ボッチのお花畑令嬢に転生した私、断罪回避のためにストーキングはじめました。

黒田悠月

文字の大きさ
2 / 9

お花畑な妄想がイタすぎて頭が痛い。

しおりを挟む
 

 ワタシは――マリエッタ・モンターニュ。17才。
 子爵令嬢で心優しく健気で思いやりのある美少女、なワタシには憧れの人がいるの。

 それはアレクセイ・ルード・クラリウス様。
 この国、クラリウス聖王国の王太子殿下で同じ年の超イケメン!(キャッ)
 均整のとれた長身に黒髪、神秘的な金色の瞳をした王子様♡ちょっと俺様な雰囲気がまたたまらないのっ。

 最推しはアレクセイ殿下なんだけど、でもでも周りの側近候補の皆様もステキなのよね。
 
 宰相様の御子息ウォルター・ギミング様は眼鏡の生真面目風な、でも実は腹黒キャラっぽいイケメンだし。公爵家の嫡男で将来の魔術師長候補と目されているらしいユリウス・レイフォート様は声が最高!耳元で囁かれたらゾクゾクしちゃいそうな色気のある声音なのよ。
 セクシーボイスってヤツなの。
 辺境伯家の御子息で殿下の学友件護衛でもあるルーディウス・オルトー様はガッチリ系の他とはまた違ったタイプのイケメンね。ワタシの好みからはホントは少し外れてるんだけど……でも女子人気はそれなり以上にある方だから、やっぱり捨てがたいわね。

 うーん、でもでも本命はアレクセイ様よね?
 だって王子様だし♡
 やっぱりワタシみたいな完璧美少女には王子様がお似合いだわ!


 はじめて殿下をお見かけしたのは一月ほど前。 
 ルクルシル魔術学院の入学式。
 新入生代表として壇上に上がった殿下の凛々しいお姿に目がクギ付けになっちゃった!だってとってもステキだったんだもの。
 でもね?殿下もワタシの方を見たの。
 新入生はワタシも含めて100人ほどもいて、壇上に近い前列は高位貴族の人たちが割り当てられていた。おかげでワタシがいるのはずいぶん後ろ。
 学院では身分は関係なく生徒はみんな平等だと聞いていたけれど、実際にはしっかり身分で差別されている。
 こんなの間違ってる!って思うわ。
 だって他のコたちはともかくワタシまで下位貴族のような扱いをされるなんて。
 他のコたちとワタシは違うの。
 今は確かに子爵令嬢かも知れないけど、すぐに高位貴族の婚約者になると決まっているのよ?
 相手は最低でも候爵位以上。ううん、もしかしたら殿下かも。

 目があったもの。
 殿下はこんなにたくさんのお邪魔虫のなかからワタシを見つけてくれたのよ!

 
 ヘンね。
 すぐにでも殿下からお声がかかると思ってたのに、まだ一言もないなんて。

 声をかけてくる男はたくさんいるけれど、どれもワタシにふさわしくない身の程知らずばっかり!!
 まったく。伯爵家ですって?しかも嫡男でもないの?
 あ、り、え、な、いっ!
 ニキビ面のブ男も寄ってこないでよっ!
 まあ、でもプレゼントは受け取ってあげるわよ。
 安物だったらいらないけどね。


 なんだか鬱陶しいイヤな女がいると思ったら殿下の筆頭婚約者候補だって女だった。
 いつもいつも殿下につきまとっているかと思えばワタシにしたり顔で「身分をわきまえなさい」ですって。
 わきまえるのはそっちの方でしょ!
 所詮、候補のくせに。
 きっと親の身分を笠に婚約者に収まろうとしているんだろうけど、殿下は拒否してるんだわ。
 だから候補なのよ。
 だって、殿下の婚約者になるのはこのワタシなんだもの。


 ――はい。なぁんて妄想を膨らませて悦に入っておりました。私。
 イタイ。我ながら非常にイタイわ。
 ないわ。コレ。
 
 しかも殿下が私に声をかけないのは婚約者候補やその周りの取り巻きたちを警戒しているからだとか思っていた。
 だから私が虐められていると知ればきっと助けてくれて、そばで守ってくれるって。
 だから自作自演で虐められているフリをした。
 足を引っ掛けられてコケたフリをしたり。
 モノが失くなったと騒いでみたり。

 あんまり殿下の反応が薄いものだから、いよいよ怪我を覚悟で階段落ちを仕掛けて……。

 結果、体勢を崩して思い切り転がり落ち、しこたま頭を打ち付けて――私は『わたし』を思い出したのだ。

 うん。頭が痛い。
 いろんな意味で。
 


 


 


 


 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

孤児ですが、神獣の声を担当しています~ただし身バレ禁止のため、王子様から逃走中~

鬼ヶ咲あちたん
恋愛
タヌキにそっくりな孤児のマーヤと、お疲れ気味な王子さまとの物語

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

皇帝陛下の愛娘は今日も無邪気に笑う

下菊みこと
恋愛
愛娘にしか興味ない冷血の皇帝のお話。 小説家になろう様でも掲載しております。

お掃除侍女ですが、婚約破棄されたので辺境で「浄化」スキルを極めたら、氷の騎士様が「綺麗すぎて目が離せない」と溺愛してきます

咲月ねむと
恋愛
王宮で侍女として働く私、アリシアは、前世の記憶を持つ転生者。清掃員だった前世の知識を活かし、お掃除に情熱を燃やす日々を送っていた。その情熱はいつしか「浄化」というユニークスキルにまで開花!…したことに本人は全く気づいていない。 ​そんなある日、婚約者である第二王子から「お前の周りだけ綺麗すぎて不気味だ!俺の完璧な美貌が霞む!」という理不尽な理由で婚約破棄され、瘴気が漂うという辺境の地へ追放されてしまう。 ​しかし、アリシアはへこたれない。「これで思う存分お掃除ができる!」と目を輝かせ、意気揚々と辺境へ。そこで出会ったのは、「氷の騎士」と恐れられるほど冷徹で、実は極度の綺麗好きである辺境伯カイだった。 ​アリシアがただただ夢中で掃除をすると、瘴気に汚染された土地は浄化され、作物も豊かに実り始める。呪われた森は聖域に変わり、魔物さえも彼女に懐いてしまう。本人はただ掃除をしているだけなのに、周囲からは「伝説の浄化の聖女様」と崇められていく。 ​一方、カイはアリシアの完璧な仕事ぶり(浄化スキル)に心酔。「君の磨き上げた床は宝石よりも美しい。君こそ私の女神だ」と、猛烈なアタックを開始。アリシアは「お掃除道具をたくさんくれるなんて、なんて良いご主人様!」と、これまた盛大に勘違い。 ​これは、お掃除大好き侍女が、無自覚な浄化スキルで辺境をピカピカに改革し、綺麗好きなハイスペックヒーローに溺愛される、勘違いから始まる心温まる異世界ラブコメディ。

【完結】戸籍ごと売られた無能令嬢ですが、子供になった冷徹魔導師の契約妻になりました

水都 ミナト
恋愛
最高峰の魔法の研究施設である魔塔。 そこでは、生活に不可欠な魔導具の生産や開発を行われている。 最愛の父と母を失い、継母に生家を乗っ取られ居場所を失ったシルファは、ついには戸籍ごと魔塔に売り飛ばされてしまった。 そんなシルファが配属されたのは、魔導具の『メンテナンス部』であった。 上層階ほど尊ばれ、難解な技術を必要とする部署が配置される魔塔において、メンテナンス部は最底辺の地下に位置している。 貴族の生まれながらも、魔法を発動することができないシルファは、唯一の取り柄である周囲の魔力を吸収して体内で中和する力を活かし、日々魔導具のメンテナンスに従事していた。 実家の後ろ盾を無くし、一人で粛々と生きていくと誓っていたシルファであったが、 上司に愛人になれと言い寄られて困り果てていたところ、突然魔塔の最高責任者ルーカスに呼びつけられる。 そこで知ったルーカスの秘密。 彼はとある事件で自分自身を守るために退行魔法で少年の姿になっていたのだ。 元の姿に戻るためには、シルファの力が必要だという。 戸惑うシルファに提案されたのは、互いの利のために結ぶ契約結婚であった。 シルファはルーカスに協力するため、そして自らの利のためにその提案に頷いた。 所詮はお飾りの妻。役目を果たすまでの仮の妻。 そう覚悟を決めようとしていたシルファに、ルーカスは「俺は、この先誰でもない、君だけを大切にすると誓う」と言う。 心が追いつかないまま始まったルーカスとの生活は温かく幸せに満ちていて、シルファは少しずつ失ったものを取り戻していく。 けれど、継母や上司の男の手が忍び寄り、シルファがようやく見つけた居場所が脅かされることになる。 シルファは自分の居場所を守り抜き、ルーカスの退行魔法を解除することができるのか―― ※他サイトでも公開しています

女避けの為の婚約なので卒業したら穏やかに婚約破棄される予定です

くじら
恋愛
「俺の…婚約者のフリをしてくれないか」 身分や肩書きだけで何人もの男性に声を掛ける留学生から逃れる為、彼は私に恋人のふりをしてほしいと言う。 期間は卒業まで。 彼のことが気になっていたので快諾したものの、別れの時は近づいて…。

うっかり結婚を承諾したら……。

翠月るるな
恋愛
「結婚しようよ」 なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。 相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。 白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。 実際は思った感じではなくて──?

夫に捨てられた私は冷酷公爵と再婚しました

香木陽灯
恋愛
 伯爵夫人のマリアーヌは「夜を共に過ごす気にならない」と突然夫に告げられ、わずか五ヶ月で離縁することとなる。  これまで女癖の悪い夫に何度も不倫されても、役立たずと貶されても、文句ひとつ言わず彼を支えてきた。だがその苦労は報われることはなかった。  実家に帰っても父から不当な扱いを受けるマリアーヌ。気分転換に繰り出した街で倒れていた貴族の男性と出会い、彼を助ける。 「離縁したばかり? それは相手の見る目がなかっただけだ。良かったじゃないか。君はもう自由だ」 「自由……」  もう自由なのだとマリアーヌが気づいた矢先、両親と元夫の策略によって再婚を強いられる。相手は婚約者が逃げ出すことで有名な冷酷公爵だった。  ところが冷酷公爵と会ってみると、以前助けた男性だったのだ。  再婚を受け入れたマリアーヌは、公爵と少しずつ仲良くなっていく。  ところが公爵は王命を受け内密に仕事をしているようで……。  一方の元夫は、財政難に陥っていた。 「頼む、助けてくれ! お前は俺に恩があるだろう?」  元夫の悲痛な叫びに、マリアーヌはにっこりと微笑んだ。 「なぜかしら? 貴方を助ける気になりませんの」 ※ふんわり設定です

処理中です...