『segakiyui短編集』

segakiyui

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『夫の愛人』

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 ついに、夫の愛人の家を見つけた。
 安アパートの2階、窓には見覚えのあるトランクスと可愛いレースの下着が干してある。
 あんな下着を着ける女と一緒なんだ。そりゃ、私だって内縁の妻だけど、それでも本物の夫婦以上の結びつきだと思っていたのに。
 くらくらしながら階段を上がり、目当ての部屋の前に立つ。そっとノブを回してみると、驚いたことにドアが開いた。中から漏れてくる声は紛れもなく夫のものだ。
「あなた!」
 我慢できなくなって飛び込むと、布団から2人が跳ね起きた。
「お、お前…」
 呆然とした顔の夫より、隣に横になっていた相手を私は睨みつけた。
 美人だ。くっきりとした目鼻立ち、波打って流れている黒い髪。滑らかな肌、伸びやかな手足。
 敵わない。こんな綺麗な人だなんて。
 身体中の力が抜けて行きそうになった途端、相手の下腹部にあるはずのないものを見つけた。
 私は逆上して叫んだ。
「どうして? 俺だけを愛してるって言ったじゃないか!」

                    終わり
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