
アイリスはかつての部下たちと上司を見て、バツが悪そうに頭をかいた。
「お久しぶりです、グランツ宰相閣下。ええ、まあ、色々とありましたが、今はここで元気にやっております」
「な、なんと……! 無事でよかった! すぐに王都へ戻ろう! 君がいなくなってから、騎士団は混乱続きで……」
「いえ、それはできません」
アイリスはきっぱりと断った。
「私は今、この村の主であるノエル殿に忠誠を誓っております。ここの門番が、私の新しい任務ですので」
「も、門番だと……? 王国最強の騎士が、たかが村の門番に?」
グランツは耳を疑った。
だが、アイリスの表情は真剣そのものだ。
それどころか、彼女の体から溢れる魔力は、以前よりも遥かに強大になっている。
その左腕――かつて負傷したと聞いていた腕からは、神々しい金色の光すら漏れ出していた。
「閣下。ここは『神域』です。不用意に立ち入れば、命の保証はできません。お引き取りを」
「ま、待ってくれ! 私はその『ノエル殿』に会いに来たのだ! 敵対するつもりはない! 王家からの正式な使者として話がしたい!」
グランツは必死に訴えた。
アイリスは少し考え込んだ後、後ろを振り返った。
「……主様、いかがなさいますか?」
「いいよ、通してあげて。お客さんなんでしょ?」
奥から、のんびりとした声が聞こえた。
茨の門が、まるで意思を持っているかのように左右に開き、道を作った。
「……行くぞ。私一人でいい」
「閣下!?」
「これほどの結界を操る相手だ。護衛など意味をなさん」
グランツは覚悟を決め、震える足で門をくぐった。
◇
村の中に足を踏み入れたグランツは、数歩進むごとに寿命が縮む思いをしていた。
まず、出迎えたのが巨大な狼だった。
「グルルルル……」
「ヒィッ!? フ、フェンリル!?」
Aランク魔獣フェンリル。一匹で国を滅ぼせる災害級の魔獣が、家の前の犬小屋で寝そべっている。
しかも、首には『ポチ』と書かれた可愛らしい名札が下がっていた。
次に目に入ったのは、畑仕事をしている女性たちだ。
「あら、お客様? いらっしゃいませ」
泥だらけの服を着て、クワを振るっているのは……見間違えるはずもない。
「セ、セラフィナ王女殿下ァァァッ!?」
隣国シルヴァリオの、行方不明になっていた第一王女だ。
亡国の姫君が、なぜかジャージ姿で泥んこになって笑っている。
さらに、木の上から逆さまにぶら下がってこちらを見ている少女。
「人間か? 手土産は持ってきたか?」
その背中の翼、強大な闇の魔力。
「ま、魔族……!? まさか魔王の血族か!?」
心臓が止まりそうだ。
そして、極めつけは。
「ようこそ。散らかってますけど、どうぞ」
エプロン姿で現れた黒髪の青年。
一見すると普通の好青年だが、グランツの長年の政治的直感(と生存本能)が警鐘を鳴らしていた。
この男が、中心だ。
この異常な空間、異常な面々を統率し、従えている頂点。
彼が纏う空気は、あまりにも自然体すぎて、逆に底が見えない。
「ど、どうも……。リンドブルム王国宰相、グランツです」
「ノエルです。ただの農家です」
ただの農家がフェンリルを飼うか!
グランツは心の中で突っ込んだが、口には出さなかった。
◇
通されたリビングは、王宮の謁見の間よりも豪華だった。
床は大理石、柱は世界樹。
ソファーにはレッドグリズリーの毛皮。
飾られている花は、一輪で死者を蘇らせると言われる『月光花』。
「粗茶ですが」
出されたお茶を一口飲んだ瞬間、グランツの持病だった腰痛が完治し、薄くなっていた頭髪根元がカッと熱くなった。
「な、なんだこの茶は……!?」
「庭で採れたハーブティーです。リラックス効果があるんですよ」
リラックスどころか若返りの秘薬だ。
グランツは震える手でカップを置いた。
これは、まずい。
この村は、存在自体が国家のパワーバランスを崩壊させる。
もしこの村が帝国側に付けば、王国は三日で滅びるだろう。
逆に、無理やり従わせようとすれば、この「魔王級」の住人たちが牙を剥く。
(選択肢は一つ……。友好関係を結ぶしかない!)
グランツは居住まいを正した。
「ノエル殿。単刀直入に申し上げます」
「はい?」
「この土地……及び、この村を、王国は『特別自治区』として認定したいと考えております」
「自治区?」
ノエルが首を傾げる。
「はい。王国の領土内にありながら、王法の及ばない独立した地域。税の免除、治外法権、そして独自の統治権を認めます」
「へえ、税金払わなくていいんですか。それは助かります」
ノエルは嬉しそうだ。
グランツは内心安堵した。
「その代わり……と言ってはなんですが、我が国と友好的な通商関係を結んでいただきたい。具体的には、この村で採れる農作物を、優先的に我が国に卸していただきたいのです」
「ああ、野菜を買ってくれるなら大歓迎ですよ。作りすぎて困ってたとこなんです」
「交渉成立ですね!」
グランツは身を乗り出して握手を求めた。
これで王国は、最強の同盟相手と、神級の食料供給源を手に入れたことになる。
外交的勝利だ。
「ただし」
ノエルが少し声を低くした。
グランツの背筋が凍る。
「俺は静かに暮らしたいんです。あまり大勢で押し掛けたり、面倒な政治闘争に巻き込んだりするのは勘弁してくださいね」
ノエルの背後で、アイリスが剣の柄に手をかけ、フェンリルが唸り声を上げ、ヴァニアが黒い炎を灯した。
『もし主様の平穏を乱すなら、国ごと滅ぼすが?』
という無言の圧力が、グランツに襲いかかる。
「も、もちろんですとも! この地は聖域として、何人たりとも許可なく立ち入らせません! 私が責任を持って法整備を行います!」
「なら良かった。これからもよろしく頼みます、グランツさん」
ノエルがニコリと笑うと、殺気が霧散し、平和な空気が戻った。
グランツはへなへなとソファーに崩れ落ちそうになるのを必死で堪えた。
◇
帰り際。
グランツは、お土産としてリヤカー一杯分の野菜(国家予算十年分相当)を持たされて、村を後にした。
村の外で待機していた騎士団員たちは、宰相が無事に戻ってきたことに安堵し、そしてお土産の中身(光り輝く大根やカボチャ)を見て絶句した。
「閣下……あの中は、一体どうなっていたのですか?」
「……聞くな。見たことも忘れろ」
グランツは遠い目で言った。
「あそこは、人の形をした神々が住まう庭だ。我々人間が管理しようなどと、おこがましいにも程があったのだ」
彼は心に誓った。
今後、この「ノエル自治区」には最大限の敬意を払い、決して敵対してはならないと。
そして、あの若返りのお茶を定期購入するために、個人的なコネクションを維持し続けようと。
◇
「ふぅ。いい人だったな、あのお爺さん」
村に戻った俺は、みんなと一緒にお茶を飲み直していた。
「自治区かぁ。響きがいいな。これで面倒な手続きなしで、自由に野菜作りができる」
「主様、それは事実上の『独立国家』宣言と同じですわよ」
ティターニアが苦笑する。
国家元首が農夫で、閣僚が王女と大精霊と魔王の娘。
最強すぎる国家の誕生だった。
「まあ、名前なんてどうでもいいさ。俺たちにとって大事なのは、この場所で楽しく暮らすことだろ?」
「ええ、その通りですわ」
「主様についていきます!」
みんなが笑顔で頷く。
平和だ。
国からのお墨付きも得て、憂いはなくなった。
……はずだった。
「――来たか」
不意に、アイリスが鋭い声で呟き、立ち上がった。
彼女の視線は、南の空――王都とは反対側の、深い森の闇へと向けられていた。
「え?」
「主様、下がってください。……お客さんですが、今度は歓迎できない相手のようです」
同時に、ヴァニアも空を見上げて舌打ちをした。
「チッ、しつこい害虫め。いや……あの気配は、もはや虫ですらないか」
村の空気が一変する。
鳥たちが鳴き止み、風が止まった。
代わりに漂ってきたのは、鼻を突く腐臭と、肌を刺すような濃密な殺気。
ズズズズズ……ッ。
地面が微かに揺れている。
足音だ。
たった一人の、しかし山のような重さを持った何かが、こちらに向かって歩いてきている。
「ノエル……」
ミリアが俺の服の袖をギュッと掴んだ。
彼女は震えていた。
その恐怖の対象が誰であるか、俺にもすぐにわかった。
「……ジーク」
俺は呟いた。
村の入り口、『拒絶の茨』の向こう側に、黒い影がゆらりと姿を現した。
かつて金色の鎧を輝かせていた勇者の面影は、そこにはなかった。
漆黒の甲冑と一体化した肉体。
右腕は異形の鉤爪に変わり、兜の隙間からは赤い光が漏れ出している。
背中からは、黒い霧のような翼が噴き出し、周囲の木々を瞬時に枯らしていた。
『魔勇者』ジーク。
かつての友が、最悪の怪物となって、俺の「聖域」に足を踏み入れようとしていた。
「ノ……エル……。ミツケ……タ……」
ジークの声は、金属が擦れるような不快な響きを帯びていた。
「オマエ……ダケハ……許サ……ナイ……」
ドォォォォォンッ!!!
ジークが軽く右腕を振るっただけで、俺が作った『拒絶の茨』の門が、紙細工のように粉砕された。
物理最強の硬度を持つはずの結界が、一撃で。
「! 主様!」
アイリスとヴァニアが即座に前に飛び出す。
「させんッ!」
「消えろ、雑種!」
アイリスの聖剣(ノエル製)と、ヴァニアの魔拳が、同時にジークに叩き込まれる。
だが。
ガギンッ!!
「なッ!?」
「バカな……!?」
二人の攻撃は、ジークの黒い鎧に傷一つつけられず、逆に二人が弾き飛ばされた。
「強……イ……。デモ……俺ハ……モット……強イ……!」
ジークが吼える。
その咆哮だけで、衝撃波が発生し、村の入り口付近の畑が吹き飛んだ。
俺が丹精込めて育てた野菜たちが、無惨に踏みにじられる。
「……あ」
俺の中で、何かがプツンと切れる音がした。
「ノエル、逃げて! あいつはもう、言葉が通じる相手じゃない!」
ミリアが叫ぶ。
だが、俺は逃げなかった。
むしろ、一歩前に踏み出した。
「ジーク」
俺は静かに呼びかけた。
声は低く、冷えていた。
「久しぶりだな。元気そうで何よりだ」
俺は彼を見据えた。
「だが、一つだけ言っておく」
俺は指を鳴らした。
パチン。
その瞬間、俺の全身から、これまで隠していた『草むしり』の真のオーラ――世界そのものを『剪定』する神域の力が、爆発的に噴き出した。
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続く
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