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もういっぱいいっぱいです。
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「教皇様がお会いになるそうです。どうぞ、こちらへ」
そう告げて先に立って歩くのは私をこの部屋に案内したのと同じ神官らしき女性。
全身白いゆったりとした長衣は少し着物に似ているかも知れない。
いや、どちらかというと着物というよりは古い中国や韓国あたりの映画やドラマなんかで見る衣装に似ているだろうか?
(なんていうのか知らないけど)
合わせの部分と広がった袖先の部分にだけ淡い色合いの銀糸で刺繍が施されている。
あまり見ない装いだけど、結構お金かかってそうなんだよね……。
それを思うと塔の内部もそうだ。
派手な調度品やら絵画やらはないものの、柱やドアには精緻な彫刻が施されていたり、随所に銀糸や金糸で彩られたタペストリーが掛けられていたりする。
(さっきの部屋だって家具はすべて一流品だった)
うちだって金持ち貴族だけど。
オルディス家のものと比べても材質自体がより高級品だということがわかる。
コレって下手したら王宮より豪華なんじゃ?
(……怖っ)
お金とか権力に取り付かれてる宗教関係とか悪い予感しかしないんですけど。
考えてみたらこの世界、教会というか宗教らしきものって一つしかないんだよね。
つまり一人勝ち。
どの国もどこの種族も信仰しているのは一つ。
だからか地球だとなんたら教とかいう呼び名があるものだけど、ここはただ教会とだけ言われているし、教会も教会とだけ名乗っている。
グレンファリアにはフィルティアーサ神教と呼ばれる組織があるにはあるけど、あれも独立した宗教かというとちょっと違うし。
信仰しているのは創造神と四聖獣。
創造神に名前はない。
というか伝わっていない。
伝わっているのは神様が人の為に暗黒竜を封印することのできる聖女を教会を通じて遣わして下さるのだということだけ。
(あれ?でも私は教会関係なく白虎に認められて聖女になっちゃったよね?)
4分の1だけれども。
「オルディス侯爵令嬢?」
考え込んでる内に目的地に着いたらしかった。
訝しげに呼ばれて、私は立ち止まって顔を上げた。
目の前には豪奢な装飾の扉。
(……あんまり深く考えないでおこう)
少なくとも今は。
後回しにし過ぎるのもマズそうだけどね。
とりあえず今はこの場にいるだけでいっぱいいっぱいなのだ。
「オルディス侯爵令嬢をお連れ致しました」
先に立って入る女性が、部屋の中にそう声を掛けて身体を横にずらす。
私は開いた扉の前で丁寧に一礼して、足を進めて。
深く下げた視線の隅に見えた光景に、内心で悲鳴を上げた。
(ひぃっ!勘弁してよ~!)
教皇様はいるとわかっていた。
だって教皇様がお会いになるって言われて来たんだから。
お祖父様もいるかも、くらいは思ってた。
エリカの記憶があるからといって、もとは日本人で特に宗教活動とかしていなかった庶民の家で生まれ育った私は、わかっているつもりでわかっていなかったらしい。
教会においての、この国においての聖女という存在の重要性を。
(や、私。ちゃんと考えたらわかるでしょー!)
だから聖女とかイヤだったんだよっ!
大広間、あるいは円卓の間、とでも言うべき部屋の中には。
教皇様。
お祖父様。
お祖父様と同じ格好のじいさんおじさんたちが6人。
そして、
(宰相様!)
お祖父様と同じ格好の方たちはつまり同じ枢機卿ってことでしょ?
教会の一番上は教皇様。
その次が7人の枢機卿様方。
(あ、ダメだ……)
頭上げらんない。
ってか上げたくない!
(もうこのまま曲がれ右して帰ってしまいたい!)
私はスカートの裾を握りしめて逃げ出したい気持ちを必死に堪えるしかなかった。
そう告げて先に立って歩くのは私をこの部屋に案内したのと同じ神官らしき女性。
全身白いゆったりとした長衣は少し着物に似ているかも知れない。
いや、どちらかというと着物というよりは古い中国や韓国あたりの映画やドラマなんかで見る衣装に似ているだろうか?
(なんていうのか知らないけど)
合わせの部分と広がった袖先の部分にだけ淡い色合いの銀糸で刺繍が施されている。
あまり見ない装いだけど、結構お金かかってそうなんだよね……。
それを思うと塔の内部もそうだ。
派手な調度品やら絵画やらはないものの、柱やドアには精緻な彫刻が施されていたり、随所に銀糸や金糸で彩られたタペストリーが掛けられていたりする。
(さっきの部屋だって家具はすべて一流品だった)
うちだって金持ち貴族だけど。
オルディス家のものと比べても材質自体がより高級品だということがわかる。
コレって下手したら王宮より豪華なんじゃ?
(……怖っ)
お金とか権力に取り付かれてる宗教関係とか悪い予感しかしないんですけど。
考えてみたらこの世界、教会というか宗教らしきものって一つしかないんだよね。
つまり一人勝ち。
どの国もどこの種族も信仰しているのは一つ。
だからか地球だとなんたら教とかいう呼び名があるものだけど、ここはただ教会とだけ言われているし、教会も教会とだけ名乗っている。
グレンファリアにはフィルティアーサ神教と呼ばれる組織があるにはあるけど、あれも独立した宗教かというとちょっと違うし。
信仰しているのは創造神と四聖獣。
創造神に名前はない。
というか伝わっていない。
伝わっているのは神様が人の為に暗黒竜を封印することのできる聖女を教会を通じて遣わして下さるのだということだけ。
(あれ?でも私は教会関係なく白虎に認められて聖女になっちゃったよね?)
4分の1だけれども。
「オルディス侯爵令嬢?」
考え込んでる内に目的地に着いたらしかった。
訝しげに呼ばれて、私は立ち止まって顔を上げた。
目の前には豪奢な装飾の扉。
(……あんまり深く考えないでおこう)
少なくとも今は。
後回しにし過ぎるのもマズそうだけどね。
とりあえず今はこの場にいるだけでいっぱいいっぱいなのだ。
「オルディス侯爵令嬢をお連れ致しました」
先に立って入る女性が、部屋の中にそう声を掛けて身体を横にずらす。
私は開いた扉の前で丁寧に一礼して、足を進めて。
深く下げた視線の隅に見えた光景に、内心で悲鳴を上げた。
(ひぃっ!勘弁してよ~!)
教皇様はいるとわかっていた。
だって教皇様がお会いになるって言われて来たんだから。
お祖父様もいるかも、くらいは思ってた。
エリカの記憶があるからといって、もとは日本人で特に宗教活動とかしていなかった庶民の家で生まれ育った私は、わかっているつもりでわかっていなかったらしい。
教会においての、この国においての聖女という存在の重要性を。
(や、私。ちゃんと考えたらわかるでしょー!)
だから聖女とかイヤだったんだよっ!
大広間、あるいは円卓の間、とでも言うべき部屋の中には。
教皇様。
お祖父様。
お祖父様と同じ格好のじいさんおじさんたちが6人。
そして、
(宰相様!)
お祖父様と同じ格好の方たちはつまり同じ枢機卿ってことでしょ?
教会の一番上は教皇様。
その次が7人の枢機卿様方。
(あ、ダメだ……)
頭上げらんない。
ってか上げたくない!
(もうこのまま曲がれ右して帰ってしまいたい!)
私はスカートの裾を握りしめて逃げ出したい気持ちを必死に堪えるしかなかった。
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