痛いよ

本音

俺がさいごに見たのは赤く光るものだったはず

「危ない！」
その瞬間、俺は後ろに強く引っ張られた
「…ぁ」
「何してるの…」
トラックが通り過ぎる。俺はあのトラックに轢かれて死ぬつもりだったのに
「…」
俺はこいつに引き止められた
「悩んでるなら話してよ…」
「…親無しのお前には分からないだろ…」
「分からなくても支えることぐらいは僕にだってできるよ！」
「…」
「…ど…どうしたの…？」
視界が…ぐるぐるする…あたまいたぃ…
「顔色が…ちょ…病院…！」
「ゃ…ぁ…びょ、う…ぃん…は……だめ…」
山奥に捨てられる…いらない子って言われて…やめて…
「救急車…ぇっと…何番だっけ？！」
「…げほっげほっがはっ」
ぁれ…赤いの吐いた……

「…ぅ…ここどこだ…」
「動いちゃダメ！」
「ぇっ…ぁ…うん…」
「体痛いところある？」
「大丈夫…」
「お腹とか痛くない？」
「なんでそんなこと聞くんだよ…」
「君倒れたんだよ！僕びっくりしたよ…急いで救急車呼んだけどさ…」
「…」
「体とか傷だらけで限界なんだって…しばらくは病院で安静にしてて…」
「…入院…？」
「うん…」
「ぇ…ゃ…やだ…帰る…」
「ダメだよ…」
「山に捨てられたくない！帰る！」
「ダメだってば！山に捨てるような親なら縁切れ！！」
「無理だよぉぉ…」
一人じゃ暮らせない…
「…ほら…これで拭いて…」
ぁれ…また泣いて…？
「ぅ…ぅぁ…ぁぁあぁああぁあぁぁぁっっ…」
止められない…
「疲れたよね…」
「ぁぁあぁぁぁぁぁああぁ…」
撫でるなよぉ…もっと泣きたくなるだろぉ…