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真夜中の打ち明け話なんてホラー感たっぷりだわ。
ふてくされてマリアは冷めたコーヒーを啜った。
今日は2日目の夜。いえ、もう3日目の朝。
次第に白い光を満たし始める部屋をぼんやりと眺める。
何て2日だったのかしら。
いえ、本当に2日だったのかしら。
あまりにも長い時の話を聞かされて、自分もクリスと一緒に数百年生きてきたような気がする。
気持ちが老いるって、きっとこういうことね。
2日ぐらいでは体は変わらない。せいぜい食べたものが順調に消化されていくぐらい。皮膚も変わるかしら。髪の毛や爪は伸びてるわよね、少しだけど。
芽理。
友達も居たでしょうね。親類も居たかも。
でも、アシュレイと関わるにつれて、全てが周囲から消えていく。
それを受け入れる覚悟が私にはないって、クリスは気づいてる。
何があなたを支えたの、と芽理に聞くと、悪戯っぽい顔をして答えた。
『マース。でもそれだけじゃなくて、遺跡と文明かしら』
ひどいよ芽理、と唇を尖らせそうなマースはとても可愛らしかったけれど、言いたいことはわかった。芽理は民俗学を専攻していた。確か、水尾というのはその時の仲間だ。
『人の命では辿り着けない場所へ、アシュレイならば行けたのよ』
不死であることは危険に踏み込む強さをくれる。研究に長い時間をかけられる。
『でも、人もまた、何十世代も、何百世代もかけて、1人では行けないところを踏破してきた。その強さに支えられたの』
数々の研究を追ううちに気がついた、と芽理は話した。途切れそうになる道を繰り返し繰り返し踏み直して、人は文明を紡いで来た。
『人は何を求めているのか。アシュレイなら見えてくるかもしれないと思った』
「アシュレイなら、できること」
冷たいコーヒーを呑み干して考えた。
芽理のやり方はマリアには無理。
「危険に踏み込む、長い時間をかけられる、1人では行けないところへ行ける」
マリアができる、そういったこと。
それが見つかれば、クリスと一緒に生きられるかしら。
「…あなた、馬鹿だわ、クリス」
微笑んだ。
「アシュレイの男って、女の気持ちがわからない人ばっかりなのね」
だって、ほら、どうでもいい男のために女は時間を使わないものなのよ。
「始めましょう」
立ち上がって歩き出す。
マリアはクリスを愛している。
後はそれを思い知らせてやるだけのこと。
街外れに図書館があると聞いた。
アシュレイ家にもとんでもない数の蔵書があるらしいけれど、必要なのは思考をジャンプさせる道具。
PCコーナーでネットサーフィンを始める。気になる項目を次々に飛んで、関連した書架から閃きのままに本を抜き出し広げる。
半日は瞬く間に過ぎた。見えないものを探すのは本当に難しい。
けれど声が呼んでいるのがわかる。
ここにあるわ、ここなのよ。
繰り返し繰り返し響くコール。
「見つけられればいいんだけど」
目を閉じて呟き、吐息をつく。
煮詰まってきたのがわかった。
同じ場所をぐるぐる回っている。しかも全く関係のない場所を動いているのではなくて、すごく近い所に辿り着けなくて周囲を回っている感覚がある。
ぼんやりしていた指先がキーに触れた。小さな音が響いて目を開ける。
画面が変わる。真っ青な背景に笑い合う人々と白地に抜かれたことば。
『スティングレイ財団は、あなたの未来に投資します』
TOPはニア・スティングレイの笑顔。
マリアは戸惑いつつ眺めた。
偶然というものはないと言われている。これもまた、何かからのメッセージなのだろう。だが、そういうオカルト的なものではなくて、マリアはそこに確かに探しているものがあると気づいて戸惑っている。
「何、だったかしら」
眉を寄せて考え込む。
確かにマリアはスティングレイ財団の何かを思い出そうとしている、しかもクリスにこの先関われることで。
「何を見ているのかしら」
TOPをスクロールしていくと、スティングレイ財団の入り口にある、財団の歩みを展示したパネルが並ぶ。
初めは小さな雑貨商だった。
数世代前のギル・スティングレイは小さな街の小さな店の主だった。街にはギルのところしか店がなく、あらゆるものを取り扱わなくてはならなかった。荷馬車の前で照れたように笑う背の低い男だ。
細々とした品物を注文され、まとめて大きな街に仕入れに行く。買い物に行けたのは数週間に1度だったから、ギルは出かけた際に先々必要になりそうなものを一緒に買うことにした。新婚夫婦が新居を飾るカーテン布地を求めに来たら、ベビー用品を準備するようにした。老人が1人暮らしになったら、杖や伝言メモ、レターセットを購入し、それとなく訪ねて入り用を聞くようにした。
ギルには息子と娘が1人ずつ居て、日々忙しくなるばかりのギルを手伝うようになった。妻は早くに亡くなっていたので、息子が仕入れを、娘がご用聞きを担当し、それぞれに結婚して店を増やした。
やがて『ギルの店』は卸し管理と流通を充実させ、ちょうど通った鉄道と高速道路を利用して見る見る発展していった。
『必要なものを必要な人の手に』
スティングレイ財団の基本はそのことばに集約されている。
ニア・スティングレイの時代になって、新たな形態が始まった。十分に資本を蓄えた組織が、見込みがあると見極めた研究機関や施設、個人に対して出資するようになったのだ。低利子でしかも多額の貸し付けを行う遣り口は、いろいろ陰口を叩かれはしたけど、結果を出した時に財団の名前を高め、先見の明を讃える喝采となった。
現在、スティングレイ財団の関わっている事業を並べた写真を眺める。
医療・通信・運輸交易・他国援助・紛争への人道支援・文化後援……。
それぞれクリックすれば、専門部門の詳細な説明へと移る。
マリアの目は一つの画面に釘付けになった。
その瞬間、背後からの視線を感じて振り返る。
「…アルディッド…?」
本棚の陰に素早く身を隠したけれど、特徴的な髭は忘れられない。
「こんなところに?」
しかも、マリアを見ていた。
不安になって立ち上がる、その矢先、ぽん、と肩を叩かれて悲鳴を上げた。
「きゃああっ」
全ての物音が消えて動きが止まった。沈黙の中、立ち竦んだ相手が困り顔で片手を差し上げる。もう片手にはひどく不似合いな赤いチェックの布をかけたバスケット。
「えーと、奥様?」
「…クリス」
ざわめきが戻った。やれやれ何だよ一体どうしたの傍迷惑な。
ちらちら見られる視線が刺さる。
「出てもいいかな?」
クリスが図書館の出口を指し示した。
「え、ええもちろん」
慌てて本を片付けながら、もう1度背後を振り返る。
アルディッドの姿は消えている。
「何?」
「今そこに、アルディッドが居たの」
「アルディッド?」
芽理達と同じようにクリスが訝しげな顔になった。
「誰だい? 俺は妻が別の男の名前を気にするのを怒るべき?」
「怒ってくれると嬉しいけど…あなたも知らないの?」
「あなたも、って?」
クリスはマリアがPCを閉じ、書棚に本を戻すのに付き添いながら首を傾げる。
「夕食に食堂に居てくれた人。でも、芽理もマースも知らなかった」
「食堂に居たのはランカスだけど。焦げ茶色のくせっ毛の」
「別人ね。黒髪で、黒い髭。バリトンで歌がうまい」
「歌?」
「…『コニファーガーデン』を歌ってくれたの」
不審そうに尋ねていたクリスの顔から表情が消えた。
「…そう」
「それより、なぁに、そのバスケット。全然似合ってないわ」
「お昼を一緒にしないかなと思って」
クリスがちらりと布を上げてみせる。彩りよく整えられたハムやエビや卵、レタスにきゅうり、トマトがいろいろな種類のパンにサンドされている。
「美味しそう!」
「気に入った? どこがいい?」
「……じゃあ、私達の庭で」
「…うん」
クリスが淡く微笑んだ。
ふてくされてマリアは冷めたコーヒーを啜った。
今日は2日目の夜。いえ、もう3日目の朝。
次第に白い光を満たし始める部屋をぼんやりと眺める。
何て2日だったのかしら。
いえ、本当に2日だったのかしら。
あまりにも長い時の話を聞かされて、自分もクリスと一緒に数百年生きてきたような気がする。
気持ちが老いるって、きっとこういうことね。
2日ぐらいでは体は変わらない。せいぜい食べたものが順調に消化されていくぐらい。皮膚も変わるかしら。髪の毛や爪は伸びてるわよね、少しだけど。
芽理。
友達も居たでしょうね。親類も居たかも。
でも、アシュレイと関わるにつれて、全てが周囲から消えていく。
それを受け入れる覚悟が私にはないって、クリスは気づいてる。
何があなたを支えたの、と芽理に聞くと、悪戯っぽい顔をして答えた。
『マース。でもそれだけじゃなくて、遺跡と文明かしら』
ひどいよ芽理、と唇を尖らせそうなマースはとても可愛らしかったけれど、言いたいことはわかった。芽理は民俗学を専攻していた。確か、水尾というのはその時の仲間だ。
『人の命では辿り着けない場所へ、アシュレイならば行けたのよ』
不死であることは危険に踏み込む強さをくれる。研究に長い時間をかけられる。
『でも、人もまた、何十世代も、何百世代もかけて、1人では行けないところを踏破してきた。その強さに支えられたの』
数々の研究を追ううちに気がついた、と芽理は話した。途切れそうになる道を繰り返し繰り返し踏み直して、人は文明を紡いで来た。
『人は何を求めているのか。アシュレイなら見えてくるかもしれないと思った』
「アシュレイなら、できること」
冷たいコーヒーを呑み干して考えた。
芽理のやり方はマリアには無理。
「危険に踏み込む、長い時間をかけられる、1人では行けないところへ行ける」
マリアができる、そういったこと。
それが見つかれば、クリスと一緒に生きられるかしら。
「…あなた、馬鹿だわ、クリス」
微笑んだ。
「アシュレイの男って、女の気持ちがわからない人ばっかりなのね」
だって、ほら、どうでもいい男のために女は時間を使わないものなのよ。
「始めましょう」
立ち上がって歩き出す。
マリアはクリスを愛している。
後はそれを思い知らせてやるだけのこと。
街外れに図書館があると聞いた。
アシュレイ家にもとんでもない数の蔵書があるらしいけれど、必要なのは思考をジャンプさせる道具。
PCコーナーでネットサーフィンを始める。気になる項目を次々に飛んで、関連した書架から閃きのままに本を抜き出し広げる。
半日は瞬く間に過ぎた。見えないものを探すのは本当に難しい。
けれど声が呼んでいるのがわかる。
ここにあるわ、ここなのよ。
繰り返し繰り返し響くコール。
「見つけられればいいんだけど」
目を閉じて呟き、吐息をつく。
煮詰まってきたのがわかった。
同じ場所をぐるぐる回っている。しかも全く関係のない場所を動いているのではなくて、すごく近い所に辿り着けなくて周囲を回っている感覚がある。
ぼんやりしていた指先がキーに触れた。小さな音が響いて目を開ける。
画面が変わる。真っ青な背景に笑い合う人々と白地に抜かれたことば。
『スティングレイ財団は、あなたの未来に投資します』
TOPはニア・スティングレイの笑顔。
マリアは戸惑いつつ眺めた。
偶然というものはないと言われている。これもまた、何かからのメッセージなのだろう。だが、そういうオカルト的なものではなくて、マリアはそこに確かに探しているものがあると気づいて戸惑っている。
「何、だったかしら」
眉を寄せて考え込む。
確かにマリアはスティングレイ財団の何かを思い出そうとしている、しかもクリスにこの先関われることで。
「何を見ているのかしら」
TOPをスクロールしていくと、スティングレイ財団の入り口にある、財団の歩みを展示したパネルが並ぶ。
初めは小さな雑貨商だった。
数世代前のギル・スティングレイは小さな街の小さな店の主だった。街にはギルのところしか店がなく、あらゆるものを取り扱わなくてはならなかった。荷馬車の前で照れたように笑う背の低い男だ。
細々とした品物を注文され、まとめて大きな街に仕入れに行く。買い物に行けたのは数週間に1度だったから、ギルは出かけた際に先々必要になりそうなものを一緒に買うことにした。新婚夫婦が新居を飾るカーテン布地を求めに来たら、ベビー用品を準備するようにした。老人が1人暮らしになったら、杖や伝言メモ、レターセットを購入し、それとなく訪ねて入り用を聞くようにした。
ギルには息子と娘が1人ずつ居て、日々忙しくなるばかりのギルを手伝うようになった。妻は早くに亡くなっていたので、息子が仕入れを、娘がご用聞きを担当し、それぞれに結婚して店を増やした。
やがて『ギルの店』は卸し管理と流通を充実させ、ちょうど通った鉄道と高速道路を利用して見る見る発展していった。
『必要なものを必要な人の手に』
スティングレイ財団の基本はそのことばに集約されている。
ニア・スティングレイの時代になって、新たな形態が始まった。十分に資本を蓄えた組織が、見込みがあると見極めた研究機関や施設、個人に対して出資するようになったのだ。低利子でしかも多額の貸し付けを行う遣り口は、いろいろ陰口を叩かれはしたけど、結果を出した時に財団の名前を高め、先見の明を讃える喝采となった。
現在、スティングレイ財団の関わっている事業を並べた写真を眺める。
医療・通信・運輸交易・他国援助・紛争への人道支援・文化後援……。
それぞれクリックすれば、専門部門の詳細な説明へと移る。
マリアの目は一つの画面に釘付けになった。
その瞬間、背後からの視線を感じて振り返る。
「…アルディッド…?」
本棚の陰に素早く身を隠したけれど、特徴的な髭は忘れられない。
「こんなところに?」
しかも、マリアを見ていた。
不安になって立ち上がる、その矢先、ぽん、と肩を叩かれて悲鳴を上げた。
「きゃああっ」
全ての物音が消えて動きが止まった。沈黙の中、立ち竦んだ相手が困り顔で片手を差し上げる。もう片手にはひどく不似合いな赤いチェックの布をかけたバスケット。
「えーと、奥様?」
「…クリス」
ざわめきが戻った。やれやれ何だよ一体どうしたの傍迷惑な。
ちらちら見られる視線が刺さる。
「出てもいいかな?」
クリスが図書館の出口を指し示した。
「え、ええもちろん」
慌てて本を片付けながら、もう1度背後を振り返る。
アルディッドの姿は消えている。
「何?」
「今そこに、アルディッドが居たの」
「アルディッド?」
芽理達と同じようにクリスが訝しげな顔になった。
「誰だい? 俺は妻が別の男の名前を気にするのを怒るべき?」
「怒ってくれると嬉しいけど…あなたも知らないの?」
「あなたも、って?」
クリスはマリアがPCを閉じ、書棚に本を戻すのに付き添いながら首を傾げる。
「夕食に食堂に居てくれた人。でも、芽理もマースも知らなかった」
「食堂に居たのはランカスだけど。焦げ茶色のくせっ毛の」
「別人ね。黒髪で、黒い髭。バリトンで歌がうまい」
「歌?」
「…『コニファーガーデン』を歌ってくれたの」
不審そうに尋ねていたクリスの顔から表情が消えた。
「…そう」
「それより、なぁに、そのバスケット。全然似合ってないわ」
「お昼を一緒にしないかなと思って」
クリスがちらりと布を上げてみせる。彩りよく整えられたハムやエビや卵、レタスにきゅうり、トマトがいろいろな種類のパンにサンドされている。
「美味しそう!」
「気に入った? どこがいい?」
「……じゃあ、私達の庭で」
「…うん」
クリスが淡く微笑んだ。
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