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しおりを挟むどう見てもピッタリって言った?どう見たらそう思うんだよ。は…?何言ってんだ。どうか今のは聞き間違いであってくれと思った。
「お、お前って本当よくわからないやつだな。最初からそう言えよ。ちっ、ずっと嫌がってたのって照れ隠しだったのかよ。くそ、全く遠回りさせやがって」
「ちょ、あの意味が…」
話が全然見えてこないんですけど。何かとてつもなく大きな誤解をしているようだ。
「安心しろ。俺たちのことよく思わないやつなんていねぇから」
「顔近くないですか離れてください」
「そ、そうか?」
急に距離感バグるのやめてほしい。周りを見ると行き交う人やその場にいた者たち、遠目でもわかるくらい冷ややかな目を向けられていた。
「あと全然安心できないから。ほら周りを見てください」
「あれか。あれはただ俺を羨ましがっているだけだ。気にする必要ない」
うん。意味わからん。誰かこの人どこかへ連れて行ってくれ。どうやったらそういう解釈できるんだよ。あとさ覚えていないとは言わせないけど中等部の時、確か13歳。今は落ち着いているけどそん時のお前めちゃくちゃやばかったからな。それを耐え抜いてきた俺すごいと思う。
「なんか誤解しているようだけど、マジで婚約なんて無理だから。人のこと誘拐しようとしたり、私物を隠したりさ、あと悪い噂流して孤立させようとしたりしたこともあったね。要するにそんな人とは一緒にいたくないし、正直迷惑です」
そうだ俺はあの2年前の地獄を見てきた者だ、面構えが違う。この台詞言いたかっただけだろと思うけど本当のことだから。刺激せず良い印象を与えたいが不可能に近いと思う。
ダリルは俺のこと可哀想だと思っておきながらどうやら俺を孤立させたいらしい。当時はいじめだよねとすぐ悟ったくらい。とことん俺のことが嫌いなのは知っているからさ、頼む。嫌いなら放っておくのが一番だよ。関わらないでほしい。
「な、何言ってんだよ。誘拐なんかしてないし、私物だってすぐ出てきただろ?悪い噂なんて実際お前がしてきたことだし、というかそんな噂すぐ消えただろ!」
あれこいつ反省のかけらもないぞ。犯罪ですよ?逮捕してください。まあ、証拠なんてないからな…。法で裁けないなんて…悔しい。ここで日本の法律が通じるとは思わないが。
「あーはいはい。わかりました。俺なんかに構ってないで他の子口説いた方がいいよ。あとこの時間も、もったいないし剣の訓練にあてたほうが絶対いい」
「何だよ、他の子って。気にするなって言ってるだろ。俺と釣り合うのはお前だけだ。そ、それにお前以外興味ないし…け、剣を頑張るのだって、お前のためだし…?」
最後ごにょごにょと声が小さくなる。助言したが全く耳に入れてくれなかった。そうか…悪い奴は意地でも逃さないってか。さては腕を磨いて最終的に剣で葬る気じゃないだろうか。
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