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第84話 大物登場
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「誰か来ます」
佐野がユキに伝える。
「警察か?」
パソコンから目を離さずに返す。
「いえ、銀色の軽自動車です」
「どれ」
ユキは席を立ち、伸び上がって窓の外を見る。佐野も一緒に目をこらす。
車は二人が覗いている窓のすぐそばで停まった。ドアが開き、七十代前半とおぼしき白髪頭の男が降りて来る。
小柄でひょろっとした体型。四角い銀縁メガネに温厚そうな目鼻立ち。紺色のダウンジャケットにグレーのセーター、焦げ茶色のズボン。そして古風な黒い長靴。
「道でも聞きに来たんでしょうか。あのおじいさん」
佐野が首を傾げる。
「……うちの社長だ」
ユキが困った顔で呟く。
「え!」
「きっと被害状況を見に来たんだ。まあ、当然だよな」
佐野とユキは急いで玄関へ行き、男を出迎えた。
一見、何の変哲もないおじいさん――橋本建設株式会社代表取締役社長、橋本正造である。
佐野がユキに伝える。
「警察か?」
パソコンから目を離さずに返す。
「いえ、銀色の軽自動車です」
「どれ」
ユキは席を立ち、伸び上がって窓の外を見る。佐野も一緒に目をこらす。
車は二人が覗いている窓のすぐそばで停まった。ドアが開き、七十代前半とおぼしき白髪頭の男が降りて来る。
小柄でひょろっとした体型。四角い銀縁メガネに温厚そうな目鼻立ち。紺色のダウンジャケットにグレーのセーター、焦げ茶色のズボン。そして古風な黒い長靴。
「道でも聞きに来たんでしょうか。あのおじいさん」
佐野が首を傾げる。
「……うちの社長だ」
ユキが困った顔で呟く。
「え!」
「きっと被害状況を見に来たんだ。まあ、当然だよな」
佐野とユキは急いで玄関へ行き、男を出迎えた。
一見、何の変哲もないおじいさん――橋本建設株式会社代表取締役社長、橋本正造である。
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