13 / 71
13
しおりを挟む終始固まるがそんな助けを求めても今は俺とエイデンだけしかいない。とりあえず握られている手を振り解き、距離を空ける。
「ど、努力することは当然のことだ!あとずっと見てたとか嘘つくなよ。いいか?俺はお前より強くなるからな。じゃあな」
「ま、待って!」
エイデンのことを無視してそのまま図書館に入り、魔力についての本を探すことにした。取り乱してはだめだ。落ち着け落ち着け。エイデンには申し訳ないことをしたが俺といるよりマシだろう。
気を取り直して手当たり次第、魔力に関する本を取って適当に空いているところに座った。
「何読んでるの?」
「わっ!」
何事もなかったかのように話しかけてきたエイデン。え?何いつの間に横に座ってんの。驚き過ぎて大きな声出しちゃったじゃん。
「び、びっくりさせるな!」
心臓飛び出るかと思ったぜ。さっき突き放したのに、エイデンさんメンタル強くないですか。
「ごめんね。どうしても気になって」
「敵に教えるわけないだろ!あと本に集中したいから一人でいたいのに邪魔するなよ。それに言っておくけど俺はお前と関わりたくないの!」
ここはきっぱり言わないと伝わらないかもしれない。
「敵だなんて悲しいこと言わないで。俺はルアンと関わりたい。なぜ俺のことそんなに嫌っているんだい?直すから知りたい」
「うっ…、」
突き離してもエイデンは食い下がる。引き下がりたい俺の気持ちなんて知らないだろうな。どうしたらいいものか。何で嫌味が通じないんだ。
そうだ、悲しいが嫌われることをしよう。エイデンの地雷を踏むことができれば俺なんてポイっだ。
「き、嫌いな理由なんていっぱいあるぞ!」
「教えてよ」
お、おぅ、知りたいなんて強いな。
「へ、平民のくせに、俺より魔力があって…、背が高くて、俺の次に顔が良くて…」
ちょ、ちょっと待てーい。褒め言葉言ってどうする!つい正直に本音を言うなんて不覚だ。もう黙ります。
エイデンを見ると少し照れていた。おい嬉しがるなよ。
「じゃあ、俺はルアンの好きなところを言うね」
「おいおい、なぜそうなる」
そんな流れ求めてないぞ。無理しなくていいし、気を使わせているかもしれない。
「ルアンと仲良くなりたいから」
「そ、そんなに俺と関わりたいならいいだろう。…下僕なんてどうだ?」
にやりと悪役面をして見る。我ながら最低な案だと思う。下僕はさすがに嫌だろう。俺なんかと関わってもロクなことないし、あの面白かったアニメが俺のせいで今後台無しになってしまうかもしれない。制作人たちの苦労をたとえ現実ではなくても無駄にはしたくない。
「…いいの?」
「いや、嘘だろ」
なぜ喜ぶ。さすがに引くぞ。想像を超えるの何回目だよ。
「嘘じゃないよ。ルアンと関われるなら今はそれでもいい」
1,597
あなたにおすすめの小説
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
災厄の魔導士と呼ばれた男は、転生後静かに暮らしたいので失業勇者を紐にしている場合ではない!
椿谷あずる
BL
かつて“災厄の魔導士”と呼ばれ恐れられたゼルファス・クロードは、転生後、平穏に暮らすことだけを望んでいた。
ある日、夜の森で倒れている銀髪の勇者、リアン・アルディナを見つける。かつて自分にとどめを刺した相手だが、今は仲間から見限られ孤独だった。
平穏を乱されたくないゼルファスだったが、森に現れた魔物の襲撃により、仕方なく勇者を連れ帰ることに。
天然でのんびりした勇者と、達観し皮肉屋の魔導士。
「……いや、回復したら帰れよ」「えーっ」
平穏には程遠い、なんかゆるっとした日常のおはなし。
なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?
詩河とんぼ
BL
前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼不定期連載となりました。
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
【新版】転生悪役モブは溺愛されんでいいので死にたくない!
煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。
処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。
なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、
婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。
最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・
やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように
仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。
クレバーな立ち振る舞いにより、俺の死亡フラグは完全に回避された・・・
と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」
と言いやがる!一体誰だ!?
その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・
ーーーーーーーー
この作品は以前投稿した「転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!」に
加筆修正を加えたものです。
リュシアンの転生前の設定や主人公二人の出会いのシーンを追加し、
あまり描けていなかったキャラクターのシーンを追加しています。
展開が少し変わっていますので新しい小説として投稿しています。
続編出ました
転生悪役令嬢は溺愛されんでいいので推しカプを見守りたい! https://www.alphapolis.co.jp/novel/687110240/826989668
ーーーー
校正・文体の調整に生成AIを利用しています。
俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜
小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」
魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で―――
義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる