超絶美形な悪役として生まれ変わりました

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【ルアンside】



弟子になってあれから1週間。俺の魔力はとくに増えた感じはなく、何の変化もない日常を過ごしている。

ヘンリ爺さんには学びたい時に行きますとは言ったが行くとなるとエイデンがいるのが問題である。いじめてた俺が学園の外ではエイデンの爺さんの弟子ですなんておかしなことだ。一方エイデン自体は気にしていない感じだったが俺は気にする。普通は自分のこといじめてたやつなんてムカつくだろ。こんな悪役なんて放って置いていいだぜ…エイデン。学園では何とか俺と話そうとエイデンは近づいてきたが瞬時に察知し避け続けた。

エイデンは魔力量がすごいためいつも周りには誰かいたため、何とか逃れたこともあった。


そんなことより勉強しなくては。色々考えることもあり、集中力が欠ける。ヘンリ爺さんと会ってから、自分のことが少しわかった。


簡潔にまとめると、目利きが物凄く良いことと、精霊が見えること。たまに声も聞こえる。

思い返すと、あの時の魔法石も適当にいいと思ったものを選んだだけなのになぜか聖水作れるとかどんなバグですか。自分の才能怖いんだけど。

だから精霊のことが書かれている本を読み漁った。読み漁って思ったんだけど不思議でたまらないことばかりだった。精霊が見えるということは少なくとも嫌われていないということでしょ。俺、精霊に好かれる要素あった？自分で思ってて目から汗が出そうだけど。謎だよね。謎すぎる。大袈裟だが人類最大の謎だと思う。

本当に精霊さんには申し訳ないだが意味わかんないだが。せめてさ、悪魔にならわかるよ。理由も察するし。逆に精霊が見えるのが怖い。


精霊というのはそれはまあ神秘的な存在であり、自然界と深い繋がりがある。味方につけると、水や土、風などを操ったり、身を守ってくれるとされている。まあ、一方で、怒らせるとやばいらしいが。


こうなったらさ自分の才能を活かして、将来は自然界で過ごそうかなとか思ったりもしたよ。だって魔力は壊滅的だし。自給自足ってのもなんかいいかもね。『落ちこぼれの精霊使い（ルアン）は自然界で無双する』って別のアニメ始まっちゃうかもしれないし。そんな上手く行くわけないけど、大きな夢くらい持ったっていいよね。






「やっと見つけた」


「な、ぜここが」


妄想に浸っていると、最近お気に入りの空き教室に入ってきたのはエイデンだった。どうしてこの場所がわかったんだ。この空き教室は静かで人気がないため勉強が捗る最適な場所であった。





「どうして避けるの？」


「避けるって…だから！俺は関わりたくないの」




あぁ、心が痛むから関わらないでくれ。胃がキリキリしちゃうよ。




「でも俺は、ルアンの下僕でしょ？」