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第1章 『竜は街に居る』
7.どおおん「これ、本当のことなの?」(3)
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「いいの?」
「いいよ」
「…分かった」
小さな吐息をついて、禄はこれ持って上がって、とレジ袋を渡してきた。中身を見る勇気がなくて、そのままベッドの頭元へ置いて、布団に潜り込んだあたりで、禄が上がってきた。
どおおん。訳の分からぬ効果音が、舜の中で鳴り響く。
腰タオル一枚。濡れた肩、濡れた髪、眼鏡を外しているから別人に見えて、けれどちらりとこちらを見下ろした顔が、見たことないほど鋭くて。
「舜?」
「……うん」
覚悟を決めて上着を脱ごうとすると、軽く手を当てられて止められる。
「全部させて。分からないから」
「う、うん」
「キスは止めとこうか、我に返ると困るから」
「うん…」
じゃあ何から始めるんだろう、そう思った舜の隣へ、するりと禄が滑り込む。そのまま背後から抱きしめてきた。腕の場所はどうしよう、足はこのままでいいのか。舜が悩むのを聞き取ったように、そっと掌が顎を掴み、晒させた首筋に唇が触れた。耳の後ろから肩へ、そうするうちにもう片方の手が股間に触れる。形をなぞって掴み上げる、慣れた仕草だ。
「ふ…」
ああそうか、と舜は気づく。いつもこうやって禄は自分を慰めてるんだ。
触られただけでは反応しなかったのが、禄の姿を重ねた途端に硬さを増した。じんわりと起き上がってくるのが恥ずかしい。しかもそれは禄の仕草を想像してだから、首に吹き付けられる息の熱さとか、探るように触れる唇のわななきとか、否応なしに禄の快感を伝えてくる。
「……『飢峡』の場面で…」
「ん……っ」
低い声とともに滑り込んできた指が胸を摘んだ。ぞくりと震えた体が信じられなくて、舜は口を開く。
「な…に……っ」
「こんな風に探られていた……」
「…あっ…」
顎から離れた指が胸を弄る。もう片方の手が容赦なくしごいてくるから、耳元で囁かれる声が甘く掠れて聞こえる。静かに上着を脱がされて、背中に吸い付かれて震えた。
「そこ……」
「気持ちいい?」
「…や……」
もっと吸って舐めて欲しい、そう言いかけた自分が信じられなくて、慌てて口を塞ぐ。その瞬間、両手で勃ち上がったものを包まれる。いつの間に下半身を脱がされていたのか記憶にない、けれども禄の指先で握り込まれて擦られて、一気に息が上がった。
「う、む、む、む…っっ……っっ…っ………」
口を押さえて必死に堪えるが耐えきれない。むしろ駆け上がってくる波に全部委ねたくて、涙がこぼれて来る。これ、本当のことなの? 本当に俺、抱かれてるの?
「舜……舜……」
「うっ……ううっ……んひっ」
おかしな声が溢れた。耳に響く禄の声が気持ちいいと伝えて来る。舜を愛撫してるだけなのに、気持ちいいって。しかも背後から擦り上げて紛れもなく強く固く主張するものが、舜の足の間に差し込まれる。
「ああ…」
思わず息を吐いた。掌から力が抜ける。
開いた足の間に禄の指が触れる。付け根の前から後ろへ、後ろから前へ。くすぐったい、うずうずする、いっそ手を早めてくれればいいのに舜のものを柔らかく触りながら、そっと探って来るから、思わず体が跳ねる。
「はっ…」
「痛い?」
「ううん……痛くない……むしろ、気持ち、いい、かも…」
自分のそこがそんな風に潤むなんて知らなかった。禄の指がゆっくり入ってゆっくり出て行く。無理強いされていない。ほんの少しずつ奥へ入って行くのが、胸を轟かせて前を張り詰めさせる。
「あ…あ……」
出そうとした声じゃない。漏れてしまった。
「ろ…く………っん、うっ」
一転して深く差し込まれた指に視界が眩んだ。犯されている、禄の指で、舜の奥が広げられて擦られて撫でられて、前後して動き始める自分の腰に体が熱くなる。
「あ、あ、あ……っ」
前に押し込めば絡んだ指に強く締められ、背後に引けば突き込まれ増やされた指に押し開かれる。舜の動きを煽るように背中をねっとり舐め上げられて声を上げた。汗が吹き出る。目が開けていられない。感覚が一つに絞り込まれて、他のことを考えられない。
イきたい、イきたい、イきたい、イきたい。
「禄……禄……禄……っ、は、あっ、あっあっ」
「…反則だよ、舜」
「は、うむっ」
仰け反って声を上げていたら、後ろから指が引き抜かれて、強く抱え込まれ、口を覆われた。
同時に強く追い上げられて弾け飛ぶ。
「んーーーっ」
最後の最後まできっちり追い込んでくれて、舜の力が抜けるまで、禄はしっかり抱きかかえてくれた。そっと離された口がむしろ寂しくて、喘ぎながら呼ぶ。
「禄……っ」
「んん…っ」
小さく答えた声が背中で響き、足の間で濡れた感触がした。
禄もイってくれたんだ。
安堵感が広がった。その舜の耳に、柔らかな響きで、
「舜…?」
「何……」
「気持ち悪く…なかった?」
「……気持ち…良かった」
「そうか……」
ほ、と背中で吐息が零れる。
どんな顔をしてるんだろう。見たくなって振り向こうとしたら、ぎゅっと抱きしめられて身動き取れなくなる。
「禄」
「うん」
「顔見たい」
「……」
「ねえ、顔見せてよ」
「…嫌だ」
少し考えて舜はねだる。
「キスしたい」
「……しないって」
「しただろ?」
「……」
「俺もしたい」
「………」
ふうう、と大きな吐息とともに足の間から濡れたものが抜かれた。ごろりと向きを変える。
「っ」
暗闇の中できらきら光る禄の瞳に出くわす。そっと両手を伸ばして、相手の顔を包んだ。びくりとした禄をゆっくり引き寄せる。目を伏せるのが名残惜しくて、呟く。
「経験だろ?」
「……」
静かに禄の目が開く。細めた瞳が獣のように輝いていて、見惚れながら唇を重ねる。
「禄…」
口、開いてよ。
「……もっと」
俺、禄の舌が欲しい。
舜を凝視したまま口を開く禄に、のしかかるように重なって貪った。
「禄……禄………禄……」
相手の瞳に溢れた笑みが体を温める。伸びた腕が舜を抱き寄せてくれる。
蕩けるようなキスを、舜は初めて味わった。
「いいよ」
「…分かった」
小さな吐息をついて、禄はこれ持って上がって、とレジ袋を渡してきた。中身を見る勇気がなくて、そのままベッドの頭元へ置いて、布団に潜り込んだあたりで、禄が上がってきた。
どおおん。訳の分からぬ効果音が、舜の中で鳴り響く。
腰タオル一枚。濡れた肩、濡れた髪、眼鏡を外しているから別人に見えて、けれどちらりとこちらを見下ろした顔が、見たことないほど鋭くて。
「舜?」
「……うん」
覚悟を決めて上着を脱ごうとすると、軽く手を当てられて止められる。
「全部させて。分からないから」
「う、うん」
「キスは止めとこうか、我に返ると困るから」
「うん…」
じゃあ何から始めるんだろう、そう思った舜の隣へ、するりと禄が滑り込む。そのまま背後から抱きしめてきた。腕の場所はどうしよう、足はこのままでいいのか。舜が悩むのを聞き取ったように、そっと掌が顎を掴み、晒させた首筋に唇が触れた。耳の後ろから肩へ、そうするうちにもう片方の手が股間に触れる。形をなぞって掴み上げる、慣れた仕草だ。
「ふ…」
ああそうか、と舜は気づく。いつもこうやって禄は自分を慰めてるんだ。
触られただけでは反応しなかったのが、禄の姿を重ねた途端に硬さを増した。じんわりと起き上がってくるのが恥ずかしい。しかもそれは禄の仕草を想像してだから、首に吹き付けられる息の熱さとか、探るように触れる唇のわななきとか、否応なしに禄の快感を伝えてくる。
「……『飢峡』の場面で…」
「ん……っ」
低い声とともに滑り込んできた指が胸を摘んだ。ぞくりと震えた体が信じられなくて、舜は口を開く。
「な…に……っ」
「こんな風に探られていた……」
「…あっ…」
顎から離れた指が胸を弄る。もう片方の手が容赦なくしごいてくるから、耳元で囁かれる声が甘く掠れて聞こえる。静かに上着を脱がされて、背中に吸い付かれて震えた。
「そこ……」
「気持ちいい?」
「…や……」
もっと吸って舐めて欲しい、そう言いかけた自分が信じられなくて、慌てて口を塞ぐ。その瞬間、両手で勃ち上がったものを包まれる。いつの間に下半身を脱がされていたのか記憶にない、けれども禄の指先で握り込まれて擦られて、一気に息が上がった。
「う、む、む、む…っっ……っっ…っ………」
口を押さえて必死に堪えるが耐えきれない。むしろ駆け上がってくる波に全部委ねたくて、涙がこぼれて来る。これ、本当のことなの? 本当に俺、抱かれてるの?
「舜……舜……」
「うっ……ううっ……んひっ」
おかしな声が溢れた。耳に響く禄の声が気持ちいいと伝えて来る。舜を愛撫してるだけなのに、気持ちいいって。しかも背後から擦り上げて紛れもなく強く固く主張するものが、舜の足の間に差し込まれる。
「ああ…」
思わず息を吐いた。掌から力が抜ける。
開いた足の間に禄の指が触れる。付け根の前から後ろへ、後ろから前へ。くすぐったい、うずうずする、いっそ手を早めてくれればいいのに舜のものを柔らかく触りながら、そっと探って来るから、思わず体が跳ねる。
「はっ…」
「痛い?」
「ううん……痛くない……むしろ、気持ち、いい、かも…」
自分のそこがそんな風に潤むなんて知らなかった。禄の指がゆっくり入ってゆっくり出て行く。無理強いされていない。ほんの少しずつ奥へ入って行くのが、胸を轟かせて前を張り詰めさせる。
「あ…あ……」
出そうとした声じゃない。漏れてしまった。
「ろ…く………っん、うっ」
一転して深く差し込まれた指に視界が眩んだ。犯されている、禄の指で、舜の奥が広げられて擦られて撫でられて、前後して動き始める自分の腰に体が熱くなる。
「あ、あ、あ……っ」
前に押し込めば絡んだ指に強く締められ、背後に引けば突き込まれ増やされた指に押し開かれる。舜の動きを煽るように背中をねっとり舐め上げられて声を上げた。汗が吹き出る。目が開けていられない。感覚が一つに絞り込まれて、他のことを考えられない。
イきたい、イきたい、イきたい、イきたい。
「禄……禄……禄……っ、は、あっ、あっあっ」
「…反則だよ、舜」
「は、うむっ」
仰け反って声を上げていたら、後ろから指が引き抜かれて、強く抱え込まれ、口を覆われた。
同時に強く追い上げられて弾け飛ぶ。
「んーーーっ」
最後の最後まできっちり追い込んでくれて、舜の力が抜けるまで、禄はしっかり抱きかかえてくれた。そっと離された口がむしろ寂しくて、喘ぎながら呼ぶ。
「禄……っ」
「んん…っ」
小さく答えた声が背中で響き、足の間で濡れた感触がした。
禄もイってくれたんだ。
安堵感が広がった。その舜の耳に、柔らかな響きで、
「舜…?」
「何……」
「気持ち悪く…なかった?」
「……気持ち…良かった」
「そうか……」
ほ、と背中で吐息が零れる。
どんな顔をしてるんだろう。見たくなって振り向こうとしたら、ぎゅっと抱きしめられて身動き取れなくなる。
「禄」
「うん」
「顔見たい」
「……」
「ねえ、顔見せてよ」
「…嫌だ」
少し考えて舜はねだる。
「キスしたい」
「……しないって」
「しただろ?」
「……」
「俺もしたい」
「………」
ふうう、と大きな吐息とともに足の間から濡れたものが抜かれた。ごろりと向きを変える。
「っ」
暗闇の中できらきら光る禄の瞳に出くわす。そっと両手を伸ばして、相手の顔を包んだ。びくりとした禄をゆっくり引き寄せる。目を伏せるのが名残惜しくて、呟く。
「経験だろ?」
「……」
静かに禄の目が開く。細めた瞳が獣のように輝いていて、見惚れながら唇を重ねる。
「禄…」
口、開いてよ。
「……もっと」
俺、禄の舌が欲しい。
舜を凝視したまま口を開く禄に、のしかかるように重なって貪った。
「禄……禄………禄……」
相手の瞳に溢れた笑みが体を温める。伸びた腕が舜を抱き寄せてくれる。
蕩けるようなキスを、舜は初めて味わった。
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