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第15話 聖女の呪いを解いたら、彼女も俺に惚れてしまったようです
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「……ふわぁ」
小鳥のさえずりと共に、ミリアは目を覚ました。
窓から差し込む柔らかな朝陽。
風に乗って漂ってくる、甘い花の香りと、焼きたてのパンの匂い。
それは、地獄のような逃避行を続けていた彼女にとって、夢にまで見た天国の朝だった。
「夢じゃ……ないんだ」
ミリアは自分の手を見た。
昨日はどす黒い呪いの痣に覆われ、枯れ枝のように痩せ細っていた腕が、今は白く滑らかで、健康的な血色を帯びている。
指を動かしてみる。
魔力がスムーズに循環し、指先に淡い光が灯る。
聖女の力――いいえ、それ以上に純度を高められた聖なる力が、体の中に満ちていた。
「ノエル……」
彼女を救ってくれた、幼馴染の顔を思い浮かべる。
胸の奥がキュンと甘く疼いた。
かつて勇者パーティにいた頃は、当たり前すぎて気づかなかった感情。
ジークの輝かしい活躍の影で、いつも黙々と自分たちを支えてくれていた彼。
自分が一番辛かった時に、手を差し伸べてくれたのは、やっぱり彼だった。
「……働かなきゃ!」
ミリアは頬をパンと叩いて気合を入れた。
ただ飯を食わせてもらうわけにはいかない。
ここには、エルフの王女や大精霊、騎士団長に魔王の娘といった、錚々たる面々が働いているのだ。
元聖女として、負けてはいられない。
ミリアは急いで着替え――といっても、ボロボロの法衣は処分したので、セラフィナから借りたエプロンドレスに着替えて、リビングへと向かった。
◇
「おはよう、ミリア。体調はどうだ?」
リビングに入ると、ノエルがキッチンで朝食の準備をしていた。
エプロン姿が似合いすぎている。
彼が包丁を振るうたびに、トントンという軽快な音が響き、野菜たちが踊るように切り分けられていく。
「おはよう、ノエル! 体調はバッチリよ! 魔力も全快したわ!」
「そっか。昨日はあんなに弱ってたから心配したけど、やっぱりあの野菜ジュースが効いたかな」
「効くなんてもんじゃないわよ……。あれ一本で、大聖堂の秘薬十本分くらいの効果があったわ」
ミリアは苦笑しながら、手伝おうとキッチンに入った。
「何か手伝うことはある?」
「ああ、じゃあサラダの盛り付けを頼めるか? あと、テーブルにミルクを運んでくれ」
「了解!」
ミリアはキビキビと動いた。
以前の彼女なら「私は聖女だから」と家事などしなかったかもしれない。
だが今は、ノエルのために働くことが何よりも嬉しかった。
食卓には、今日も豪華な料理が並んだ。
『黄金トマトとバジルのカプレーゼ』。
『マッド・バイソンのミルク仕立てのコーンスープ』。
『焼きたてふわふわパン~高級バターを添えて~』。
どれもこれも、一口食べれば昇天しそうなほどの美味と魔力を秘めている。
「いただきまーす!」
賑やかな朝食。
レオンが「このスープ、飲むたびに賢者レベルが上がっていく気がする」と震えながら飲み、ヴァニアが「パンが美味い! 魔界にも輸出したい!」と叫んでいる。
平和だ。
昨日までの地獄が嘘のようだ。
「さて、みんな。今日は予定通り、『マッド・バイソンのお嫁さん探し』に行くぞ」
食後のコーヒー(これも自家焙煎)を飲みながら、ノエルが言った。
「お嫁さん探し、ですか?」
「ああ。うちのミルク係の『太郎』(ノエルが命名したマッド・バイソン)が、最近寂しそうに遠吠えしてるんだよ。やっぱり一頭じゃ可哀想だろ?」
ノエルが窓の外を指差す。
牧草地として整備されたエリアで、巨大なバイソンが「モォ~」と悲しげに空を見上げているのが見えた。
かつてはAランクの狂牛だったとは思えない、哀愁漂う背中だ。
「確かに、繁殖のためにも番(つがい)は必要ですわね」
ティターニアが頷く。
「でも、マッド・バイソンのメスなんて、そう簡単に見つかるかしら? 気性が荒い魔獣だし」
「大丈夫だ。ヴァニアが上空から群れを見つけたらしい」
「うむ! 森の北西、未開拓エリアに『深紅の暴牛(クリムゾン・バッファロー)』の群れがいるのを確認した! マッド・バイソンの亜種だが、相性は悪くないはずだ!」
ヴァニアが胸を張る。
クリムゾン・バッファロー。
マッド・バイソン以上に凶暴で、その体当たりは城壁をも粉砕すると言われるSランク級の魔獣だ。
それを「お嫁さん候補」として迎えに行こうというのだから、この村の基準はおかしい。
「というわけで、俺とヴァニアで行ってくる。他のメンバーは留守番と農作業を頼む」
「あっ、待ってノエル!」
ミリアは思わず手を挙げた。
「私……私も連れて行って!」
「ミリアが? でも、まだ病み上がりだし……」
「大丈夫! 回復魔法なら役に立つし、もし怪我をした牛がいたら治してあげられるわ! それに……」
ミリアは少し顔を赤らめて、上目遣いにノエルを見た。
「ノエルの……役に立ちたいの」
ノエルは少し驚いたように瞬きをしたが、すぐに優しく微笑んだ。
「そっか。聖女様がいてくれれば心強いな。よし、じゃあミリアも一緒に行こう」
「やった!」
ミリアは心の中でガッツポーズをした。
これでノエルとデート……ではなく、探索任務に行ける。
ジークたちのことも、教団のことも忘れて、今はただノエルとの時間を大切にしたかった。
◇
森の中を進む一行。
先頭をヴァニアが飛び、ノエルとミリアが並んで歩く。
足元の悪い獣道だが、ノエルが歩くと、邪魔な草木が自然と左右に避けていく(無意識に『草むしり』している)ため、まるで王宮の廊下のように歩きやすい。
「すごいわね、ノエル。森が貴方を歓迎しているみたい」
「ただ邪魔な枝をどけてるだけだよ。ミリアこそ、歩くの早くなったな。以前はすぐ息切れしてたのに」
「ええ。ノエルの野菜のおかげよ。体が軽くて、どこまででも歩けそう」
二人は昔話に花を咲かせた。
子供の頃のこと。
一緒に野山を駆け回ったこと。
ノエルが作ってくれた花冠のこと。
「ねえ、ノエル。覚えてる? 私が小さい頃、高い木から降りられなくなった時のこと」
「ああ、あったな。泣きじゃくるミリアを下ろすために、俺が木を揺すって……」
「違うわよ! 貴方が木に登って、私をおんぶして降りてくれたんじゃない!」
「あれ? そうだったっけ?」
ノエルは照れくさそうに頭をかく。
ミリアは胸が温かくなるのを感じた。
そうだ。彼はいつだって、私のピンチを救ってくれた。
私が聖女としてチヤホヤされるようになってからも、彼の態度は変わらなかった。
それなのに私は、ジークの派手な活躍に目を奪われ、彼をないがしろにしてしまった。
(バカね、私……。本当に大切な人は、ずっとそばにいたのに)
ミリアは横目でノエルの横顔を見た。
真剣な眼差しで森を見つめる彼の横顔は、昔よりもずっと頼もしく、男らしくなっていた。
ドキリと心臓が跳ねる。
これは、感謝や友情だけではない。
もっと熱い、恋の予感だった。
「――止まれ」
不意に、上空のヴァニアが鋭い声を上げた。
「どうした?」
「様子がおかしい。牛たちの群れを見つけたが……気配が異常だ」
ヴァニアが木の上に降り立ち、指差す先。
開けた草原地帯に、五十頭ほどの赤い牛の群れがいた。
『深紅の暴牛(クリムゾン・バッファロー)』。
燃えるような赤い毛皮と、巨大な角を持つ魔獣たちだ。
だが、その様子は明らかに変だった。
「モォォォォォッ!!!」
「グルァァァァァッ!!!」
牛たちは目を血走らせ、口から泡を吹きながら、互いに角を突き合わせ、殺し合いのような喧嘩をしていたのだ。
それだけではない。
彼らの体からは、どす黒い霧のようなものが立ち昇っていた。
「あれは……瘴気?」
「うむ。それに、ただの興奮状態ではない。何者かに『操られている』ようだ」
ミリアはハッとした。
その黒い霧の気配に覚えがあったからだ。
「あ、あれは……闇の教団の……!」
あの洞窟で見た、ジークを蝕んでいたのと同じ、邪悪な魔力。
「グルルルル……」
牛たちの影から、数匹の黒い狼が現れた。
『影狼(シャドウ・ウルフ)』。
闇の魔力によって生み出された使い魔だ。
彼らが牛たちの足元に噛みつき、狂気を注入しているようだった。
「やっぱり……! ジークの手先が、ここまで来ているの!?」
ミリアの声が震える。
魔勇者ジークは、まだ到着していなくても、その尖兵を放ってノエルの周囲を浸食し始めていたのだ。
このままでは、暴走した牛の群れが村に雪崩れ込んでくるかもしれない。
「まずいぞ! あの数の暴走牛、まともにぶつかれば村の畑が踏み荒らされる!」
ヴァニアが焦りの色を見せる。
「ミリア、結界を張れるか!?」
「や、やってみるわ! 聖なる光よ、盾となりて……!」
ミリアは杖(森で拾った木の枝だが、ノエルの加工済み)を掲げた。
だが、相手はSランク魔獣の大群だ。
いくら魔力が回復したとはいえ、正面から受け止めるには荷が重い。
「グルァッ!!」
影狼の一匹がミリアに気づき、飛びかかってきた。
早い。
反応できない。
「きゃっ!?」
ミリアが目を瞑った、その時だった。
「――こらこら、女の子に噛み付いちゃダメだろ」
ドスッ。
鈍い音がして、ミリアの前に影狼が転がった。
見ると、ノエルが影狼の首根っこを掴んで、地面に押さえつけていた。
「ノ、ノエル!?」
「ったく、行儀の悪い犬だな。庭を荒らす気か?」
ノエルは影狼を「雑草」を見るような目で見下ろした。
影狼は闇の魔力でできた実体のない存在のはずだが、ノエルの手からは逃れられないようだった。
「消えな」
ノエルが軽く手を握る。
スキル発動、『草むしり』――応用・『除霊(物理)』。
パァンッ!
影狼は悲鳴を上げる間もなく、風船のように弾け飛び、光の粒子となって消滅した。
それを見た他の影狼たちが、一斉に襲いかかってくる。
「ノエル、後ろ!」
「わかってる」
ノエルは振り返りざまに、迫りくる影狼たちに向かって手を払った。
まるで、まとわりつく蚊を追い払うような仕草。
「邪魔だ」
ブォンッ!
手から放たれた衝撃波(というより、『存在排除』の概念波)が、扇状に広がる。
その波動に触れた影狼たちは、次々と空中で分解され、塵となって消えていった。
一瞬の出来事だった。
数十匹いたはずの使い魔が、全滅していた。
「す、すごい……」
ミリアは呆然と呟いた。
聖女の浄化魔法でも苦労する相手を、素手で?
だが、問題はまだ残っている。
影狼はいなくなったが、狂乱状態のクリムゾン・バッファローたちは収まっていない。
むしろ、戦闘の気配に刺激され、一斉にこちらに向かって突進を開始していた。
ドドドドドドドドドッ!!!
地響きと共に迫る、赤い津波。
五十頭のSランク魔獣の突進。
山一つ崩壊させる破壊力だ。
「くっ! 我の『重力魔法』で止めるか!? いや、この数では……!」
ヴァニアが構えるが、顔色は悪い。
ミリアも前に出ようとした。
「私が……! 私の命に代えても、ノエルは守る!」
だが、ノエルは二人の前にスッと手を出して制した。
「下がってて。俺がやる」
「で、でもノエル! 殺すわけにはいかないんでしょ!? お嫁さん候補なんでしょ!?」
「ああ。だから、落ち着かせる」
ノエルは突進してくる牛の群れに向かって、一歩踏み出した。
そして、大きく息を吸い込み、両手を広げた。
「みんな、イライラしてるみたいだな。カルシウム不足か?」
ノエルは地面に手を触れた。
イメージするのは『土壌改良』の応用。
地面を通して、牛たちの足元から「過剰な興奮」と「瘴気」を吸い出し、代わりに「鎮静」と「癒やし」の波動を送り込む。
植物の根に栄養を送るように、大地のエネルギーを操作する。
スキル発動、『草むしり』――応用・『クールダウン(強制賢者タイム)』。
ズズズズズ……ッ。
地面が淡い緑色の光を放ち、その光が走るように牛たちの足元へと広がった。
光に触れた瞬間。
「モォッ!? ……モォ~……」
先頭を走っていた巨大なボス牛が、急ブレーキをかけたかのように立ち止まり、その場でへなへなと座り込んだ。
続いて、後続の牛たちも次々と腰砕けになり、地面に寝転がっていく。
「モォ~……(なんかどうでもよくなってきた……)」
「ンモォ~……(草うめぇ……)」
血走っていた目が、一瞬にしてトロンとした優しい目になり、口から泡ではなく、よだれを垂らし始めた。
さっきまでの殺気が嘘のように消え失せ、あたり一面が平和な牧場のような空気に包まれる。
「……は?」
ミリアとヴァニアは、本日二度目の呆然。
「な、何をしたの……?」
「ん? ちょっと興奮してたから、リラックスさせてあげたんだ。マッド・バイソンの時と同じだよ」
ノエルはニコニコしながら、一番近くにいたボス牛の頭を撫でた。
ボス牛は気持ちよさそうに目を細め、ノエルの手に頭を擦り付けている。
「ほら、いい子だ。……お、こいつメスだな。しかも美人だ」
ノエルが目をつけたのは、群れの中でも一際毛並みの良い、美しい牝牛だった。
どうやら彼女がこの群れの女王らしい。
「よし、君を『花子』と名付けよう。うちの太郎のお嫁さんになってくれ」
「モォッ!(喜んで!)」
花子は即答(したように見えた)で承諾し、ノエルの後ろをついてきた。
それを見た他の牛たちも、「俺たちも連れてってくれー」とばかりにゾロゾロとついてくる。
「あー、全員は飼えないけど……まあ、牧草地は広いからいいか」
結局、群れごとゲットすることになった。
◇
帰り道。
五十頭の牛を引き連れて歩くノエルの背中を見ながら、ミリアは胸がいっぱいになっていた。
強くて、優しくて、そして規格外。
彼がいれば、どんな絶望も希望に変わる気がする。
「ノエル……」
「ん? どうした、ミリア?」
ノエルが振り返る。
夕日に照らされた彼の顔を見て、ミリアの心臓が早鐘を打った。
もう、誤魔化せない。
自分の気持ちに嘘はつけない。
「あのね、ノエル。私……」
ミリアは立ち止まり、真っ直ぐにノエルを見つめた。
「私、ずっとここにいたい。ノエルのそばで、ずっと働きたい」
「ああ、もちろん大歓迎だよ。ミリアがいると助かるし」
「そうじゃなくて……!」
ミリアは一歩近づいた。
「私、ノエルのことが……好き。幼馴染としてじゃなくて、一人の男性として」
言ってしまった。
心臓が口から飛び出しそうだ。
ノエルは驚いたように目を丸くした。
「えっ……」
「今すぐ答えが欲しいわけじゃないの! ただ、伝えたかっただけ! 私、もう迷わない。貴方の役に立てるように、貴方の一番になれるように、これからもっと頑張るから!」
ミリアは顔を真っ赤にしながら、一気にまくし立てた。
そして、逃げるように走り出した。
「わ、私、先に帰って牛小屋の準備してくるっ!」
「あ、おいミリア!」
走り去るミリアの背中を見送りながら、ノエルはポリポリと頬をかいた。
「……参ったな。俺、そんな甲斐性ないんだけど」
そう言いながらも、彼の顔には満更でもない笑みが浮かんでいた。
後ろで見ていたヴァニアが、ニヤニヤしながら肘で突いてくる。
「やるではないか、色男。聖女まで落とすとは」
「うるさい。……でもまあ、悪い気はしないな」
ノエルは空を見上げた。
空は茜色に染まり、一番星が輝き始めていた。
平和だ。
だが、その平穏な空の向こうから、黒い嵐が近づいていることを、彼は肌で感じ取っていた。
(影狼か……。ジーク、本当にお前なのか)
ノエルの拳が、ギュッと握られる。
牛たちを守った手。
ミリアを守った手。
その手で、かつての友と戦わなければならない時が、すぐそこまで来ていた。
「……帰ろう。みんなが待ってる」
ノエルは歩き出した。
その背中は、村を守る主として、揺るぎない覚悟を背負っていた。
◇
一方、その頃。
森の闇の中を、疾風のように駆ける影があった。
魔勇者ジーク。
彼は、自らの放った尖兵たちが一瞬で消滅したことを感知し、立ち止まった。
「……ケシタ……?」
彼の虚ろな瞳に、一瞬だけ理性の光が宿る。
「ノエル……ツヨイ……。デモ……コロス……」
彼の体から溢れ出す瘴気が、周囲の木々を枯らしていく。
魔石の侵食が進み、彼の肉体は異形の者へと変貌しつつあった。
右腕は巨大な鉤爪になり、背中からは黒い翼が生えかけている。
「モウ……スグ……」
彼は再び走り出した。
その速度は音速を超え、衝撃波だけで森を切り裂いていく。
目的地は、あの忌々しくも懐かしい気配のする場所。
ノエルの村まで、あとわずか。
次なる戦いは、もはや「害虫駆除」では済まされない。
魂を懸けた、悲しき決闘の幕が上がろうとしていた。
続く
小鳥のさえずりと共に、ミリアは目を覚ました。
窓から差し込む柔らかな朝陽。
風に乗って漂ってくる、甘い花の香りと、焼きたてのパンの匂い。
それは、地獄のような逃避行を続けていた彼女にとって、夢にまで見た天国の朝だった。
「夢じゃ……ないんだ」
ミリアは自分の手を見た。
昨日はどす黒い呪いの痣に覆われ、枯れ枝のように痩せ細っていた腕が、今は白く滑らかで、健康的な血色を帯びている。
指を動かしてみる。
魔力がスムーズに循環し、指先に淡い光が灯る。
聖女の力――いいえ、それ以上に純度を高められた聖なる力が、体の中に満ちていた。
「ノエル……」
彼女を救ってくれた、幼馴染の顔を思い浮かべる。
胸の奥がキュンと甘く疼いた。
かつて勇者パーティにいた頃は、当たり前すぎて気づかなかった感情。
ジークの輝かしい活躍の影で、いつも黙々と自分たちを支えてくれていた彼。
自分が一番辛かった時に、手を差し伸べてくれたのは、やっぱり彼だった。
「……働かなきゃ!」
ミリアは頬をパンと叩いて気合を入れた。
ただ飯を食わせてもらうわけにはいかない。
ここには、エルフの王女や大精霊、騎士団長に魔王の娘といった、錚々たる面々が働いているのだ。
元聖女として、負けてはいられない。
ミリアは急いで着替え――といっても、ボロボロの法衣は処分したので、セラフィナから借りたエプロンドレスに着替えて、リビングへと向かった。
◇
「おはよう、ミリア。体調はどうだ?」
リビングに入ると、ノエルがキッチンで朝食の準備をしていた。
エプロン姿が似合いすぎている。
彼が包丁を振るうたびに、トントンという軽快な音が響き、野菜たちが踊るように切り分けられていく。
「おはよう、ノエル! 体調はバッチリよ! 魔力も全快したわ!」
「そっか。昨日はあんなに弱ってたから心配したけど、やっぱりあの野菜ジュースが効いたかな」
「効くなんてもんじゃないわよ……。あれ一本で、大聖堂の秘薬十本分くらいの効果があったわ」
ミリアは苦笑しながら、手伝おうとキッチンに入った。
「何か手伝うことはある?」
「ああ、じゃあサラダの盛り付けを頼めるか? あと、テーブルにミルクを運んでくれ」
「了解!」
ミリアはキビキビと動いた。
以前の彼女なら「私は聖女だから」と家事などしなかったかもしれない。
だが今は、ノエルのために働くことが何よりも嬉しかった。
食卓には、今日も豪華な料理が並んだ。
『黄金トマトとバジルのカプレーゼ』。
『マッド・バイソンのミルク仕立てのコーンスープ』。
『焼きたてふわふわパン~高級バターを添えて~』。
どれもこれも、一口食べれば昇天しそうなほどの美味と魔力を秘めている。
「いただきまーす!」
賑やかな朝食。
レオンが「このスープ、飲むたびに賢者レベルが上がっていく気がする」と震えながら飲み、ヴァニアが「パンが美味い! 魔界にも輸出したい!」と叫んでいる。
平和だ。
昨日までの地獄が嘘のようだ。
「さて、みんな。今日は予定通り、『マッド・バイソンのお嫁さん探し』に行くぞ」
食後のコーヒー(これも自家焙煎)を飲みながら、ノエルが言った。
「お嫁さん探し、ですか?」
「ああ。うちのミルク係の『太郎』(ノエルが命名したマッド・バイソン)が、最近寂しそうに遠吠えしてるんだよ。やっぱり一頭じゃ可哀想だろ?」
ノエルが窓の外を指差す。
牧草地として整備されたエリアで、巨大なバイソンが「モォ~」と悲しげに空を見上げているのが見えた。
かつてはAランクの狂牛だったとは思えない、哀愁漂う背中だ。
「確かに、繁殖のためにも番(つがい)は必要ですわね」
ティターニアが頷く。
「でも、マッド・バイソンのメスなんて、そう簡単に見つかるかしら? 気性が荒い魔獣だし」
「大丈夫だ。ヴァニアが上空から群れを見つけたらしい」
「うむ! 森の北西、未開拓エリアに『深紅の暴牛(クリムゾン・バッファロー)』の群れがいるのを確認した! マッド・バイソンの亜種だが、相性は悪くないはずだ!」
ヴァニアが胸を張る。
クリムゾン・バッファロー。
マッド・バイソン以上に凶暴で、その体当たりは城壁をも粉砕すると言われるSランク級の魔獣だ。
それを「お嫁さん候補」として迎えに行こうというのだから、この村の基準はおかしい。
「というわけで、俺とヴァニアで行ってくる。他のメンバーは留守番と農作業を頼む」
「あっ、待ってノエル!」
ミリアは思わず手を挙げた。
「私……私も連れて行って!」
「ミリアが? でも、まだ病み上がりだし……」
「大丈夫! 回復魔法なら役に立つし、もし怪我をした牛がいたら治してあげられるわ! それに……」
ミリアは少し顔を赤らめて、上目遣いにノエルを見た。
「ノエルの……役に立ちたいの」
ノエルは少し驚いたように瞬きをしたが、すぐに優しく微笑んだ。
「そっか。聖女様がいてくれれば心強いな。よし、じゃあミリアも一緒に行こう」
「やった!」
ミリアは心の中でガッツポーズをした。
これでノエルとデート……ではなく、探索任務に行ける。
ジークたちのことも、教団のことも忘れて、今はただノエルとの時間を大切にしたかった。
◇
森の中を進む一行。
先頭をヴァニアが飛び、ノエルとミリアが並んで歩く。
足元の悪い獣道だが、ノエルが歩くと、邪魔な草木が自然と左右に避けていく(無意識に『草むしり』している)ため、まるで王宮の廊下のように歩きやすい。
「すごいわね、ノエル。森が貴方を歓迎しているみたい」
「ただ邪魔な枝をどけてるだけだよ。ミリアこそ、歩くの早くなったな。以前はすぐ息切れしてたのに」
「ええ。ノエルの野菜のおかげよ。体が軽くて、どこまででも歩けそう」
二人は昔話に花を咲かせた。
子供の頃のこと。
一緒に野山を駆け回ったこと。
ノエルが作ってくれた花冠のこと。
「ねえ、ノエル。覚えてる? 私が小さい頃、高い木から降りられなくなった時のこと」
「ああ、あったな。泣きじゃくるミリアを下ろすために、俺が木を揺すって……」
「違うわよ! 貴方が木に登って、私をおんぶして降りてくれたんじゃない!」
「あれ? そうだったっけ?」
ノエルは照れくさそうに頭をかく。
ミリアは胸が温かくなるのを感じた。
そうだ。彼はいつだって、私のピンチを救ってくれた。
私が聖女としてチヤホヤされるようになってからも、彼の態度は変わらなかった。
それなのに私は、ジークの派手な活躍に目を奪われ、彼をないがしろにしてしまった。
(バカね、私……。本当に大切な人は、ずっとそばにいたのに)
ミリアは横目でノエルの横顔を見た。
真剣な眼差しで森を見つめる彼の横顔は、昔よりもずっと頼もしく、男らしくなっていた。
ドキリと心臓が跳ねる。
これは、感謝や友情だけではない。
もっと熱い、恋の予感だった。
「――止まれ」
不意に、上空のヴァニアが鋭い声を上げた。
「どうした?」
「様子がおかしい。牛たちの群れを見つけたが……気配が異常だ」
ヴァニアが木の上に降り立ち、指差す先。
開けた草原地帯に、五十頭ほどの赤い牛の群れがいた。
『深紅の暴牛(クリムゾン・バッファロー)』。
燃えるような赤い毛皮と、巨大な角を持つ魔獣たちだ。
だが、その様子は明らかに変だった。
「モォォォォォッ!!!」
「グルァァァァァッ!!!」
牛たちは目を血走らせ、口から泡を吹きながら、互いに角を突き合わせ、殺し合いのような喧嘩をしていたのだ。
それだけではない。
彼らの体からは、どす黒い霧のようなものが立ち昇っていた。
「あれは……瘴気?」
「うむ。それに、ただの興奮状態ではない。何者かに『操られている』ようだ」
ミリアはハッとした。
その黒い霧の気配に覚えがあったからだ。
「あ、あれは……闇の教団の……!」
あの洞窟で見た、ジークを蝕んでいたのと同じ、邪悪な魔力。
「グルルルル……」
牛たちの影から、数匹の黒い狼が現れた。
『影狼(シャドウ・ウルフ)』。
闇の魔力によって生み出された使い魔だ。
彼らが牛たちの足元に噛みつき、狂気を注入しているようだった。
「やっぱり……! ジークの手先が、ここまで来ているの!?」
ミリアの声が震える。
魔勇者ジークは、まだ到着していなくても、その尖兵を放ってノエルの周囲を浸食し始めていたのだ。
このままでは、暴走した牛の群れが村に雪崩れ込んでくるかもしれない。
「まずいぞ! あの数の暴走牛、まともにぶつかれば村の畑が踏み荒らされる!」
ヴァニアが焦りの色を見せる。
「ミリア、結界を張れるか!?」
「や、やってみるわ! 聖なる光よ、盾となりて……!」
ミリアは杖(森で拾った木の枝だが、ノエルの加工済み)を掲げた。
だが、相手はSランク魔獣の大群だ。
いくら魔力が回復したとはいえ、正面から受け止めるには荷が重い。
「グルァッ!!」
影狼の一匹がミリアに気づき、飛びかかってきた。
早い。
反応できない。
「きゃっ!?」
ミリアが目を瞑った、その時だった。
「――こらこら、女の子に噛み付いちゃダメだろ」
ドスッ。
鈍い音がして、ミリアの前に影狼が転がった。
見ると、ノエルが影狼の首根っこを掴んで、地面に押さえつけていた。
「ノ、ノエル!?」
「ったく、行儀の悪い犬だな。庭を荒らす気か?」
ノエルは影狼を「雑草」を見るような目で見下ろした。
影狼は闇の魔力でできた実体のない存在のはずだが、ノエルの手からは逃れられないようだった。
「消えな」
ノエルが軽く手を握る。
スキル発動、『草むしり』――応用・『除霊(物理)』。
パァンッ!
影狼は悲鳴を上げる間もなく、風船のように弾け飛び、光の粒子となって消滅した。
それを見た他の影狼たちが、一斉に襲いかかってくる。
「ノエル、後ろ!」
「わかってる」
ノエルは振り返りざまに、迫りくる影狼たちに向かって手を払った。
まるで、まとわりつく蚊を追い払うような仕草。
「邪魔だ」
ブォンッ!
手から放たれた衝撃波(というより、『存在排除』の概念波)が、扇状に広がる。
その波動に触れた影狼たちは、次々と空中で分解され、塵となって消えていった。
一瞬の出来事だった。
数十匹いたはずの使い魔が、全滅していた。
「す、すごい……」
ミリアは呆然と呟いた。
聖女の浄化魔法でも苦労する相手を、素手で?
だが、問題はまだ残っている。
影狼はいなくなったが、狂乱状態のクリムゾン・バッファローたちは収まっていない。
むしろ、戦闘の気配に刺激され、一斉にこちらに向かって突進を開始していた。
ドドドドドドドドドッ!!!
地響きと共に迫る、赤い津波。
五十頭のSランク魔獣の突進。
山一つ崩壊させる破壊力だ。
「くっ! 我の『重力魔法』で止めるか!? いや、この数では……!」
ヴァニアが構えるが、顔色は悪い。
ミリアも前に出ようとした。
「私が……! 私の命に代えても、ノエルは守る!」
だが、ノエルは二人の前にスッと手を出して制した。
「下がってて。俺がやる」
「で、でもノエル! 殺すわけにはいかないんでしょ!? お嫁さん候補なんでしょ!?」
「ああ。だから、落ち着かせる」
ノエルは突進してくる牛の群れに向かって、一歩踏み出した。
そして、大きく息を吸い込み、両手を広げた。
「みんな、イライラしてるみたいだな。カルシウム不足か?」
ノエルは地面に手を触れた。
イメージするのは『土壌改良』の応用。
地面を通して、牛たちの足元から「過剰な興奮」と「瘴気」を吸い出し、代わりに「鎮静」と「癒やし」の波動を送り込む。
植物の根に栄養を送るように、大地のエネルギーを操作する。
スキル発動、『草むしり』――応用・『クールダウン(強制賢者タイム)』。
ズズズズズ……ッ。
地面が淡い緑色の光を放ち、その光が走るように牛たちの足元へと広がった。
光に触れた瞬間。
「モォッ!? ……モォ~……」
先頭を走っていた巨大なボス牛が、急ブレーキをかけたかのように立ち止まり、その場でへなへなと座り込んだ。
続いて、後続の牛たちも次々と腰砕けになり、地面に寝転がっていく。
「モォ~……(なんかどうでもよくなってきた……)」
「ンモォ~……(草うめぇ……)」
血走っていた目が、一瞬にしてトロンとした優しい目になり、口から泡ではなく、よだれを垂らし始めた。
さっきまでの殺気が嘘のように消え失せ、あたり一面が平和な牧場のような空気に包まれる。
「……は?」
ミリアとヴァニアは、本日二度目の呆然。
「な、何をしたの……?」
「ん? ちょっと興奮してたから、リラックスさせてあげたんだ。マッド・バイソンの時と同じだよ」
ノエルはニコニコしながら、一番近くにいたボス牛の頭を撫でた。
ボス牛は気持ちよさそうに目を細め、ノエルの手に頭を擦り付けている。
「ほら、いい子だ。……お、こいつメスだな。しかも美人だ」
ノエルが目をつけたのは、群れの中でも一際毛並みの良い、美しい牝牛だった。
どうやら彼女がこの群れの女王らしい。
「よし、君を『花子』と名付けよう。うちの太郎のお嫁さんになってくれ」
「モォッ!(喜んで!)」
花子は即答(したように見えた)で承諾し、ノエルの後ろをついてきた。
それを見た他の牛たちも、「俺たちも連れてってくれー」とばかりにゾロゾロとついてくる。
「あー、全員は飼えないけど……まあ、牧草地は広いからいいか」
結局、群れごとゲットすることになった。
◇
帰り道。
五十頭の牛を引き連れて歩くノエルの背中を見ながら、ミリアは胸がいっぱいになっていた。
強くて、優しくて、そして規格外。
彼がいれば、どんな絶望も希望に変わる気がする。
「ノエル……」
「ん? どうした、ミリア?」
ノエルが振り返る。
夕日に照らされた彼の顔を見て、ミリアの心臓が早鐘を打った。
もう、誤魔化せない。
自分の気持ちに嘘はつけない。
「あのね、ノエル。私……」
ミリアは立ち止まり、真っ直ぐにノエルを見つめた。
「私、ずっとここにいたい。ノエルのそばで、ずっと働きたい」
「ああ、もちろん大歓迎だよ。ミリアがいると助かるし」
「そうじゃなくて……!」
ミリアは一歩近づいた。
「私、ノエルのことが……好き。幼馴染としてじゃなくて、一人の男性として」
言ってしまった。
心臓が口から飛び出しそうだ。
ノエルは驚いたように目を丸くした。
「えっ……」
「今すぐ答えが欲しいわけじゃないの! ただ、伝えたかっただけ! 私、もう迷わない。貴方の役に立てるように、貴方の一番になれるように、これからもっと頑張るから!」
ミリアは顔を真っ赤にしながら、一気にまくし立てた。
そして、逃げるように走り出した。
「わ、私、先に帰って牛小屋の準備してくるっ!」
「あ、おいミリア!」
走り去るミリアの背中を見送りながら、ノエルはポリポリと頬をかいた。
「……参ったな。俺、そんな甲斐性ないんだけど」
そう言いながらも、彼の顔には満更でもない笑みが浮かんでいた。
後ろで見ていたヴァニアが、ニヤニヤしながら肘で突いてくる。
「やるではないか、色男。聖女まで落とすとは」
「うるさい。……でもまあ、悪い気はしないな」
ノエルは空を見上げた。
空は茜色に染まり、一番星が輝き始めていた。
平和だ。
だが、その平穏な空の向こうから、黒い嵐が近づいていることを、彼は肌で感じ取っていた。
(影狼か……。ジーク、本当にお前なのか)
ノエルの拳が、ギュッと握られる。
牛たちを守った手。
ミリアを守った手。
その手で、かつての友と戦わなければならない時が、すぐそこまで来ていた。
「……帰ろう。みんなが待ってる」
ノエルは歩き出した。
その背中は、村を守る主として、揺るぎない覚悟を背負っていた。
◇
一方、その頃。
森の闇の中を、疾風のように駆ける影があった。
魔勇者ジーク。
彼は、自らの放った尖兵たちが一瞬で消滅したことを感知し、立ち止まった。
「……ケシタ……?」
彼の虚ろな瞳に、一瞬だけ理性の光が宿る。
「ノエル……ツヨイ……。デモ……コロス……」
彼の体から溢れ出す瘴気が、周囲の木々を枯らしていく。
魔石の侵食が進み、彼の肉体は異形の者へと変貌しつつあった。
右腕は巨大な鉤爪になり、背中からは黒い翼が生えかけている。
「モウ……スグ……」
彼は再び走り出した。
その速度は音速を超え、衝撃波だけで森を切り裂いていく。
目的地は、あの忌々しくも懐かしい気配のする場所。
ノエルの村まで、あとわずか。
次なる戦いは、もはや「害虫駆除」では済まされない。
魂を懸けた、悲しき決闘の幕が上がろうとしていた。
続く
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