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「・・・変わった造りね」
「そうなのか?」
結論から言うと、森で見つけてしまったダンジョンはおよそ出来て間もないということだ。
侵入してわずか30分ほどで1階層を抜け、2階層の階段を下りた場所にカティたちはいる。
カティのダンジョン経験といえばヤルジの町のダンジョンのみ。
なのでどれが普通でどれが変わっているのかよくわからない。
ヤルジのダンジョンは基本的に石造りの洞窟か部屋だったが階層によっては水晶の鍾乳洞になっていたっけ。
「普通一階層はただの洞窟のものがほとんどなのよ。階層が下るに連れて違ってくるの」
「・・・へぇ」
なら確かに変わっているのか。
カティの目の前に広がるダンジョンは200から300メートル四方の広い空間のみ。脇道も横穴もなく斜めに線を描くように端と端に上りと下りのそれぞれ階段がある。
天井、壁は光沢のある青い石。
足下は膝近くまで透明な水で埋まっているように見える。
ただ見えるだけで感触はない。
『幻覚か?』
「なのかな」
かがみこんで手で掬ってみても掬えない。
時折きらきらと鱗の耀く身体の透けた長い尾の魚が足下を泳いでいく。
一階層も同じだった。
「魔物が出ないのですー」
弱冠がっかり感のあるフラウの頭をカティは撫でて苦笑した。
「いや、それはその方がいいから」
「むぅーっ」
「フォフー!」
テディも不服そうだ。
「・・・・・・生誕の迷宮、なのかも」
「生誕の迷宮?」
「私も噂に聞いただけで見たことはないんだけど、そういうものがあるらしいのよ。ガルーダが居ればわかるんだろうけど」
リリスはそう言って肩を竦めて見せた。
ガルーダはダンジョンは狭くて苦手だと外で留守番している。
「ごく稀に竜族が卵を生み落とした場所に出来る迷宮。と言っても迷うほど複雑なものではないから誕生の洞窟とか生みの穴蔵とかとも言われるわね」
『竜、ドラゴンかー。だとしたらこの先にいるのは水竜かな?』
「ドラゴンー?みずーですかー?」
「そうね。水竜の卵があるのかも知れないわ。殻だけかもだけど」
言いながらリリスは軽やかに足を進めていく。
対称的にカティは竜と聞いて足どりが不安に重くなった。
「それって大丈夫なのか?」
「心配しなくても親はいないわよ。竜は知能は高い魔物だけど子育てはしないし。卵を産み落としたらあとは放置みたいよ?ま、幼体でも竜はAランクだし、そうそうヤられはしないしね。勝手に育つってことなのかしら?」
ふんふんふんっと鼻歌混じりにリリスは階段へと真っ直ぐに向かっていく。
「竜が卵を産むのは生涯に一度か多くて二度。その時にはものすごい魔力を放出するのよ。ここもその影響を受けて一時的に変質してるわけ。魔力が薄れてきたらここも消えて元の森に戻るからギルドに報告はいらないわね♪」
「リリちゃん上機嫌なのですー?」
「ふふ。竜の卵の殻は万病を癒すうえに寿命も伸ばすって言われてるからね。金貨一万枚は下らないわよ。それに竜の幼体ならランクはA、もしまだここにいてテイム出来たらコロシアムで使役できるじゃない。幼体でも竜なら言うことなしよ!」
「・・・俺たちは大丈夫なのかな?」
「大丈夫♪襲われても幼体なら私たちなら倒せるから」
「ドラゴンー?ドラゴンー?フラウたちの方が強いー!」
不安は拭い去れないが、カティはテンションの異様に高い一行に引きずられるように先に進んでいく。
「そうなのか?」
結論から言うと、森で見つけてしまったダンジョンはおよそ出来て間もないということだ。
侵入してわずか30分ほどで1階層を抜け、2階層の階段を下りた場所にカティたちはいる。
カティのダンジョン経験といえばヤルジの町のダンジョンのみ。
なのでどれが普通でどれが変わっているのかよくわからない。
ヤルジのダンジョンは基本的に石造りの洞窟か部屋だったが階層によっては水晶の鍾乳洞になっていたっけ。
「普通一階層はただの洞窟のものがほとんどなのよ。階層が下るに連れて違ってくるの」
「・・・へぇ」
なら確かに変わっているのか。
カティの目の前に広がるダンジョンは200から300メートル四方の広い空間のみ。脇道も横穴もなく斜めに線を描くように端と端に上りと下りのそれぞれ階段がある。
天井、壁は光沢のある青い石。
足下は膝近くまで透明な水で埋まっているように見える。
ただ見えるだけで感触はない。
『幻覚か?』
「なのかな」
かがみこんで手で掬ってみても掬えない。
時折きらきらと鱗の耀く身体の透けた長い尾の魚が足下を泳いでいく。
一階層も同じだった。
「魔物が出ないのですー」
弱冠がっかり感のあるフラウの頭をカティは撫でて苦笑した。
「いや、それはその方がいいから」
「むぅーっ」
「フォフー!」
テディも不服そうだ。
「・・・・・・生誕の迷宮、なのかも」
「生誕の迷宮?」
「私も噂に聞いただけで見たことはないんだけど、そういうものがあるらしいのよ。ガルーダが居ればわかるんだろうけど」
リリスはそう言って肩を竦めて見せた。
ガルーダはダンジョンは狭くて苦手だと外で留守番している。
「ごく稀に竜族が卵を生み落とした場所に出来る迷宮。と言っても迷うほど複雑なものではないから誕生の洞窟とか生みの穴蔵とかとも言われるわね」
『竜、ドラゴンかー。だとしたらこの先にいるのは水竜かな?』
「ドラゴンー?みずーですかー?」
「そうね。水竜の卵があるのかも知れないわ。殻だけかもだけど」
言いながらリリスは軽やかに足を進めていく。
対称的にカティは竜と聞いて足どりが不安に重くなった。
「それって大丈夫なのか?」
「心配しなくても親はいないわよ。竜は知能は高い魔物だけど子育てはしないし。卵を産み落としたらあとは放置みたいよ?ま、幼体でも竜はAランクだし、そうそうヤられはしないしね。勝手に育つってことなのかしら?」
ふんふんふんっと鼻歌混じりにリリスは階段へと真っ直ぐに向かっていく。
「竜が卵を産むのは生涯に一度か多くて二度。その時にはものすごい魔力を放出するのよ。ここもその影響を受けて一時的に変質してるわけ。魔力が薄れてきたらここも消えて元の森に戻るからギルドに報告はいらないわね♪」
「リリちゃん上機嫌なのですー?」
「ふふ。竜の卵の殻は万病を癒すうえに寿命も伸ばすって言われてるからね。金貨一万枚は下らないわよ。それに竜の幼体ならランクはA、もしまだここにいてテイム出来たらコロシアムで使役できるじゃない。幼体でも竜なら言うことなしよ!」
「・・・俺たちは大丈夫なのかな?」
「大丈夫♪襲われても幼体なら私たちなら倒せるから」
「ドラゴンー?ドラゴンー?フラウたちの方が強いー!」
不安は拭い去れないが、カティはテンションの異様に高い一行に引きずられるように先に進んでいく。
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