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ウルマの狭い街並みを抜けた一番奥。
次の町へと繋がる外壁の門のすぐ側にその建物はあった。
入り口であった門より歩いて小一時間。
明らかに周りの建物よりもデカい、というか長く、見るからに豪華な建物である。
長さは他の建物の3建分、もしくは4建分ほど。
花や蝶のレリーフが施された門柱の脇には今度のオークションの職員らしき揃いのスーツに身を包んだ男たち。
幾人もの正装した客らしき男女に何やら羊皮紙を手渡しては頭を下げている。
「・・・なんか、やっぱり場違いじゃないかな」
建物だけでなく通りまで明るく照らす魔石を使用した外灯に影を落とすのは皆いかにも金持ちらしき者ばかり。
少し前まで田舎の村人であったカティにはあまりにも縁遠い場所に思える。
「なによ?この私があそこに相応しくないと言うわけ?」
不服そうな顔で腰に手をあてて見上げてくるリリスの格好はいつものヒラヒラゴスロリ風ファッションではなく地球で言うlラインのイブニングドレス。
踝まで届くラベンダー色のドレスは装飾は少なく首筋を覆う部分とすそ周りにだけ繊細なレースと小さな宝石がちりばめられている。
腰にあてられた両手には二の腕まで隠す黒いレースの手袋。
プラチナブロンドの髪はうなじに一部を下ろし、残りは複雑な形に編み込まれて結い上げられていた。
正直いつものヒラヒラよりもずっと似合っている。背中の大きく開いたドレスのデザインといい女性らしい、というかぶっちゃけ色気があってドキドキしてしまう。
リリスってこんなに美人だったっけ?
と、いうのが正直なところ。
いや、もともとそれなり以上に美少女ではあったのだが、普段はヒラヒラファッションや気の強さに押されて気づかなかったということか。
『女はやっぱ服と化粧で変わるよなー』
頭のなかの佑樹の言葉にコクコクとやはり頭のなかで頷く。
目元にうっすらと引かれたアイラインのせいか、いつもより落ち着いた色味の唇のせいか。
今夜のリリスは大人っぽく、18、9くらいに見える。
「ああいやその・・・リリスじゃなくて俺が・・・・・・ええと、リリスは良く似合ってるよ」
慌てて口走ってから、ナニを恥ずかしいことをー!と頭を抱えたくなった。
「あら、ありがと。ま、当然なんだけどね。あなたもちゃんと背筋を伸ばしてればとこぞのボンボンに見えなくもないわよ」
だから意識し過ぎずしゃんとしてなさい。
言われてカティはリリスとは違い明らかに似合っていない、己れの格好を見下ろした。
黒のタキシードに似た正装に蝶ネクタイ。
完全に着られた感満載だ。
まるで七五三。
いや、それじゃ七五三の子供たちに失礼だ。
「まったくごちゃごちゃ考えてないで早く行くわよ!」
がし、と腕を掴まれて心臓が跳ねる。
そのまま腕に回されたリリスの手の感触にドキドキしてしまう。
(なんかヤバイ。なんか良くわかんないけどヤバイ)
『・・・んー?まあ、いいんじゃね?別に』
笑い含みの佑樹の声を聞きながらカティはリリスと共に建物に近づいて行く。
月に一度、ウルマの町で開かれる貴族と金持ち商人の道楽ーオークションの会場に。
何故こんな場所にドレスアップして訪れたか。
その訳は二日前、レアガチャで引いた『呪いのティアラ』をギルド公認の道具屋に持ち込んだことがきっかけである。
次の町へと繋がる外壁の門のすぐ側にその建物はあった。
入り口であった門より歩いて小一時間。
明らかに周りの建物よりもデカい、というか長く、見るからに豪華な建物である。
長さは他の建物の3建分、もしくは4建分ほど。
花や蝶のレリーフが施された門柱の脇には今度のオークションの職員らしき揃いのスーツに身を包んだ男たち。
幾人もの正装した客らしき男女に何やら羊皮紙を手渡しては頭を下げている。
「・・・なんか、やっぱり場違いじゃないかな」
建物だけでなく通りまで明るく照らす魔石を使用した外灯に影を落とすのは皆いかにも金持ちらしき者ばかり。
少し前まで田舎の村人であったカティにはあまりにも縁遠い場所に思える。
「なによ?この私があそこに相応しくないと言うわけ?」
不服そうな顔で腰に手をあてて見上げてくるリリスの格好はいつものヒラヒラゴスロリ風ファッションではなく地球で言うlラインのイブニングドレス。
踝まで届くラベンダー色のドレスは装飾は少なく首筋を覆う部分とすそ周りにだけ繊細なレースと小さな宝石がちりばめられている。
腰にあてられた両手には二の腕まで隠す黒いレースの手袋。
プラチナブロンドの髪はうなじに一部を下ろし、残りは複雑な形に編み込まれて結い上げられていた。
正直いつものヒラヒラよりもずっと似合っている。背中の大きく開いたドレスのデザインといい女性らしい、というかぶっちゃけ色気があってドキドキしてしまう。
リリスってこんなに美人だったっけ?
と、いうのが正直なところ。
いや、もともとそれなり以上に美少女ではあったのだが、普段はヒラヒラファッションや気の強さに押されて気づかなかったということか。
『女はやっぱ服と化粧で変わるよなー』
頭のなかの佑樹の言葉にコクコクとやはり頭のなかで頷く。
目元にうっすらと引かれたアイラインのせいか、いつもより落ち着いた色味の唇のせいか。
今夜のリリスは大人っぽく、18、9くらいに見える。
「ああいやその・・・リリスじゃなくて俺が・・・・・・ええと、リリスは良く似合ってるよ」
慌てて口走ってから、ナニを恥ずかしいことをー!と頭を抱えたくなった。
「あら、ありがと。ま、当然なんだけどね。あなたもちゃんと背筋を伸ばしてればとこぞのボンボンに見えなくもないわよ」
だから意識し過ぎずしゃんとしてなさい。
言われてカティはリリスとは違い明らかに似合っていない、己れの格好を見下ろした。
黒のタキシードに似た正装に蝶ネクタイ。
完全に着られた感満載だ。
まるで七五三。
いや、それじゃ七五三の子供たちに失礼だ。
「まったくごちゃごちゃ考えてないで早く行くわよ!」
がし、と腕を掴まれて心臓が跳ねる。
そのまま腕に回されたリリスの手の感触にドキドキしてしまう。
(なんかヤバイ。なんか良くわかんないけどヤバイ)
『・・・んー?まあ、いいんじゃね?別に』
笑い含みの佑樹の声を聞きながらカティはリリスと共に建物に近づいて行く。
月に一度、ウルマの町で開かれる貴族と金持ち商人の道楽ーオークションの会場に。
何故こんな場所にドレスアップして訪れたか。
その訳は二日前、レアガチャで引いた『呪いのティアラ』をギルド公認の道具屋に持ち込んだことがきっかけである。
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