悪役令嬢になりました。

黒田悠月

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鴉は関西弁

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はぁ。

バカたちといいカイル様といいこの世界のイケメンはろくなのがいない。

ま、カイル様の場合は自分で政略って認めてる分マシか?

白王はその点今のところだと一番マトモなイケメンなのかも知れない。
人間じゃないけど。

白王の場合は図体デカい精神まだ子供、なんだけどね。

生まれてもうすぐ3年らしいんで。
つまり3才という。

人間の姿は見た目17、8といったところ。
一応知能的には見た目の年相応らしいけど。
泉で母白虎と共に話した印象だとやっぱりちょっと純粋すぎというか天然培養なお子様感がある。

声はヤバイけどね。
もうエロいんだよね。

大好きな声優さんにそっくりなのよ。

あぁ、マス〇〇グさま♪

今度、目をつぶった状態で名前呼んでもらっちゃおっと。
どっちの名前で呼んでもらうかが問題だよね?

「楓」

それとも

「エリカ?」

うひゃあぁん!
もう、もう身悶えるわっ!


……は。

いかん。
さっきまでシリアスな空気だったのに、マ〇タ〇ク様を思い出したおかげで妄想が暴走してたわ。

まあ、こうして妄想に走れるのも私がカイル様を恋とか愛とかいう意味で好きになってはいなかったから。

もし好きだったら、きっとショックで泣いてるんじゃないかな?たぶん。

もちろん目の前ではなく隠れて。

泣かないけどね。

悪い人ではないんだけどね。
近づかれたらドキドキするし、もっと前から知ってたら好きになってたかも知れない。
そんな気はしないでもない。

ただ、思うんですよ。

この人、私の手には負えそうにない。
って。

私の悪い癖。
日生楓だった頃から、私は自分の手に負えないって感じてしまったらもうそこで逃げ出してしまう。

もしかしたら、頑張ったら、手が届くのかも知れなくても、踏み出せない。

尻込みしてしまう。

今回はおかげで助かったけど。
だって、私の『クラ乙』における押しメンの一人はカイル様だったんだから。
ちなみにもう一人いてそっちは皇太子だった。
過去の私にバカは止めとけ、と言いたい。
ゲームの中では格好よく見えたのです。
一番好きなのはマリア様だったけどね。

とにかく、私はカイル様を好きじゃない。
別に惹かれても、いない。
 だから、大丈夫。

こんなこと、なんてことないよ。

カイル様が「聖女なんて関係ない。エリカ嬢が好きになったから、婚約したい」なんてことを言い出してたら腹立ちすぎて白王を出したかも知れないけど!

そんで押し倒させて至近距離で顔に涎でも落とさせてたかもだけど!
牙ギラリッ!でね。

恐怖でチビってしまえ。

あら、いけない。
オホホホホ。
下品でしたことね。


「エリカ嬢?」

しまった。

またおのれの世界に入り込んでいた。
私はハッ、と我に返って、慌てて口を開いた。

「そ、そういえばどうやって見張っていらしたのかしら?」

そうよ。
そこも気になるところですよね?

「ああ、エリカ嬢が連れて行かれて気になったからね。連れて行った兵士の影に俺の使い魔を潜ませてたんだ。他人の影に潜んだり影を移動したりする。それが能力の一つでね」
「使い魔、ですか?カイル様は使い魔をお持ちだったのですか?」

でも、使い魔って学生はまだ持ってないのが普通なんじゃ。

「一応王族だからね。王族はどこも守護獣を持っているから、その眷族や子供を付けられていることが多いんだよ。俺の場合は特に、子供の頃から命を狙われることが多かったから。物心ついた頃からの付き合いなんだ。正式に契約を交わしたのは1年ほど前かな。ーー闇綺(あんき)」

バサリ、と羽音がした。

カイル様の背後から、黒い羽を持つ巨大な鳥が姿を現す。

濡れ羽色、というけれど。
まったくその通りな闇色の、夜に溶けるような色彩を持ったーー鴉。

「スンマセンなー。こっそり全部見聞きしてましてん。あ、そやけど見張っとったんは今日だけやで。普段からしとったわけやないで?」

はあ。
さようですか。

ところでツッコンでもいいのかな?

え?
関西弁なの? 

なんでやねん!!













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