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攻略対象者揃い踏み?(続)
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「エラリー様!シラっとクラリスさんの隣の席に座らないでくださいませ!」
「まあまあ、アリス嬢。私達はここに座ろうじゃないか」
抗議の声を上げるアリスをニコニコと宥めながら、ウィルはアリスの椅子を引いて座らせると、自分はその隣りの席を陣取った。
アリスはまだも納得いかないと、ウィルとエラリーに向かって声を上げようとしたが、その声は新たな登場人物によって遮られた。
「僕達も仲間に入れてよー」
ウィルのキラキラ王子様スマイルに負けずとも劣らない、キラキラスマイルで登場したのは、クラリスと同じクラスのジャンだった。隣にはやはり同じクラスのイメルダがいる。
二人はさも当たり前かのように、エラリーとウィルの隣に座ると、それぞれ手にしていたプレートの上の料理を食べ始めた。
「さっきさあ、クラリスちゃんとエラリーが、手荒れの話をしていたでしょう?」
(え、いまさら蒸し返しますか?!)
クラリスの心の声は誰にも届かない。
「実は今ね、僕の商会で新しい商品を開発中でね。学園の女の子達に試してもらおうと思っていくつか持ってきたんだよねー」
言いながらジャンはポケットからコロンとした、手のひらに乗るぐらいの可愛らしい容器を二つ取り出した。
「全身に使える保湿クリームだよ。顔以外ならどこに塗っても大丈夫だから」
言いながら、クラリスとイメルダにその容器を渡す。
「二人にはぜひお試しで使ってもらって、使用感とかを教えて欲しいな」
「あ、ありがとうございます……」
もちろん、クラリスには断るという選択肢はない。
「ジャン様、私にまでいいのですか?」
一緒に渡されたイメルダが、少し困惑したように尋ねる。斜め向かいに座るアリスの分がないようなのも気になる。
「もちろん!イメルダ嬢にもぜひお願いするよ。あ、このクリームにはミモザの香りをつけてあるんだ」
「まあ。私、ミモザの花が大好きなんです」
「え、そうなの?じゃあ、ちょうど良かった!もし使ってみて気に入ったら、お試しサイズじゃなくて、もっとたくさん入っているのを持ってくるからね!」
「ふふふ。ありがとうございます」
「ジャンったら。ここには女性が三人いるんですけど、見えていないのかしら?」
ウィルの隣で眉間の皺を固定させているアリスが声をかけた。
ジャンはドットールー侯爵家の嫡男で、アリスとは幼い頃から仲が良かった。もし王命でウィルと婚約していなければ、アリスの婚約者はジャンに決まっていただろう。そんな気安い仲だからこそ、アリスもわざと意地悪を言ったのだった。
「アリスなら僕があげなくても、自分で作っちゃうでしょ」
「アリス嬢はクリームが欲しいのかな?なら、今度王都中のクリームを贈るから、好きなだけ試すといいよ」
無駄にキラキラしている二人の笑顔に、アリスは持ってきたサンドイッチに黙ってかぶりついた。
「あの後、慌ててお弁当を食べて、何とか次の授業には間に合ったけど。その後の休み時間も自己紹介ラッシュで、ほとんど休めなかったわ……」
思わず遠い目になる。
「まあ、おかげで色々な人から色々な情報が収集できたし、これで攻略対象が誰かは何となく把握できたわ」
言いながらクラリスは手元のノートに情報を整理していった。
「まあまあ、アリス嬢。私達はここに座ろうじゃないか」
抗議の声を上げるアリスをニコニコと宥めながら、ウィルはアリスの椅子を引いて座らせると、自分はその隣りの席を陣取った。
アリスはまだも納得いかないと、ウィルとエラリーに向かって声を上げようとしたが、その声は新たな登場人物によって遮られた。
「僕達も仲間に入れてよー」
ウィルのキラキラ王子様スマイルに負けずとも劣らない、キラキラスマイルで登場したのは、クラリスと同じクラスのジャンだった。隣にはやはり同じクラスのイメルダがいる。
二人はさも当たり前かのように、エラリーとウィルの隣に座ると、それぞれ手にしていたプレートの上の料理を食べ始めた。
「さっきさあ、クラリスちゃんとエラリーが、手荒れの話をしていたでしょう?」
(え、いまさら蒸し返しますか?!)
クラリスの心の声は誰にも届かない。
「実は今ね、僕の商会で新しい商品を開発中でね。学園の女の子達に試してもらおうと思っていくつか持ってきたんだよねー」
言いながらジャンはポケットからコロンとした、手のひらに乗るぐらいの可愛らしい容器を二つ取り出した。
「全身に使える保湿クリームだよ。顔以外ならどこに塗っても大丈夫だから」
言いながら、クラリスとイメルダにその容器を渡す。
「二人にはぜひお試しで使ってもらって、使用感とかを教えて欲しいな」
「あ、ありがとうございます……」
もちろん、クラリスには断るという選択肢はない。
「ジャン様、私にまでいいのですか?」
一緒に渡されたイメルダが、少し困惑したように尋ねる。斜め向かいに座るアリスの分がないようなのも気になる。
「もちろん!イメルダ嬢にもぜひお願いするよ。あ、このクリームにはミモザの香りをつけてあるんだ」
「まあ。私、ミモザの花が大好きなんです」
「え、そうなの?じゃあ、ちょうど良かった!もし使ってみて気に入ったら、お試しサイズじゃなくて、もっとたくさん入っているのを持ってくるからね!」
「ふふふ。ありがとうございます」
「ジャンったら。ここには女性が三人いるんですけど、見えていないのかしら?」
ウィルの隣で眉間の皺を固定させているアリスが声をかけた。
ジャンはドットールー侯爵家の嫡男で、アリスとは幼い頃から仲が良かった。もし王命でウィルと婚約していなければ、アリスの婚約者はジャンに決まっていただろう。そんな気安い仲だからこそ、アリスもわざと意地悪を言ったのだった。
「アリスなら僕があげなくても、自分で作っちゃうでしょ」
「アリス嬢はクリームが欲しいのかな?なら、今度王都中のクリームを贈るから、好きなだけ試すといいよ」
無駄にキラキラしている二人の笑顔に、アリスは持ってきたサンドイッチに黙ってかぶりついた。
「あの後、慌ててお弁当を食べて、何とか次の授業には間に合ったけど。その後の休み時間も自己紹介ラッシュで、ほとんど休めなかったわ……」
思わず遠い目になる。
「まあ、おかげで色々な人から色々な情報が収集できたし、これで攻略対象が誰かは何となく把握できたわ」
言いながらクラリスは手元のノートに情報を整理していった。
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