【完結】かわいい美形の後輩が、俺にだけメロい

日向汐

文字の大きさ
25 / 33

かわいい美形の後輩が、俺にだけメロい

しおりを挟む



──…り、せんぱい


なんか、聞こえる…気がする。


──…ご飯…ますよ、…てください


優しい声。
好き、だなぁ…


──………ですか?


「……起きないなら、キスしますよ」
「っ!?」


耳元で囁かれ、驚きで目を開く。
目の前には、千冬の蕩けるような笑み。
綺麗な顔…。


「伊織先輩、おはようございます」
「ち…、…は、はよ……」


朝から心臓がバクバクと忙しすぎる。
上体を起こして、呼吸を落ち着ける。

そうだ…、昨日、俺は千冬に告白して…、…キス、して……。


「朝ご飯できてますよ。早く起きてください」
「お、おぅ…。さんきゅ…」


千冬の顔をぼんやり見ながら、昨日のキスを思い出して、頬が熱を持つ。
頭も、ちょっと、ぼーっとする…。


「…先輩、そんな顔して」
「へっ!?な、何だよ」


千冬が俺の体の横に手をつく。
鼻先がつく距離で、綺麗な二重の下で、甘い栗色が細められた。


「……本当に、キス、して欲しいんですか?」
「え、…っ」


答えるより前に、唇に柔らかいものが触れる。
唇から、気持ちよさと幸福感が流れてきて、ゆっくり目を瞑った。


──ちゅ、


少しの間、触れていた唇は、優しく吸われて、微かなリップ音だけ残して離れていく。
千冬が小さくため息をついた。


「これ以上は、ダメですよ。…僕が、耐えられません」
「……、」
「伊織先輩」


名残惜しくて、無意識に手を伸ばす。
すると、千冬がその手を取り、指先にそっとキスを落とした。


「ゆっくり進めるって、昨日約束したばかりですよ」
「う、ん…」
「僕は、先輩がいいって言ってくれるまで、ちゃんと待ちます」
「……おう、」
「だから、…あんまり、煽らないでくださいね」
「煽ってなんか、ねぇけど」


そんなつもりはない。
少しムッとした口調で反論すると、千冬は眉を下げて困ったように笑った。


「知ってます。…そんなとこも、本当にかわいいです」
「はぁ?」


千冬は、俺の手を自分の頬に当て、うっとりした目で、頬擦りする。
きめ細やかですべすべの肌に、本当に俺と同じ男かと疑いたくなる。


「僕の恋人になってくれて、ありがとうございます」
「何だそれ…」
「一生、大事にします」
「…っ、」


そう言って長いまつ毛を伏せると、再び俺の手に唇を寄せた。
また鼓動が速くなる。
顔も手も、熱ぃ…。


「さあ、朝ご飯食べましょうか。起きれますか?」
「…ん。ありがとな」


千冬が顔を離し、俺の手を引いてくれる。
ベッドから降りて、千冬に向かい合って立つと、千冬はそのまま俺の手を胸の高さで持ち、恭しい態度で俺に微笑んだ。


「お席までご案内します。僕のお姫様」
「俺は姫じゃねぇから。くらえ!」
「ふふ、あ、やめてください!あはは」


調子に乗っているふわふわのピンク頭を、荒く撫で回してやる。


かわいいのはどっちだよ。全く。


千冬が楽しそうに笑うから、俺も一緒に笑う。


「わあ、いい匂いすんな」
「ホットサンドと、かぼちゃのポタージュですよ」
「それ聞いたら尚更腹減ったわ」
「ふふ、たくさん食べてください」


子供みたいに笑って、ジトっとした目で拗ねて、やたら俺の世話を焼いて。

なのに、たまに見せる甘い顔で、俺をクラクラさせる…。


「ありがとな、千冬」
「どういたしまして。伊織先輩に好きになってもらえるなら、いくらでも作りますよ」
「…もう好きだって、言ってんだろ」
「っ、そうでした。じゃあ、もっと好きになってもらうため、ですね」
「…そうかよ」
「大好きです、伊織先輩」
「………俺、も」











このかわいい後輩に、俺は、まんまと惚れさせられている。












──かわいい美形の後輩が、俺にだけメロい



                おわり♡






⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆


最後までお読みいただきありがとうございました。
いいねやエール、しおりにお気に入り登録、ぜんぶぜんぶ、とっても励みになってます!
今後はX(ベッター)の方に、番外編をいくつかあげていく予定ですので、良かったら覗いてみてください♡ ˎˊ˗

本当にありがとうございました!


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】君を上手に振る方法

社菘
BL
「んー、じゃあ俺と付き合う?」 「………はいっ?」 ひょんなことから、入学して早々距離感バグな見知らぬ先輩にそう言われた。 スクールカーストの上位というより、もはや王座にいるような学園のアイドルは『告白を断る理由が面倒だから、付き合っている人がほしい』のだそう。 お互いに利害が一致していたので、付き合ってみたのだが―― 「……だめだ。僕、先輩のことを本気で……」 偽物の恋人から始まった不思議な関係。 デートはしたことないのに、キスだけが上手くなる。 この関係って、一体なに? 「……宇佐美くん。俺のこと、上手に振ってね」 年下うさぎ顔純粋男子(高1)×精神的優位美人男子(高3)の甘酸っぱくじれったい、少しだけ切ない恋の話。 ✧毎日2回更新中!ボーナスタイムに更新予定✧ ✧お気に入り登録・各話♡・エール📣作者大歓喜します✧

【完結】俺の顔が良いのが悪い

香澄京耶
BL
顔が良すぎて祖国を追い出されたルシエル。 人目を避けて学院で研究に没頭する日々だったが、なぜか“王子様”と呼ばれる後輩ラウェルに懐かれて――。 「僕は、あなたそのものに惚れたんです。」 重くて甘い溺愛攻め × こじらせ美形受 ※イラストはAI生成です。

地味な俺は、メイクしてくるあいつから逃げたい!!

むいあ
BL
___「メイクするなー!帰らせろー!!」___ 俺、七瀬唯斗はお父さんとお母さん、先生の推薦によって風上高校に入ることになった高校一年生だ。 風上高校には普通科もあるが、珍しいことに、芸能科とマネージメント科、そしてスタイリスト科もあった。 俺は絶対目立ちたくないため、もちろん普通科だ。 そして入学式、俺の隣は早川茜というスタイ履修科の生徒だった。 まあ、あまり関わらないだろうと思っていた。 しかし、この学校は科が交わる「交流会」があって、早川茜のモデルに選ばれてしまって!? メイクのことになると少し強引な執着攻め(美形)×トラウマ持ちの逃げたい受け(地味な格好してる美形)

兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?

perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。 その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。 彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。 ……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。 口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。 ――「光希、俺はお前が好きだ。」 次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。

拾った異世界の子どもがどタイプ男子に育つなんて聞いてない。

おまめ
BL
召喚に巻き込まれ異世界から来た少年、ハルを成り行きで引き取ることになった男、ソラ。立派に親代わりを務めようとしていたのに、一緒に暮らしていくうちに少年がどタイプ男子になっちゃって困ってます。 ✻✻✻ 2026/01/10 『1.出会い』を分割し、後半部分を『2.引き取ります。』として公開しました。

本気になった幼なじみがメロすぎます!

文月あお
BL
同じマンションに住む年下の幼なじみ・玲央は、イケメンで、生意気だけど根はいいやつだし、とてもモテる。 俺は失恋するたびに「玲央みたいな男に生まれたかったなぁ」なんて思う。 いいなぁ玲央は。きっと俺より経験豊富なんだろうな――と、つい出来心で聞いてしまったんだ。 「やっぱ唇ってさ、やわらけーの?」 その軽率な質問が、俺と玲央の幼なじみライフを、まるっと変えてしまった。 「忘れないでよ、今日のこと」 「唯くんは俺の隣しかだめだから」 「なんで邪魔してたか、わかんねーの?」 俺と玲央は幼なじみで。男同士で。生まれたときからずっと一緒で。 俺の恋の相手は女の子のはずだし、玲央の恋の相手は、もっと素敵な人であるはずなのに。 「素数でも数えてなきゃ、俺はふつーにこうなんだよ、唯くんといたら」 そんな必死な顔で迫ってくんなよ……メロすぎんだろーが……! 【攻め】倉田玲央(高一)×【受け】五十嵐唯(高三)

たとえば、俺が幸せになってもいいのなら

夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語――― 父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。 弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。 助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。

弟と妹より劣る僕が自信家を演じてたら、部下にバレた件

ゆきりんご
BL
【重い感情を隠している年下敬語攻め×自己肯定感低い年上受け】 イリアスは職場で「優秀で顔もそこそこ良くて頼りになる上司」を演じているが、本当は自信がない。付き合っていた相手に振られることが続いてさらに自信をなくした。自棄になろうとしていたところを、気になっていた部下に止められて、成り行きで体の関係を持つことになり……?

処理中です...