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夕刻前に町を出たカティたちは山の麓で一夜を過ごす準備をした。
同行させてもらっているゴルドンさんの一行は総勢で12人。
ゴルドンさんは商人で、ペルージに店を構えているらしい。
扱うものは香辛料を中心とした食材。
冒険者を雇って世界中の珍しい食材を集めて売っているとか。
ドズさんもその一人で、普段はリューレルートに居を構えていたが、いよいよ国がキナ臭くなってきたということでゴルドンさんの護衛を兼ねて同行している。
ゴルドンさんはというと、エルジャでの商談の帰りだそう。
商談の為なら多少危険な国でも通るというのだから、商魂逞しいというべきか。
もっとも結構な大商人らしいゴルドンさんの一行にはドズさんを含め、5人もの冒険者が護衛をしているから、そうそう危険もないのだろうが。
一行にはゴルドンさんやその従業員の他にカティのようにお金を払って同行させてもらっている人たちもいた。
小さな赤子を連れた若い親子だ。
カティと親子は同じ天幕を借りて、眠ることになった。
親子も驚いていたが、普通はただの同行者に天幕など与えられない。大抵は外で眠るか、見張りをさせられるか。
しかもカティが払った金額はわずかに銀貨6枚。
ゴルドンさんいわく、子供から高い金を取らなくてはいけないほど困っていないとか。
ギルドでドズさんが言っていた通り、かなり人がいいようだ。
もっとも大商人と言われる人物であるからには、商売となれば必ずしもいい人ではないのだろうとは思うが。
『食材鑑定、なんてスキルもあるんだな』
(食材鑑定?)
夜は魔物避けに天幕の周囲に常に焚き火を絶やさないらしく、カティは薪集めを手伝っている。
魔物のすべてに効果があるわけではないが、獣型の魔物の多くは火を嫌うらしい。
『あのゴルドンってオッサンのスキル。食材鑑定ってのがあるんだよ。たぶんスキルのおかげで金儲けできてんだな!』
(・・・あー、それはあるかもなー)
確かに、スキルで商品の良し悪し等がわかれば商人としてはかなりの強みだろう。
(って、佑樹他人のステータスとか鑑定してるのか?)
『当たり前だろ。持ってるスキルでだいたいその人間のことがわかるからな。詐欺師だったら詐欺スキル。スリだったらスリスキルを持ってるもんだし』
佑樹が言うにはスキルには生まれ付き持っているその人固有のスキルとカティの農耕スキルのように経験して身に付くものと主に二種類あるようだという。
ゴルドンさんの食材鑑定は恐らく前者ではないかと。
『色々見た感じあんまり見ないレアなスキルは生まれ付きのが多いみたいだな』
(ふぅん)
相づちを打ちながらもカティとしては複雑な心境だ。
地球でいうブライベート?の侵害にあたる気がする。
『ま、オッサンよりもっと面白いのも見つけたけど』
(へ?)
「おいボウズ、一旦休憩だ。メシだぞ」
ドズさんの声に、カティは顔を上げる。
「え?メシって俺も?」
ドズさんの言葉にビックリしてちょっと声が裏返ってしまった。
普通、カティのような同行者に食事等でない。
天幕を借りれてまともに睡眠をとれるだけでも十二分に御の字なのだ。
「メシは大勢で食べた方が旨いからな。元々ボウズから受け取った金も食費のつもりだろう」
「おい、早く来ないと無くなっちまうぞ!」
天幕の奥からドズの仲間らしい冒険者の一人がカティたちを急かす。
「今日のメシは俺様が作ったからな。旨いぞ」
『マジか!おい、早く行こうぜ』
何故か佑樹にも急かされ、カティは天幕の方へ向かった。
同行させてもらっているゴルドンさんの一行は総勢で12人。
ゴルドンさんは商人で、ペルージに店を構えているらしい。
扱うものは香辛料を中心とした食材。
冒険者を雇って世界中の珍しい食材を集めて売っているとか。
ドズさんもその一人で、普段はリューレルートに居を構えていたが、いよいよ国がキナ臭くなってきたということでゴルドンさんの護衛を兼ねて同行している。
ゴルドンさんはというと、エルジャでの商談の帰りだそう。
商談の為なら多少危険な国でも通るというのだから、商魂逞しいというべきか。
もっとも結構な大商人らしいゴルドンさんの一行にはドズさんを含め、5人もの冒険者が護衛をしているから、そうそう危険もないのだろうが。
一行にはゴルドンさんやその従業員の他にカティのようにお金を払って同行させてもらっている人たちもいた。
小さな赤子を連れた若い親子だ。
カティと親子は同じ天幕を借りて、眠ることになった。
親子も驚いていたが、普通はただの同行者に天幕など与えられない。大抵は外で眠るか、見張りをさせられるか。
しかもカティが払った金額はわずかに銀貨6枚。
ゴルドンさんいわく、子供から高い金を取らなくてはいけないほど困っていないとか。
ギルドでドズさんが言っていた通り、かなり人がいいようだ。
もっとも大商人と言われる人物であるからには、商売となれば必ずしもいい人ではないのだろうとは思うが。
『食材鑑定、なんてスキルもあるんだな』
(食材鑑定?)
夜は魔物避けに天幕の周囲に常に焚き火を絶やさないらしく、カティは薪集めを手伝っている。
魔物のすべてに効果があるわけではないが、獣型の魔物の多くは火を嫌うらしい。
『あのゴルドンってオッサンのスキル。食材鑑定ってのがあるんだよ。たぶんスキルのおかげで金儲けできてんだな!』
(・・・あー、それはあるかもなー)
確かに、スキルで商品の良し悪し等がわかれば商人としてはかなりの強みだろう。
(って、佑樹他人のステータスとか鑑定してるのか?)
『当たり前だろ。持ってるスキルでだいたいその人間のことがわかるからな。詐欺師だったら詐欺スキル。スリだったらスリスキルを持ってるもんだし』
佑樹が言うにはスキルには生まれ付き持っているその人固有のスキルとカティの農耕スキルのように経験して身に付くものと主に二種類あるようだという。
ゴルドンさんの食材鑑定は恐らく前者ではないかと。
『色々見た感じあんまり見ないレアなスキルは生まれ付きのが多いみたいだな』
(ふぅん)
相づちを打ちながらもカティとしては複雑な心境だ。
地球でいうブライベート?の侵害にあたる気がする。
『ま、オッサンよりもっと面白いのも見つけたけど』
(へ?)
「おいボウズ、一旦休憩だ。メシだぞ」
ドズさんの声に、カティは顔を上げる。
「え?メシって俺も?」
ドズさんの言葉にビックリしてちょっと声が裏返ってしまった。
普通、カティのような同行者に食事等でない。
天幕を借りれてまともに睡眠をとれるだけでも十二分に御の字なのだ。
「メシは大勢で食べた方が旨いからな。元々ボウズから受け取った金も食費のつもりだろう」
「おい、早く来ないと無くなっちまうぞ!」
天幕の奥からドズの仲間らしい冒険者の一人がカティたちを急かす。
「今日のメシは俺様が作ったからな。旨いぞ」
『マジか!おい、早く行こうぜ』
何故か佑樹にも急かされ、カティは天幕の方へ向かった。
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