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決戦前夜
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翌朝、オストロー公爵とその嫡男のエリック、ドットールー侯爵とその嫡男のジャックは、国王直々の呼び出しを受け、登城していた。
平日の呼び出しに、学園を休む羽目になったジャンは、少し不満そうだった。
「イメルダ嬢に会えない一日なんて……」
「ジャン、君にも大いに関係のあることですよ」
国王の前でも全く臆することのない、いつも通りマイペースなジャンをアンソニーが嗜める。
「ドットールー侯爵令息、今回もその方の力を貸して欲しい」
国王が苦笑しながら、ジャンに声をかける。
「かしこまりました。まずは詳しいことをお聞かせいただけますか」
国王に一礼すると、ジャンが一転真面目な顔で願い出た。
「うむ。ウィリアム、アンソニー、ブートレット公国でわかったことを話してくれ」
二人がアーゴク侯爵家とクロー伯爵家の企み、その二家とメッシー伯爵家との繋がりを端的に説明した。
「今回の薬物騒動は、僕がメッシー伯爵家を潰したことが発端だったのか……」
「完全な逆恨みだ。お前のせいではない」
さすがに少しショックを受けた様子のジャンの肩を、父のドットールー侯爵が抱く。
「ええ。僕は為すべきことを為しただけです。そして、今度も為すべきことを為します」
(イメルダに危害を加える恐れのあるものは、全て潰しておかないと……!)
ジャンはこれまでに見せたことのない真剣な表情で力強く頷いた。
「お話はわかりました。それで、これからどのように動きますか?」
それまで黙って聞いていたオストロー公爵が口を開いた。
「クロー伯爵家を断罪するための物証が必要だ。明日にもブートレット公国からの知らせが届くだろうが、それを待つ間に王国内の調べを進めたい」
「オストロー公爵とドットールー侯爵には、コモノー男爵の周辺を再度洗い直していただきたい。薬を売り捌いていた実行犯も含めて、再度徹底的に追求していただけないだろうか」
国王と宰相が今後についての指示を出す。
「その間、我々ハートネット公爵家はクロー伯爵家とその周辺の監視と調べを続けます」
「ウィリアムは隣国のディミトリ公世子との連絡を密に頼む」
「かしこまりました」
「陛下、僕は元メッシー伯爵のことを再度調べたいと思います。アーゴク侯爵夫人の弟という人物が気になります」
ジャンが国王に自身の考えを伝えると、国王は頷いて言った。
「いいだろう。だが、あまり時間はない。各々できるだけ速やかに調べを進めてくれ」
「「「「「「御意」」」」」」
集められた全員が頷き、一礼するとそれぞれ部屋を後にした。
===========================
学園では、ポール、アリス、イメルダ、エラリーの四人が、授業に集中しようとしてできずにいた。その原因は先ほどの休み時間にあった。
一年生のクラスでは、休みかと思っていたジャンが突然現れた。
「ジャン様!」
「ん?ジャン、今日は休みのはずじゃ?」
「イメルダ嬢、エラリー、ちょっと急ぎで伝えたいことがあってさ」
ジャンは驚く二人を手招きすると、小声で話をし、とまどう二人を残して去って行った。
二年生のクラスでは、ジャンと同様ウィルが現れて、アリスを呼び出していた。
「ウィル様?今日はお休みされると……」
「ああ、すぐに行かなければいけない」
「それなら、どうして……」
疑問を呈すアリスに何事かを囁いたかと思うと、顔を真っ赤にしたアリスを一人残してウィルは去って行った。
三年生のクラスでは、アンソニーがポールを廊下に呼び出していた。
「あれ?アンソニー、お前、今日休みだったんじゃないのか?」
「そのはずでしたが、ポール、君に一つ頼みたいことがあります」
アンソニーの言葉に驚くポールに、真剣な顔で頷き、念を押すと、アンソニーはウィルの後を追って去って行った。
平日の呼び出しに、学園を休む羽目になったジャンは、少し不満そうだった。
「イメルダ嬢に会えない一日なんて……」
「ジャン、君にも大いに関係のあることですよ」
国王の前でも全く臆することのない、いつも通りマイペースなジャンをアンソニーが嗜める。
「ドットールー侯爵令息、今回もその方の力を貸して欲しい」
国王が苦笑しながら、ジャンに声をかける。
「かしこまりました。まずは詳しいことをお聞かせいただけますか」
国王に一礼すると、ジャンが一転真面目な顔で願い出た。
「うむ。ウィリアム、アンソニー、ブートレット公国でわかったことを話してくれ」
二人がアーゴク侯爵家とクロー伯爵家の企み、その二家とメッシー伯爵家との繋がりを端的に説明した。
「今回の薬物騒動は、僕がメッシー伯爵家を潰したことが発端だったのか……」
「完全な逆恨みだ。お前のせいではない」
さすがに少しショックを受けた様子のジャンの肩を、父のドットールー侯爵が抱く。
「ええ。僕は為すべきことを為しただけです。そして、今度も為すべきことを為します」
(イメルダに危害を加える恐れのあるものは、全て潰しておかないと……!)
ジャンはこれまでに見せたことのない真剣な表情で力強く頷いた。
「お話はわかりました。それで、これからどのように動きますか?」
それまで黙って聞いていたオストロー公爵が口を開いた。
「クロー伯爵家を断罪するための物証が必要だ。明日にもブートレット公国からの知らせが届くだろうが、それを待つ間に王国内の調べを進めたい」
「オストロー公爵とドットールー侯爵には、コモノー男爵の周辺を再度洗い直していただきたい。薬を売り捌いていた実行犯も含めて、再度徹底的に追求していただけないだろうか」
国王と宰相が今後についての指示を出す。
「その間、我々ハートネット公爵家はクロー伯爵家とその周辺の監視と調べを続けます」
「ウィリアムは隣国のディミトリ公世子との連絡を密に頼む」
「かしこまりました」
「陛下、僕は元メッシー伯爵のことを再度調べたいと思います。アーゴク侯爵夫人の弟という人物が気になります」
ジャンが国王に自身の考えを伝えると、国王は頷いて言った。
「いいだろう。だが、あまり時間はない。各々できるだけ速やかに調べを進めてくれ」
「「「「「「御意」」」」」」
集められた全員が頷き、一礼するとそれぞれ部屋を後にした。
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学園では、ポール、アリス、イメルダ、エラリーの四人が、授業に集中しようとしてできずにいた。その原因は先ほどの休み時間にあった。
一年生のクラスでは、休みかと思っていたジャンが突然現れた。
「ジャン様!」
「ん?ジャン、今日は休みのはずじゃ?」
「イメルダ嬢、エラリー、ちょっと急ぎで伝えたいことがあってさ」
ジャンは驚く二人を手招きすると、小声で話をし、とまどう二人を残して去って行った。
二年生のクラスでは、ジャンと同様ウィルが現れて、アリスを呼び出していた。
「ウィル様?今日はお休みされると……」
「ああ、すぐに行かなければいけない」
「それなら、どうして……」
疑問を呈すアリスに何事かを囁いたかと思うと、顔を真っ赤にしたアリスを一人残してウィルは去って行った。
三年生のクラスでは、アンソニーがポールを廊下に呼び出していた。
「あれ?アンソニー、お前、今日休みだったんじゃないのか?」
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