『京都舞扇』〜『猫たちの時間』2〜

segakiyui

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4.あっちとこっち

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「おじさーん! 廻元おじさーん!」
「おお!」
 山門を駆け込んだ京子が玄関で呼ばわると、野太い声が応じて、着古してあちこちほつれた黒い衣の坊主がのそりと出てきた。
 がっしりとした体躯、分厚い胸板、手足も太くて、山の中なら熊と間違えそうな毛深さ、つるんとした頭と対照的にごわごわ生えた髭。
 ………観光客があまり来ないのがわかるような気がする。
「京子! 珍しいなあ!」
 なんだか声で柱がひび割れそうだ。
「お客さまですえ」
「こんなところへ酔狂な」
 廻元は大きな丸い目をぎょろりとこちらへ向けたが、京子が事情を説明するのを聞き流しながらすたすたと近づいてきたかと思うと、ぐい、と周一郎の腕を掴んだ。
「え…?」
 ぎょっとする周一郎を無視して、熊坊主はこちらに向く。
「おい、そこの」
 そこの?
「お前だお前」
 ってこの場合は俺、だよな?
「は、はいっ」
 呼ばれて慌てて返事する。
「こいつの靴を脱がせてやれ」
「あ、はいはい」
 思わずしゃがみ込んだとたん、ふわりと周一郎の体が浮いた。小さな子供のように抱え上げられた足から革靴を抜くと、相手は小荷物のように周一郎を抱えてさっさと奥へ入っていく。
「おーい?」
 いきなりどこへ連れてく気だ?
「おじさん! いきなり何すんの!」
 京子が驚いて後を追うのに、俺も急いで従った。
 よほどへたっているのか、周一郎は身もがき一つする気配もない。
「すんまへん、おじさん、いつもあんな人で」
 ぱたぱたと小刻みな足音を響かせながら、京子が引きつった顔で謝った。
「ちょっとびっくりした……おじさんって親戚?」
「遠いんですけど、変わりもんで……うちの身内って変わりもんばっかりやわ」
 恥ずかしいのか怒っているのか、京子はぷんぷんしながら先へ進む。
「おじさん! どこにいはんの!」
「こっちだこっち、そっちじゃない」
「もうっ、そんなんわからへんわ!」
 からかうようにも聞こえる廻元の声に京子の怒りは高まるばかりだ。
「こっちだ」
「え、ここって、寝間やん! おじさん、何してはんのっ!」
 場所から何かを察したらしい京子が慌てた顔で飛び込んだ。同じく続いた奥の間にはいつの間に用意されていたのか、布団が一組敷かれていて、早々にそこに周一郎が放り込まれている。
「滝さん……」
 くたんと寝そべっていたのを、俺達が飛び込んだのに困惑した顔でちろりと掛け物の裾を直している廻元を見遣る。サングラスも強制的に外されたのか、額に髪を乱して眩そうな眼を晒している。見上げる顔はまだ青白く、それでも見返されてまともに視線を浴びた京子がびくりと立ち止まり、ほう、と酔ったような溜め息をついた。
「周一郎さん………男前やわぁ…」
 う。
 確かにきちんとまとめていた前髪が垂れ落ちて、白皙の美少年ってのはこういう感じだろうなという端麗さ、頼りなげに枕に頬を預けている顔がかなり艶かしい。
「なあ、格好の美童だろう。和尚のわしとで布団を挟んでというのは、いい絵にならんか」
 くつくつ笑いながら、廻元が洗面器で水を運んでくる。
「幸いここは寺だしな、色子というのも満更悪くは」
「おじさんっ!」
 京子が真っ赤になった。
「アホなことばっかし言わんといてっ!」
「ほほう、『意味』がわかっておるのか、いや、感心感心」
 廻元は豪快に笑った。
「そもそも衆道というのはな」
「お客はんに失礼やろっ、ほんまにもうっ!」
「衆道?」
 確かそれってのは、と考えかけた俺に廻元が呼びかけてきた。
「おい、どうだ、一献やらんか、相手がなくて困っていたところだ」
「あかんのっ! まだお昼やない!」
「わかったわかった、お前はどうも堅くていかん」
 わはは、と廻元は大笑いしながら立ち上がり、
「ちょいといい菓子があるぞ、一緒に茶を飲もう」
 一人で決めて俺を引きずっていこうとするのに、慌てて遮った。
「あ、俺、ちょっとこいつの様子を見てから……伺います」
「伺いますぅ? 他人行儀なやつだな」
 いや、他人だろうが。
 ついさっき会ったばかりだろうが。
「廊下を出て左の部屋におる、早く来いよ」
「はあ」
「なんだなんだ、安心しろ、まだ襲ってはおらん」
 まだ? どういう安心なんだそれは。
 思わず憮然として見返すと、廻元は体を揺すってまた一笑いし、そやからあそこの坊さんは破戒坊主やとか言われるんやないのっ、となおきりきりした京子を追い立てて部屋を出て行った。
「あれでも坊主なのか」
 仏教ってのは懐が深いな、と呆れていると、
「滝さん」
 少し掠れた声で周一郎が呼んだ。
「……大丈夫か?」
 膝をついて、覗き込む。
「参りました」
 眩そうに目を細めながら、大人びた口調で苦笑する。
「悪意のない行動だけに拒みにくくて」
「まあ、いい機会だ、少し休んどけ」
 熱があるかな、と額に手を伸ばすと周一郎は驚いた顔で目を見開いた。満面に広がった警戒、おいおい俺が何をすると思ってんだよ。動きを止めた俺に気づいてはっとしたように周一郎が謝る。
「……すみ、ません」
「……俺じゃ信用できないってわけか?」
「………そんなんじゃありません」
 どこか苛立つように眉を寄せる。
 ま、いいや、とお構いなしに周一郎の額に手を当てる。今度は確実に体を震わせて緊張した。それでもすぐに手を離さないとわかると、諦めたように眉を顰めたまま目を閉じる。
「……熱はないな……けど」
 まるで魔物の前に引き出された殉教者のような表情に、やれやれ,と溜め息をつく。せっかく布団に横になっても、そんなに緊張したままじゃ意味がないだろうに。
「ああ」
 周囲を見回し、気づいて、洗面器に水に浸されたタオルを絞り、苦しそうな相手の額と目のあたりを覆ってやる。
「眩しいだろ」
「っ…」
 より体を強張らせた周一郎が、うっすらと不安そうな眼を開けた。弱点を知られたからには攻撃を受けるに違いない、そう考えているような落ち着かなげな視線に苦笑する。
「……俺はちょっとあのぼーずと茶、呑んでくるから」
 額から手を離すまで緊張している相手が辛そうで、さっさと退散することにした。
「ゆっくり寝てろ」
 弱ってる時に、高野でもない、安心できない人間に側に侍られてちゃかえって疲れるだけなんだろう。
「調子おかしくなったら、呼べよ?」
「はい……」
 周一郎はほぅ、と微かに吐息をついて、それでも眉を緩めて力を抜いた。
 やっぱり『そんなん』じゃねえか。ほんと、とことんいじっぱりなやつ。
 肩を竦めながら、そうか俺はまだまだ安心できない範疇なのか、といささか落ち込みながら立ち上がる。
「……滝さん」
 部屋を出ていきかけたときに、掠れた声で呼び止められて振り返る。
「……ありがとう、ございました」
「……ああ」
 それが側を離れることに対してなのか、額にタオルを乗せてやったことに対してなのか、判別できないまま、俺は溜め息まじりに部屋を出た。

「ん? いやに沈んどるな?」
 まあ一杯飲め。
 いい薫りのする茶を勧めながら、廻元はふて腐れた俺の気分をすぐに読み取った。
「ほんまにすんません。おじさんが変なことするさかい」
 京子が気遣って頭を下げる。
「おいおい、わしのせいか」
「いや、違う、気にしないで下さい」
 京子には悪いが、どさりと布団に腰を落とし、また溜め息を重ねてしまった。
 そりゃな? 他人だよ、俺は。確かに何の役にも立たないよ? 
 けど一応は危ない橋も一緒に渡ったんだから、多少は気持ちを許してくれてもいいだろが。
 少なくとも、攻撃なんかしないって思ってくれてもいいだろうが。
 理不尽な愚痴だとは思ったが、ついついいじけも入ってくる。
 結局、どうこうなんてできないんだよな、いくらあいつが辛そうでも。あいつが信じてくれないかぎりは。
「京子、茶を入れ替えてくれ」
「はい」
 廻元が言い付けて京子が立ち上がり、まだ口をつけてもいない俺の茶まで下げてくれた。
「……何がしたい」
「え?」
 ぼうっとしていると、ぼそりと尋ねられて顔を上げる。
「あの坊主に何をしてやりたい」
「何をって……」
 瞬きして相手の太い眉を見つめる。
「何を……何を?」
 何をって言われてもなあ、ただ、もうちょっとその、と考えかけて、はたと気づく。
「何って何です?」
 そうだ、別に応えなくちゃいけない道理はないんだ。
 尋ね返した俺ににやりと廻元は笑った。
「ほら、それよ」
「は?」
「あいつがお前にしてることも同じだろ」
「?」
「お前にはわしの心の中はわからん。お前はわしが何者なのかもわからない。なのに、いきなりお前が何を望んでるのかと尋ねられても応えられるわけがなかろう」
「あ」
 そっか、と気づいた。
 周一郎の側に居たのはずっとあいつを傷つけるような奴ばっかりだったんだっけ。
 俺があいつの側に居ると言ったって、何年も居たわけじゃない。あいつには俺がどういう人間だかわからない。ルトを通しても、自分で接しても、俺が何を考えてるのか、俺が何をしようとしているのか、まだ本当のところはわからない。
 だからずっと警戒してる、そういうことか。
「それでも、自分を傷つけると思う相手の側にはおらんだろうさ」
 廻元は窓の外へゆっくりと目をやった。
 丸い窓の障子の向こうで、竹がゆっくりと風に揺れている。柔らかで静かな葉音が響き、部屋の中を満たしていく。さやさやと笹が触れあうその音は、波のように高くなったり低くなったりしながら、心の中まで打ち寄せてくる。揺れて波打ち、襞の隅々まで広がって、強張っているところを和らげていく。
 ふと、この音があいつの横になっている部屋にも響いているといいなと思った。
 あいつの部屋を満たし、耳を満たし、胸を満たして、竦んでいる体の底まで届くといいのに。音に揺られ慰められて、辛い夢など見ることなく、少しでもちゃんと眠れればいいのに。
 零れ落ちた涙。
 きっと誰にも知られることはない、そう思っているからこそ流せたんだろうけど、たとえば俺の前でもそんな風に辛いと泣けたら、きっとうんと楽になるだろうに。
「あれだけ深い目をしておって、あれだけ世の中を拒んでる人間が、お前のような『他人』を側に置くというのはたいしたことだぞ」
 ふいに半眼になっていた廻元がつぶやいた。
「?」
 何が言いたいのだろうと見返すと、
「なあ、おい、ここに一日一欠片だけ崩れる非常に堅い岩があるとする。他の如何なる力でも崩れぬ」
「はぁ」
 なんだ、いきなり?
「その岩は道に立ち塞がっておる。だが、その向こうには花畑があるかもしれん。清水溢れる泉があるかもしれん。豊かな森があるかもしれん。だが、岩で隠れて何も見えん」
「はあ」
 それはどきどき心理テストか何かか? 何があるか言ってみると、あなたの隠された性格がわかるとか? 将来の運勢がわかるとか? ………いやだな、それは。
「ただ、その向こうから時々風に乗って、よい薫りと美しい鳥の声と清冽な水音がする。お前はその岩を越えたい。どうする?」
 越えたいのか。
「……どうしても?」
「どうしても」
 うーむ、どうしても越えなくちゃならないのか。首をひねりつつ考える、とするとこれは結婚運とか?
「………じゃあ……待つ……かな」
 いやもっと積極的に攻めなくちゃだめだろう、と自分で突っ込みつつも、それしか思いつかずに応えた。
「ふむ。長いぞ?」
 長い。
 彼女さえできていない現状では確かに長い。
「でも、一日に一欠片は崩れるんですよね?」
 俺は想像した。岩だらけの谷。向うには楽園がある。一日一欠片、岩が崩れていく。
「いつかは全部崩れますよね?」
 人の思いはらくだを針の穴に通すとか言わなかったか?
「さあなあ」
「……わかんないのか……」
 崩れない可能性まである……ますます彼女運っぽい。
「わからん」
「……じゃあ……うーん……やっぱり待つ、かな」
 俺だけの問題じゃないし、と唸る。
「あるかどうかわからない可能性を待つのか」
「いや、そうじゃなくて」
 俺は想像の中で崩れた岩を手に取る。まだまだ岩は聳えたち、いつ崩れるかはわからない。
 けれど人の気持ちなのだ、俺にどうこうできるはずもない。
 俺にできるのは大事にして、丁寧に扱って、大切に受け取ってやることぐらい。
「えーと、その崩れた岩を、岩の根元に並べて積んでいきます」
「ほう?」
「でもって、俺もこっちで畑作ったり水確保したりして、別のところから石とか運んで……」
 地道に毎日暮らしていけば、いつか実がなり花が咲く…ってのは演歌だったか。
「で、そうやって待ちながら崩れた岩とかで少しずつ坂を作って、岩の頂上まで上ります」
 その頂上に別のやつが待ってるってのはすごくよくあるパターンだが。
 正直何度もあったパターンなんだが。
「ふむ………そして向こう側に飛びおりるのか」
 頂上。向こうが見えないんだからかなり高いはずだ。飛び降りたら絶対足ぐらい挫きそうだ。
「いや、また一欠片ずつ崩れた岩を今度は向こうに落として積んでいって………そうやって崩れてくうちにこっちの坂も低くてよくなるから、その分の岩も落として、向こうにも坂を作って」
 うんうん、いい感じだぞ。
 俺は頭の中の坂道を行ったり来たりしてみる。
 そうだよな、別のやつが居るにしても、ひょっとしたら何かの時に俺の良さが伝わるかもしれないし。
 いつかは安心して俺とつきあってくれるかもしれないし。
 俺に笑ってくれるかもしれないし。
 俺の側でも眠るかもしれないし。
 気持ちを緩めて心を預けて、一番着気に入った場所のように寄り添ってくるかもしれないし。
「で?」
「向こうにいるあいつにこっちも見てみろって言ってみます」
 ぽおんと口からそう言ってしまって、あれ、と首を傾げた。
 彼女の話だよな?
 周一郎の話じゃなかったよな?
「向こうにあいつがいるんでしたっけ? いや、これってあいつの話でしたっけ?」
「……おかしなやつだな」
 くつくつと廻元は笑った。
「何にもわかっておらんのに、肝心のところは一つも外さぬかよ」
「は?」
「なぜ飛びおりん?」
 廻元は妙に真剣な眼になった。
「え?」
「岩を越えるのだから、飛びおりれば簡単だろうが」
「や、でも」
 俺はんー、と想像の目を再び上げた。
「俺には俺の作ったものとか場所があるし」
 だって、俺の世界はこっち、だもんな?
「飛び下りたら、今度は上るのにまた大変だし、怪我するかもしれないし。向こうは楽園なんだろうけど、それでもどっちか片方しかなくなるよりは、どっちも行き来出来た方が楽しいじゃないですか」
 世界が二倍に広がるってことだ。
「ひょっとしたら向こうに珍しい花の種とかあって、それをこっちに持ってこれるかもしれないし。こっちの畑で作ったものが、向こうだともっとよく育つかもしれないし」
 うん、そっちの方が絶対楽しい。
「……境に岩があっても構わぬということか」
「えーと、そうですね、構わない、な。それに」
 俺は行き来している自分を見ながら、ふと最近中高生の頃より筋肉は衰えてきたよな、と思った。
「……やっぱり適度な坂とかあって行き来したほうが足腰衰えなくていいかなーとも」
「ぶわっはっは」
 いきなり廻元が吹き出した。
「いや、これはたまらん」
「はぁ?」
「さすが、ああいう人間にくっつくやつだ、並み大抵ではなかったな。足腰衰えなくていいか、なるほど」
 げらげら笑われてさすがにむかっとする。
「なんだよ、一体」
「………百年かかったらどうする」
「へ?」
 ぴたりと笑い止んだ相手がじっとこちらを見返す。
「その岩を越えるのに百年かかったら」
「う……や、もうそれは」
 仕方ないだろう。それだけこっちの能力がなかったってことだしなあ、とぼやくと、廻元は優しい目をした。
「一生ものだぞ?」
「……ですね……まあ、そうなったら、百二十ぐらいまで生きるように頑張るかなあ」
 そしたら、二十年ぐらいは楽しい思いができるかもしれない。
 そう言いかけたとたんに、相手がまた吹き出して俺は口を噤んだ。
「………なんなんだよ、あんたは」
「いや、すまんすまん、わはははは、ひさしぶりに面白いなあ」
「俺は面白くない……」
「……はい……お茶」
 眉を顰めたあたりで、京子がお茶を運んで戻ってきた。
「どうしやはったん? ……おじさんと仲良うならはった……?」
「おお、そうだ、意気投合したぞ!」
「え、まじ?」
 いつのまに?
 っていうか、どのあたりで?
 上機嫌で頷く廻元に目を見張ると、ふいに電話が鳴った。
 こんなボロ寺でも電話があるんだ、文明ってのは凄いなあと呆れていると、受話器を取ってやりとりしかけていた京子がふいにへたん、と座り込む。
「京子ちゃん?」
「嘘……」
「どうしたの?」
「おにいちゃんが……死んだ……?」
「えっ」
 息を呑んだ俺をのろのろと振り返った京子がからくり人形のようにことばを続ける。
「朝倉、周一郎…? その人が……おにいちゃんと関わりがあんの……?」
「え、えええっ」
 あさくら、しゅういちろうって、あのあさくら、ですかそれ。
 頭の中が一瞬にしてひらがな塗れになる。
「おい、代われ」
 厳しい顔になった廻元が京子の手から受話器をひったくった。よろよろと体を倒した京子が両手を畳について俯いていたのを、何かに呼ばれたようにゆっくりと顔を上げる。真白になった顔が俺を、やがてすうっとずれて俺の背後を見上げていく。
「………おにいちゃん…三条良紀、を御存知ですか、周一郎さん」
 掠れた声で断罪するようにそう言った。
「綾野、啓一は……?」
「周…っ?」
 慌てて振り返ると、これも京子に負けず劣らず白い顔をした周一郎が俺の後ろで立ち竦んでいた。
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