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15、新しい時代
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「ん……」
「おはよう、ミア。目が覚めた?」
ミアが目を覚ますと、優しい眼差しで自分を見つめていたアデルと目が合う。目の前にいるアデルは何も身につけておらず、布団こそ被せられてるとはいえミア自身も一糸まとわぬ状態であった。
「……あ」
目が覚めたばかりのミアはしばらくぼんやりとしていたが、膣から何かが流れてくるような感触に顔を赤くする。
「どうしたの?」
「ど、どうもしておらぬ!」
アデルにナカに出された直後に気を失ってしまったらしいと思い出したミアは、あわてて布団をたぐり寄せて体を隠す。
「夕飯の時間過ぎたけど、どうする? お腹空いたなら何か食べる? それとも、もう一回する?」
「たわけたことを申すな!」
さらりとそんなことを言ってくるアデルにミアは真っ赤になって怒鳴るが、アデルはそんなミアを見てクスクス笑っている。
「全く……。お前も何も食べていないのか?」
ミアは大きくため息をついた後に、そういえばと思い至る。アデルも服を着ていないということは、彼もここを出ていないのだろうか。
「うん、ずっとここにいたよ」
「なぜだ。お前も暇なわけではないだろう?」
「そうだけど、ミアの寝顔が可愛いなと思って」
アデルがミアの髪の毛を撫でながらにこやかにそう言うと、ミアはますます顔を赤くし、何か言いたげに口をモゴモゴさせた。が、すぐに頭から布団を被り、ミアはその中に隠れてしまう。
「ミア~?」
「なんだ」
「気持ち良かった?」
「……」
「俺のこと好き?」
「……」
「ミアもイッたよね?」
「……」
布団の中に隠れているミアにアデルが話しかけるが、アデルが何を言ってもミアは無視を決め込み、何も言葉を発しない。
「体は辛くない? 俺、無理させちゃった?」
今まで無視を決め込んでいたミアだが、それを聞いた瞬間に布団から頭だけをピョコリと出す。
「別に、あれぐらい大したことはない。下等生物である人間に組み敷かれ、あっさりと抱かれてしまった自分の未熟さを恥じていただけだ」
口ではそんなことを言ってはいるが、ミアの顔は真っ赤だった。セックスの時にはとろけそうな顔と甘い声を出し、今だって分かりやすく照れている。顔と態度は色々とダダ漏れなのに、相変わらず口は素直じゃないミアを愛しく思い、アデルは小さく笑みをこぼす。
「ミアは、どうしてそんなに人間が嫌いなの?」
「それは、お前たち人間と同じ理由だ」
「何千年も戦い続け、同族をたくさん殺したから?」
「そうだ」
「魔族を憎んでいる人もいるかもしれないけど、俺は魔族を憎んでないよ。最後に戦いがあったのは、俺が生まれる前のことだからね。俺は被害を受けてないし、恨む理由なんてないと思ってる。ミアだってそうじゃないの?」
「……。お前は、勇者の血を引いているのであろう? 勇者は、魔の物を殺すために生まれた者だ。お前だって……」
「昔はね。今は時代が違うんだよ。
俺はミアと一緒に新しい時代を築いていけたらと思ってるよ。これからは、魔族と人間が手を取り合って生きていけるようにしたい。
ミアはいつまでも戦い続けたいの? 子孫だからって、先祖と同じことをしなければいけないの?」
「それは……」
優しく諭すようにアデルから語りかけられ、ミアはぐっと言葉に詰まる。
たしかに、アデルの言うことはもっともだ。自分の生まれる前の出来事を今さら掘り起こすなという意見も理解出来る。関係ないと言われてしまえば、それまでだ。
しかし、幼少期より周りからいかに人間が卑劣で下等な生き物であるかを聞かされてきたミアにとって、その認識を今さら改めることは容易なことではなかった。
「おはよう、ミア。目が覚めた?」
ミアが目を覚ますと、優しい眼差しで自分を見つめていたアデルと目が合う。目の前にいるアデルは何も身につけておらず、布団こそ被せられてるとはいえミア自身も一糸まとわぬ状態であった。
「……あ」
目が覚めたばかりのミアはしばらくぼんやりとしていたが、膣から何かが流れてくるような感触に顔を赤くする。
「どうしたの?」
「ど、どうもしておらぬ!」
アデルにナカに出された直後に気を失ってしまったらしいと思い出したミアは、あわてて布団をたぐり寄せて体を隠す。
「夕飯の時間過ぎたけど、どうする? お腹空いたなら何か食べる? それとも、もう一回する?」
「たわけたことを申すな!」
さらりとそんなことを言ってくるアデルにミアは真っ赤になって怒鳴るが、アデルはそんなミアを見てクスクス笑っている。
「全く……。お前も何も食べていないのか?」
ミアは大きくため息をついた後に、そういえばと思い至る。アデルも服を着ていないということは、彼もここを出ていないのだろうか。
「うん、ずっとここにいたよ」
「なぜだ。お前も暇なわけではないだろう?」
「そうだけど、ミアの寝顔が可愛いなと思って」
アデルがミアの髪の毛を撫でながらにこやかにそう言うと、ミアはますます顔を赤くし、何か言いたげに口をモゴモゴさせた。が、すぐに頭から布団を被り、ミアはその中に隠れてしまう。
「ミア~?」
「なんだ」
「気持ち良かった?」
「……」
「俺のこと好き?」
「……」
「ミアもイッたよね?」
「……」
布団の中に隠れているミアにアデルが話しかけるが、アデルが何を言ってもミアは無視を決め込み、何も言葉を発しない。
「体は辛くない? 俺、無理させちゃった?」
今まで無視を決め込んでいたミアだが、それを聞いた瞬間に布団から頭だけをピョコリと出す。
「別に、あれぐらい大したことはない。下等生物である人間に組み敷かれ、あっさりと抱かれてしまった自分の未熟さを恥じていただけだ」
口ではそんなことを言ってはいるが、ミアの顔は真っ赤だった。セックスの時にはとろけそうな顔と甘い声を出し、今だって分かりやすく照れている。顔と態度は色々とダダ漏れなのに、相変わらず口は素直じゃないミアを愛しく思い、アデルは小さく笑みをこぼす。
「ミアは、どうしてそんなに人間が嫌いなの?」
「それは、お前たち人間と同じ理由だ」
「何千年も戦い続け、同族をたくさん殺したから?」
「そうだ」
「魔族を憎んでいる人もいるかもしれないけど、俺は魔族を憎んでないよ。最後に戦いがあったのは、俺が生まれる前のことだからね。俺は被害を受けてないし、恨む理由なんてないと思ってる。ミアだってそうじゃないの?」
「……。お前は、勇者の血を引いているのであろう? 勇者は、魔の物を殺すために生まれた者だ。お前だって……」
「昔はね。今は時代が違うんだよ。
俺はミアと一緒に新しい時代を築いていけたらと思ってるよ。これからは、魔族と人間が手を取り合って生きていけるようにしたい。
ミアはいつまでも戦い続けたいの? 子孫だからって、先祖と同じことをしなければいけないの?」
「それは……」
優しく諭すようにアデルから語りかけられ、ミアはぐっと言葉に詰まる。
たしかに、アデルの言うことはもっともだ。自分の生まれる前の出来事を今さら掘り起こすなという意見も理解出来る。関係ないと言われてしまえば、それまでだ。
しかし、幼少期より周りからいかに人間が卑劣で下等な生き物であるかを聞かされてきたミアにとって、その認識を今さら改めることは容易なことではなかった。
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