8 / 23
ぎゅわんぶらぁ?九尾比丘尼(4) 競馬その2
しおりを挟む
「今日はGI安田記念ですねえ」
「そうじゃな」
九尾比丘尼はいつものようにテレビの前で並べた座布団の上で寝そべりながら、うろ返事をして大あくびをかました。テレビでは安田記念の前走、東京競馬場の10Rの実況が流れている。
「興味なさそうにしているように見えますが、また買ったんでしょ」
「買ったに決まっておろうが」
「ところで比丘尼様、考えたんですけど」
「下手な考え休むに似たり」
「ひどい。まだ何も言ってないのに」
「どうせアレなナニじゃろ」
「伏せられなきゃいいってもんじゃないですけど」
「で、何がいい考えじゃと」
「落馬とかのアクシデントがないとして予測はできないんですか? 実際のレースでは、出走数と到着数が同一というのがほとんどでしょう」
「へっ」
九尾比丘尼は頬杖を突いたまま、ピクリとも動かずに鼻で笑うだけだった。
「何か問題点でも」
「問題以前の話じゃ。そんな都合のいい条件をつけたものがまともな予測になるわけなかろうが。勝手に条件をつけていいというなら、自分の予想した馬以外が不意の体調不良を起こして大きく遅れたら、というような条件付けをするのと何が違うと言うんじゃ」
「ぎゃふん!」
「そうじゃな」
九尾比丘尼はいつものようにテレビの前で並べた座布団の上で寝そべりながら、うろ返事をして大あくびをかました。テレビでは安田記念の前走、東京競馬場の10Rの実況が流れている。
「興味なさそうにしているように見えますが、また買ったんでしょ」
「買ったに決まっておろうが」
「ところで比丘尼様、考えたんですけど」
「下手な考え休むに似たり」
「ひどい。まだ何も言ってないのに」
「どうせアレなナニじゃろ」
「伏せられなきゃいいってもんじゃないですけど」
「で、何がいい考えじゃと」
「落馬とかのアクシデントがないとして予測はできないんですか? 実際のレースでは、出走数と到着数が同一というのがほとんどでしょう」
「へっ」
九尾比丘尼は頬杖を突いたまま、ピクリとも動かずに鼻で笑うだけだった。
「何か問題点でも」
「問題以前の話じゃ。そんな都合のいい条件をつけたものがまともな予測になるわけなかろうが。勝手に条件をつけていいというなら、自分の予想した馬以外が不意の体調不良を起こして大きく遅れたら、というような条件付けをするのと何が違うと言うんじゃ」
「ぎゃふん!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる