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二話 まさかの告白!?
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「お、終わった……!
こんなに早く終わるなんてすごい……。結城くんありがとう」
私の部屋にきてからすぐに仕事にとりかかり、日付けが変わる前になんとかギリギリ終わらせることができた。
ほっとして隣の結城くんを見上げると、ちょうどネクタイをゆるめていた結城くんと目が合う。
「何でこの内容で三日かかったんですか?」
「うう……。ごめんなさい……」
「別に俺に謝られても」
相変わらず辛辣な結城くんの言葉にグサッとくる。結局結城くんがほとんどやってくれて私は役に立たなかったし、結城くんがいてくれなかったら、本当にどうなってたことか……。
「本気で使えないですけど、でも、まあ……、一生懸命なことは伝わってきますし、安藤さんって何か憎めないんですよね」
視線をさまよわせ、言葉に詰まっている結城くんがめずらしくて凝視してしまう。
「えっと……、ほめられてる?」
「ほめてはないですけど、放っておけないので俺がそばにいてあげます」
「ありがとう……? でも結城くんとは今は部署も違うし、難しいんじゃ……?」
仕事ができる結城くんが助けてくれるならありがたすぎて感謝しかないけど、今は部署も違うし物理的に難しそう。疑問に思って首をかしげると、結城くんに深々とため息をつかれてしまった。
「何言ってるんですか。今は仕事の話じゃなくてプライベートの話してるんですけど」
「プライベート?」
「だから、付き合ってくださいって言ってるんです」
「え?……えええっ!?
今そんな話だった? え、だって、え……?」
ふてくされそうに言われた言葉があまりにも衝撃すぎて、こんな時間に迷惑だと思いつつも、つい声を大きくしてしまう。
「本当に分かんない人だな。
安藤さんが好きだって言ってるんですけど」
「へ、ええっ!?ゆ、結城くんが私を……!?」
うそ、うそ、信じられない!
結城くんには辛辣なことを言われてる記憶しかないし、恋愛対象としてどころか先輩としても好かれてるイメージなかったけど、結城くんが私を好き……?
信じられないけど結城くんの顔は至って真剣で、私をからかってるわけでもなさそう。本当に本当なの……?
「ごめん、待って。いきなりすぎて頭が追いついてかない」
「いきなりじゃないです。俺は自分が入社した時から安藤さんのことずっと可愛いなって思ってました。
けっこうアピールしてたつもりだったんですけど、気づきませんでした?」
「ええ……、アピール……?」
「安藤さんは全然俺のこと興味なさそうでしたし、気づかなくても仕方ないですね」
「う~ん……、興味ないとかあるとかじゃなくて、むしろ私なんか結城くんの方からお断りされると思ってたから、初めからそういう目で見れなかったっていうか……」
あれだけ辛辣な結城くんが私を好きだなんて思いもしなかったし、わりと初めの方から結城くんに対して苦手意識持っちゃってたからなぁ。
「そんなことないですよ。
安藤さんは仕事に関しては全くダメで、新人にもどんどん抜かされてくらいにダメですけど、四つも年上なのに放っておけないし、いつも一生懸命で可愛いです」
ダメって二回も言った……。
なんかグサグサくるなぁ……。
でも実際後輩の結城くんにまで言われるくらいに自分がダメなことは自覚してるし、そんな私のことを結城くんが好きだったなんて信じられない。
「それで、どうなんですか?」
「どうって言われても……」
「少しも可能性ないですか?」
可能性かぁ。
結城くんのことは苦手だったけど、優しいところもあるし今日も助けてくれたし、アリかナシかって言われるとナシでもないような……?
おそるおそる結城くんの様子を伺うと、不安そうな顔をしている結城くんの顔は少しだけ赤くなっていて、不覚にもキュンとしてしまった。
結城くんでもこんな顔するんだ……。
いつも冷静で辛辣で仕事ができる人のイメージしかなかったけど、初めて見た結城くんの年下らしい一面にドキドキしてしまう。
普段は完璧でかっこいいのに、こんな時は可愛いなんてずるいよ……。
「私で良ければ、よろしくお願いします……」
なんでこんなことになったのか自分でもよく分からないし、結城くんのことを恋愛対象として見てなかったはずなのに、気づくと私はそう答えていた。
「いいんですか?」
「う、うん」
結城くんの確認に頷くと、力強い腕に抱き寄せられて彼の腕の中におさめられる。
「……好きです」
ぎゅっと抱きしめられたまま、熱い目で見つめられてなんだかドキドキが止まらなくなってしまう。
辛辣でドSなイメージしかなかった結城くんがこんなに真剣な顔で好きなんて言ってくるなんて……。ああもう私はどうすれば……!
こんなに早く終わるなんてすごい……。結城くんありがとう」
私の部屋にきてからすぐに仕事にとりかかり、日付けが変わる前になんとかギリギリ終わらせることができた。
ほっとして隣の結城くんを見上げると、ちょうどネクタイをゆるめていた結城くんと目が合う。
「何でこの内容で三日かかったんですか?」
「うう……。ごめんなさい……」
「別に俺に謝られても」
相変わらず辛辣な結城くんの言葉にグサッとくる。結局結城くんがほとんどやってくれて私は役に立たなかったし、結城くんがいてくれなかったら、本当にどうなってたことか……。
「本気で使えないですけど、でも、まあ……、一生懸命なことは伝わってきますし、安藤さんって何か憎めないんですよね」
視線をさまよわせ、言葉に詰まっている結城くんがめずらしくて凝視してしまう。
「えっと……、ほめられてる?」
「ほめてはないですけど、放っておけないので俺がそばにいてあげます」
「ありがとう……? でも結城くんとは今は部署も違うし、難しいんじゃ……?」
仕事ができる結城くんが助けてくれるならありがたすぎて感謝しかないけど、今は部署も違うし物理的に難しそう。疑問に思って首をかしげると、結城くんに深々とため息をつかれてしまった。
「何言ってるんですか。今は仕事の話じゃなくてプライベートの話してるんですけど」
「プライベート?」
「だから、付き合ってくださいって言ってるんです」
「え?……えええっ!?
今そんな話だった? え、だって、え……?」
ふてくされそうに言われた言葉があまりにも衝撃すぎて、こんな時間に迷惑だと思いつつも、つい声を大きくしてしまう。
「本当に分かんない人だな。
安藤さんが好きだって言ってるんですけど」
「へ、ええっ!?ゆ、結城くんが私を……!?」
うそ、うそ、信じられない!
結城くんには辛辣なことを言われてる記憶しかないし、恋愛対象としてどころか先輩としても好かれてるイメージなかったけど、結城くんが私を好き……?
信じられないけど結城くんの顔は至って真剣で、私をからかってるわけでもなさそう。本当に本当なの……?
「ごめん、待って。いきなりすぎて頭が追いついてかない」
「いきなりじゃないです。俺は自分が入社した時から安藤さんのことずっと可愛いなって思ってました。
けっこうアピールしてたつもりだったんですけど、気づきませんでした?」
「ええ……、アピール……?」
「安藤さんは全然俺のこと興味なさそうでしたし、気づかなくても仕方ないですね」
「う~ん……、興味ないとかあるとかじゃなくて、むしろ私なんか結城くんの方からお断りされると思ってたから、初めからそういう目で見れなかったっていうか……」
あれだけ辛辣な結城くんが私を好きだなんて思いもしなかったし、わりと初めの方から結城くんに対して苦手意識持っちゃってたからなぁ。
「そんなことないですよ。
安藤さんは仕事に関しては全くダメで、新人にもどんどん抜かされてくらいにダメですけど、四つも年上なのに放っておけないし、いつも一生懸命で可愛いです」
ダメって二回も言った……。
なんかグサグサくるなぁ……。
でも実際後輩の結城くんにまで言われるくらいに自分がダメなことは自覚してるし、そんな私のことを結城くんが好きだったなんて信じられない。
「それで、どうなんですか?」
「どうって言われても……」
「少しも可能性ないですか?」
可能性かぁ。
結城くんのことは苦手だったけど、優しいところもあるし今日も助けてくれたし、アリかナシかって言われるとナシでもないような……?
おそるおそる結城くんの様子を伺うと、不安そうな顔をしている結城くんの顔は少しだけ赤くなっていて、不覚にもキュンとしてしまった。
結城くんでもこんな顔するんだ……。
いつも冷静で辛辣で仕事ができる人のイメージしかなかったけど、初めて見た結城くんの年下らしい一面にドキドキしてしまう。
普段は完璧でかっこいいのに、こんな時は可愛いなんてずるいよ……。
「私で良ければ、よろしくお願いします……」
なんでこんなことになったのか自分でもよく分からないし、結城くんのことを恋愛対象として見てなかったはずなのに、気づくと私はそう答えていた。
「いいんですか?」
「う、うん」
結城くんの確認に頷くと、力強い腕に抱き寄せられて彼の腕の中におさめられる。
「……好きです」
ぎゅっと抱きしめられたまま、熱い目で見つめられてなんだかドキドキが止まらなくなってしまう。
辛辣でドSなイメージしかなかった結城くんがこんなに真剣な顔で好きなんて言ってくるなんて……。ああもう私はどうすれば……!
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