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まさかのお友達コース⁈
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(何がどうして、こうなった?!)
大混乱のまま、気づけばクラリスは馬車の中でオストロー令嬢と向き合って座っていた。一人で帰れるから大丈夫だというクラリスに、オストロー令嬢が送っていくと言って聞かなかったのだ。
泥で汚れた服も公爵家の凄腕メイドの手にかかればすぐに綺麗になるから、と言われ、クラリスには断る術はなかった。
「あなたはクラリスさんよね?進学試験で三位だった」
「は、はい!今年から高等部に進学しました、クラリス・メルカードと申します!オストロー様にはご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ございません!」
クラリス達の住むカリーラン王国は、5歳から16歳までの子供は身分に関わらず、王立か私立の学園の初等・中等部で学ぶことになっている。王立学園の場合、中等部までは授業料はかからない。
17歳になると働きに出るか高等部に進学するか選ぶことが出来るのだが、平民の場合、中等部修了後は職を探して自立することがほとんどだ。高等部からは王立学園でも授業料がかかるからだ。
だが、王立学園では成績上位者には授業料免除の制度も設けており、クラリスは優秀な成績で中等部を終えたことから、授業料免除で高等部に進学していた。
成績が悪いと授業料免除の特典が受けられなくなることから、必死に努力して進学試験でも並み居る貴族達をおさえて、上位に食い込む成績をおさめたのだ。
(でも、そのせいで、入学早々に呼びだされちゃった………てか、ゲームでは、呼び出しの首謀者はオストロー様だったわよね?なぜに、オストロー様が攻略対象者ポジション?こんな裏ルートがあったってこと?)
頭の中を疑問符でいっぱいにしたまま、目の前に座る美しい人を伺う。
「ふふふ。そんなにかしこまらないで。それに今日のことはあなたが悪いんじゃないわ」
「で、ですが、オストロー様のお手を煩わせてしまい……」
「あ、そうそう、私のことはアリスと呼んでくださる?年齢だって一つしか変わらないのだもの、ぜひお友達になりたいわ」
「そ、そんな、私のような平民が公爵令嬢であるオストロー様とお友達なんて畏れ多……」
「あら、この学園は身分による差別はないのが特色なのよ」
クラリスの言葉にかぶせるように言うと、オストロー令嬢はイタズラっぽく微笑む。
「それとも、私と友達になるのは嫌かしら?」
「嫌だなんて!そんなことはありません!」
「では、アリスと呼んでくださるわね?」
アリスの形の良い唇が綺麗な弧を描く。
(わ、笑ってるのに、なぜか圧がすごい……!さすがは公爵令嬢……!)
「は、はい、喜んで……ア、アリス様……」
アリスの押しの強さに負けたクラリスが求められるままに名前呼びすると、何故かアリスの顔がポッと赤くなり、俯いて何か呟いた。
「……さ……は………ン、……がすごい……」
だが、脳内絶賛大混乱中のクラリスの耳には届いていなかった。
大混乱のまま、気づけばクラリスは馬車の中でオストロー令嬢と向き合って座っていた。一人で帰れるから大丈夫だというクラリスに、オストロー令嬢が送っていくと言って聞かなかったのだ。
泥で汚れた服も公爵家の凄腕メイドの手にかかればすぐに綺麗になるから、と言われ、クラリスには断る術はなかった。
「あなたはクラリスさんよね?進学試験で三位だった」
「は、はい!今年から高等部に進学しました、クラリス・メルカードと申します!オストロー様にはご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ございません!」
クラリス達の住むカリーラン王国は、5歳から16歳までの子供は身分に関わらず、王立か私立の学園の初等・中等部で学ぶことになっている。王立学園の場合、中等部までは授業料はかからない。
17歳になると働きに出るか高等部に進学するか選ぶことが出来るのだが、平民の場合、中等部修了後は職を探して自立することがほとんどだ。高等部からは王立学園でも授業料がかかるからだ。
だが、王立学園では成績上位者には授業料免除の制度も設けており、クラリスは優秀な成績で中等部を終えたことから、授業料免除で高等部に進学していた。
成績が悪いと授業料免除の特典が受けられなくなることから、必死に努力して進学試験でも並み居る貴族達をおさえて、上位に食い込む成績をおさめたのだ。
(でも、そのせいで、入学早々に呼びだされちゃった………てか、ゲームでは、呼び出しの首謀者はオストロー様だったわよね?なぜに、オストロー様が攻略対象者ポジション?こんな裏ルートがあったってこと?)
頭の中を疑問符でいっぱいにしたまま、目の前に座る美しい人を伺う。
「ふふふ。そんなにかしこまらないで。それに今日のことはあなたが悪いんじゃないわ」
「で、ですが、オストロー様のお手を煩わせてしまい……」
「あ、そうそう、私のことはアリスと呼んでくださる?年齢だって一つしか変わらないのだもの、ぜひお友達になりたいわ」
「そ、そんな、私のような平民が公爵令嬢であるオストロー様とお友達なんて畏れ多……」
「あら、この学園は身分による差別はないのが特色なのよ」
クラリスの言葉にかぶせるように言うと、オストロー令嬢はイタズラっぽく微笑む。
「それとも、私と友達になるのは嫌かしら?」
「嫌だなんて!そんなことはありません!」
「では、アリスと呼んでくださるわね?」
アリスの形の良い唇が綺麗な弧を描く。
(わ、笑ってるのに、なぜか圧がすごい……!さすがは公爵令嬢……!)
「は、はい、喜んで……ア、アリス様……」
アリスの押しの強さに負けたクラリスが求められるままに名前呼びすると、何故かアリスの顔がポッと赤くなり、俯いて何か呟いた。
「……さ……は………ン、……がすごい……」
だが、脳内絶賛大混乱中のクラリスの耳には届いていなかった。
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