今日も、俺の彼氏がかっこいい。

春音優月

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8、毎日楽しいのは、あいつのおかげ

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 次の週の水曜日。
 先生に手伝いを頼まれた俺と南は、授業後に教室と職員室を往復していた。

「最近どう?」
「何が?」
「彼氏と上手くいってる?」
「またその話かよ」
「だってさ、気になるじゃん? まあ聞かなくても分かるけど。最近お前楽しそうだし」
「そうか?」
「うん。なんか面白いことないかなって最近言わなくなったし。毎日が充実してんだろ」

 職員室に向かう途中、階段を下りながらそんな話をしていたけど、南のその言葉にハッとする。自分では全く気がついてなかったけど、以前は口癖のように言っていたことを最近言わなくなったかもしれない。

 それって、恭のおかげ、か……?

「うわ、お前のそんな顔初めてみた」
「そんな顔ってどんな顔だよ」
「高田が大好き♡って顔」
「うっざ。お前のそのノリ、マジでムカつく」
 
 ぽやーんととろけたような顔をしてこっちを見られ、急激に羞恥心が湧いてきた。
 
 俺、そんな顔してたのか? 
 色々ダダ漏れじゃん。
 
「まあまあ。でもさ、良かったじゃん。
高田とどうやって別れようかって最初は悩んでたのにな」
「ああ、あれな。最初は恭と付き合う気なかったし。いつ別れを切り出すか考えてた」
「高島さんと間違えて高田に告白するなんて笑えるよな~」
「うるせぇな。しょうがないだろ」

 話してる途中南がふいに後ろを振り返ると、南はいきなり口をつぐみ、固まってしまった。

「? どうかした?」

 固まったままの南を不思議に思って俺も振り向くと、俺たちの後ろには練習着姿の恭がいて。俺の方を見ているはずなのに目線が合わない恭に焦り、嫌な意味で心臓がバクバクしてきた。いつから聞いてた?

「恭」

 話を聞かれていたタイミングによっては、妙な誤解をしているかもしれない。とりあえず誤解を解こうと、恭の方に一段近づく。

「……恭!」

 俺が恭の方に近づいた途端、恭はくるりと背を向け、俺が名前を呼んでも無視して階段を駆け上がっていってしまった。
 
 恭がいなくなったあと、成り行きを見守っていた南と目が合う。

「俺、あいつのとこ行ってきてもいい?」
「もちろん! もうすぐ終わるし、後は俺一人で大丈夫だから、気にせず行ってこい。がんばれよ!」
「ありがとう。今度なんかおごる」

 珍しく真面目な顔で力強く頷いた南に持っていた資料を渡し、急いで恭の後を追う。
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