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2.報告書 I(1)
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「ん…」
数時間後、少年は俺の部屋のベッドで、熱っぽい寝息を立てていた。雨に濡れた服を引っぺがして見れば、信じられないぐらい色白の華奢な体つきで、下手に扱えば折れてしまいそうな細い脚と肩に、切られたような掠り傷があった。
「8度4分か……高いな」
「…滝様」
「ん?」
ドアの外から響く声に振り向く。高野だ。
「少し、お話が」
「わかった」
俺は体温計をテーブルに置き、部屋を出た。部屋の中を一瞥した高野が、ドアを閉める俺を見つめる。
「何だ?」
「いえ…ご容態は」
「熱が高いし、どうやら足も挫いているみたいだしな」
「…いつまで、いらっしゃる御予定でしょうか」
「高野」
思わず相手を見直す。
「ま…そりゃ、いきなり連れ込んだのは悪かったけどさ……放っとくわけにもいかんだろ?」
「はい…しかし」
「しかし?」
「坊っちゃまが」
「周一郎?」
「高野」
階段の下で話し込んでいた俺達は、聞いていたかのような声に遮られた。
「坊っちゃま…」
いつの間にか、階段の上から周一郎が見下ろしている。
「構わないと言っただろう?」
「しかし、今この時に、関わりのない方を」
「いい。それで、滝さん」
周一郎はことさら高野を無視して俺に話しかけた。何か言いたげに口を開いた高野が、諦めたように一礼して姿を消す。
「…良かったのか?」
「え?」
「高野。何か言いたそうだったぞ」
「…良いんです」
一瞬、周一郎の顔を寂しそうな表情が掠めた。が、それも瞬きの間程度、すぐにいつものように冷静な瞳になって、俺を見下ろしてくる。
「あの子は如何ですか」
「ああ…熱は高いけど、なんとか眠れているみたいだし………一応、今夜一晩、付いててやるよ」
「そうですか」
ゆっくりと階段を降りてきた周一郎は、俺の側で立ち止まると、静かに部屋の方を見遣った。
「何か気になるのか?」
「……『一般人』が『冗談』で刺されるはずがありませんからね」
「…すまん」
思わず顔が熱くなった。やれやれ、こいつに迷惑をかけるまいと思った矢先にこの始末だ。きっと俺は、前世からずっと厄介事を惹きつける体質だったんだろう。
「仕方ないですね」
ふ、と小さく吐息をついて、周一郎は視線を俺に移した。珍しく優しい瞳で笑いかけてくる。
「どうせ、放って置けないんでしょう?」
「まあ…その、な」
もじもじする俺に、くすくす笑って付け加える。
「わかってますよ、あなたの性格ぐらいは」
少年の名前は、セイヤ、と言った。その他の事については、とぼけているのか、本当にわからないのか、何を聞いても「知らない」の一点張りだった。
ただ、あの雨の日、それまでセイヤが世話になっていた相手(どうやらセイヤは、その年齢にもかかわらず、夜の街で仕事をしていた人種らしかった)の家を出て、頼まれた煙草を買おうとしていたところ、突然得体の知れない二人組に襲われ、刺されたのだと言う。どこをどう逃げてきたのかもわからない、従って、それまで世話になっていた相手の家もわからない、と言う。
「ふう…」
図書館のテーブルに広げていたここ数日間の新聞を片付け、椅子の背もたれに凭れて両腕を上げ、伸びをする。新聞を丹念に読むなぞという慣れないことをしたばっかりに、両目も背骨も腰も見事に死んでいる。
それだけ読んでも、どこにもセイヤに関連しそうな記事はなかった。少年の身元を探るべく、周一郎の方でも朝倉家の情報網を動かしてくれているはずだったが、依然、何者なのかわからないらしい。
「ふ…ぐええっ!!」
と、その伸ばした両腕をがっきと掴まれ、そのまま後ろへ仰け反らせられるとともに、ぐいっと椅子の背もたれと首のあたりを前へ押されて、思わず呻いた。
「聞きたいんだが、『あれ』はお前の知り合いか?」
「み……宮……田…っ」
「答えろよ」
「く…」
「滝・志・郎・君」
「く…苦し…」
「お…そうか」
聞き慣れた声が響き、すっと腕の力が抜けた。俺は続く第二弾を食らうまいと椅子から跳ね起き、振り向きざまに、薄汚れた白衣をひらひらさせている、自称医学研究生(美少年研究生の間違いだろう)を怒鳴りつけた。
「この……諸悪の根源!!」
「ひどい言い方だな」
相手は、ほんのこれっぽっちもひどい言い方だとは思っていないような顔で、平然と続けた。
「で、『あれ』は、お前の知り合いか」
「『あれ』?」
宮田が指差した先には、薄々検討がついていた。
図書館の前には小さな広場があり、ベンチが幾つか並んでいる。午後ともなれば、大学の中でもカップル溢れる社交場となるのだが、土曜日、それも午前中となれば人も少ない。
だが、その少ない人間が何となく物欲しげに、特に、女の方は露骨な興味をあからさまに見せながら、取り巻いているベンチがあった。俺が大学に行くと言ったら、ぜひついて行きたいと言い張ったセイヤの座っているベンチで、白いシャツにジーパンという平凡な服装ながら、持って生まれた天性の輝きと言うのか、ふわふわの茶色い猫っ毛を風に遊ばせ、楽しそうに集まってきた鳩とじゃれているセイヤは、周一郎と違った意味で、人目を惹いてあまりあった。
宮田の次のことばも聞かなくてもわかった。
「写真を一枚、って言うのは断るからな」
「どうしてわかった?」
「わからいでか!」
「そうか、惜しいなー」
「勝手に惜しがってろ!」
これが、教授連に言わせると、なかなかに腕も良くて着眼点も鋭い、指折りの研究生だと言うのだから、世の中は怖い。
惜しい惜しいと言い続けている宮田を残し、俺はさっさと図書館を出た。
「セイヤ!」
「滝さん!」
声をかけると、やや細いが明るい元気な声が返ってきて、セイヤはすぐに駆け寄ってきた。周一郎を俺が呼び捨てにしているのを聞いて、自分もセイヤ君、ではなく、セイヤ、と呼んで欲しいと言ったのだ。
「調べ物、終わったの?」
満面の笑みを浮かべ、セイヤはまとわりついてくるように身を寄せてきて尋ねる。
「見つかった?」
「空振りだよ」
「そう…残念だね」
しょんぼりした顔になったが、セイヤはすぐに唇を笑ませた。俺の腕に自分の腕を絡ませてきながら、
「ねえ、滝さん、僕、お腹空いちゃった」
甘えるように俺を見上げる。
「お腹空いたって、ハンバーガーが関の山だぞ」
「うん。それでもいいから、滝さんと食べたい」
「? 俺と食って、何か面白いことがあるのか?」
「ふ…ふふっ」
セイヤは小さく含み笑いを零した。
熱は次の日には下がっていた。肩と脚の傷は大したことはなかったが、どうやら足を挫いたのが一番長引きそうで、歩くのにも僅かに右足を引きずる不安定さがあった。そのせいか、セイヤはごく気安く、俺の腕に掴まって歩くのが常になっている。走れるんだから、俺の腕は要らんだろ、と言ったが、なぜかセイヤはそれには応じなかった。
「早く、わかるといいな」
「え?」
「お前の身元だよ」
「うん………だけど、ちょっと怖いよ、どうして僕、狙われたんだろう」
セイヤは不安そうに眉をひそめた。大きな茶色の瞳が、怯えと頼りなさを一杯にして、縋るように俺を見つめる。その目には、人に保護欲を起こさせる、何か独特のものがあった。
「大丈夫だよ」
無意識に、セイヤの頭を軽く叩く。
「きっとうまく行くさ」
「うん……滝さんがそう言うなら、信じる」
セイヤは頷いて、にこりと笑った。春風に髪を嬲らせながら、思いついたように、
「ね、滝さん、キャッチボール、しようよ」
「キャッチボール? んなもん、俺はボール持ってないぞ?」
「じゃ、買って帰ろう。ハンバーガー、今度でいいから」
生き生きと目を輝かせてねだってくる。
子どもらしい遊びをしたことがなかったのか? うん、確かに、夜の世界で生きるなら、キャッチボールなんて縁がない、か。せめて一緒にいる間ぐらい、そう言う楽しみに付き合ってもいいのかもしれない。
「う……仕方、ないな」
俺はセイヤに引きずられながら、スポーツ店に入って行った。
数時間後、少年は俺の部屋のベッドで、熱っぽい寝息を立てていた。雨に濡れた服を引っぺがして見れば、信じられないぐらい色白の華奢な体つきで、下手に扱えば折れてしまいそうな細い脚と肩に、切られたような掠り傷があった。
「8度4分か……高いな」
「…滝様」
「ん?」
ドアの外から響く声に振り向く。高野だ。
「少し、お話が」
「わかった」
俺は体温計をテーブルに置き、部屋を出た。部屋の中を一瞥した高野が、ドアを閉める俺を見つめる。
「何だ?」
「いえ…ご容態は」
「熱が高いし、どうやら足も挫いているみたいだしな」
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「はい…しかし」
「しかし?」
「坊っちゃまが」
「周一郎?」
「高野」
階段の下で話し込んでいた俺達は、聞いていたかのような声に遮られた。
「坊っちゃま…」
いつの間にか、階段の上から周一郎が見下ろしている。
「構わないと言っただろう?」
「しかし、今この時に、関わりのない方を」
「いい。それで、滝さん」
周一郎はことさら高野を無視して俺に話しかけた。何か言いたげに口を開いた高野が、諦めたように一礼して姿を消す。
「…良かったのか?」
「え?」
「高野。何か言いたそうだったぞ」
「…良いんです」
一瞬、周一郎の顔を寂しそうな表情が掠めた。が、それも瞬きの間程度、すぐにいつものように冷静な瞳になって、俺を見下ろしてくる。
「あの子は如何ですか」
「ああ…熱は高いけど、なんとか眠れているみたいだし………一応、今夜一晩、付いててやるよ」
「そうですか」
ゆっくりと階段を降りてきた周一郎は、俺の側で立ち止まると、静かに部屋の方を見遣った。
「何か気になるのか?」
「……『一般人』が『冗談』で刺されるはずがありませんからね」
「…すまん」
思わず顔が熱くなった。やれやれ、こいつに迷惑をかけるまいと思った矢先にこの始末だ。きっと俺は、前世からずっと厄介事を惹きつける体質だったんだろう。
「仕方ないですね」
ふ、と小さく吐息をついて、周一郎は視線を俺に移した。珍しく優しい瞳で笑いかけてくる。
「どうせ、放って置けないんでしょう?」
「まあ…その、な」
もじもじする俺に、くすくす笑って付け加える。
「わかってますよ、あなたの性格ぐらいは」
少年の名前は、セイヤ、と言った。その他の事については、とぼけているのか、本当にわからないのか、何を聞いても「知らない」の一点張りだった。
ただ、あの雨の日、それまでセイヤが世話になっていた相手(どうやらセイヤは、その年齢にもかかわらず、夜の街で仕事をしていた人種らしかった)の家を出て、頼まれた煙草を買おうとしていたところ、突然得体の知れない二人組に襲われ、刺されたのだと言う。どこをどう逃げてきたのかもわからない、従って、それまで世話になっていた相手の家もわからない、と言う。
「ふう…」
図書館のテーブルに広げていたここ数日間の新聞を片付け、椅子の背もたれに凭れて両腕を上げ、伸びをする。新聞を丹念に読むなぞという慣れないことをしたばっかりに、両目も背骨も腰も見事に死んでいる。
それだけ読んでも、どこにもセイヤに関連しそうな記事はなかった。少年の身元を探るべく、周一郎の方でも朝倉家の情報網を動かしてくれているはずだったが、依然、何者なのかわからないらしい。
「ふ…ぐええっ!!」
と、その伸ばした両腕をがっきと掴まれ、そのまま後ろへ仰け反らせられるとともに、ぐいっと椅子の背もたれと首のあたりを前へ押されて、思わず呻いた。
「聞きたいんだが、『あれ』はお前の知り合いか?」
「み……宮……田…っ」
「答えろよ」
「く…」
「滝・志・郎・君」
「く…苦し…」
「お…そうか」
聞き慣れた声が響き、すっと腕の力が抜けた。俺は続く第二弾を食らうまいと椅子から跳ね起き、振り向きざまに、薄汚れた白衣をひらひらさせている、自称医学研究生(美少年研究生の間違いだろう)を怒鳴りつけた。
「この……諸悪の根源!!」
「ひどい言い方だな」
相手は、ほんのこれっぽっちもひどい言い方だとは思っていないような顔で、平然と続けた。
「で、『あれ』は、お前の知り合いか」
「『あれ』?」
宮田が指差した先には、薄々検討がついていた。
図書館の前には小さな広場があり、ベンチが幾つか並んでいる。午後ともなれば、大学の中でもカップル溢れる社交場となるのだが、土曜日、それも午前中となれば人も少ない。
だが、その少ない人間が何となく物欲しげに、特に、女の方は露骨な興味をあからさまに見せながら、取り巻いているベンチがあった。俺が大学に行くと言ったら、ぜひついて行きたいと言い張ったセイヤの座っているベンチで、白いシャツにジーパンという平凡な服装ながら、持って生まれた天性の輝きと言うのか、ふわふわの茶色い猫っ毛を風に遊ばせ、楽しそうに集まってきた鳩とじゃれているセイヤは、周一郎と違った意味で、人目を惹いてあまりあった。
宮田の次のことばも聞かなくてもわかった。
「写真を一枚、って言うのは断るからな」
「どうしてわかった?」
「わからいでか!」
「そうか、惜しいなー」
「勝手に惜しがってろ!」
これが、教授連に言わせると、なかなかに腕も良くて着眼点も鋭い、指折りの研究生だと言うのだから、世の中は怖い。
惜しい惜しいと言い続けている宮田を残し、俺はさっさと図書館を出た。
「セイヤ!」
「滝さん!」
声をかけると、やや細いが明るい元気な声が返ってきて、セイヤはすぐに駆け寄ってきた。周一郎を俺が呼び捨てにしているのを聞いて、自分もセイヤ君、ではなく、セイヤ、と呼んで欲しいと言ったのだ。
「調べ物、終わったの?」
満面の笑みを浮かべ、セイヤはまとわりついてくるように身を寄せてきて尋ねる。
「見つかった?」
「空振りだよ」
「そう…残念だね」
しょんぼりした顔になったが、セイヤはすぐに唇を笑ませた。俺の腕に自分の腕を絡ませてきながら、
「ねえ、滝さん、僕、お腹空いちゃった」
甘えるように俺を見上げる。
「お腹空いたって、ハンバーガーが関の山だぞ」
「うん。それでもいいから、滝さんと食べたい」
「? 俺と食って、何か面白いことがあるのか?」
「ふ…ふふっ」
セイヤは小さく含み笑いを零した。
熱は次の日には下がっていた。肩と脚の傷は大したことはなかったが、どうやら足を挫いたのが一番長引きそうで、歩くのにも僅かに右足を引きずる不安定さがあった。そのせいか、セイヤはごく気安く、俺の腕に掴まって歩くのが常になっている。走れるんだから、俺の腕は要らんだろ、と言ったが、なぜかセイヤはそれには応じなかった。
「早く、わかるといいな」
「え?」
「お前の身元だよ」
「うん………だけど、ちょっと怖いよ、どうして僕、狙われたんだろう」
セイヤは不安そうに眉をひそめた。大きな茶色の瞳が、怯えと頼りなさを一杯にして、縋るように俺を見つめる。その目には、人に保護欲を起こさせる、何か独特のものがあった。
「大丈夫だよ」
無意識に、セイヤの頭を軽く叩く。
「きっとうまく行くさ」
「うん……滝さんがそう言うなら、信じる」
セイヤは頷いて、にこりと笑った。春風に髪を嬲らせながら、思いついたように、
「ね、滝さん、キャッチボール、しようよ」
「キャッチボール? んなもん、俺はボール持ってないぞ?」
「じゃ、買って帰ろう。ハンバーガー、今度でいいから」
生き生きと目を輝かせてねだってくる。
子どもらしい遊びをしたことがなかったのか? うん、確かに、夜の世界で生きるなら、キャッチボールなんて縁がない、か。せめて一緒にいる間ぐらい、そう言う楽しみに付き合ってもいいのかもしれない。
「う……仕方、ないな」
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