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第5章
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「伊吹さん……面倒な男に関わってるなあ」
ぼやきながら、まあ僕もだけどね、と肩を竦めて受話器を置いた瞬間、もう一度電話が鳴って取り上げる。
「はい、真崎です」
『夜分失礼しまっす、向田署の檜垣です』
おやおや千客万来だよ、と改めてソファに座り直す。
『今お時間よろしいですか』
「大丈夫です。何か」
『ちょっと忠告と警告を』
サクッと言い切った檜垣が口調を変える。
『お宅んところの、オカルト巫女さん、気をつけてやって欲しいんだ』
「オカルト巫女…? ああ、伊吹さんのことですか?」
どうやら有沢と別件らしいと察した。
『赤来の指紋が手に入ったから、数日内に奴を仕留めるけど、その前に動き出すかもしれない。洗い出してる限り、結構物騒な奴だし、オカルト巫女さん、証拠が揃わなけりゃ体を張るつもりらしいぜ。知ってたか?』
「体を張る?」
不穏な物言いに思わず有沢とのやりとりを思い出し、大輔の顔が頭に過ぎった。確かに伊吹は時々ややこしい相手を魅きつける。赤来だって、伊吹を評価し気に入っていた。
「どういうことですか」
『何でも、赤来はオカルト巫女さんの結婚を祝ってやるって誘ったらしい』
今度は本気でひやりとした。
『聞いてない?』
「まだ」
『先走るなって止めたけど、思い切り良過ぎるところがあるだろ、やりかねねえなあと』
「ああ…確かに」
伊吹はまだ赤来の指紋を警察が手に入れたことを知らないだろう。証拠を揃えるのに我が身を使えばいいと知ったら、平然と受けるだろう、一人で赤来の招待を。
「ありがとうございます、僕からも注意します」
『できるだけ早く伝えてやろうとしたんだけど、オカルト巫女さん、携帯に出ないんだよ』
「え?」
『今夜、どこかに出かけるって聞いてるかい?』
「いえ…」
『こっちはこれからもう一つ出た物証確認に出向くから、よろしく頼むぜ』
「わかりました」
不規則に乱れ出す鼓動に、電話を切るのと並行して携帯を鳴らす。
「…伊吹さん」
時計はもう24時前だ。いつもの伊吹なら数コールで出るはずだが出ない。
「っ」
座っていられなくて立ち上がる。事件のごたごたがあるから車を買い控えていたのが恨めしい。
虚しくコール音を響かせる携帯を切り、夜中でも応じてくれるタクシー会社を呼び出す。金曜の夜ですぐに応答はあったが、逆に出払っていて少し時間がかかると言われた。少しでも早く伊吹の家に駆けつけたくて、脱いだコートを掴んで玄関に向かう。有沢との会話が不吉な気配で蘇る。
「駄目だよ、伊吹さん」
僕を置いて一人で動かないで。
焦りながらドアを開けた瞬間、
「きゃ」
小さな声が響いてはっとした。
「伊吹さん?」
「…ごめんなさい、遅くから」
伊吹が驚いた顔から照れ臭そうにはにかむ。
「電話でも良かったんだけど、顔が見たくて……京介?」
「っは、ぁっ」
思わず引き寄せて抱きしめてしまった。
「良かった……」
ふいに身体中から汗が出た。冬なのに粘りつく、冷たい汗だ。
「出かけるところだったんですか?」
「うん、伊吹さんのところへ」
「私の所?」
今夜約束してましたっけ。
訝しげに伊吹が首を傾げる。
「約束してない、けどいいでしょ、僕も顔が見たかったんだし」
とにかく入って。
正直なものですぐに甘える口調になる自分を自覚しながら、京介は伊吹を部屋に引き込んだ。
「…ん…」
ちゅ、と名残惜しくキスを落とす。
「…ふ」
体の下で息を喘がせていた伊吹が目を開いた。
薄く染まった顔が可愛らしい。額ににじませた汗を舐め取る。そのまま額と耳と頬にキスして、ようやく少し落ち着いて伊吹を胸に抱え込んで横になった。
「…ああ怖かった…」
呟くと伊吹が身を捩って見上げてくる。
「今日はいじめてませんけど」
「いじめられるのは怖くないって」
上目遣いが可愛らしい。いやもう、なんでもどうでも全て可愛い。
頭を引き寄せて撫でて頬をすり寄せて、今の今まで艶めかしくうねっていた体をもう一度抱き込んで、当たってしまうけど許してもらって。
「怖い話を聞いたから」
「オカルト?」
京介がそんなものに怯えるなんて珍しいですね、と首を傾げている相手にくすくす笑う。
「そうだよ、オカルト」
「幽霊話ですか?」
「ううん、何でも見抜いて無茶するオカルト巫女さんの話」
「…檜垣さん?」
むっとして思わず唇を尖らせた。
「時々伊吹さんって凄く無神経だよね」
「はい?」
「こういう状況で他の男の名前出す?」
「こういう状況で」
「んっ」
指先でちょんと先を突かれて思わず声が出た。
「拗ねられても困ります」
「ふふっ」
ばれてた、と舌を出すと、どうしたんですか京介、と甘く聞かれる。
「止まらないみたい」
「飢え切ってるから」
伊吹の髪にキスを落として囁いた。
「僕はずっと飢えてるから」
もっともっと伊吹さんが欲しい。ずっとずっと伊吹さんが欲しい。
ちぅ、と胸に吸い付かれて眉を寄せる。微かな痛みと鋭くて強い痺れ。伊吹の唇が胸に触れて、舌が舐めて、跡を刻んでくれていて。
蕩ける。
目を閉じて息を吐いて熱を逃がす。
本当、こういうことも凄く上手くて困るんだけど。
「赤来の結婚祝い、受けるつもりだったって」
「…ちっ」
低い舌打ちにくすりと笑う。
「伊吹さん、雰囲気台無し」
瞬きして潤んで霞んだ視界を取り戻す。
「駄目だよ」
「指紋が手に入ったから?」
「危険を冒さないで」
僕を殺したいの?
尋ねた声が予想を超えて猛々しく響いた。
「もう赤来に関わらないで」
ぼやきながら、まあ僕もだけどね、と肩を竦めて受話器を置いた瞬間、もう一度電話が鳴って取り上げる。
「はい、真崎です」
『夜分失礼しまっす、向田署の檜垣です』
おやおや千客万来だよ、と改めてソファに座り直す。
『今お時間よろしいですか』
「大丈夫です。何か」
『ちょっと忠告と警告を』
サクッと言い切った檜垣が口調を変える。
『お宅んところの、オカルト巫女さん、気をつけてやって欲しいんだ』
「オカルト巫女…? ああ、伊吹さんのことですか?」
どうやら有沢と別件らしいと察した。
『赤来の指紋が手に入ったから、数日内に奴を仕留めるけど、その前に動き出すかもしれない。洗い出してる限り、結構物騒な奴だし、オカルト巫女さん、証拠が揃わなけりゃ体を張るつもりらしいぜ。知ってたか?』
「体を張る?」
不穏な物言いに思わず有沢とのやりとりを思い出し、大輔の顔が頭に過ぎった。確かに伊吹は時々ややこしい相手を魅きつける。赤来だって、伊吹を評価し気に入っていた。
「どういうことですか」
『何でも、赤来はオカルト巫女さんの結婚を祝ってやるって誘ったらしい』
今度は本気でひやりとした。
『聞いてない?』
「まだ」
『先走るなって止めたけど、思い切り良過ぎるところがあるだろ、やりかねねえなあと』
「ああ…確かに」
伊吹はまだ赤来の指紋を警察が手に入れたことを知らないだろう。証拠を揃えるのに我が身を使えばいいと知ったら、平然と受けるだろう、一人で赤来の招待を。
「ありがとうございます、僕からも注意します」
『できるだけ早く伝えてやろうとしたんだけど、オカルト巫女さん、携帯に出ないんだよ』
「え?」
『今夜、どこかに出かけるって聞いてるかい?』
「いえ…」
『こっちはこれからもう一つ出た物証確認に出向くから、よろしく頼むぜ』
「わかりました」
不規則に乱れ出す鼓動に、電話を切るのと並行して携帯を鳴らす。
「…伊吹さん」
時計はもう24時前だ。いつもの伊吹なら数コールで出るはずだが出ない。
「っ」
座っていられなくて立ち上がる。事件のごたごたがあるから車を買い控えていたのが恨めしい。
虚しくコール音を響かせる携帯を切り、夜中でも応じてくれるタクシー会社を呼び出す。金曜の夜ですぐに応答はあったが、逆に出払っていて少し時間がかかると言われた。少しでも早く伊吹の家に駆けつけたくて、脱いだコートを掴んで玄関に向かう。有沢との会話が不吉な気配で蘇る。
「駄目だよ、伊吹さん」
僕を置いて一人で動かないで。
焦りながらドアを開けた瞬間、
「きゃ」
小さな声が響いてはっとした。
「伊吹さん?」
「…ごめんなさい、遅くから」
伊吹が驚いた顔から照れ臭そうにはにかむ。
「電話でも良かったんだけど、顔が見たくて……京介?」
「っは、ぁっ」
思わず引き寄せて抱きしめてしまった。
「良かった……」
ふいに身体中から汗が出た。冬なのに粘りつく、冷たい汗だ。
「出かけるところだったんですか?」
「うん、伊吹さんのところへ」
「私の所?」
今夜約束してましたっけ。
訝しげに伊吹が首を傾げる。
「約束してない、けどいいでしょ、僕も顔が見たかったんだし」
とにかく入って。
正直なものですぐに甘える口調になる自分を自覚しながら、京介は伊吹を部屋に引き込んだ。
「…ん…」
ちゅ、と名残惜しくキスを落とす。
「…ふ」
体の下で息を喘がせていた伊吹が目を開いた。
薄く染まった顔が可愛らしい。額ににじませた汗を舐め取る。そのまま額と耳と頬にキスして、ようやく少し落ち着いて伊吹を胸に抱え込んで横になった。
「…ああ怖かった…」
呟くと伊吹が身を捩って見上げてくる。
「今日はいじめてませんけど」
「いじめられるのは怖くないって」
上目遣いが可愛らしい。いやもう、なんでもどうでも全て可愛い。
頭を引き寄せて撫でて頬をすり寄せて、今の今まで艶めかしくうねっていた体をもう一度抱き込んで、当たってしまうけど許してもらって。
「怖い話を聞いたから」
「オカルト?」
京介がそんなものに怯えるなんて珍しいですね、と首を傾げている相手にくすくす笑う。
「そうだよ、オカルト」
「幽霊話ですか?」
「ううん、何でも見抜いて無茶するオカルト巫女さんの話」
「…檜垣さん?」
むっとして思わず唇を尖らせた。
「時々伊吹さんって凄く無神経だよね」
「はい?」
「こういう状況で他の男の名前出す?」
「こういう状況で」
「んっ」
指先でちょんと先を突かれて思わず声が出た。
「拗ねられても困ります」
「ふふっ」
ばれてた、と舌を出すと、どうしたんですか京介、と甘く聞かれる。
「止まらないみたい」
「飢え切ってるから」
伊吹の髪にキスを落として囁いた。
「僕はずっと飢えてるから」
もっともっと伊吹さんが欲しい。ずっとずっと伊吹さんが欲しい。
ちぅ、と胸に吸い付かれて眉を寄せる。微かな痛みと鋭くて強い痺れ。伊吹の唇が胸に触れて、舌が舐めて、跡を刻んでくれていて。
蕩ける。
目を閉じて息を吐いて熱を逃がす。
本当、こういうことも凄く上手くて困るんだけど。
「赤来の結婚祝い、受けるつもりだったって」
「…ちっ」
低い舌打ちにくすりと笑う。
「伊吹さん、雰囲気台無し」
瞬きして潤んで霞んだ視界を取り戻す。
「駄目だよ」
「指紋が手に入ったから?」
「危険を冒さないで」
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