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「……七、八、九……じゅう、っと」
ゼーゼーッ、はーはー。
キツい! キツすぎる!
どんだけ体力ないんだ、この身体!
腹筋運動をしていた私は、うんしょっと気合いを入れて起き上がった。
長い金髪がふわりと揺れる。
壁に立てかけた姿見に映るのは、すらりとした手足に、白磁のような肌……ではなくて、顔もお腹も二の腕もポッチャリパンパン、ニキビの目立つ荒れた肌だ。
エリカ・オルディス侯爵令嬢。
それがいまの私である。
私はついこの間まで、日生楓という名の日本人で、フリーターだった。
高校を卒業後、進学せずアルバイトに没頭。給料を乙女ゲームに注ぎ込み、たまにネット仲間のオフ会に顔を出す日々を送っていた。
そんなある日、バイト帰りに交差点で信号待ちをしていたところ、突然トラックが突っ込んできて撥ねられてしまった。
そして、死んだのだ。
ライトノベルでよくあるパターンなら、そのあと異世界に転生し、なにかのきっかけで前世の記憶を取り戻しましたーっ! ってところだろう。
私の場合は、ちょっと違う。
異世界には来たけれど、転生したわけではない。
私、日生楓の場合は……
①死んだ
②自称神様とやらに会う(ありがち)
③生前はまっていた乙女ゲームの悪役令嬢の身体に魂を放り込まれる(←いまここ)
ちなみにこの身体の持ち主だった悪役令嬢、エリカ・オルディスはというと、服毒自殺してお亡くなりになった。
死んだエリカの身体に日生楓の魂が入り込んで、私は生き返ったというわけである。
一
私は死ぬ直前、とても浮かれていた。
あの日は、私がドはまりしていた乙女ゲームアプリ『恋愛クライシス戦乙女』の、大型アップデートの日だったから。
『恋愛クライシス戦乙女』こと『クラ乙』は、恋愛あり、バトルあり、育成ありのシミュレーションRPG。バトルや育成はやり込み要素満載なため、女子にはもちろん、男子にも人気があるゲームアプリだ。
第一部の恋愛編がエンディングを迎えたあと、第二部のバトル編が幕を開けるという、乙女ゲームとしてはちょっと珍しい構成だった。
今回の大型アップデートでは、マップに新しいエリアが追加されて、新たな敵と攻略対象がお披露目される予定となっている。
バイト帰りの私は、それを楽しみにしつつ信号待ちをしていた。耳にはイヤホンをつけて、『クラ乙』のサウンドトラックを聞きながら。
思えば、それがよくなかったのかもしれない。
頭はアップデートのことでいっぱいで、早く青に変わらないかと、目は信号に釘づけ。
だから、トラックが不自然な動きで近づいてくることに、気づけなかったんだと思う。
私の身体は、歩道に突っ込んできた大型トラックに撥ね飛ばされて、近くの電柱に勢いよくぶつかった。
身体中が痛くて、熱くて、すぐに意識は途絶え……次に気がついた時には、真っ白でなにもない空間にいた。
そんな場所で目覚めたら、当然混乱する。
パニックに陥ってあたふたしていると、声が聞こえてきた。
『あー、ちょっとごめんね?』
……っ!
誰? なに、いまの声?
私はあたりをキョロキョロと見回した。けれど、周りには白い空間が広がっているだけで、誰もいない。
幻聴? いよいよ私の頭ヤバイ?
なにかおかしなもの、飲み食いしたっけ?
もしかして、クスリ?
いやいや、そんな身体に悪そうなモノ絶対口にしてません! ……よね?
『あー、うんうん。してないよ。とりあえず、ちょっと落ちつこうか。〝リラックス〟』
ワタワタする私の耳に、またどこからか声が聞こえてくる。すると、頭の中がスーとクリアになった気がした。
『えっと、まずはコンニチハ、かな』
「……はあ、こんにちは」
『ごめんね? 姿も見せずに話しかけて。でもいまのキミだと、ボクの姿を直視するだけで魂が壊れてしまうかもしれない。だから声だけで失礼するね? ――ボクは、キミたちが言うところの、神様という存在です。もしくは世界そのもの、かな? まあわかりやすく神様ってことにしとこうか。うん、神様です』
「神……さ、ま」
私は聞こえてきた言葉を繰り返す。
あれ? 結構驚愕の事実を知らされた気がするけど、私、あんまり動揺してない?
『神様って言っても、キミのいた世界とはまた別の世界の神だけどね。「恋愛クライシス戦乙女」って知ってるよね? キミが夢中でプレイしていたゲームアプリ。アレとソックリ……というか、そのままを再現した世界の神です』
――『恋愛クライシス戦乙女』。
その名称を聞いた私はまず、『アップデート!』と心の中で叫んだ。
この状況で、なにより先にそれが頭に浮かぶとか、オタクの鑑ですね!
ってたぶん、混乱してちょっとおかしくなっているだけだけど。
そんな私に、自称神様はさらなる爆弾を投下した。
『気の毒だけど、アップデートは諦めてね。キミ、もう死んじゃってるから』
はい? いまなんと?
っていうか、私の考えてること読みとられてる!?
『よーく思い出してみてよ。バイト帰りに駅前の交差点で、歩道にトラックが突っ込んできたでしょ?』
駅前? 歩道? トラック?
私の頭の中には、確かにそれらの記憶があった。
だからなのか、自称神様の言葉は不思議なほどストンと落ちてきて――
あ、そっか、私死んだんだ。
そう納得してしまった。
『うん、即死だったね。でね、確認なんだけど……キミ、子供の頃に古いお社のそばで、怪我をした白猫を助けたことあるでしょ?』
「猫? シロのこと?」
自称神様が言っているのは、たぶんお婆ちゃんが飼っていた猫のことだろう。
お婆ちゃんの家の近所に小さな古いお社があって、私は幼い頃、そこで怪我をした白い子猫を見つけた。
私はその子猫を家に連れ帰り、泣きながらお婆ちゃんに助けを求めて、動物病院に連れて行ったことがある。
その後、子猫は元気になってシロと名づけられ、お婆ちゃんの家で飼われていた。
『うん、そのシロだよ。シロはね、実はキミの世界の神の使いだったんだ。で、キミの世界の神が、シロを救ってくれたお礼をしたいんだって。とはいえ、自分の世界でキミを生き返らせてあげることはできない。そこでボクのところに相談が来たってわけ。というわけで、キミをボクの世界で生き返らせてあげることになりました~』
軽い。言い方、軽いって! ってか私の意思は!?
いや、生き返らせてくれるなら、それはいいことなのか?
私はまだ十九才。もっと生きたかったし、やりたいことだっていっぱいあった。
だけど、急に「別の世界で生き返らせてあげます」とか言われても、複雑というかなんというか……
『この話は、ボクにとっても渡りに船だった。実はボク、ちょっと困っていてね。キミに助けてもらいたいんだ。ボクの世界は、上位世界にあったゲームをモデルにして作ったんだけど、未熟でまだ安定していない。バグもあるしね。だから発展を促すために、ある期間を何度も繰り返しているんだ。あ、ちなみに上位世界っていうのはキミがいた世界のことだよ』
ちょっと待って。つまり私が生まれ変わるのは、『クラ乙』の世界ってこと?
でも、ある期間を繰り返してるって、どういう……?
『本題はここからだよ。このループは、今回でようやく最後にできる予定だった。だけど、絶対必要なキャラが自殺したおかげで、下手したら世界が壊れかねない状況なんだ。そこで、キミにお願いがある』
なんだか嫌な予感しかしない。
私はゴクリと唾を呑んで、次の言葉を待った。
『悪役令嬢のエリカ・オルディスになってほしいんだ』
……は?
『クラ乙』におけるエリカは、攻略対象である王太子の婚約者候補。しかも、最有力候補だった。
けれど、ヒロインであるカノンが現れ、王太子はエリカを差し置いて彼女との仲を深めていく。それを目の当たりにしたエリカはカノンをいじめまくるのだが、最後は断罪されて死刑になるという流れだ。
カノンが王太子を攻略しなくても、エリカはなにか別の理由をつけて彼女をいじめるので結末は同じ。
つまりエリカは、カノンがどのルートを選ぼうが、最後には必ずお亡くなりになるという、ある意味とってもお気の毒なキャラクターだ。
そのエリカになれだって?
『いやあ、ちょっとした手違いっていうか……エリカが、カノンと王太子がイチャイチャしているところを目撃して、自殺しちゃったんだよね。だけど、エリカには本来あるべき時期まで生きていてもらう必要がある。そうしないと、世界が崩壊しかねないんだ』
だったら、エリカを生き返らせればいいじゃない。
神様なんだから、それくらいできるんじゃないの?
『もちろんできるよ。だけどそういうわけにはいかないんだ。実は、エリカの魂がかなり磨耗しちゃっててさ。何度も……それこそ何百回と生まれ変わってはフラれて、最後には死刑になるっていうのを繰り返したからかな? まあ、魂が摩耗した理由はなんであれ、そのまま蘇生させるのは流石に可哀想だから、少し休ませてあげたいわけ。――ということで、キミには彼女の代わりに悪役令嬢になってもらうね』
つまり本物のエリカの魂を休ませるために、代わりの魂が必要ってこと? だから私の魂を彼女の身体に放り込むって?
ちょっと待て! そんなの流石に勝手すぎないか!?
全力でツッコミを入れるけれど、自称神様は私を無視して話を続ける。
『キミが生き返るのは、恋愛編が始まって、しばらく経った頃だね。カノンは順調に攻略を進めていて、ちょうどメイン攻略キャラのアーサー王太子といい感じになっているところだ。キミには、おわびにいくつかチートをつけておくから、あとはよろしく! あ、なんなら聖女になってもいいよ! バグも倒しちゃって!』
待って待って待って! 倒すってどういうこと? いったいなにをどうすれば!?
ってか私? 私が倒すの? その、バグってのを?
そもそもバグってなに!?
『んー、とりあえずはエリカが生きていればいいかな。本来あるべき時期まで、彼女が世界に存在していることが大切なんだよ。悪役令嬢エリカ・オルディスは、それだけ重要なキャラなんだ。わかるでしょ?』
まあ、確かに……エリカなしの『クラ乙』なんて考えられない。そんなのもう、『クラ乙』とは呼べないよ。
『クラ乙』では、恋愛イベントの七割にエリカが絡んでいる。彼女がいなければ、カノンがただイケメンたちとイチャイチャするだけのゲームになってしまうだろう。
やっぱり邪魔者がいてこそ、カノンの恋が盛り上がるってもんでしょ。
とはいえ、自称神様が言いたいのは、そういうことではないらしい。
『エリカ・オルディスの存在自体が、世界の基盤の一つなんだよ。エリカとカノン。この二人には、恋愛編の最後まで生きていてもらわなくちゃならない。でないと、世界が変質してしまう。というか、バグのせいですでに変質してきてるんだ。本来はエリカが自殺するなんて、絶対ありえないはずなんだよ』
ふむふむ。えっ? で、バグってなんなの?
『その……ザザザ……原因こ、ザザ、が……バグ……ザザザザザ――』
ん? なに?
『ザザ……さが……ザー……イレ……ザザザザ、ラー、恋愛ルー、ザザ……聖……ザザザザザザ……』
え? ちょっと? さっきからノイズがすごくて聞こえないんだけど!
『ザザ……の変質を、ザザザ……最後までちゃんと終わらせて』
後半ほぼ意味不明だし!
なんとか自称神様の声を聞こうとするも、なぜか気が遠くなっていく。
お礼とか言っておきながら、バッドエンドオンリーの悪役令嬢として生き返らせようだなんて、こいつ……絶対ロクなやつじゃない。神様というより悪魔だよ!
私は自称神様にムカムカしているうちに意識を失い、エリカ・オルディスとして目を覚ましたのだった。
「しっかし体力なさすぎでしょ」
エリカになって、一週間。
王都にあるオルディス侯爵邸の自室で腹筋運動をしていた私は、肩でぜーはーと息をした。
ベッドサイドに置いてあったコップに水を入れ、一気に喉へ流し込む。
うっまい!
ミネラルウォーターとか比べ物にならないね!
「ぷはあ!」
手の甲でぐいっと口元を拭って、コップを持ったまま伸びをした。
やっと軽い運動くらいならできるようになったけど、思い返せばこの一週間は大変だった。
私がエリカの身体で目覚めたのは、彼女が服毒自殺して、自称神様が身体を蘇生させた直後。
その時のしんどさったら、もう半端なかった。
私の魂がエリカの身体に入った時には、一応体内の毒は除去されていたようだ。だから、すぐにまた死にました、ってことはなかったんだけど……
頭痛に吐き気に目眩。
一気に襲いくるそれらに、もう一度死ぬかと思いましたよ。ええ、ホントに。
生き返らせるなら、きちんと健康体にしてほしい。
中途半端なケアしやがって。
おかげで、三日三晩ベッドで苦しむハメになった私。
なんとか回復したと思ったら、今度は姿見で自分の姿を確認して、「あれ? 誰コレ?」と驚くことになった。
私が知っているエリカの姿とは、あまりにも違ったのだ。
『クラ乙』のスチルで見たエリカは、悪役令嬢なだけあって結構な美人さんだった。
ちょっとキツめな空色の目に、小ぶりな桜色の唇。軽くウェーブがかかった金髪は美しく、肌は白磁のよう。
胸はあんまりないけど、手足は長くてしゅっとしており、腰はしっかりくびれていた。
が、しかし。が、しかし、だ。
私が鏡で見たのは、ニキビ面の、ちょっとばかり残念なおデブさん予備軍のエリカだった。
髪は美しく、顔立ち自体は確かに美人系だ。けれどこれでは、「誰コレ?」と思うのも無理はない。
というわけで、ダイエットをすることにした。
だって、せっかく美人さんになったんだよ?
どうせこのまま生きていかなきゃならないんなら、楽しみたいし、素敵な彼氏も欲しい。
もちろん、破滅エンドなんてもってのほかだ。
全力で回避して、ハッピーな美人さんライフを送ってやる。
そう意気込んではみたものの、いまのエリカの身体では、腹筋運動を二、三回するのがやっと。
ベッドから起き上がれるようになって数日経つけれど、まずは体力をつけなければ話にならない。
幸い、学園は長期休暇中。
なので、この休み中にじっくり肉体改造に取り組もうと思う。
ちなみに学園というのは、王立貴族学園のことで、エリカは現在一年生。
この国――グレンファリア王国の貴族は、十五才からの二年間、この学園に通うことを義務づけられている。
いまは、ちょうど一学期が終わったところで、夏休み中ってわけ。
その時、コンコン、と控えめなノックの音がした。
私は慌ててワンピースの皺を伸ばし、ソファに腰を下ろす。それからふう、と一息ついて、よそ行きの声を出した。
「どうぞ」
私はグレンファリアの言葉でそう言った。
日本語とはまったく違う言葉だけど、頭の中にはエリカの記憶があるので不便はない。
「失礼いたします。お嬢様、仕立屋が参りました」
恐る恐る顔を覗かせたのは、私つきの侍女リリーナ。
地味なメイド服に、きっちり引っ詰めたお団子頭。瞳は髪より少し明るい琥珀色で、奥二重の目は化粧のせいか、やや腫れぼったく見える。
メイクをちょっと変えれば、かなり雰囲気がよくなると思うんだけどね。
もったいない。
この世界のメイクは、あまりイケてない。
エリカの記憶によると、この世界の化粧品はずいぶん現代的だ。
日本のものと名称や原料は違うけど、マスカラやつけまつげ、アイライナーだってある。
ただ、道具があっても、技術がないっていうか……誰も彼もベタ塗りの厚化粧なのだ。
ゲーム中に表示される一枚絵――ゲームスチルのエリカやカノンは目鼻立ちがはっきりしていたから、厚化粧でもそれなりに映えるだろう。
だけど、リリーナみたいな奥二重の人が厚塗りすると、瞼の厚さが余計に強調されちゃうんだよね。
「お、お嬢様……?」
リリーナはいまにも逃げ出しそうなほどビクビクしながら、こちらの様子をうかがっている。
おっと、しまった。つい、じっと見つめてしまっていたよ。
私はなんでもない顔で「わかったわ。すぐに行きます」と言って、ソファから立ち上がった。
彼女がこういう態度なのには理由がある。
エリカ・オルディス侯爵令嬢が、それはもう、絵に描いたような悪役令嬢だったからだ。
高飛車でプライドが高く、我儘。
しかもエリカはこの数ヶ月、ある出来事のせいでものすごく精神不安定だった。
それこそ、自殺するほどに。
不安定だった時期に、彼女は自分つきの侍女たちに当たり散らし、三人を辞めさせ、二人に逃げられている。
代わりに雇われたのが、リリーナだ。彼女はエリカが自殺する三日前に、侯爵家にやってきた。
本物のエリカと接触した三日間のせいで、最初は常にビクついていたけれど、最近はたまーに笑顔を見せてくれるようになってきた。
とはいえ、基本的にはまだこうしてオドオド、ビクビクしている。
なんとかいい関係を構築したいんだけどなぁ……
前途多難なようですね、はい。
二
「お寒くはないですか? お嬢様」
「大丈夫よ。ありがとうリリーナ」
私がエリカに生まれ変わって、二週間が経つ。
この日私は、侯爵邸の美しく整えられた庭で、午後の紅茶を飲んでいた。
東屋のベンチにクッションを並べ、そこに身を預けながらティーカップを傾ける。
優雅だ。日本人だった頃と比べたら、考えられない優雅さですよ。
ただし、私の服装は優雅とは言いがたい。
上はトレーナーっぽい生地の長袖。下は同じ生地のズボンで、裾は紐で絞っている。
侯爵家御用達の仕立屋に無理を言って、わずか三日で作ってもらった運動着――スウェットだ。
これに柔らかい布の靴を履き、長い髪はポニーテールにしている。
この二週間、私はリリーナとの関係改善に努めながら、部屋に引きこもって『クラ乙』の年表や人物相関図を作ったり、腹筋運動やスキンケアに取り組んだりしていた。
その間に顔を合わせたのは、リリーナのみ。
この世界に慣れるまでは、なるべく人と接触したくないからね。
ちなみに、エリカの両親とも会っていない。
オルディス侯爵家は、貴族の中でもかなり有力な一族だ。エリカの叔父は、グレンファリア王国の国教であるファルティアーサ神教会の教皇で、母は王族の血を引いている。
そんな名門貴族の当主を務めるエリカの父、オルディス侯爵は、領地の本邸に住んでいる。
母はエリカとともにここ、王都の別邸に住んでいたのだけれど、エリカが当たり散らすものだから、ノイローゼになってしまった。いまは静養のため田舎で暮らしている。
元お嬢様の侯爵夫人には、荒みきったエリカの相手は荷が重かったらしい。エリカの記憶には、どんどんやつれていく母の姿が残っていた。
そんな事情もあって、私はエリカの両親と積極的に関わろうとはしていない。
彼らのほうも、あまりエリカと関わりたくないようで、見舞いにも来なかった。
娘が自殺を図ったっていうのにその対応はどうかと思うけど、エリカの身体に入り込んでしまった私としては、本物の彼女をよく知る彼らがいないほうが、正直助かる。
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