「君の魔力はゴミだ」と婚約破棄された聖女ですが、拾われた先の辺境で氷の公爵様に溺愛されています。今さら国が滅びそうと言われても知りません

eringi

文字の大きさ
18 / 30

第18話 二人の距離が近づく夜

しおりを挟む
「王都に、『黒い巨人』が現れた……?」

アレクセイ様の執務室は、張り詰めた空気に支配されていた。
息を切らして報告に来た伝令の騎士は、恐怖と疲労で膝を震わせながら、王都の惨状を語り始めた。

「は、はい! 数日前の深夜、神殿の方角から突如として黒い煙が噴き上がり、それが凝縮して巨人の形を成したのです。大きさは城壁を優に超え、その体からは猛毒の瘴気を撒き散らしています!」
「ゴルダンめ……やりやがったな」

アレクセイ様が忌々しげに舌打ちをし、机をドンと叩いた。
普段は冷静な彼が感情を露わにするほど、事態は深刻なのだ。

「巨人は見境なく暴れ回り、すでに下町の大半が壊滅状態です。建物は腐り落ち、逃げ遅れた人々は瘴気に当てられて次々と倒れています。王宮魔導師団が応戦しましたが、魔法が一切通用せず……」
「魔法が効かない?」
「はい。炎も氷も、あの巨人の体に触れた瞬間に吸収されてしまうのです。物理攻撃も同様で、剣で斬りつけてもすぐに再生してしまうとか」

報告を聞くにつれ、私の胸の動悸が激しくなっていく。
魔法を吸収し、再生する巨人。そして猛毒の瘴気。
それは、古い文献で読んだことがある「厄災の魔獣」の特徴に酷似していた。
かつて国を滅ぼしかけたと言われる、伝説の怪物。

「……古代召喚術による『腐敗の巨人(ロト・ジャイアント)』か。禁忌中の禁忌に手を出すとは、あの古狸、正気を失ったか」

アレクセイ様は立ち上がり、窓の外、南の空を睨みつけた。
ここからでも、空の色がどす黒く変色しているのが分かる。
風に乗って漂ってくる腐臭は、さらに強くなっていた。

「閣下、いかがなさいますか。王都からの救援要請は来ておりませんが、このままでは被害が拡大する一方です」
「放っておけば、いずれこのノースエンドにも奴の手が伸びるだろう。腐敗は広がるものだ」

アレクセイ様は一瞬だけ私を見て、そして騎士に向き直った。

「ヴォルグ騎士団、第一部隊および第二部隊に出撃準備を命じろ。私も出る」
「はっ!」

騎士が敬礼をして部屋を出て行こうとした時、私は思わず声を上げていた。

「待ってください! 私も行きます!」

騎士が足を止め、アレクセイ様が驚いたように振り返る。

「エミリア、何を言っている。王都は今、地獄だぞ。君をそんな危険な場所へ連れて行けるわけがない」
「でも、魔法が効かないのでしょう? アレクセイ様の氷魔法でも倒せないかもしれません。……それに、あの巨人は『腐敗』の権化です。私の『浄化』の力がなければ、瘴気を払うことはできません!」

私の訴えに、アレクセイ様は眉を寄せた。
彼は私の安全を第一に考えてくれている。それは痛いほど分かる。
でも、だからこそ、私は彼を一人で行かせたくなかった。

「アレクセイ様は言いましたよね。私は『氷の城の女神』だと。……女神様が安全な場所で隠れていては、誰も守れません」

私は彼の前に歩み寄り、その瞳を真っ直ぐに見つめた。

「お願いします。私を連れて行ってください。あなたの背中を守らせてください。……私はもう、守られるだけのお姫様じゃありません」

長い沈黙があった。
アレクセイ様は葛藤するように瞳を揺らしていたが、やがて深くため息をつき、私の肩を掴んだ。

「……分かった。君の頑固さは、私の想像を超えているな」
「あなた譲りですから」
「勝てないな」

彼は苦笑し、そして真剣な表情で言った。

「ただし、条件がある。私の半径三メートル以内から離れるな。私の目の届かないところには行くな。……いいな?」
「はい! 約束します!」

こうして、私たちの出撃が決まった。
出発は明朝。
ノースエンドの総力を挙げた、最初で最後の決戦となる。

     * * *

その夜。
出撃準備に追われる城内は、異様な緊張感に包まれていた。
私も薬草や保存食の準備を手伝い、ようやく自室に戻った頃には、日付が変わろうとしていた。

「……眠れない」

ベッドに入っても、目が冴えてしまって眠れそうになかった。
明日には戦場へ向かう。
あの恐ろしい巨人と対峙する。
そして、かつての故郷である王都が、変わり果てた姿になっているのを見ることになる。
不安がないと言えば嘘になる。

コンコン。
控えめなノックの音がして、ドアが少しだけ開いた。

「……起きているか?」
「アレクセイ様」

彼だった。
寝間着の上にガウンを羽織り、髪を下ろした姿は、普段の厳格な公爵様とは違う、無防備な色気を漂わせている。
手には、湯気の立つマグカップを二つ持っていた。

「ホットミルクだ。少しハチミツを入れてある」
「ありがとうございます。……アレクセイ様も、眠れませんか?」
「ああ。遠足前の子供のようにな」

彼は冗談めかして言ったけれど、その瞳には微かな憂いの色が滲んでいた。
彼は私のベッドサイドに椅子を引き寄せ、腰を下ろした。
二人で並んで、温かいミルクを飲む。
甘い香りと温もりが、張り詰めた神経を少しだけ緩めてくれる。

「……エミリア。本当に良かったのか?」
「え?」
「王都へ行くことだ。君にとっては、辛い記憶しかない場所だろう。無理をして同行を志願したのではないか?」

彼はカップを見つめたまま、静かに問いかけた。

「いいえ。無理なんてしていません。……確かに、王都には嫌な思い出がたくさんあります。でも、それ以上に、私には守りたいものがあるんです」
「守りたいもの?」
「はい。アレクセイ様が愛してくれたこの世界です。それに……王都にだって、いい思い出はありましたから」

私は窓の外、暗い空を見上げた。

「下町のパン屋のおばさんがくれた焼きたてのパンの味とか、花屋の女の子が『聖女様』って呼んでくれた笑顔とか。……そういう小さな幸せを守りたいんです」

私の言葉に、アレクセイ様は顔を上げ、切なげな瞳で私を見つめた。

「君は……本当に強いな。そして優しい」
「そんなことありません。私はただ、アレクセイ様の隣にいたいだけです。あなたが傷つくのを、黙って見ているなんてできません」

私はカップをサイドテーブルに置き、彼の手を握った。
彼の手は冷たかった。
「氷の死神」と呼ばれる彼でも、恐怖や不安を感じることはあるのだ。
失うことへの恐怖。
それはきっと、私を失うことへの恐れだ。

「アレクセイ様。……こっちに来てください」

私はベッドの端に寄り、空いたスペースを叩いた。

「え……?」
「今夜は寒いですから。……温め合って眠りませんか?」

大胆な誘いに、自分でも顔が熱くなるのが分かった。
でも、今は言葉よりも体温が必要だと感じたのだ。
アレクセイ様は驚いたように目を見開いたが、やがて優しく微笑み、ガウンを脱いでベッドに入ってきた。

彼の大きな体が、私を包み込む。
背中に回された腕の力強さと、伝わってくる鼓動の速さ。
同じだ。彼もドキドキしている。

「……暖かいな」
「はい。アレクセイ様は、ひんやりしていて気持ちいいです」
「それは褒め言葉か?」
「もちろんです」

私たちは身を寄せ合い、同じ毛布にくるまった。
至近距離で見つめ合うと、彼の長いまつ毛や、通った鼻筋の美しさが際立って見える。
そして、その瞳に映る私も、きっと同じような顔をしているのだろう。

「エミリア」
「はい」
「もし、この戦いが終わったら……」

彼は言いかけて、言葉を飲み込んだ。
死亡フラグのような台詞はやめてください、と言おうとしたけれど、彼の表情があまりにも真剣だったので、私は黙って続きを待った。

「……いや、なんでもない。勝ってから言うことにする」
「ずるいです」
「男とはずるい生き物なんだよ」

彼はふっと笑い、私の髪を撫でた。

「エミリア。……キスしてもいいか?」

直球すぎる問いかけに、私の心臓が跳ね上がる。
ダメな理由なんてない。
私は無言で頷き、目を閉じた。

唇に、柔らかい感触が触れる。
最初は触れるだけの、優しい口づけ。
ハチミツ入りミルクの甘い味がした。
一度離れ、お互いの瞳を確認し合い、そして二度目はもっと深く。
彼の腕が私の背中を強く抱き寄せ、私も彼の首に腕を回す。

世界が溶けていくような感覚。
不安も恐怖も、すべてが彼への愛おしさに塗り替えられていく。

「……ん……」

息継ぎのために唇が離れると、熱っぽい吐息が漏れた。
アレクセイ様の瞳が、とろりと潤んで私を見下ろしている。
その色気にあてられて、私は頭がくらくらした。

「愛している、エミリア。……誰にも渡さない。死神にだって渡すものか」
「私もです。……アレクセイ様は、私のものですから」

私が強気に言うと、彼は嬉しそうに目を細め、再び唇を重ねてきた。
その夜、私たちは何度もキスをし、お互いの体温を確認し合いながら、深い眠りにつくまで抱き合っていた。
これ以上の一線は越えなかったけれど、心は完全に一つになっていた。
明日の戦いへの恐怖は消え、代わりに「絶対に生きて帰る」という強い決意が、二人の胸に刻まれた夜だった。

     * * *

翌朝。
ノースエンドの空は、快晴だった。
まるで私たちの出陣を祝福するかのような青空。
だが、南の地平線の彼方には、どす黒い雲が渦巻いているのが見えた。

城門の前には、ヴォルグ騎士団の精鋭五百名が整列していた。
彼らの装備は、私の魔力で強化された「ミスリル合金」の鎧と、氷属性の魔石が埋め込まれた武器だ。
さらに、後方支援部隊として、私が育てた回復効果の高い薬草や食料を満載した馬車隊も続く。

「総員、聞け!」

アレクセイ様が愛馬「白銀(シルバー)」に跨り、剣を掲げて叫んだ。
その姿は、昨夜の甘い表情とは別人の、冷徹にして勇猛な指揮官の顔だった。

「我々の目的地は王都だ! だが、王家を救うために行くのではない! この大地を腐らせ、我々の平穏を脅かす害虫を駆除するために行くのだ!」

「「「オオオオオッ!!」」」

騎士たちの雄叫びが轟く。

「この戦い、ただの討伐戦ではない。我らが『女神』エミリア様を守り、彼女の威光を世界に示すための聖戦である! 一人として欠けることは許さん! 全員で生きて帰り、勝利の美酒を飲むぞ!」

「「「ヴォルグ公爵万歳! エミリア様万歳!!」」」

士気は最高潮だ。
私もアレクセイ様の隣で、彼が用意してくれた白馬に跨っていた。
着ているのは、『氷雪の聖女』のドレスを戦闘用に改良した、機動性の高い乗馬服だ。
腰には護身用の短剣と、アレクセイ様から渡された魔導杖を帯びている。

「準備はいいか、エミリア」
「はい、いつでも」

アレクセイ様が私を見て、ニヤリと笑った。

「では、行こうか。……最高の『ざまぁ』の最終章だ」

馬のいななきと共に、私たちは駆け出した。
雪解けの大地を蹴り、南へ。
腐敗と絶望に覆われた王都へ向かって。

道中、私たちは異様な光景を目にすることになった。
王都から逃げ出してきた避難民の列だ。
彼らは着の身着のまま、恐怖に顔を歪めて北へ向かって歩いていた。
私たちを見つけると、彼らは驚き、そして縋るような目を向けてきた。

「あ、あれはヴォルグ公爵家の旗だ!」
「助かった……! 北の軍が助けに来てくれたぞ!」
「見て! あの方……エミリア様じゃないか!?」

私の姿に気づいた人々が、涙を流して手を振る。

「エミリア様! どうかお助けください!」
「私たちが間違っておりました! 貴女様こそが真の聖女様でした!」
「子供が……子供が病気なのです!」

悲痛な叫び。
私は馬を止めようとしたが、アレクセイ様が首を横に振った。

「止まるな、エミリア。ここで一人一人を治療していては、元凶を絶つ前に君が倒れてしまう」

冷たい言葉に聞こえるかもしれないが、それが真実だった。
巨人を倒さない限り、瘴気は消えない。
目の前の数人を救っている間に、王都では数百人が死ぬかもしれないのだ。

「……後方部隊に、避難民の保護と治療を指示しておいた。彼らは我々の領地で受け入れる。だから、君は前だけを見ろ」

アレクセイ様の配慮に、私は胸が熱くなった。
彼は冷酷なわけではない。誰よりも全体を見ているのだ。

「はい。……ありがとうございます」

私は涙をこらえ、前を向いた。
待っていて。すぐに終わらせるから。

     * * *

二日後。
私たちはついに、王都を見下ろす丘の上に到着した。
そこで見た光景に、全員が息を呑んだ。

「これは……ひどい」

かつて「白亜の都」と呼ばれた美しい王都サンクチュアリは、見る影もなかった。
街全体が黒い瘴気に包まれ、建物の多くが崩壊している。
そして、その中心、王城の近くに、それはいた。

『黒い巨人』。
泥とヘドロが固まったような醜悪な体躯。
その大きさは王城の尖塔と同じくらいあり、動くたびに周囲の建物が飴細工のように崩れ落ちていく。
巨人の表面には無数の苦悶の表情が浮かび上がり、耳障りな呻き声を上げている。

「グオォォォ……エミ……リア……」

「え?」

耳を疑った。
あの巨人、私の名前を呼んだ?

「……間違いない。あの巨人の核になっているのは、ゴルダンだ」

アレクセイ様が遠見の魔導眼鏡を下ろしながら言った。
その顔には、かつてないほどの嫌悪感が浮かんでいる。

「奴の執着心が、召喚した魔物に取り込まれ、逆に魔物を支配してしまったようだな。……醜悪極まりない」

ゴルダン神官長の私への逆恨み。それが、あんな化け物を生み出したのだ。
私のせいで、王都がこんなことに……。
罪悪感で押しつぶされそうになった時、アレクセイ様の手が私の頬を叩いた。
ペチン、と軽い音。

「しっかりしろ。君のせいじゃない。これは奴自身の罪だ」
「アレクセイ様……」
「君が背負うべきは、ここから先の未来だ。過去の亡霊に心を囚われるな」

彼の力強い言葉に、私はハッとした。
そうだ。私がここで挫けてどうする。
あんな悲しい化け物を、浄化してあげるのが、かつて聖女と呼ばれた私の最後の務めだ。

「……はい。行きます」

私は杖を握りしめた。

「全軍、突撃!!」

アレクセイ様の号令と共に、ヴォルグ騎士団が丘を一気に駆け下りた。
私たちは王都の城門(すでに半壊していた)を突破し、地獄と化した市街地へと突入した。

「グアアアア!」

巨人が私たちに気づき、ヘドロの腕を振り下ろしてくる。
それは石畳を砕き、衝撃波となって襲いかかった。

「散開! 氷壁展開!」

アレクセイ様が叫ぶと同時に、騎士たちが一斉に防御陣形をとる。
巨大な氷の壁が出現し、衝撃波を受け止める。
しかし、氷は瘴気に触れた端から黒く変色し、溶けていく。

「やはり、魔法耐性が高いな。……だが、凍らせて砕けないものなどない!」

アレクセイ様が愛馬から飛び降り、空へと舞い上がった。
彼は風魔法で滞空しながら、両手から極大の氷魔法を放つ。

「氷結界・絶対零度(アブソリュート・ゼロ)!」

白い閃光が巨人を包み込む。
巨人の動きが一瞬で止まり、その巨大な体が氷漬けにされた。
やったか?
誰もがそう思った次の瞬間。

パキ……パキパキ……ドガァァァン!!

氷が内側から砕け散った。
中から現れた巨人は、以前よりも一回り大きくなっていた。

「ムダダ……魔法ハ……効カヌ……!」

巨人の腹部に、ゴルダン神官長の顔が浮かび上がり、醜く歪んで笑った。

「エミリアァァ! ドコダァァ! 私ヲ愛セェェ! 私ニ力ヲ寄越セェェ!」

「……気持ち悪い」

私は生理的な嫌悪感で身震いした。
あんなものが神の代行者を名乗っていたなんて。

「エミリア、下がっていろ! 私がなんとかする!」

アレクセイ様が剣を抜き、再び斬りかかろうとする。
でも、私は知っていた。
彼の攻撃だけでは、あの巨人は倒せない。
あれは物理的な存在ではなく、負の感情と瘴気の塊だからだ。
浄化しなければ、何度でも再生する。

「いいえ、アレクセイ様。……私が出ます」

私は馬を降り、杖を構えて巨人の前へと歩み出た。

「エミリア!?」
「私を守ってくれると言いましたよね。だから、今度は私があなたを守ります」

私は深く息を吸い込んだ。
周りの騒音が消え、心臓の鼓動だけが聞こえる。
体の中の魔力を練り上げる。
怒りでも、恐怖でもなく。
ただ、悲しみと慈しみを込めて。

「……もう、終わりにしましょう」

私が杖を掲げたその時。
瓦礫の山から、一人の男が這い出してきた。
ボロボロの服、血走った目。
カイル殿下だった。

「エ、エミリア……! 助けてくれ! 俺だ、カイルだ!」

彼は私に気づくと、情けなく手を伸ばしてきた。
巨人が彼に反応する。

「カイル……殿下……? 邪魔ダァァァ!」

巨人の腕が、カイル殿下に向かって振り下ろされた。
このままでは、彼は潰される。
私は咄嗟に叫んだ。

「アレクセイ様! 彼を!」

アレクセイ様は舌打ちを一つして、氷の礫を放ち、カイル殿下を弾き飛ばした。
間一髪、巨人の拳は地面を叩き割った。
カイル殿下はゴロゴロと転がり、私の足元で止まった。

「ひぃっ、ひぃぃ……!」
「下がっていてください、カイル殿下。……足手まといです」

私は冷たく言い捨て、巨人に向き直った。
さあ、決着の時だ。

私の杖から、まばゆい黄金の光が溢れ出し始めた。
それは王都の灰色の空を切り裂き、天へと伸びる光の柱となった。

続く
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

誰も信じてくれないので、森の獣達と暮らすことにしました。その結果、国が大変なことになっているようですが、私には関係ありません。

木山楽斗
恋愛
エルドー王国の聖女ミレイナは、予知夢で王国が龍に襲われるという事実を知った。 それを国の人々に伝えるものの、誰にも信じられず、それ所か虚言癖と避難されることになってしまう。 誰にも信じてもらえず、罵倒される。 そんな状況に疲弊した彼女は、国から出て行くことを決意した。 実はミレイナはエルドー王国で生まれ育ったという訳ではなかった。 彼女は、精霊の森という森で生まれ育ったのである。 故郷に戻った彼女は、兄弟のような関係の狼シャルピードと再会した。 彼はミレイナを快く受け入れてくれた。 こうして、彼女はシャルピードを含む森の獣達と平和に暮らすようになった。 そんな彼女の元に、ある時知らせが入ってくる。エルドー王国が、予知夢の通りに龍に襲われていると。 しかし、彼女は王国を助けようという気にはならなかった。 むしろ、散々忠告したのに、何も準備をしていなかった王国への失望が、強まるばかりだったのだ。

聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました

AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」 公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。 死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった! 人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……? 「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」 こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。 一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。

偽りの呪いで追放された聖女です。辺境で薬屋を開いたら、国一番の不運な王子様に拾われ「幸運の女神」と溺愛されています

黒崎隼人
ファンタジー
「君に触れると、不幸が起きるんだ」――偽りの呪いをかけられ、聖女の座を追われた少女、ルナ。 彼女は正体を隠し、辺境のミモザ村で薬師として静かな暮らしを始める。 ようやく手に入れた穏やかな日々。 しかし、そんな彼女の前に現れたのは、「王国一の不運王子」リオネスだった。 彼が歩けば嵐が起き、彼が触れば物が壊れる。 そんな王子が、なぜか彼女の薬草店の前で派手に転倒し、大怪我を負ってしまう。 「私の呪いのせいです!」と青ざめるルナに、王子は笑った。 「いつものことだから、君のせいじゃないよ」 これは、自分を不幸だと思い込む元聖女と、天性の不運をものともしない王子の、勘違いから始まる癒やしと幸運の物語。 二人が出会う時、本当の奇跡が目を覚ます。 心温まるスローライフ・ラブファンタジー、ここに開幕。

婚約破棄されたので、隠していた聖女の力で聖樹を咲かせてみました

Megumi
恋愛
偽聖女と蔑まれ、婚約破棄されたイザベラ。 「お前は地味で、暗くて、何の取り柄もない」 元婚約者である王子はそう言い放った。 十年間、寡黙な令嬢を演じ続けた彼女。 その沈黙には、理由があった。 その夜、王都を照らす奇跡の光。 枯れた聖樹が満開に咲き誇り、人々は囁いた。 「真の聖女が目覚めた」と——

辺境伯聖女は城から追い出される~もう王子もこの国もどうでもいいわ~

サイコちゃん
恋愛
聖女エイリスは結界しか張れないため、辺境伯として国境沿いの城に住んでいた。しかし突如王子がやってきて、ある少女と勝負をしろという。その少女はエイリスとは違い、聖女の資質全てを備えていた。もし負けたら聖女の立場と爵位を剥奪すると言うが……あることが切欠で全力を発揮できるようになっていたエイリスはわざと負けることする。そして国は真の聖女を失う――

地味で無能な聖女だと婚約破棄されました。でも本当は【超過浄化】スキル持ちだったので、辺境で騎士団長様と幸せになります。ざまぁはこれからです。

黒崎隼人
ファンタジー
聖女なのに力が弱い「偽物」と蔑まれ、婚約者の王子と妹に裏切られ、死の土地である「瘴気の辺境」へ追放されたリナ。しかし、そこで彼女の【浄化】スキルが、あらゆる穢れを消し去る伝説級の【超過浄化】だったことが判明する! その奇跡を隣国の最強騎士団長カイルに見出されたリナは、彼の溺愛に戸惑いながらも、荒れ地を楽園へと変えていく。一方、リナを捨てた王国は瘴気に沈み崩壊寸前。今さら元婚約者が土下座しに来ても、もう遅い! 不遇だった少女が本当の愛と居場所を見つける、爽快な逆転ラブファンタジー!

聖女の代わりがいくらでもいるなら、私がやめても構いませんよね?

木山楽斗
恋愛
聖女であるアルメアは、無能な上司である第三王子に困っていた。 彼は、自分の評判を上げるために、部下に苛烈な業務を強いていたのである。 それを抗議しても、王子は「嫌ならやめてもらっていい。お前の代わりなどいくらでもいる」と言って、取り合ってくれない。 それなら、やめてしまおう。そう思ったアルメアは、王城を後にして、故郷に帰ることにした。 故郷に帰って来たアルメアに届いたのは、聖女の業務が崩壊したという知らせだった。 どうやら、後任の聖女は王子の要求に耐え切れず、そこから様々な業務に支障をきたしているらしい。 王子は、理解していなかったのだ。その無理な業務は、アルメアがいたからこなせていたということに。

追放聖女の再就職 〜長年仕えた王家からニセモノと追い出されたわたしですが頑張りますね、魔王さま!〜

三崎ちさ
恋愛
メリアは王宮に勤める聖女、だった。 「真なる聖女はこの世に一人、エミリーのみ! お前はニセモノだ!」 ある日突然いきりたった王子から国外追放、そして婚約破棄もオマケのように言い渡される。 「困ったわ、追放されても生きてはいけるけど、どうやってお金を稼ごうかしら」 メリアには病気の両親がいる。王宮で聖女として働いていたのも両親の治療費のためだった。国の外には魔物がウロウロ、しかし聖女として活躍してきたメリアには魔物は大した脅威ではない。ただ心配なことは『お金の稼ぎ方』だけである。 そんな中、メリアはひょんなことから封印されていたはずの魔族と出会い、魔王のもとで働くことになる。 「頑張りますね、魔王さま!」 「……」(かわいい……) 一方、メリアを独断で追放した王子は父の激昂を招いていた。 「メリアを魔族と引き合わせるわけにはいかん!」 国王はメリアと魔族について、何か秘密があるようで……? 即オチ真面目魔王さまと両親のためにお金を稼ぎたい!ニセモノ疑惑聖女のラブコメです。 ※小説家になろうさんにも掲載

処理中です...