【改訂版】元保育士の異世界物語〜子どものためなら魔王もワンパン!?天職保育士!?創造魔法と神獣召喚で世界の子どもたちを救います〜

イル

文字の大きさ
37 / 96
第三章〜世界へと旅立つ〜

第37話 〜決着と更なる厄災〜

しおりを挟む
「そろそろ作戦は決まったか?」

 戦いそのものを楽しんでいるグラシャラボラスは、ヒイロ達が何か話し合っていても、余裕なのか慌てることもなく、ただ待ち構えていた。

「あぁ、待たせたな!グランさん、お願いします!!」

「よし、それじゃあこれがわしの最高の魔法じゃ!受けてみよ!神雷魔法《雷霆万鈞》!」

 グランが思い切り魔力を込め、魔法を展開する。グラシャラボラスの頭上に大きな黒い雷が吹き荒れる巨大な球体となって現れる。そして、だんだんと小さくなり、今にも爆発しそうになるくらい圧縮され、ゆっくりとグラシャラボラスに降りていく。

「随分、ゆっくりとした魔法だな。ただ……威力だけはありそうだが、それを素直に受けてやるわけがなかろう」

 グラシャラボラスは、真上にあるグランの《雷霆万鈞》を避けるように横に移動しようとする。

「さて、逃げられるかな?」

 グランがそう言った瞬間、《雷霆万鈞》の黒い球体から凄まじいほどの黒雷が降り注ぎ、重力が帯びたようにグラシャラボラスの身体が地面へとめり込むように押しつぶされていく。

「な、なんだこの力は……こんなもの……」

 グラシャラボラスは、黒い球体から必死に逃げようと暴れるが、さらに黒雷は強く降り注ぎ、グラシャラボラスの大きな翼は黒雷によってボロボロになっていく。そしてその球体が地面に近づけば近づくほど膨れ上がっていった黒い球体がそのままゆっくりと地面に着地したかと思うと大爆発を起こす。

「すごいな……こっちも負けてられない!いきなり全力で行くぞ、奥義《神の息吹》」

 グランの魔法を翼を犠牲に何とか耐え切ったグラシャラボラスであったが、限界を超えたヒイロのスピードに反応出来ず、一瞬ヒイロを見失う。次の瞬間、ヒイロは、グラシャラボラスの懐に入り、全力で喉元を蹴り上げていく。そこには
強固な防御魔法が施してあったが、それすらも破壊し、蹴り上げたヒイロは自分も一緒に飛び上がり、天井で蹴り返し、グラシャラボラスの背中に飛び蹴りをしていく。

 グラシャラボラスは激しく地面に叩きつけられたが、ヒイロの動きはその後も勢いが止まらず、乱反射のように壁や天井を蹴り、色んな方向からの攻撃を仕掛ける。その強力な威力とスピードにグラシャラボラスも追い詰められていく。

「グハッ……このまま……我が……このグラシャラボラスが……終わると思うなよー!」

 地面に叩きつけられた瞬間、グラシャラボラスが咆哮と共に起き上がり、全方向に強力なかまいたちと衝撃波を巻き起こす。その威力は、距離をとり、尚且つ防御魔法を展開したグランを吹き飛ばし、さらに奥義状態のヒイロをも吹き飛ばす。だがそれでも、吹き飛ばされたヒイロとグランは、ここが正念場だと諦めず、さらなる追い討ちをかけていく。

「相手は確実に弱っているはずだ!体勢を戻される前にこのまま押し切りましょう、グランさん!……伸びろ 《ダグザの棍棒》!》

「くっ……わかってるわい。神雷魔法 《黒雷霆》」

 グランの神雷魔法に合わせ、ヒイロは渾身の力を振り絞り、打撃特化の神具 《ダグザの棍棒》を全力でグラシャラボラスに叩きつける。ヒイロの棍棒が強力なグランの神雷魔法の避雷針となり、合わせ技となって、グラシャラボラスに直撃を与える。そのダメージが致命傷となり、とうとうグラシャラボラスは崩れ落ちる。

「やるじゃ……ないか……ヒイロよ。お前達との戦い、面白かったぞ……そしてお前のその強力な力……もしかして魔王様に……いや……それ以上かも知れんな……」

「面白いもクソもあるか、こっちだってギリギリだ。お前の他にもまだいると思うとそれだけでも疲れるわ。」

「なぁに……魔王様はもう少し……時間がかかる。我を倒した褒美にもう一つ教えてやる……我が魔王は、六大魔王の1柱。そして魔王様の上に3魔神がいらっしゃると言われている……これから《最後の神判》まで次々と復活なされる……世界はどこまで……耐えられる……かな……」

「……なんじゃと!?どういうことじゃ、《最後の神判》という言葉なぞ、初めて聞いたぞ!それに魔神の存在は魔王と違い、伝説上のおとぎ話しのはずじゃ……」

「まずいですね。ギルドどころか、世界問題になる話しです……」 

 ヒイロとグランが話しているうちグラシャラボラスの身体が少しずつ消えていく。ヒイロはグランとの話しを一度やめ、グラシャラボラスの方へと歩み寄る。

「なぁグラシャラボラス……敵だったが、あんたの戦い方を見てて、なんとなく嫌いじゃなかったよ。」

「……我もだ。ヒイロよ、さらに強くなって、どうにか足掻いてみせろ……我らと同じ……結末が決まっている……決められた運命などつまらん……からな……」

「言われなくてもそうするつもりさ。アンタの話しを聞いて、いま気付いた。それがきっと……俺がこの世界に生まれた……いや、転生してきた理由……宿命だからな」

「……勇者をも超えゆるその力……そうなのかもしれ……んな……」

 そう言い去り、魔王配下グラシャラボラスは消えた。そして同時にダンジョンもなくなり、グランとヒイロは、地上へといつのまにか戻っていた。

 地上はすでに夜になっており、エメルとウォリー達が魔物を殲滅したのか、テントを張り、休憩をしていた。そして、急にダンジョンが消え去り、ヒイロとグランが目の前に現れると、見張りをしていたウォリーが激しく動揺していた。

「なっ、ダンジョンが消えた!?ヒイロ!?グランじい!?お前達無事だったのか!?やったのか?」

 グラシャラボラスを倒したにも関わらず、浮かない顔をしているグランとヒイロは、ウォリーとエメルだけに話しをする。
 
 「はい……だけど、悪い報告もあるから、それはギルドに戻ってから2人だけに話させてください。」

「……わかった。とりあえず一旦、ダンジョン攻略は成功としたんだ。ギルドに全員で戻ろう。」

 ヒイロ達は、ギルド本部に戻り、グラシャラボラスから聞いた話をウォリーとエメルに話した。

「……魔神!?お伽話では確か……魔神は世界の始まり……善神との神同士での戦いで出てくる悪神と、その配下となる3柱の悪魔族の神よ……神なんて……そんなの私たちじゃどうしようもないじゃない。」

「そうじゃ。魔王の配下でさえ……ワシ一人じゃ、多分倒せんかった。その上、6体の魔王に……さらに3柱の魔神……世界の終わりじゃな。」

「……そして、その《最後の神判》も気になる。……が、すでにこのギルドだけじゃ抱えきれない話しになっている。俺は王宮へ早急に話しを通すから、このことはここだけの話で頼む。」

「わかりました。それと、勇者だけでも見つけてもらえると助かります。今のままでは戦力が足りません。」

「わかった。ただ今回はことは本当に助かった。街の方への被害はもちろん、何より魔王の配下を倒せると知れただけでも希望となる。3人にもきちんと報酬を用意しとくから、後でギルドの方に受け取りに来てくれ。」

「ありがとう。久しぶりに疲れたわ。また何かあったら連絡ちょーだい。ここまで来たら乗りかかった船よ。」

「そうじゃな。出来るだけの協力をしよう。それにワシの方でも昔の文献など調べて見ようと思う。」

「僕も協力します。いつもは、港の近くの《海の家》というところにいます。話しが進展したら連絡をください。」

「わかった。みんな、よろしく頼む。」

 こうしてヒイロ達は、無事スタンピードの発生を防ぎ、魔王の配下を倒すことができた。だが、その安心も束の間、更なる厄災が来ようとしていることに、それぞれが不安を抱いたままの解散となったのだ。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう! 公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
アルファポリス様より書籍化! 転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。 どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。 - カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました! - アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました! - この話はフィクションです。

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。 転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。 - 週間最高ランキング:総合297位 - ゲス要素があります。 - この話はフィクションです。

この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~

夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。 全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった! ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。 一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。 落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!

処理中です...