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◆あなたが俺の運命の人です!
しおりを挟む本人公認ストーカー受け
日和颯汰
無気力攻め
曽我鼓
その他
颯汰の幼なじみ:東条明希人
ヒロイン?:朝比奈芽唯
◇◇◇
小さい頃から、ドキドキするような恋に憧れていた。恋をするなら絶対素敵な人と決めていた。それがついにきたのだ。
「好きです!王子」
「僕は王子じゃないよ」
「いえ、あなたは間違いなく王子であり、俺の運命の人です!あの日のことは忘れられません!」
胸に手を当てあの運命の日のことを思い出す。俺、日和颯汰は先月、王子ことこの曽我鼓に恋をしてしまった。
話せば長くなるが、簡単に言うと、走って転んだところに手を差し伸べたのがこの曽我鼓だった。見た目もマジ王子って感じで大好きだ。もうその日から『何この人好き』っていう気持ちが止まらなくて出会ったその日に告白をしたがなぜか振られてしまった。
俺たちは運命の相手だと説明しても笑顔で断り続ける王子。毎日告白しては、放課後は後をつけてお守りしている。どうやったら、付き合ってもらえるのかわからない。だって俺は恋愛初心者であり初めて好きになったのだ。誰にもこの気持ちは止められない。
「もう僕は帰るね、ストーカーさん」
「あ、待って!王子!!」
王子との甘酸っぱい出会いのことを思い出し浸っていたらどこかへ行こうとしたので、慌てて後をついていった。何度も振られたって諦めきれない。だって好きになったんだもん!この気持ちはそう永久不滅なのだ!
そして、王子を家まで見送ったあと、そそくさと家に帰って今日の王子のことを思い出した。
「はぁ…、王子かっこいい。」
隠し撮りした王子の写真にキスをした。王子に出会ってから俺は毎日ドキドキが止まらなかった。恋っていいね。もう毎日がバイブスいと上がりけりのやばたにえんのムーリー春雨ですよ。俺の心はもう王子のものってね。
一人部屋にニヤニヤしながら王子コレクションを眺めていたら、窓から誰か入ってきた。窓から入ってきたということは誰だか想像がつく。
「颯汰お前よくも飽きずに」
写真にちゅちゅしている俺を見て、幼なじみの東条明希人がため息交じりそう言ってきた。
「窓から勝手に入ってくるなよ。てか別にいいじゃんか!」
お隣に住んでいる明希人とは、たまにこうやって勝手に窓から俺の部屋に侵入してくる。恥ずかしいことを何度見られてかわからない。
「王子なんかやめろよ」
「やだ、無理。恋が走り出したら止まらないだよ」
「どこかの曲に出てきそうなフレーズ言うな。王子なんかより」
「なに?」
「な、何でもない!写真にキスするとか気持ち悪い」
とだけ言って、窓から帰っていた。一体何しに来たんだ。文句だけ言いやがって、俺の王子への思いがまだまだ足りないってことか?だったら本気見せちゃいますよ。
そうと決まれば、夜は21時に眠り朝5時に起きた。そして王子のために初めて愛情込めてお弁当を作った。喜ぶ王子の顔が浮かぶ。
「ふふ!美味しくな~れ!美味しくな~れ!」
とおまじないをかけながら弁当を作った。少し指をケガしたけど王子のためなら痛くない。
そして7時には王子の家の前についた。朝だから寒いなと思いながらも王子が出てくるまで待った。
「王子おはよう。一緒に学校いこ!」
「なんでここに」
家から出てきた王子に挨拶をしたら、驚きも含めた嫌な顔をされた。何せ朝は来たことなかったから驚くのも無理ないか。
「へへっ朝早く起きて王子の顔が早く見たかったから来ちゃった」
「ふーん。まぁ別にいいけど、頬赤いね。もしかして朝早くから待っていたの?それになんか指ケガしていない?」
「あ~ん!王子が俺を心配してくれている!感動」
嬉しくてさりげなく抱き着くと、さらっと避けられた。そうですよねー、わかってましたよ。でもそこがいいんですよね。
「早く学校行かないの?置いてくよ」
「え!それは一緒に行ってもいいってことでいいんですよね!!!ま、待ってよ!!」
いつもは隠れながらだったけど、こうやって王子の隣で歩けるなんて嬉しすぎるよ。
早く、お昼になってお弁当を渡したらどんな顔するかな。楽しみだ。
「お前、またアイツのこと考えているだろ」
「やっぱりわかっちゃう?」
顔に出てしまうほど王子のことを思っているからね。ちなみに王子とは同じクラスだ。あと明希人も。まぁ残念なことに王子と席は離れている。明希人は俺の隣だけど。それよりもあと1分だ、あと1分でお昼!そして授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
よしっ!!俺は鞄からお弁当を取り出して王子のいる席に走った。
「王子!!」
「だから王子じゃないって…」
「こ、これ良かったら食べて!!!」
王子の机に今日の朝、愛情込めて作った弁当を置いた。
「なにこれ」
「王子のために作ってきたんだ!」
「あ、もしかしてだから、その指ケガしてるの?」
「王子優しすぎてもっと好きになっちゃう!」
惚れ直しちゃうよ。どんどん好きになっちゃう。心臓もたないよ!そんなことを思っていたら、隣から現れた幼なじみに邪魔された。
「付き合う気ないならお前からやめさせろよ」
明希人は、王子に向かってそう言い、俺がさっき机に置いた弁当を取り上げた。
「別に僕は彼の行動に困っていないから」
そうかっこいい言葉を言って、明希人が取り上げた弁当をとった。え、なにこれ最高かよ。隣にいた明希人は舌打ちしてどこかへ行ってしまった。いざって時にかばう王子大好き。
「あぁもうかっこいい。そういうとこ大好き付き合って」
「まぁ付き合うのは勘弁だけどね」
「そ、そんなぁ~」
だけど、俺はこれからも諦めません!もういくら俺を夢中にさせたら気が済むの!
本当大好き。
「王子付き合って!」
「悪いけど、それはできない」
今日もいつものように玉砕し続けたある日のこと。放課後、後ろから王子を家まで見送ったあと、公園の横を通るとベンチに座って泣いている女の子がいた。なぜか放っておけなくて声をかけてしまった。
「大丈夫?」
ハンカチを渡した。
「…っ、ありがとうございます」
落ち着いたところで訳を聞くと、飼っていた犬がいなくなったらしい。彼女が散歩中に逃がしてしまい、親に厳しく怒られたらしい。
「…わ、私…っポチに会いたいっ、私のせいでポチは…」
「大丈夫だよ、芽唯ちゃん!俺がポチを探してあげる!」
「本当?見ず知らずの私の話を聞いてくれたのにポチを探してくれるなんてありがとうございます」
嬉しそうに最後、笑顔を見せる芽唯ちゃんに不覚にもドキっとしてしまった。
ん?あれ…これって恋?
いやいや違うぞ。俺には王子が!
俺は一途な男なんだ!と思いつつも芽唯ちゃんが可愛いのに変わりなかった。芽唯は、近くの女子高の生徒であり、なんと俺と同い年。本名は朝比奈芽唯ちゃんっていって、見た目は美少女ですごく良い子だった。
次の日から毎日、ポチを探すことになった。芽唯ちゃんと関わっていくうちに、ある感情が芽生えてしまった。
もしかして俺の運命の人はこの子なんじゃって。
いやだから何を考えているんだ。俺の運命の人は王子ただ一人だけだ!!!!
冷たいところもあるけど、中身は優しいんだ。ポチを探しながら、間違えるな俺と葛藤していた。
またその次の日、学校が終わり、ポチを探しに行く前に芽唯ちゃんと会う約束をしているので女子高の校門の前で芽唯ちゃんを待っていると、思いもよらない人がきた。
「最近放課後、僕のあとをついてきていないと思ったら、こんなところで何しているの」
「え、っと…」
なんで王子がここにいるの?え、もしかして女子高の誰かと付き合っているとか?!いやだ、それは。と頭の中混乱していた。
「君がストーカーしていいのは僕だけでしょ。なんでよそ見してんの?最近、お弁当も作ってきてくれないし」
「あぁ王子好き!!!」
盛大に女子高の前で王子に抱きついてしまった。やっぱり俺は王子が好き。もしかして、王子が俺のあとをついてきたの?待って嬉しすぎる。
あと勘違いしているみたいだけど、俺は王子にしかストーカー行為していないよ!王子にメロメロな俺。もう目がハートになっていることを自覚するぐらい。
すると、タイミング悪く、遠くの方から芽唯ちゃんが走ってきた。
「あ、いたいた。颯汰くん!ポチが家に帰ってきてくれたの!今まで手伝ってくれてありがとう」
「え、見つかったの!?」
「うん!貼り紙を見た人が届けてくれたの!!これも協力してくれた颯汰くんのおかげ!」
「良かった、見つかって」
本当に良かった。これで俺も放課後は王子の時間に使えると安心した。
「それでね、私、颯汰くんのこと好きになっちゃった!!!」
「え?」
「付き合ってください!」
顔を赤くした芽唯ちゃん。待って今、告白された?え、なにが起こっているの!?またも頭が混乱する。混乱している俺の隣で、王子が俺をかばうように前に立ち、
「これ僕専用のストーカーだから、勝手に話しかけないでくれる?」
といって気づいたら、王子の家の部屋にいました。
「颯汰。わかっているよね?」
「へっ…」
ガチャリと、何かが嵌った音。
なにこれ首輪…?王子を見れば、いつもキラキラした笑顔がそこにはなかった。
俺の大好きな王子はどこへ?
【完】
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