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有言実行の女 ③
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は?……何コレ、何コレ、何!
――ぁ…………。
これ、アレだ。
条件反射、みたいな?
私の身体に染み付いてるんすよ。
イタ過ぎるあざとさ全開の仕草といついかなる時も獲物を狙い定める雌豹の本能(?)と、とにかく男と見たらカワイコぶるべしみたいな習性が~!習性が~……習性が~しゅうせいがぁぁ~!
「やだ、何これ、最悪…………」
怖い。
廊下の真ん中――しかもトイレの前なんてもう関係なく、私はその場にペタリとヘタリこんだ。
「嘘でしょ?どうしよう。どうしたらいいの?これ」
小さく口の中で「どうしよう、どうしよう」と繰り返しながら頭を抱えてしまう。
こんなのが無意識下に条件反射で出てしまっていたら、いつまでたってもお花畑から抜け出せない。
謙虚、控えめをモットーになんとかコソコソと学園だけは卒業しておきたかったのに!
こんなことアホくさい条件反射が出まくった日には気がつけば退学――結果貴族子女として失格の烙印を押され、激怒した父親にせめてもの役に立てとエロ爺売られる未来がはっきりくっきり目に見える。
いくら我が家が子爵家にしてはお金があるといっても、王族や高位貴族に疎まれて学園を退学になった超弩級問題児をそのまま家に置いておくなんてあり得ないもの。
――あ、あ、あ、あ、あぁ。
「…………あ~、おい、大丈夫か?」
あぁぁ、どうしよう。どうしたらいいの?
もう泣きたい。ってか本気で泣けてきたわ。
いったいどう生きてきたらこうまでおバカになるのよ。
ああ、そうね。そうよね。
ひたすらかわいいかわいい持ち上げられてなんでも欲しいものは与えられて、実際美少女だから、ちょっと笑いかけただけで程度の低い男はヒョコヒョコ釣れてきたのよ。
でも考えてみればその釣れた!と私が思っていた男たちだって全部が全部釣れてたわけでもないのよね。
所詮子爵家だから付き合いのある家は同格か下の家。
もしくは伯爵家でも領地経営が上手くいっていないお家とか。
つまりはお金持ちな家に擦り寄りたい家の子息が主だった。
なのにおバカな私ときたら「男はみんなワタシの虜♡」なんてことをしごく真面目に心底本気で思っていたのだ。
「――おい?」
終わったわ。
私の人生、終了のチャイムが頭の中でキーンコーンカーンコーン♪高らかに鳴り響いている。
あとはもう諦めを覚えて生きていくしかないのかしら?
エロ爺のお妾さんになって媚を売ってせいぜい可愛がってもらう?それとも平民からの娼婦コースかしら。
ふふ、それって短命フラグよね。
死んだらまたどこかで生まれ変わるのかな?
だったら次はお婆さんになるまで生きて、孫の3人くらいはいる人生にしてもらえないかしら。
「…………聞いてるのか!マリエッタ・モンターニュ!!」
「……っ?…………ふ、ふぇ?」
完全に自分一人の世界に入り込んでいたら、至近距離から名を呼ばれ、ビクリと肩を震わせた。
恐る恐る顔を上げると、目の前には元日本人としては親しみのある黒髪が顔の半分を覆い隠した背の高い男性。
誰?――って、ぶつかった相手か。
緩くカールした前髪が見事に鼻半分あたりまで隠しているせいで顔の作りはよくわからない。
が、分厚い前髪のせいか、暗い髪色がより重い印象を与えるからか、もっさい。
いかにも地味で田舎者くさいというか。
うん、しかし…………見覚えがあるようなないような?
「強くぶつかったつもりはないが、そんなにボロ泣きするほどどこか痛いのか?」
へ?と思って頬を触るとベッチョリ濡れていた。
泣けてきたと思ってたらホントに泣いてたわ。
「医務室に行くか?立てるか?」
やだ、この人見た目アレだけどちょっと優しい。
学園の嫌われ者で頭お花畑の勘違い女なマリエッタ・モンターニュ相手にこういう気遣いができるなんて、人が良いというか、人間ができてるんだわ。
それともよほどレディーファーストな精神に満ち溢れたフェミニストなのかしら。
もっさい見た目には似合わないけど。
たぶんこの時――私はもう色々といっぱいいっぱいだった。
だからだろう。
こんなことを思いついて、実行しようなんて思ってしまったのは。
「…………あの、私、私、マリエッタ・モンターニュと言います。一年生で、家は子爵家です。兄が一人と姉が一人います。貴方様のお名前をお聞きしてもよろしいですか?」「うん?」
わけがわからないという顔で――口元だけでもなんとなくそういうのはわかるものなんだわ。こちらを見る男性の目を分厚い前髪ごしに見つめる私。
「あー、いや……そっか…………知らないんだ?俺、一応クラスメイトなんだけど」
「!そうだったんですね!どうりで見覚えがある気が……っていえ、すみません!!」
イケメンしか見てなかったもので!
たぶん視界に入ってもスルーしていたので!
「いや……まあいいか。ギルベルト・ウォッシュだ。ところで大丈夫なのか?」
「ギルベルト様ですか!大丈夫です!お優しいのですね。婚約者とか恋人はいらっしゃるのでしょうか?」
「……………………は?」
わかりやすく固まるギルベルト様に、私はここぞとばかりにずい、と詰め寄った。
「あの、あの、もしいらっしゃらないのであれば人助けだと思って私が貴方に『真実の恋』をしたというテイでつきまとうことを許してもらえないでしょうか?」
「……………………は?はあぁ!?」
――ぁ…………。
これ、アレだ。
条件反射、みたいな?
私の身体に染み付いてるんすよ。
イタ過ぎるあざとさ全開の仕草といついかなる時も獲物を狙い定める雌豹の本能(?)と、とにかく男と見たらカワイコぶるべしみたいな習性が~!習性が~……習性が~しゅうせいがぁぁ~!
「やだ、何これ、最悪…………」
怖い。
廊下の真ん中――しかもトイレの前なんてもう関係なく、私はその場にペタリとヘタリこんだ。
「嘘でしょ?どうしよう。どうしたらいいの?これ」
小さく口の中で「どうしよう、どうしよう」と繰り返しながら頭を抱えてしまう。
こんなのが無意識下に条件反射で出てしまっていたら、いつまでたってもお花畑から抜け出せない。
謙虚、控えめをモットーになんとかコソコソと学園だけは卒業しておきたかったのに!
こんなことアホくさい条件反射が出まくった日には気がつけば退学――結果貴族子女として失格の烙印を押され、激怒した父親にせめてもの役に立てとエロ爺売られる未来がはっきりくっきり目に見える。
いくら我が家が子爵家にしてはお金があるといっても、王族や高位貴族に疎まれて学園を退学になった超弩級問題児をそのまま家に置いておくなんてあり得ないもの。
――あ、あ、あ、あ、あぁ。
「…………あ~、おい、大丈夫か?」
あぁぁ、どうしよう。どうしたらいいの?
もう泣きたい。ってか本気で泣けてきたわ。
いったいどう生きてきたらこうまでおバカになるのよ。
ああ、そうね。そうよね。
ひたすらかわいいかわいい持ち上げられてなんでも欲しいものは与えられて、実際美少女だから、ちょっと笑いかけただけで程度の低い男はヒョコヒョコ釣れてきたのよ。
でも考えてみればその釣れた!と私が思っていた男たちだって全部が全部釣れてたわけでもないのよね。
所詮子爵家だから付き合いのある家は同格か下の家。
もしくは伯爵家でも領地経営が上手くいっていないお家とか。
つまりはお金持ちな家に擦り寄りたい家の子息が主だった。
なのにおバカな私ときたら「男はみんなワタシの虜♡」なんてことをしごく真面目に心底本気で思っていたのだ。
「――おい?」
終わったわ。
私の人生、終了のチャイムが頭の中でキーンコーンカーンコーン♪高らかに鳴り響いている。
あとはもう諦めを覚えて生きていくしかないのかしら?
エロ爺のお妾さんになって媚を売ってせいぜい可愛がってもらう?それとも平民からの娼婦コースかしら。
ふふ、それって短命フラグよね。
死んだらまたどこかで生まれ変わるのかな?
だったら次はお婆さんになるまで生きて、孫の3人くらいはいる人生にしてもらえないかしら。
「…………聞いてるのか!マリエッタ・モンターニュ!!」
「……っ?…………ふ、ふぇ?」
完全に自分一人の世界に入り込んでいたら、至近距離から名を呼ばれ、ビクリと肩を震わせた。
恐る恐る顔を上げると、目の前には元日本人としては親しみのある黒髪が顔の半分を覆い隠した背の高い男性。
誰?――って、ぶつかった相手か。
緩くカールした前髪が見事に鼻半分あたりまで隠しているせいで顔の作りはよくわからない。
が、分厚い前髪のせいか、暗い髪色がより重い印象を与えるからか、もっさい。
いかにも地味で田舎者くさいというか。
うん、しかし…………見覚えがあるようなないような?
「強くぶつかったつもりはないが、そんなにボロ泣きするほどどこか痛いのか?」
へ?と思って頬を触るとベッチョリ濡れていた。
泣けてきたと思ってたらホントに泣いてたわ。
「医務室に行くか?立てるか?」
やだ、この人見た目アレだけどちょっと優しい。
学園の嫌われ者で頭お花畑の勘違い女なマリエッタ・モンターニュ相手にこういう気遣いができるなんて、人が良いというか、人間ができてるんだわ。
それともよほどレディーファーストな精神に満ち溢れたフェミニストなのかしら。
もっさい見た目には似合わないけど。
たぶんこの時――私はもう色々といっぱいいっぱいだった。
だからだろう。
こんなことを思いついて、実行しようなんて思ってしまったのは。
「…………あの、私、私、マリエッタ・モンターニュと言います。一年生で、家は子爵家です。兄が一人と姉が一人います。貴方様のお名前をお聞きしてもよろしいですか?」「うん?」
わけがわからないという顔で――口元だけでもなんとなくそういうのはわかるものなんだわ。こちらを見る男性の目を分厚い前髪ごしに見つめる私。
「あー、いや……そっか…………知らないんだ?俺、一応クラスメイトなんだけど」
「!そうだったんですね!どうりで見覚えがある気が……っていえ、すみません!!」
イケメンしか見てなかったもので!
たぶん視界に入ってもスルーしていたので!
「いや……まあいいか。ギルベルト・ウォッシュだ。ところで大丈夫なのか?」
「ギルベルト様ですか!大丈夫です!お優しいのですね。婚約者とか恋人はいらっしゃるのでしょうか?」
「……………………は?」
わかりやすく固まるギルベルト様に、私はここぞとばかりにずい、と詰め寄った。
「あの、あの、もしいらっしゃらないのであれば人助けだと思って私が貴方に『真実の恋』をしたというテイでつきまとうことを許してもらえないでしょうか?」
「……………………は?はあぁ!?」
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