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しおりを挟むとても豪華なパーティー会場に着き、中に入ると広く、大理石でできた床、天井はシャンデリア、ビュッフェ方式で並べてある見たことない美味しそうな食事の数々。
何といっても、参加している人たちは、ダイヤモンドなどの宝石類、アクセサリーは高級品を身に纏っている。すごい…。また異世界のきたのではないかと錯覚してしまった。
俺たち、ワグナー家が中に入るなり、視線が思うほど痛く突き刺さった。
「アレン、いい?ここではマリーのフリを通すのよ」
お母様は、小声でそう言ってきた。
いくらマリーと双子だからって男だしバレないか心配だ。俺、変じゃないよね?すっごく見られている。何か嫌だな…。
食事でもして気を紛らわそう。 そう思い、目の前にあった食べやすい大きさのケーキをとり食べた。…なにこれ美味しい。
「ねぇ、君」
「わっ!」
後ろから急に声をかけられ、俺は盛大に驚いてしまった。
「驚かせてしまい、申し訳ないことをした」
そこには頭を下げ、俺と同じくらいの男の子がいた。銀色のアップバングヘアに、茶色の瞳。整った顔のパーツ。顔を見て、すぐに将来イケメン予備軍だと思った。でもこの顔どこかで見たことがあるんだよな…。どこだっけ。この優しそうな雰囲気…、思い出せない。
「こんばんは、ワグナー家の皆さん」
すると、その男の子の両親らしき人が俺たちに挨拶してきた。
「あら、これはこれは陛下ではありませんか」
親が頭を下げたので、一応それにつられて俺もそうした。 陛下…?て、いうことは。
「初めまして、僕はリアム・サイラス。一目、君を見た瞬間魅了されてしまいました」
俺の手を取り、手の甲にキスをした。
うわ、まじか。
俺の耳が正しければ、リ、リアム・サイラス…だと!?
え?ちょ、まじ?俺の推しキャラじゃん!!だからどこかで見たことあると思ったら…、めっちゃ面影あるじゃん。
「君のエメラルドの瞳、とても綺麗で素敵だ」
「あ、ありがとうございます。私の名前はマリー・ワグナーと言います」
このパーティーでまさか攻略対象であるリアム・サイラスに会うなんて想像しなかったぞ。
「ふふ、リアムが口説いているぞ」
「あら、マリー良かったわね」
おいおい、そこの両親ら。
急なこの状況についていけないのですが。
「せっかくだし、二人で少し話しみたらどうかしら?」
リアムの母親が面白そうにそう言った。王族が言ったらこっちは断りづらいだろうが。
「じゃあ、マリー。リアム王子とたくさんお話ししてきなさいね」
お母様はリアムなら一緒にいさせて安心だと思ったのか、俺をすぐに捨てた。
待て待て。お願いだって!
二人きりにするなよ!!
「では、行きましょうか」
リアムは優しく俺の手を握って、テラスの方へ案内してくれた。
状況が全く掴めていないのは多分、俺だけだと思う。
「君を独り占めにして悪いことしたな…」
「え?」
「僕だけでなく、会場の皆が君に夢中だった。それを横から僕が…」
「そ、そんなことないですよ!私なんかリアム様ほどでは」
悲しいがあの視線たちは俺に夢中になったわけではなく睨みつけていただけだと思う。
「マリーはとても魅力的な人だ。あと、僕はリアムでかまわないよ」
「い、いいんですか?ありがとうどざいます」
うわぁ、なんだよ。リアム様、神かよ。
一応王族なのに8歳にしてもうすでに紳士かよ。
こういう性格だから俺は推していたんだよなぁ。
あー、懐かしいぜ。
懐かしんでいる俺の横でリアムは、熱いくらいの視線を送ってくる。
あぁ、推しキャラ尊い。
もう尊と過ぎて顔が見れないんですけど。
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