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41話 文化祭
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教室に入ると、いつもよりもなんとなく活気があった。
「杏ちゃん、おはよー」
いつものようにのんびりとした口調で話しかけてきた柚ちゃんに挨拶を返す。柚ちゃんは、すでに衣装係の子が作ってくれた赤色のエプロンを制服の上から身につけていた。
私も机の上に置かれていた同じ色のエプロンを手に取り、身支度をしておく。
準備の時は飾り付け班だったけど、文化祭では私も交代でお店に立つことになってるんだ。
「ねぇねぇ、文化祭最終日に告白する子多そうだよね。このクラスでもいるのかなぁ」
ふいに柚ちゃんが声をひそめ、話しかけてきた。
「? 文化祭最終日に何かあった?」
「その日に告白して成功したら、ずーっと一緒にいられるってジンクスがあるでしょう?」
有名だよー?って、柚ちゃんはふんわりにこにこしながら言う。
そんなジンクスがあるの?
まさか、十一月になってもまだゲームクリアできていない私のためのお助けイベント?
それで、すぐ後にあるクリスマスお正月を一緒に過ごして、ハッピーエンド確定コース?
そうじゃないかもしれないけど、そのために設定されたイベントとしか思えない。そうなると、ここを逃すと、もうハッピーエンドへの道が残されていないのかも。
もう十一月だし、かなりギリギリだから……。
「杏ちゃーん?」
一人で考え込んでいたら、柚ちゃんに名前を呼ばれた。いつのまにか千夏ちゃんもすぐ近くにいた。
「ごめん、何だったっけ?」
「杏ちゃんは、誰かに告白しないの?」
「え」
「杏は広夢でしょ。あっちから告白してくるかもよ」
「最近いい感じだもんねぇ」
私をそっちのけで、二人は楽しそうに盛り上がっている。千夏ちゃんは、本当にそれでいいのかな……?
「二人は?」
「私は好きな人いないからなぁ。でも誰かから告白されたら、どうしよう~」
思いきって切り出してみたら、柚ちゃんからのんびりとした答えが返ってくる。
「千夏ちゃんは? 好きな人、いる?」
そーっと千夏ちゃんの方を見る。目が合うと、千夏ちゃんは目を伏せて笑った。
「私は、告白はしないかな」
好きな人いる?って聞いたのに、告白はしないって返ってきた。やっぱり、好きな人はいるんだ。それって、広夢くんじゃないのかな。
気になったけど、結局聞けないまま文化祭が始まってしまった。
「杏ちゃん、おはよー」
いつものようにのんびりとした口調で話しかけてきた柚ちゃんに挨拶を返す。柚ちゃんは、すでに衣装係の子が作ってくれた赤色のエプロンを制服の上から身につけていた。
私も机の上に置かれていた同じ色のエプロンを手に取り、身支度をしておく。
準備の時は飾り付け班だったけど、文化祭では私も交代でお店に立つことになってるんだ。
「ねぇねぇ、文化祭最終日に告白する子多そうだよね。このクラスでもいるのかなぁ」
ふいに柚ちゃんが声をひそめ、話しかけてきた。
「? 文化祭最終日に何かあった?」
「その日に告白して成功したら、ずーっと一緒にいられるってジンクスがあるでしょう?」
有名だよー?って、柚ちゃんはふんわりにこにこしながら言う。
そんなジンクスがあるの?
まさか、十一月になってもまだゲームクリアできていない私のためのお助けイベント?
それで、すぐ後にあるクリスマスお正月を一緒に過ごして、ハッピーエンド確定コース?
そうじゃないかもしれないけど、そのために設定されたイベントとしか思えない。そうなると、ここを逃すと、もうハッピーエンドへの道が残されていないのかも。
もう十一月だし、かなりギリギリだから……。
「杏ちゃーん?」
一人で考え込んでいたら、柚ちゃんに名前を呼ばれた。いつのまにか千夏ちゃんもすぐ近くにいた。
「ごめん、何だったっけ?」
「杏ちゃんは、誰かに告白しないの?」
「え」
「杏は広夢でしょ。あっちから告白してくるかもよ」
「最近いい感じだもんねぇ」
私をそっちのけで、二人は楽しそうに盛り上がっている。千夏ちゃんは、本当にそれでいいのかな……?
「二人は?」
「私は好きな人いないからなぁ。でも誰かから告白されたら、どうしよう~」
思いきって切り出してみたら、柚ちゃんからのんびりとした答えが返ってくる。
「千夏ちゃんは? 好きな人、いる?」
そーっと千夏ちゃんの方を見る。目が合うと、千夏ちゃんは目を伏せて笑った。
「私は、告白はしないかな」
好きな人いる?って聞いたのに、告白はしないって返ってきた。やっぱり、好きな人はいるんだ。それって、広夢くんじゃないのかな。
気になったけど、結局聞けないまま文化祭が始まってしまった。
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